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2007.08.19

『月蝕島の魔物』読了

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月蝕島の魔物』(田中芳樹/理論社)読了。

田中芳樹お得意の冒険物。ここで言う冒険ものと言うのは、19世紀ぐらいの空想冒険小説(ゼンダ城の虜とか)のノリで、田中芳樹のこのジャンルへの偏愛が伺われる内容になっています。とは言え物語の前半は、クリミア戦争に従軍し、心の傷を負った主人公ネッドと、その明るく元気な姪メープルのユーモア溢れるやりとりに従事している。仕事の無いネッドは再就職の伝手を探してまわり、メープルの機転によって上手く大手貸本屋(この頃は本は高価なものなので、出版社と貸本屋が同じ)に就職することが出来た。そんな彼が文豪チャールズ・ディケンスの担当を代行することになる。ディケンズの屋敷を訪れたネッドとメープルは、そこで破天荒な童話作家、アンデルセンと出会う。そしてネッドとメープル、ディケンスとアンデルセンが、とある理由で月蝕島に訪れて冒険を繰り広げるのだった…。と言うわけで、こういう冒険物のあらすじを読むとわくわくしてくるような人には必読の作品と言えるでしょう(まあ、僕のことなんだけどさ)。このお話には、超能力も超人もわかり易いモンスターも出てこないし、悪役の造詣もステレオタイプで、新規で現代的な刺激を求めるものではない。もちろんこの作品はそんなものを求めてはいなくて、ユーモア溢れる個性的な主人公たちが、さまざまな危機に陥いりつつも知恵と勇気と機転で乗り越えていくと言うところにロマンがあると思うのである。予定調和でけっこうけっこう。ステレオタイプでけっこうけっこう。どきどきわくわくの物語がそこにはあるのだ。

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