『鬼切り夜鳥子(3) みちのく血煙慕情』読了
『鬼切り夜鳥子(3) みちのく血煙慕情』(桝田省治/ファミ通文庫)読了。
あ、面白い。前回感じていたお祭り気分な楽しいエンタメを基調に、夜鳥子の一人の女としての情念と彼女を中心とした人々(人ではないものもいるが…)の触れ合い、すれ違いをシリアスに描いていて、以前、ちょっと引っかかっていた(物語の表層を掬い取っているような)軽さが大分薄れているように思う。きちんと夜鳥子と求道の物語になっているのは見事だった。妖怪退治道中記の体裁をとりながらも、その過程で生まれる人々との関わり、そして夜鳥子の変化を描いているところが僕の好みだったのだが(これは純粋に個人的な嗜好なのだけど、僕は人間関係の変化を描いた小説が好きなのです)、まあそういうのを抜きにしても、夜鳥子と求道がひたすらいちゃいちゃいちゃいちゃしまくっており、ほんのりどころではないエロスも加えてなんと言うラブエロ小説かと戦慄したりもするのですが、とりあえず作者のエンタメ嗜好には頭が下がります。ご馳走様でした。
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コメント
>ご馳走様でした。
おそまつさまでした。
本というメディア、あるいはラノベというジャンルの効率的な使い方がだんだんわかってきたので、まだもう少し上手くなると思います。
ちょっとだけ期待しておいてください。
投稿: ますだしょうじ | 2007.08.07 03:45
コメントありがとうございます。
僕が言うのも何なんですが、外野の無責任な声に惑わされず、やりたいように書いていただければ読者は喜ぶのではないかと思います。
それはそれとして今後のいちゃいちゃえろえろはどこまで(以下略)。
投稿: 吉兆 | 2007.08.07 23:36
夜鳥子の4巻5巻は、娯楽の幕の内弁当(しかも大盛り)、てな感じに仕上がっています。
期待しててください。
投稿: masuda | 2008.11.22 19:43
出るのは確認していました。楽しみにしております。
投稿: 吉兆 | 2008.11.23 16:24