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2007.08.22

『扉の外(2)』読了

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扉の外(2)』(土橋真二郎/電撃文庫)読了。これまた感想を書くのを忘れていた。

ふひひ。それにしても楽しいのう。主人公が自己中心的で他人に無関心で、それでいながら奇妙に感傷的なところもあったりするのがたまらんのう。計算高くて他人を利用することにまったく躊躇いがなくて、やたらと要領がいいくせに(オール10の男だもんな…)、根本的な動機そのものが理屈になってねえあたりが少年ですなあ。前回の主人公は集団に馴染めず早々にドロップアウトしたタイプだったけど、今回はわりとこういう競争原理には強くて、上手く世渡りしそうなタイプですな。しかし、ある一つの事柄のために、そのすべての能力を使おうとするのだった…って話なんだろうなあ。駆け引き主体でありながら、痛々しくも青臭い少年少女の関係を描いているところがたまらんところであります。内容としては、上に上るか下に留まるか、と言う選択肢が生まれてきて、いろいろと話が広がってきたとような気がしますな。ルールの外へ抜け出した人たちの動向も気になるし、下に留まる正樹愛美とか。しかし、愛美ある意味賢明ですな。上を目指し続けることをあっさり諦めて、自分の手の届く領域で王様になろうとは…。たぶん、この人は自分がトップに立っていることそのものが目的なんだろうなあ、と言う気がする。勝利よりも安定、トップよりもリーダー、みたいな。それとまったく正反対の選択をしたのが蒼井典子で、彼女は可能性があるうちはひたすら空へ空へと目指すわけだ。これも一つの選択で、どこかも分からない荒野に自らを投げ込むことが出来る彼女は本当に偉大な人間だと思う。自分の知らない、新しいことを実行できる人間は、僕は無条件で尊敬します。たとえその方法がどんなものであれ、その行為を行おうとする精神は褒め称えてしかるべきものだと思う。えーと何の話だっけ?まあとにかく、いろいろと作者は思考実験を繰り返していて、その論文を読んでいる気分になるんだけど、その乾いた文章の中から滲み出てくるような情感、と言うか未成熟な感情のほころびが大変好ましいと思うのです。

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扉の外 2 (2) 作者: 土橋真二郎 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2007/05 メディア: 文庫 うーん、1巻をとても楽しんで読んだ口ですので、この2巻の出来は心配だったのですが・・・正直、予想どおりという感じでした。 ストーリー 前巻で行われた「ゲーム」に... [続きを読む]

受信: 2007.08.25 02:02

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