『バッカーノ!1705 The Ironic Light Orchestra』読了

『バッカーノ!1705 The Ironic Light Orchestra』(成田良悟/電撃文庫)読了。
アニメの出来映えはなかなかに良いものではないかと思うバッカーノ!ですが、今回は現時点のバッカーノ!本編におけるラスボス級キャラ、ヒューイと、その親友エルマーの若かりし頃のおはなし。ヒューイが世界を憎悪しながらうじうじうじとルサンチマンを募らせながら自分の内側にこもっているある日、相手の善意も悪意も正義も悪も、究極的には幸福か不幸かさえ無視して世界を笑いで満たそうとする無垢なる狂人エルマーと出会います。本編ではすっかり不気味なラスボス然としたヒューイも若い頃は世界と人間を憎む普通の少年だったとは驚きました。いろいろなものを憎みながら、そのどこかで憧憬を抱き、そのことに自分でも気がついていて、気がついていることでさらに怨念を滾らせるヒューイには親近感さえ覚えるなあ。いや、少年の頃は、誰だって世界を滅亡させようとか一度や二度は考えるじゃん?と言う話。まあヒューイの場合、それを実行に移せるだけの行動力があるだけと言う話でもある。そんな世界を変えようと本気で考える少年少女が出会って走り出すと言う話であるわけで、おおなんと、プロットだけを見てみると普通の青春ドラマじゃないですか。まあそういった世界と対峙する少年少女の話ってのは、大抵の場合敗北するのがセオリーなので、その敗北が本編のヒューイたちに繋がっているんだろうなあと思うと腑に落ちるものがありますな。彼らは敗者復活戦を延々とやっているわけ。そう考えるとちょっと切ないやつらだなー。ヒューイとエルマー。
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コメント
リクリップスからお邪魔します。
若き日のヒューイの物語、ほんとうに少しせつない話ですね。
正直身につまされます。
バッカーノ!1711―Whitesmileで一段変わったヒューイを読みましたが、この辺を知ると単なる「物語をかきまわすだけのマッドサイエンティスト」とは思えません。
ヒューイとエルマーの二人の物語がどこに行くのかが楽しみです。
投稿: あるまじろ | 2011.12.13 08:34
こんにちは。
まあ、どんな人間にも過去があって、歴史があるということでしょうね。小説だとどうしても悪人は悪行を行う装置になってしまいがちですが、そこに至るまでの人生を想像出来る厚みがあると、物語というのはもっと良いものになるのだと思います。
投稿: 吉兆 | 2011.12.13 21:33