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2007.07.21

『樹海人魚』読了

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樹海人魚』(中村九郎/ガガガ文庫)読了。

いやー相変わらずこの人は何を書いているのかわからんね。まあ人魚と呼ばれる不死身の怪物となった少女と、それを操る指揮者の少年が、さまざまな特殊能力を持つ人魚とバトル話と考えればいわゆる戦闘美少女の系譜でガンスリンガーガールなわけです。ですが、相変わらず言うこととやろうとすることとやったことがころころ変わる登場人物たちや、連想ゲームを思わせる飛躍の多い場面展開は読者の事をまったく考えていない作風は健在で、そこはまあ安心してもいいと思んだけど、ただ、前回の『アリフレロ』のときにも少し感じたことなんだけど、今回、ストーリーラインそのものはわりと分かりやすくなっているのでとっつきやすくはなっている。ただ、そこに付随するキャラクターの感情の流れが、かえって分かりにくくなっているように感じられるのか気になった。初期の中村九朗は、とりわけ感情と感覚のみに奉仕した表現を駆使し、ストーリーなどは人間の感覚の奴隷であり、世界は主観によっていかようにも変化するのだ、ときっぱりと切り捨てていたために、何をやっているのかさっぱりわからんのだが、なぜか登場人物たちが何を感じ、テンションを炸裂させているのかは理解出来ていたのだけど、今回は”おはなし”は分かるものの、主人公たちの”感覚”、言い換えれば”現実認識”がどのようなものなのかが分からなかったのが残念だった。いや、たぶん読解力と根気があれば分かるんだろうけど…。これは、かなり読み込むのにエネルギーが要るタイプの作品だと思う。僕にとってはなかなか難儀な読書でした。

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