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2007.07.01

『砂の城の殺人』読了

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砂の城の殺人』(谷原秋桜子/創元推理文庫)読了。

美波の冒険心のたくましさには読むたびに驚かされる。事件に対して気弱で怯えるばかりの美波は、一方で毎回毎回、新しい、経験も無いアルバイトに取り組む(無謀な)冒険心を持っていて、何の経験も無い美波は失敗を繰り返してへこむ。それでも何とか立ち直ってまた新しいバイトをやってまた失敗して…って修矢で無くても見てられんわ!と言うか、読むのがきつい。まー慣れない仕事なんて大抵失敗ばかりなもんだけど。慣れるほどバイトが続かないのは、この作品の構造上しょうがないところなんだけど(殺人が起こるからな)。

あー、このシリーズってひょっとしてこれで終わりか。お父さんを探しに行くにしても、すでにアルバイトによって事件に巻き込まれると言う様式美は使えなくなるし、修矢との関係も一歩進んでしまっているからいままでのようなつかず離れずのラブコメ関係も維持しにくい。そもそも、これはお父さんの存在がキーになっていて、この人が美波のところに戻ってくれば、彼女がバイトを行う必要もなくなるので、非日常的な事件に巻き込まれることも無い(まあ事件に巻き込まれるのが彼女の特性であるのならその限りではないが)。その意味では、お父さんと言うのは日常の象徴であって、日常への回帰を予感させるこの巻の終わり方は、この上なく美しいと思ったのだった。

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