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2007.07.28

『殺×愛7 -きるらぶSEVEN-』読了

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殺×愛7 -きるらぶSEVEN-』(風見周/富士見ファンタジア文庫)読了。

またなんと言う気色の悪い作品を書いているのか…と読みながら慄然としてしまった。アダムやイブが時折口にしている”神”と言うのは、ようするにこれ、神=作者および物語を喜ぶ読者そのものの事を言っているんだよな?神の気まぐれでカーテンコールが始まったと言うことは、それってつまり、残酷で救いのないメロドラマ、絶望に直面した人々が見せる希望の輝き、そういった人間ドラマそのものを”エンターテインメントとして消費しようとしている視点”そのものが神であると。ようするにトゥルーマン・ショーですな。今まで作者はクールな計算に基づいて、見事に読者の”泣きどころ”を緻密に計算しつくした展開を進めておきながら、最後の最後に「へへ、読者はこういうのを楽しんでいるんだろ?」とぶちまけてしまいました。この作者は、実は、萌えや泣かせなどと言うものは大嫌いな人なんだ、と言うことがようやく了解出来ました。いやーなんという読者への嫌がらせ…これを言いたいがためにこの物語を8冊も紡いできたというのか…と思うと本当に感心します。いや、これはとても素晴らしい作品なんじゃないかと皮肉もお世辞も抜きにして思う。ここまで”萌え”や”泣き”に立脚したセカイ系と言うものに対して、あまりにも本質的な部分(他人の不幸は蜜の味)をここまでストレートに批評してしまったライトノベルは初めて読んだよ…。もうちょっとそっちの方向でも読み解かれるべきじゃないかしら、とどこかの誰かに丸投げしてみる吉兆でした(無責任)。

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泣けるどころかキレてます・・・が、リライトの結果多少優しい内容になりました。これでも。 殺×愛7-きるらぶSEVEN (富士見ファンタジア文庫 121-10) 作者: 風見周 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 2007/06 メディア: 文庫 お薦めしてくれた皆様、申し訳ありませんで... [続きを読む]

受信: 2007.08.03 21:18

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