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2007.06.17

『ブラス城年代記Ⅰ ブラス伯爵』読了

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ブラス城年代記Ⅰ ブラス伯爵』(マイケル・ムアコック/創元推理文庫)読了。つーか、これも井辻朱美氏の翻訳なんだなー。読むまで前々気がついていなかった。

一見、ありがちなヒロイックファンタジーのふりをしてSF、と言うかスターウォーズになっているという無意味にひねくれた物語であった前シリーズと比較して、これは本当にそのまんまSF(スペースオペラとは言い難いのがポイント)になっているのがあきれるやら笑えるやら。もうムアコック先生はやりたい放題好き放題に物語をいじくり倒していて、読者の事を考えていらっしゃるのかしら。暗黒帝国との戦いを終え、平和に過ごしていたホークムーンだったが、卑劣な陰謀にその命を狙われていく。今回は平行世界とタイムスリップに巻き込まれ、ホークムーンの世界とはいささか異なる世界から召還されたブラス伯たちと出会い、その刃交えあったりしつつも冒険を繰り広げていくのだけど、その冒険の末路において、あまりにも残酷で不条理な『真実』を知ってしまうことになる。それは『現実』なのか?それともいかなる並行世界に陥ってしまったと言うのか。愛するものの”存在”そのものごと失ったホークムーンの悲嘆により、この作品は一幕を閉じることになる。登場人物たちへの容赦の無さはさすがだなあ、と思った。存在そのものが無かったことにされた相手を取り戻すことが出来るのか。あるいは自らの見ている世界そのものが真実本当の世界なのか。古典SFの領域に足をつっこんでいるけど、このまま認識論のところまで言っちゃうとイーガンにまで行ってしまうからなあ。一応、ヒロイックファンタジー的なところで落とどころをおいた…ような気がする。前に読んだ時の記憶だけど。自信ないけど。

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