『かくてアダムの死を禁ず』読了
『かくてアダムの死を禁ず』(海冬レイジ/富士見ミステリー文庫)読了。
ほとんど松竜氏のイラストが目当てで買ったようなこの作品ですが(表紙買いをしている人がここにいますよ)、正直なところやっぱり表紙買いはやめたほうが良かったと思った一作。つるつる滑りまくるギャグにはどう反応したらいいのか本気で困るんだけど、それはそれとしても胡蝶の夢的な解釈としてはツッコミが足らんと言うか単にラノベ的世界観を説明しているに過ぎないので、別に無くても良かったのでは…とか思った。まあハッタリは大事ですが。
ついでに言っておくと、どうもこの人の書くキャラクターは上手く把握出来ない…。キャラクター性が完全に記号化されていないことから生じる不安定さとでも言うものを感じてしまった。どういうことかと言うと、真面目でシリアスな顔をしていたら、いきなり2頭身のギャグキャラになってしまうギャップがあって、それが単にギャグパートだけでやっているわけではなくて、全体的にそんな印象を感じる(まあ、こっちでギャグとシリアスの線引きが出来なかっただけなんだけど)。ただギャップ萌えと言うものは、それまで積み上げたキャラクターの前提があってのものなので、突然表われた登場人物がいきなり壊れられてもついていけないなー、と言う感じ。なんか、この作品内におけるキャラの原型がつかめないんだよな。なんか文化的背景が存在するのかしらん。
ライトノベルって難しいなあ。
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