『流血女神伝 喪の女王(6)』読了
『流血女神伝 喪の女王(6)』(須賀しのぶ/コバルト文庫)読了。
流血女神伝もいよいよクライマックス!のはずなんだが…話がどんどん広がり続けていて収束する気配がまったく無い。皇帝ドミトリアスの暗殺未遂によっていよいよ屋台骨が崩れかかっているルトヴィアが、その領土を虎視眈々と狙う2大国を前に危機的状況は乗り越えられるのか!?と、もういろいろどうしようもない状態が続いている。エティカヤ、ユリ・スカナの策動もいよいよ本格的になってきて、ルトヴィアを支えようとする人々の懸命な努力があるのだけど、これはもうどうしようもないな…と言う感じが強い。そういう国家間のマクロな視点を保持しておいて、その上で流血女神の介入により、その運命を翻弄され続けるカリエの、いわばミクロな視点で物語が進んでいるところがこの作品の面白いところであるな。こうなるとこの作品の落としどころは、ミクロな視点で、カリエが女神の娘として翻弄されてきた過去をすべてひっくるめた上で、運命に対して何がしかと答えを突きつけると言う展開になるのか。しかし、現時点では国家間の謀略が中心でちっともミクロなところに話が移らないんだが…本当に一体どうやって決着を付けるのだろう…。カギはザカール人たちの扱いかな。カリエとザカール人が結びつくことで何かが起こるか…?ともあれ、あと2巻くらいらしいので、期待したい。
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