『暗闇にヤギを探して(3)』読了

『暗闇にヤギを探して(3)』(穂史賀雅也/MF文庫J)読了。
いやもうその、なんと言ったら良いものか…。これぐらい自身の感情を言語化するのに手間取った作品も珍しい。物語の流れだけ見ていると取りとめも無いとしか言いようが無いのだが(視点人物が風子になったり合人になったり落ち着かないし)、読まば読むほどに不思議な感情の高揚に包まれる。うわ、これで話を閉じてしまうのかよ!と言う驚愕、ものすごい急展開に開いた口がふさがらんと言うか、ものすごい打ち切りっぽい詰め込み方をしているんだけど、ただ、それはこの物語を大きく損なうものではないだろう。合人たちの感情、葛藤のほつれを綺麗に描ききっているところは大変に良い。まあ正直に言えばもったいねーなーというか、それぞれに決着を着けるために、これまでとは各人の葛藤へのアプローチがかなり分かりやすくなっているところがやや気になるのだが。しかしなあ、これは一体どういう話だったんだろうなあ…。それぞれが持っているモチーフ(千早先輩の食事、風子のきぐるみ)が、解決されたりされなかったり。すっきりとした答えはまったく無いながらも、しかし、在るがままのそれでいいんだと認められるようなところもあって。すっきりしないながらも爽やかと言うわけの分からない読後感に繋がっている…。もうちょっとこの作品については考えようと思う。
グダグダな感想ですな。
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コメント
ども。ネット上ではお久。
まったくもって、同感であります。
なんというか、ちゃぶ台ひっくり返したら、見事に一回転して元に戻るってカンジ?(わからん)
投稿: みしまっち@超・無職 | 2007.05.17 17:09
あら、ようやく繋がったんですか。お久しぶりですのう。
まあ正直なところびっくりでがっかりですわ。明らかに打ち切り…。もうMF文庫は信じられねえ!先は長くないな…。
投稿: 吉兆 | 2007.05.17 23:36