『ドラグネット・ミラージュ(2) 10万ドルの恋人』読了
『ドラグネット・ミラージュ(2) 10万ドルの恋人』(賀東招二/ゼータ文庫)読了。
作者名が変っていたりするのだけど、そっちにはあまりつっこまない方向で。篠房六郎のイラストが相変わらず臭いそうなおっさんが実に男臭くてウハウハですな。エルフ耳巨乳美少女なんて飾りですよたぶん。まあ戯言はおいておいて、あいかわらずエンターテインメントとしての完成度は高いですな。まー大きな物語とかは口にしたくともなくて、非常にスケールとしてはちっちゃい、と言うと語弊があるが、非常にローカルなバディもののフォーマットに留まっている。だがきっとこの作品はこれでいいのだ。
「忙しい夜」
アメリカン刑事で吸血鬼な話。いや、もう半端な感想なんていらないくらいにスタンダードなバディものですな。バディもので相方をエルフ耳巨乳美少女になっているところがまさしくイマドキ。でもラブっぽい方向には行かないところがバディものの矜持と言うものですな。ベタベタした関係のない信頼感に萌えろ!と言う話だと思います。たぶん。
「10万ドルの恋人」
素晴らしい。まったくこんなくだらないオチを、そのオチまで話を持っていく物語の運びのスムーズさがすげえよなあ。とりわけ良いのは”潜入捜査”のあれ。起承転結のすべてが徹頭徹尾くだらなくて最高だった。なんでこんなどうしようもない展開が面白いのか…。賀東招二のB級センスが炸裂している一品でありますな。
うーん、全体的に偉そうに考察する必要のない、ただ楽しめばよいという潔さに満ちた作品であります。
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