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2007.03.12

『天竺熱風録』読了

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天竺熱風録』(田中芳樹/洋伝社ノン・ノベル)読了。

中国史上最強の外交官!なのかどうかは知らないが、玄奘三蔵法師が大変な苦労をして行脚した天竺へ、生涯に三度も赴いたとされる王玄策の活躍を描いた歴史ロマンでございます。この王玄策についてはろくな史料もなくただ天竺へ三度赴むいたことがあり、時に他国の兵を率いて、数において倍する天竺軍と戦いこれを散々に打ち破ったという断片的な記録を、すべてを信じると王玄策はスーパーマンであったという結論しか出ない人ですが、そこは田中芳樹の手にかかればすこぶる魅力的な陰影をまとった人物になるのでした。全体的にコミカルで明るく、ユーモアに満ちていて、物語もわずかにも停滞することなく流れるような滑らかで、つるつると読める。今回は、全編が講談調で語られていて、田中芳樹作品としては珍しい文体なんですが、以前に田中芳樹が翻訳をしていた隋唐演義でも同様の文体だったんで、そんなに違和感も感じなかったなあ。やっぱり歴史ものと講談調と言うのは非常に相性が良いようで、田中芳樹の円熟した筆致とあいまって読みやすく、大変素晴らしいエンターテインメントでした。藤田和日郎のイラストはベストマッチしていますね。

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