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2007.03.31

『世界の中心、針山さん(2)』読了

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世界の中心、針山さん(2)』(成田良悟/電撃文庫)読了。

どういうわけか戦隊ヒーローものでゾンビで幽霊な話でした。…成田良悟って本当にオンリーワンと言うか薬でもやっているんじゃないかと思うような作品を書くよな。つまり正気とは思えない。それでもなんとなくお話としてはオチがついているような気もするし、成田良悟って作家としてはさっぱり分からないけど、分からないなりになんかすげーことをやっているのかなあと思った。まあ意外とまっとうな戦隊物でヒーローもののお約束を踏まえているところと、そこからの外し方(最強の戦闘員、異次元の幽霊、人間嫌いで人情家な殺し屋とか)が相変わらず想像の斜め上っつーか、思いついても誰も実行しねえよこんなのっつか、中2病スレスレじゃねえかとかけっこう酷い事を考えたりもしつつ、それでも本当にヒーロー物や人情物として成立しているところに、成田良悟の単に勢いだけではないクレバーさを感じる…ような気がしないでもない(たぶん気のせい)。

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『私立!三十三間堂学院(5)』読了

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私立!三十三間堂学院(5)』(佐藤ケイ/電撃文庫)読了。

まー相変わらず生徒会には人の話を聞かない人たちが揃っていること。もう少しきちんと考えれば自明のことなのに、最初から色眼鏡でもってみている人たちばかりで誤解を受け続ける六道明日香が可哀想だ。”当たり前”を疑わないことの恐ろしさ、ようするにレッテルを貼ることへの無自覚な悪意の存在を完璧に無頓着な人たちなんだよな…と一方的に言うのはちょっと酷い話で、実際に無自覚の悪意に気がついていないのは、この作品の登場人物にごろごろしているわけだけど(一応メインヒロインである千住花音も相当にエゴイスティックな人間で、でもそれは別に彼女が特別と言うわけでもなく、普通な人なんだよな)、生徒会と言う役割上、損な役割を(作劇的にも現実的にも)引き受けざるをえないというところなんだろう。そういう人間の本質的な邪悪さと言うものを、萌えキャラである彼女たちに付与してしまっているところにこの作品の特異性があるんだろうな。まあその辺も作劇的な要請で書いているだけのような気もするのだけど、佐藤ケイって、本質的に人間に対して突き放して見ているよな、とか思うのだった。面白いですよこれ(適当なコメントだが嘘じゃない)。

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『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』が面白い理由は単純なんですよ

ゾンビ、銃器、血飛沫、死体、キ○ガイ、おっぱい(重要)、(これも重要)、ひざの裏(人による)など、とにかく男子(男ではない)が大好きなものが詰め込まれまくっているのがこの作品なんであり、男の子である以上(そしてオタクは大抵男の子だ)こんな作品に抵抗できるわけが無いじゃないか!ああもうたまらんなあ…。

それはそれとして、扇智史の『塔の町、あたしたちの街』を読み中。主人公たちの凄まじい共依存っぷりに正直びびった。まっとうな関係性を築けてねえなあ…余計なお世話なんだけどな。つーか、扇智史の作者自身がものすごく表に出てくるタイプの作家なんだなー、と言うことを今更思った。考えていることがそのまんま小説になっている感じ。つくづく文学系の作家だ…。ライトノベル作家としてデビューしたのは、やっぱりなにかの間違いなんじゃねえかなあ。

まあ、そういうわけで(?)今日買ったものです。
1.『Fato/ZERO(2)』 虚淵玄 ニトロプラス
2.『未来日記(3)』 えすのサカエ 角川書店
3.『医龍(13)』 乃木坂太郎 講談社
4.『酸素は鏡に映らない』 上遠野浩平 講談社

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あらかじめ失われたものたち

コードギアスにおいてもっとも最良の展開は、言うまでもなくユーフェミアが理想を語り、ルルーシュが理想を現実に置き換え、スザクが実践することであったはずなのだが、それらは一度叶えられそうになったとき、何でも無いふとしたはずみによってすべてが瓦解していったことがあまりに切ない。徹底的に”理”でもって動かしてきたこの作品が、あの瞬間のみ単なる”偶然”に支配されてしまったことは何かの意図があるのかもしれない。

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やっぱりさあ、中学生はいかんと思うのだよ

新井輝の言は典型的な詐欺師の論理だよなあ。まあ、この怪しげな論理がなくては新井輝ではないわけだが。

1.『涼宮ハルヒの分裂』 谷川流 角川スニーカー文庫
2.『彩雲国物語 青嵐にゆれる月草』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫
3.『マリア様がみてる あなたを探しに』 今野緒雪 コバルト文庫

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2007.03.30

『悪魔のミカタ 666 スコルピオン・オープニング』読了

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悪魔のミカタ666 スコルピオン・オープニング』(うえお久光/電撃文庫)読了。

悪魔のミカタの2学期編。なんつーかあっさりと魂を集めてしまった後の展開で、コウに起こった異変を軸にあらたな駆け引きが生まれています。いやーうえお久光の発想力はすごい。すごすぎて明らかに何かがおかしい。エロゲーハーレム展開をここまでクールに処理できるなんて…。遅れてきた思春期に翻弄されるコウがあまりにも中学生的妄想を繰り広げるに至っては、そのギャップから生じる笑撃度は並大抵のものではない。うえお久光がすごいのは、これをすべて計算でやっているってことなんだよな…。

後半の”彼”の決意は、実のところものすごく分かり難い上に屈折していると思う。自分の大切な存在である相手の望みを”叶えない”ことこそが最大の望みとして、相手がそれを望んでいない事を知りつつなおそれを自らの望みとして決意すると言うのは、すごく奇怪な動機に思えるのだけど、これまで続けられてきた綾に対する”彼”の曖昧な態度を見ていれば、現在の”彼”の行動に、少なくとも感情面では納得が言ってしまえるところがすごい。これもすべて計算してやっているのか?作者は。どこまでが天然で、どこからが計算なのか…。底が未だに見えん…。

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2007.03.29

集中力が落ち込んでいる様子

まあ「アマチャ・ズルチャ」は読んだけど。この作者、ちょっと田中哲弥と共通点が多いような気がした。続けて田中哲弥を読もうと思ったけど、なんか気力が続かなかったので、小林泰三の『奇憶』に浮気してた(表題作は前に読んだことがあったけど、他の2編は書き下ろしだったので、まあ元は取れているかな)。相変わらず厭な小説で素晴らしい。つるつる読めてしまった。感想については後日書く。

今日買ったものは下記の通り。
1.『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(2)』 原作:佐藤大輔 漫画:佐藤ショウジ 角川書店
2.『仮面のメイドガイ(5)』 赤衣丸歩郎 角川書店
3.『私の愛馬は凶悪です』 新井輝 ファミ通文庫
4.『塔の町、あたしたちの街』 扇智史 ファミ通文庫
5.『串刺しヘルパーさされさん(3) 呪われレジェンド』 木村航 HJ文庫
6.『月光スイッチ』 橋本紡 角川書店
7.『夜姫さま』 高橋葉介 ぶんか社

『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』は、今のところ忠実なゾンビ漫画といって良く、と言うのはゾンビと言うのは状況に過ぎず、直接的な恐怖の対象にはならず、あくまでも翻弄される人間を描写しているところに意義があるのではないかと思った。

新井輝の新刊。このタイトルはどうかと…いや、この人はそういう人だってころは分かっているんですがね…。

扇智史の待望の新刊。今度は打ち切られなければいいのだが…。

『さされさん』は完結編らしい。うーん…まだちょっと早かったような気がするけどねえ…。

橋本紡の新刊は…なんかどこかで見たことのある設定だが…。二番煎じにならなければいいのだが。

高橋葉介って本当に面白いんですよ。今更言うことでもありませんが。

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引き続き『アマチャ・ズルチャ』を読んでいる

闇鍋奉行とかもう大変だな!江戸において鍋奉行がそこまで隠然たる勢力を誇っているとは全然知らなかったよっ!みんな、これは試験に出るぜ!?メモメモ。

買ったものー。
1.『恐怖記録器』 北野勇作 角川ホラー文庫
2.『奇憶』 小林泰三 角川ホラー文庫

しかし、北野勇作は最近はホラーしか書いているのを見かけないな…。他に何か書いていたっけ?

あと小林泰三はホラーの皮を被ったハード(妄想)SF(駄目人間)小説を書いてくれる唯一無二の作家なんでヘンテコ小説を読みたい人はぜひ読んでみるがいいさ!(偉そう)

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2007.03.28

『泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部』読了

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泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部』(酒見賢一/文藝春秋)読了。

酒見賢一は縦横無尽にもほどがある!と言うことをこの作品を読んでつくづく思った。三国志に学びたいサラリーマンには何一つ役に立たないと言うことだけは間違いない、酒見賢一一流の詐欺的大法螺大風呂敷を楽しむことが出来る作品であり、一言で言って傑作である以外の言葉が出てこない。タイトルの通り諸葛孔明が主人公になっており、この諸葛孔明、常に物事を宇宙的スケールでもって考える”変態”でありおよそ凡人の思考に当てはまらない破天荒すぎる奇人になってしまっているのはともかく、酒見賢一のユーモアの発露かどうかなのかは知らないが、『三国志』や『三国志演義』等から適当にエピソードを抜き出し、面白おかしく脚色し、しかも珍説奇説をさも重大事実のように重々しく語る変幻自在活殺自在(意味不明)の語り口がありえなさすぎる。とりあえず面白ければいいのだ、と言うたった一つ(だけ)のポリシーを掲げて好き放題にやっています。しかし、一見適当極まりないエピソードの取捨選択も、実は深い哲学に則っているようにも感じるし、これがまたなかなか一筋縄いかない気もするのが酒見賢一の恐ろしいところである。実は人間と言うものの深い観察がなければこのような作品は書けないと思うのだ。たぶん。はっきり言って空前絶後と言うか酒見賢一以外に絶対書けない(書かない)三国志であるなあ。まあ要するに最高傑作級、てこった(あ、言っちゃった)。

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2007.03.27

『アマチャ・ズルチャ』を読んでいる

ヘンテコ小説極まりねえな。これを書いている人は変態に違いない。間違えた変人だ(あまり変らない)。まあとりあえず素晴らしいって言うか、僕の趣味嗜好って実はこういうアウトサイダー作品にフィットするんだなあ、と言うことを再確認出来たのは収穫であった。馴染むなあ。

1.『XBLADE(1)』 原作:イダタツヒコ 漫画:士貴智志 講談社
2.『百目の騎士 壱乃巻』 原作:小池倫太郎 漫画:村崎久都 メディアワークス
3.『ガンスリンガーガール(8)』 相田裕 メディアワークス
4.『かみちゅ!(2)』 原作:ベサムーチョ 漫画:鳴子ハナハル メディアワークス
5.『夜桜四重奏(2)』 ヤスダスズヒト 講談社

『XBLADE』がわりと面白い。士貴智志と日本刀と和風美少女ってのは良く似合うなあ。

『百目の騎士』がムチャクチャ面白い。宇宙の士官学校を舞台にした学園もののくくりに入る作品だと思うんだけど、上級生からのイジメが慣習化し、地位や序列が絶対視されている現状の中で、如何に自らの身を処していくのかという話。言葉にすると実に地味なんだけど、『何のために嫌いな相手に敬礼をしなければならないのか』とか、『横暴な小姓組(エリート)との軋轢を如何にやり過ごすのか』とか、そういういつでもついてまわるしがらみについてのやりとりがとても知的でクール。特になあなあでやり過ごせない不器用さを抱えたヒロインが格好良いなあ。

『ガンスリ』。何か新しい領域に入った感じがあるな…。

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『流血女神伝 喪の女王(5)』読了

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流血女神伝 喪の女王(5)』(須賀しのぶ/コバルト文庫)読了。

なんか話そのものは進んでいるのか後退しているのかよくわからないのだが、各国の情勢を見るに着々と”破滅”に向かって助走を続けている感じがして大変によろしい(変態ですね)。つーか、もうどうやってもドミトリアスがつーかルトヴィアが生き延びる展開は不可能っぽいな…。あまりにも反動的すぎるロイが実権を握っているのがとにかくいかん。こやつを好きにさせるといくらでも血を流すぞ…原理主義者はこえーぜ…。ユリ・スカナも狂信的国家の道を着実に歩んでいてこれまた波紋を広げていきそうだし、エティカヤの覇王は何をどうやったところで破壊と流血しかもたらしそうもないし、一体この話のどこをどうすればあと3巻で収まりがつくというのか…。まあカリエの話だけに限ればなんとかなるのかもしれないがね、と言うことで『流血女神伝』終了後はきっと『流血女神伝チルドレン』とかなんか続くに違いないと思う人は手をあげてー?はーい!きっとアフレイムがセーディラが主人公になるんですよきっと。

全然関係ないが、エディアルドつえーな…。お前、いつの間にザカール人にも勝てる超絶剣士になってんだよ。びっくりした。

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2007.03.26

『ミミズクと夜の王』読了

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ミミズクと夜の王』(紅玉いづき/電撃文庫)読了。

うおー。こりゃすげえな。ここまで純然きわまりないファンタジーロマンスを電撃文庫で書いてしまうなんて半端じゃないな。これ、作品としては児童文学で売り出しても全然問題ないくらいのレベルでライトノベルじゃあないと思うのだが、しかし、それを補って余りあるほどの普遍性があるのもすごい。ファンタジーで恋愛で貴種流離譚とか、まあ、作者も言っているように古典への深い造詣とか歴史とかなんかそういう教養なんてものを一切なくても楽しめると言う意味でこの作品は”安い”。普遍的でありがちで、それこそ過去にもいくらでも繰り返されてきたあらすじで、それこそ童話をあさればいくらでも出てくる”おはなし”であり、だからこそこの作品の持つ強度と言うのはそういうところから来ているんだろうなあ、とか思う。繰り返される黄金パターンをきちんと自家薬中にしているってことでもあるし、何よりもそういった”ありがちなお話”への愛が溢れているのがいいんだなあ。「登場人物たちはその後幸せに暮らしました。めでたしめでたし」って言葉を読むと(聞くと)涙が溢れて止まらないタイプである僕なんかにはクリティカルヒットの作品だよ。

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エマってつくづくシグルイだよな

森薫には、何か変なものが憑いているんじゃないかと思う。その、ちょっと、メイドと言うか、それを取り巻く世界を構築しようとする意思の強固なことと言ったら常人のなせる業ではないよ…。

1.『エマ(8)』 森薫 エンターブレイン
2.『魔乳秘剣帖』 山田秀樹 エンターブレイン
3.『ユーベルブラッド(5)』 塩野干支郎次 スクウェア・エニックス
4.『新本格魔法少女りすか(3)』 西尾維新 講談社ノベルス

2の『魔乳秘剣帖』。これタイトルだけ見るとキワモノっつーかエロマンガのように聞こえると思うのだけど、実際おっぱいいっぱいなマンガであることには間違いないんだけど、驚くほど時代劇フォーマットに忠実であって、要するに忍法帖のパロディとして極めて出来がよろしい。やっぱ山田秀樹はすげーな(寡作だけど)。

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2007.03.25

『扉の外』読了

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扉の外』(土橋真二郎/電撃文庫)読了。

これはとても好きなタイプの作品。作者がグルグルとした思考をそのままトレースした感じがとても良いと思う。この作品には、実は物語的に大きなねじれがあって、当初はよくある閉鎖空間におけるデスゲーム(っぽいやつ)として始まったように見えるので、否応なしにその駆け引きと極限状態のサスペンスが期待されてしまう傾向があると思うのだけど、実際にこの作品においてそれは主題ではない。おそらくはこれは撒き餌みたいなもので、独自のルールを生み出しすことで、限定空間である事を強調する意味合いでしかない。だから駆け引きにスリルが無いとか言うのは読み方の問題でしかないと思うのだ。まあそこがねじれであるわけですが。それはともかく、そもそもこの作品のタイトルがテーマのすべてを言い表していると言っても過言ではないと思うのだが、つまり、現在、自分のいる世界、環境にはもう一つそれを覆い隠すように別の世界が広がっており、そして閉ざされた世界から脱出し、扉の外に出たとしても、そこにはさらに別の世界が広がっているのだ。”扉の外”は”外”ではなく、また”扉の内”でしかない。繰り返される永遠のループである。だからラストシーンはあれ以外に無いように個人的には思う。扉の内であり扉の外であるその場所にいて、ただ正しい事は手をつないだ先あるなんて、ものすごくロマンチックな話じゃないか。

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2007.03.24

『世界平和は一家団欒のあとに』読了

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世界平和は一家団欒のあとに』(橋本和也/電撃文庫)読了。

世界の平和を守るスーパーヒーロー家族の日常的な家庭の問題を描いた作品。なぜか非日常を生きている家族だけど、それが孤独ではなく、ある集団において共有されるものであればそこに悲劇は生まれないと言うことを示していたのが田中芳樹の『創竜伝』だったけど、それを踏まえた上で、集団になればまた別の問題が出てくるんですな。その意味では『創竜伝』の亜種にして正統であると言えるように思った。超能力家族と言うアイディアに、家族であるが故の軋みを描いており、これをさらに徹底していけばなんか新しいものが見えてきそうな気もする。これはなかなかすごいものを書いてくれるかもしれない作家だぜ。

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『なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希』読了

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なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希』(樹戸英斗/電撃文庫)読了。

タイトルの印象に反して極めてまともな小説と言っていいでしょう。実はけっこう現代学園異能と言うか退魔物のテンプレートに忠実ではあって、ついでに言えばお互いを思う心がすれ違う青春小説の香りもあって、なかなかに意欲的と言っても良い作品かもしれない。定められた運命をぶっ壊せ!というわりと単純明快な感じも悪くないし、ずいぶん真面目につくってんなー、と言う印象。大人と子供の世界がわりとハッキリ分かたれている部分にやや単純さを感じなくもないけど、前向きに締めたラストは良いと思いました。

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最近日付が替わってからしか更新できない状況はなんとかなりませんかね?

まあガンバレや(他人事)。

ところで今は中村九朗の『アリフレロ』を読んでいるんだけど。相変わらず全然わかんねーなー。頭から先まで徹底したオレ理論で構築されていて異議を挟む余地が無い。神林長平みたいな人だなーこの人。嫌いじゃないんだけどさ。

1.『鋼の錬金術師(16)』 荒川弘 スクウェア・エニックス
2.『バガボンド(25)』 井上雄彦 集英社
3.『大久保町の決闘』 田中哲弥 ハヤカワ文庫JA

鋼の錬金術師は、それぞれの進むべき道が分かれての仕切りなおしみたいな話。国を私物化して色々もくろんでいる輩に対して、退けられたやつらを集めて反抗の狼煙をあげにいくぜー、みたいな。

『バガボンド』は、まあ面白いなあですませられる感じ。なかなか武蔵もまっすぐには成長できませんね。悟ったかと思えばまた惑い、けっこうグルグルしています。

小説家と言うものは、大なり小なり大法螺吹きの大嘘つき詐欺師なわけですが、結局のところどこまでスケールのでかい大嘘をつけるかどうかと言うところに小説家としての真価があるといえるだろう。つまり何が言いたいかと言うと田中哲弥は自分の生まれ故郷をファックし過ぎだなあ、と。

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2007.03.23

『お留守バンシー(4)』読了

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お留守バンシー(4)』(小河正岳/電撃文庫)読了。

前代未聞のお留守番ライトノベルもついに完結!…ってこれで完結かよ!何にも解決してねえっつーか、結局、お城の補修さえ終わってねえじゃねえか!?決着が着いたのって、ひょっとしてフォン・シュバルツェンとイルザリアの感情だけ?行動未満?まあこの奥ゆかしさは確かにこの作品らしいといえばらしいのだが…明らかに作者は作品を終わらせるつもりで書いてねーなー。まあいいんだけど。ただまあ、他の人たちがすっかり放置されてしまっている感がありますなあ。ドルジュ・ド・ドレーヌとか。わりにすっとぼけた良いキャラなんだけど、あまり自己主張しないまま終わってしまった…。あとブラドはどう考えてもツンデレです。どうもありがとうございました。ってか、この無責任主人が妙にいい人に見えて仕方が無い。オレの目が狂っているのだろうか…?あとさらにどうでもいいことなんだけど、これでブラドが帰って来たのに困ったアリアが居留守を使う『居留守バンシー』とかにタイトル変更になったら笑う(本当にどうでもいい)。

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何はなくとも本屋に寄ってしまう自分は真剣に病気だと思った

疲れているから早く帰りたいと本気で思っているのだが…。何故、僕の手には本があるんだ?

1.『フレイアになりたい 2 ハーデスが泣いている』 岡崎裕信 スーパーダッシュ文庫
2.『アリフレロ キス・神話・Good by』 中村九朗 スーパーダッシュ文庫

岡崎裕信の作品を一言で説明するならば「とても面白いが全然分からない」となる。

中村九朗の作品を一言で説明するならば「読みやすいとは口が裂けてもいえないが、何をやっているのか良く分かる、ような気がする」となる。

一言で済んでいないとかのツッコミは言われる前から分かっているのでやめてください。

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2007.03.22

驚きのあまりつい更新

映画『空の境界』が七部作でアニメ化ってのは一体なに?すげえ。

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2007.03.21

えーと、とりあえず時間と気力がないので

買ってきたものだけあげておきます。うーん、どうにもなんねえなあ。

1.『【新釈】走れメロス 他四編』 森見登美彦 洋伝社
2.『シグルイ(8)』 山口貴由 秋田書店
3.『覚悟のススメ(1)完全保存版』 山口貴由 秋田書店
4.『ジャイアントロボ(1)』 原作:横山光輝 脚本:今川泰宏 漫画:戸田泰成 秋田書店
5.『フルメタル・パニック!つどうメイク・マイ・デイ』 賀東招二 富士見ファンタジア文庫
6.『パラケルススの娘(6) 薔薇と小鳥たちの輪舞曲』 五代ゆう MF文庫J

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2007.03.20

『薔薇のマリアVer2―この歌よ届けとばかりに僕らは歌っていた』読了

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薔薇のマリアVer2―この歌よ届けとばかりに僕らは歌っていた』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。

すげー表紙だなこれは…。正直に言うと、見た瞬間に目を疑ったと言うことをここで述べておこう。大体「え!…誰?…まさか…マリア?(人物紹介を見る)マリアンヌ。なーんだ別人…な、わけはないよなあ…」と言う感じでした(やけに具体的だなおい)。

今回はZOOの面々が未だ現在のZOOとなる前の物語で、本編では語られない横顔が明らかになると言う手法ですな。

以下各話感想。

「賢者が愚者に捧ぐダージュ」
まさかトマトクンの一人称となるとは…。正直、トマトクンの存在は薔薇のマリア最大の謎の一つであり、そのトマトクンの内面をここで見せるとは、大胆なカードを切ってきたな…と言う印象だった。実を言うと、読み始めたときは視点人物がトマトクンであることに気がつかず、やたらと虚無的で人間性に欠けた語り手に面食らっていたのですが、ジョーカーが出てきたあたりでようやく気がついたぐらいだった。普段は大胆不敵なトマトクンの、あまりにも人間と言うには欠けたものが多すぎるその内面は、意外であると同時にひどく腑に落ちるものがあった。しかし、謎は何一つ解明されていないな…。

「月下砂海夜曲」
暗殺者としてその人間性のすべてを剥奪されていた頃のピンパーネルが、”己”を見出すまでの物語。人間が人間として扱われることの無い世界の中でただ一つの光があって、その光さえあればどんな地獄だろうと耐えられたはずだった。しかし、その光を失った時、初めて彼の人生が始まったということなのだろう。殺戮によって産声を上げた意思持つアサシンであるピンパーネルの生は呪われてあれ。それは祝福でもある。

「男が背中で歌うブルーズ」
半漁人ことカタリくんのまっすぐな純情が炸裂するお話。まったくカタリは男気溢れる切ねえ男で、まったく”男の子”なんだけどバカ野郎でありますね。でも最高な奴だぜ。

「小さな恋と裏切りのエレジー」
未だハリネズミのように生きていた頃のマリアローズ。誰も信じられなくて、それでも誰かを信じたくて、しかし、自分ひとりで生きていこうとして、周囲のすべてを拒絶して生きようとしていたマリアが、ある魔術師の下でつかの間の平和を過ごしていくと言う話。周囲を拒絶しながらも誰かを裏切り傷つけることを恐れてヴィンセントを拒絶するマリアはあまりにも悲しい。周囲に興味を示さなかったヴィンセントがマリアに惹かれたのは、そのような孤独の匂いを感じたからなのだろうが、それゆえにこそ分かれなければならなかったのだろうなあ。対照的で、似たもの同士だったのかもしれない。

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2007.03.19

北海道で暮らしてえなあ

杉が無いから。と言ったら安易に言うなと北海道出身の人に怒られた。いろいろ大変らしい。

1.『ハチワンダイバー(2)』 柴田ヨクサル 集英社
2.『ハルカ 天空の邪馬台国』 桝田省治 エンターブレイン
3.『史上最強の弟子ケンイチ(24)』 松江名俊 小学館
4.『クロスゲーム(7)』 あだち充 小学館
5.『スクールランブル(16)』 小林尽 講談社

『ハチワンダイバー』はおもしれえなあ、と言う。モノローグにも色々な使い方があるんだなあと変なところで感心してしまった。間の取り方が絶妙ですな。

2は、思わず衝動買い。いや、まったく存在に気がついていなかったもので、本屋で見かけたら、その、つい…。

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2007.03.18

『E.a.G』読了

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E.a.G』(柴村仁/電撃文庫)読了。

『お稲荷さま』で有名な柴村仁が、なんとサスペンスアクションを書いたというその一点だけでも評価をしたい。今まで築き上げてきたものを一度壊して新しいものを作ろうなんてなかなか出来るものじゃねえ。

まあそれはそれとして作品としてみてみると、やっぱりいつも通りのほのぼのさがそこかしこに残っており、”サスペンス”としてはいかがなものかと思わざるを得ないところではある。世界観的には「BLAME!」っぽいサイバーな雰囲気を漂わせながらも、”怪物”と”狩人”の設定と主人公ゴドーの”背景”が上手く噛み合っておらず、緊張感を削いでしまっているように思う。汚れた町を歩む騎士、と言うにはハードボイルドとしても、それぞれが背負った背景が弱いしね。例えば”D”たちは全然人間的な”背景”を持っていないから物語の主軸にならないし、ゴドー自身のモチベーションも曖昧で、彼が何かを隠しているのは当初から分かりきっているのを最後まで引っ張られてもなあ、と思った。

そういやこの話は誰の視点から見ているのかも良くわからんなあ。これって誰にとっての物語だったんだろう?

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『Fate/ZERO』読了

Fate/ZERO』(虚淵玄/TYPE-MOON)読了。

虚淵玄と言う作家は、もともとの資質においてシナリオライターと言うよりも小説家であるということは(僕の中では)周知の事実である。と言うのはこの作家においては”遊び”を作ることが得意ではなく、冒頭からラストに至るまで枝葉も末節も付け加えることなくありうべき物語を最短距離で疾走するテンションこそが持ち味であると考えているためだ。そこには一切の無駄はなく、いわゆるエロゲーシナリオに多く見られる”奇跡”と言うものこそを徹底して排除し、あるのは徹底した合理性に裏打ちされた冷酷なまでの視点である。そこでは人々を救うのは、それぞれが持つ意思と力のみなのだ。あとがきにも書いているけれども、虚淵玄は本当に”奇跡”と言うものが理解出来ないようで、そんなすべてを救済してくれる都合の良い存在がいるわけねーだろ、と言う毒づきとともに、そんな奇跡を誰よりも待ち望んでいる人であるようで、その意味では作者のプロファイルは衛宮切継のそれと重なっている。誰よりも世界を(物語を)愛しながら、愛する対象を不幸にしか出来ない、否、不幸にすることそのものが逆説的に愛の深さを物語っているという業なんでしょうかね。どこまで本気かはともかく、大変に難儀なタイプではあるんでしょうけど、エロゲーシナリオライターとしては奈須きのことは違った意味で異形のシナリオライターであるということが出来るでしょう。

内容については、今更何をか言わんや。とても面白かったとだけ言っておこう(手抜きですね)。

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『ストライクウィッチーズ 弐ノ巻スオムスいらん子中隊恋する』読了

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ストライクウィッチーズ 弐ノ巻スオムスいらん子中隊恋する』(ヤマグチノボル/角川スニーカー文庫)読了。

主人公の穴吹智子の成長物語とあるけれども、実質的には群像劇の体裁をとっており、主軸としての智子とその周辺にいる人たちの物語といってしまっても良いと思う。みんな良いところで格好良い台詞を言いやがるよなあ。智子の不器用一直線はやっぱりヤマグチ作品の主人公であるとも思った。まあ、あとはエロスも山盛り。ラブも山盛り。ヤマグチノボルらしいサービス精神が旺盛でございます。あと百合も大盛りで大変よろしゅうございます。

ところで異形の敵である「ネウロイ」の存在が、良く分からない怪物的な存在であることがこの作品におけるある種の楽観を支えているような気がする。戦争そのものについての葛藤をオミットしているとでも言うのかねえ。まあライトノベル的には”敵”と言うものは完全無欠にコミュニケーションが不全である相手であれば、いかに残酷無残な行為であっても読者に承認されるものだからなあ。などと言うのは我ながら無粋過ぎると思うけど、ただ、僕は”敵”の姿が見えない戦いと言うのはどこか気持ち悪いなあ、と思う。まあ逆に”敵”の姿が見えていれば良いのかというものでもないので、単に僕が戦争小説が嫌いなだけなんでしょうけれども。

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2007.03.15

『空色ヒッチハイカー』読了

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空色ヒッチハイカー』(橋本紡/新潮社)読了。

世間の事なんて何にも分かっていない少年が、旅に出るお話。すげー健全極まりない話だなこれ。文部省認定小説にしてしまってもいいくらいだ。でも教導小説にありがちな説教臭さが全然なくって、旅の過程で主人公の中に自然に積みあがっていくところがいいよなー。こういう旅ってのは、旅をするべき時があって、いい加減、無駄に年を食ってくると分かってくることがあるんだけど、主人公の彰二がこの時に旅だ出来たということそのものが実に素晴らしいことなんだなあ、とか思った。何にも分かっていないからこそ、行き先も見えない旅は未知なるものへの期待と不安があって、旅の途中で色々な出来事に出会っていくことの喜びや痛みが非常に貴重なものに思える。出来事そのものは全然劇的でもなければロマンティックなものでもないけど、少年が引かれたレールを歩くだけじゃなくて、自分の意思で、判断して、決断をすると言う行為を学んでいく、と言うか実践していく過程を描いているんだよなー。まあ、自分の人生を生きましょう、と言うものすごい陳腐な言葉に集約されるんだけど。その過程の描き方がものすごく上手いんで、読んでいてすげー爽やかな気分になれる。読書に没入し、嘘っぱちのはずの人生を追体験させられるっつーか。いやーすげえ作家だなー橋本紡。

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…疲労し過ぎ

完璧にノックダウン。カウント六ぐらいかな(まだ余裕じゃん)。

1.『神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック』 大迫純一 GA文庫
2.『ゼロ・イクステンド』 赤井紅介 スーパーダッシュ文庫

BUNBUNっておっさんキャラの造型ってあまり多くないのか?なんかマナガとレオンが同キャラのカラー違いに見える…。

なんか本屋に行くと妙に目に付くんだよなー、『ゼロ・イクステンド』。たぶん、あまり僕が面白がれる作品じゃないと思うんだけど、やたらと気になる…。なんか、中村九朗の本が出たときと同じ感覚だ…。

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2007.03.12

『天竺熱風録』読了

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天竺熱風録』(田中芳樹/洋伝社ノン・ノベル)読了。

中国史上最強の外交官!なのかどうかは知らないが、玄奘三蔵法師が大変な苦労をして行脚した天竺へ、生涯に三度も赴いたとされる王玄策の活躍を描いた歴史ロマンでございます。この王玄策についてはろくな史料もなくただ天竺へ三度赴むいたことがあり、時に他国の兵を率いて、数において倍する天竺軍と戦いこれを散々に打ち破ったという断片的な記録を、すべてを信じると王玄策はスーパーマンであったという結論しか出ない人ですが、そこは田中芳樹の手にかかればすこぶる魅力的な陰影をまとった人物になるのでした。全体的にコミカルで明るく、ユーモアに満ちていて、物語もわずかにも停滞することなく流れるような滑らかで、つるつると読める。今回は、全編が講談調で語られていて、田中芳樹作品としては珍しい文体なんですが、以前に田中芳樹が翻訳をしていた隋唐演義でも同様の文体だったんで、そんなに違和感も感じなかったなあ。やっぱり歴史ものと講談調と言うのは非常に相性が良いようで、田中芳樹の円熟した筆致とあいまって読みやすく、大変素晴らしいエンターテインメントでした。藤田和日郎のイラストはベストマッチしていますね。

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2007.03.11

忘れていた事を思い出した

今日買ったもの。

1.『神様のメモ帳』 杉井光 電撃文庫

ときどき、ある本を読んだ時に、これは自分のことが書かれている本だ、と言う感覚を覚えることがある。この瞬間、僕はこの本を読むために生きている、と言う作品。僕の深いところに”届く”もの。

これは、たぶん、そういうタイプの本だ。

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『レンズと悪魔Ⅱ 魔神跳梁』読了

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レンズと悪魔Ⅱ 魔神跳梁』(六塚光/角川スニーカー文庫)読了。

萌える(誤字ではない)バトルロワイヤルものとしては順調な仕上がりではないかと思う。主人公の悪魔使いとその相棒である魔神のと会話の軽妙さ、強大な能力を誇る敵側の魔神が迫る恐怖とそれに対する主人公の克己と、それを出し抜こうとさまざまに講じる駆け引きなど、細かい部分が真面目に作られていて好感触な作品だった。逆に言うと良く出来ている作品である以上のものではないのが、この作品の欠点であると思う。最初から最後まで作者の制御が効いているのだが、結果として作品を非常に窮屈なものにしていて、読み始めたときに感じた技巧的で良く出来ていると言う印象が覆ることは無いのだった(別にムチャクチャにしろと言っているわけではない)。別にそれが悪いというわけではないのだけど、作者の達者な技術から見ると、やや安全圏に留まり過ぎているような印象を受けてしまうのだった(勝手な言い草だけど)。

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2007.03.10

『永遠の戦士エルリック(6) スクレイリングの樹』読了

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永遠の戦士エルリック(6) スクレイリングの樹』(マイケル・ムアコック/ハヤカワ文庫SF)読了。

エルリックのインナースペースが別の異次元に繋がっていて、その異次元がまた別の人間の見る夢で…と言うわけで異様にややこしい多次元世界が組み上がっている。しかし、エルリックの”千年の夢”はかなり都合の良い設定だよなあ…これでエルリックは堂々と現代を初めとするあらゆる時代で活躍出来る、まさしくエターナルチャンピオンになっちゃったわけだ。どこのサンジェルマン伯爵だよ…て感じ。これでエルリックは別シリーズ(世界)にもひょいひょい顔を出せるキャラになっちまったんだな…。さすがムアコック先生だぜ!今までの設定を全部ひっくり返すこんなムチャクチャな後付設定を平然と付け加えちまうなんて!そこに痺れる憧れるぅ!

えーと内容については、まああれだ。年配のファンタジー作家は例外なくスピリチュアルな方向に行くという偏見を地で行くように、ネイティブアメリカン神話を再構築(=ファック)してエターナルチャンピン世界に組み込んだ作品…と言ってもそんなに間違ってはいないと思う。すでにヒロイックファンタジーからは遠く離れていているんだけど、じゃあ何なの?と言われると非常に困る類いの作品だなあ…。多元世界においては登場人物と世界観の同一性が保障されていないこともあって、今回はウーナ、エルリック、ウルリックと3人の視点人物がいるのだけど、それぞれの視点から見るとお互いの状況がそれぞれ矛盾しているのが面白かった。混乱するけど。別にそれがこの作品の欠点と言うわけではなくて、むしろ多元世界とは観測者の数だけ存在しており、まさしく夢の如き主観によるものに過ぎない、と言うことを表現しているんだろうなあ。

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生まれて初めて

池袋のジュンク堂に行ってきた。見渡す限りの本、と言うほどのスペースでは実は無いんだけど、とにかくそのレパートリーには圧倒された。本棚の背が高いのも影響しているのかもしれないけど、まわりすべて本に囲まれているような感覚を受ける。すごい空間だった…。

まあそんなんでも買う本は変らないんだけどさ。

1.『セカイのスキマ(3)』 田代裕彦 富士見ミステリー文庫
2.『かくてアダムの死を禁ず』 海冬レイジ 富士見ミステリー文庫
3.『クドー遺宝伝』 上津康義 少年画報社
4.『泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部』 酒見賢一 文藝春秋
5.『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』 深堀骨 ハヤカワJコレクション 

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2007.03.09

『曙光の誓い』読了

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曙光の誓い』(花田一三六/C★NOVELS)読了。

花田一三六の文体と言うのは、非常に簡潔でありながらも荒削りな岩を思わせる太さを感じさせる、言わば美文であると個人的には思うのだけど、この作品にはあまり上手く機能しているような気がしない。あまりにも簡潔であるために、場面場面のつながりがスムーズではなくなっているようで、非常にゴツゴツとした印象を受けてしまった。この作者はもともと長い話を書こうとするとあまりにも簡潔な文体のせいで、本来なら長編になるはずのストーリーでもあっという間に終わってしまい、長編として成り立たせるために枝葉末節を盛り込んで返って冗長にしてしまっており、物語の流れを阻害してしまうことがあると言う悪癖があるのだが、この作品はまさにその様相を呈している。これ以上付け加えるべきものが何も無いシンプルな美しさを生み出すことが出来るのに、そこに蛇足を加えてしまったり、あるいはもっと削れるはずなのに、わざと曖昧なままに残してしまっているように思えるのだ。端的に言えば、緊張感が足りないとでも言えようか。少年少女の冒険譚としては水準以上に面白いのだけども、傑作になりそうでなれない感じが勿体無いとつくづく思えるのだった。

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2007.03.08

『シャギードッグ 天使の序章』読了

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シャギードッグ 天使の序章』(七尾あきら/GA文庫)読了。七尾あきらはGA文庫に拾われたのか(超失礼な表現)。

とりあえず面白かった。妖怪とサイバーパンクが大好きと言うかなり矛盾した嗜好もつ作家なだけに、達人のもつ超人的な武術と、それすらソフトウェア化されていて、直接脳にインストールすることで再現できると言うテクノロジーを両立させているところが作者らしいと思った(だって気功までテクノロジーで再現しちゃうんだぜ?)その上でいかに高性能のツールを持っていても、結局は使い手の腕に左右されるものでしかないという描写をきちんとしているところがまた素晴らしい。ライトノベル的な世界観とサイバーパンクを融合しているのだ。あとこの作品に必要なのは、やっぱり妖怪だよなあ。気功を使い、サイバーすらも生身で粉砕する超人武術家の爺さん(この人のキャラがまた良いんだ。もう夢枕獏の小説に出てきそうな妖怪ジジイ。何しろ好々爺でありながら力をみだりに使うのが大好きで、好きあらば人体を破壊したがるスケベジジイなんて最萌えキャラですよ)がいるんだら、妖怪ぐらいだしてもいいんじゃないかと思ったんだけどそれはさておき。

おはなしとしては、主要登場人物にあたる3人の関係構築のためのエピソードで、まさに序章と言うと言う感じだった。主人公たちの関係が非常に複雑怪奇になっていて、三角関係なのかBLなのか良く分からん微妙な関係がやたら面白い。いろいろと陰謀やらの分かりやすい伏線も張られているし(主人公の中にいる人格の正体はバレバレだけど…)、早く続きが読みたいです。

七尾あきらは今まで扱われ方が不遇で、シリーズをはじめてもすぐに打ち切りを食らったりしてなかなかシリーズを進められなかったけど、今回は堅実に始まった感じがあって安心感があったかな。これで次で終わったりしたら大笑いなのだが(笑えねえ)、まあ大丈夫だろう、たぶん。

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ネタがないなあ

うーんと。とりあえずコードギアスは面白いなあとか。KANONアニメのDVDを買っちゃったとか。他に何かあったかな…あ、そうだ。最近は月光のカルネヴァーレをやっていないんだけど、アンナとルナリアルートをやっちゃったらなかなか他ルートが手をつけられないなーとか。だって、この二人が不幸になりそうな気がするんだもん。どうでもいい話ですねすいません。

買ったものー。
1.『ガンパレード・マーチ 山口防衛線』 榊涼介 電撃ゲーム文庫
2.『リリアとトレイズⅤ 私の王子様(上)』 時雨沢恵一 電撃文庫
3.『撲殺天使ドクロちゃん(9)』 おかゆまさき 電撃文庫
4.『星界の断章(2)』 森岡浩之 ハヤカワ文庫JA
5.『永遠の戦士エルリック(7) 白き狼の息子』 マイケル・ムアコック ハヤカワ文庫SF

ガンパレがまだ続くとは思わなかった…。榊涼介の情熱には頭が下がります。

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2007.03.07

『夜は短し歩けよ乙女』読了

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夜は短し歩けよ乙女』(森見登見彦/角川書店)読了。

まあはっきり言って駄目駄目ですねこれ。もう何が駄目って全般的に駄目なんですが、もっとも駄目な点をあえて上げるとすると、読む前から傑作だと分かっていて、実際に読み終えた後にやっぱり傑作だった点がもっとも駄目。意外性が全然ありません。この作品が傑作ではないなんてことはありえないことなので、仕方がないといえば仕方がないのだけどね。ちなみに一番駄目なのは読み終えた後のオレ。人間として回復不可能なほどぐにゃぐにゃになっております。

なおこの作品がどれくらい傑作なのかについては、なぜか角川のHPに特集が組まれているので覗いてみるとわかるかと(ここです)。やたらと理屈っぽい先輩の妄想でヒネクレまくった純情と、超マイペースな愛に満ち溢れた黒髪の乙女のコラボレートを見よ。これをキュートと言わずしてなんと言う?

なんかこの本、とっくの昔に感想を書いているような気がしていたんだけど、まだ書いていなかったことを今頃思い出したんで、本当に今更なんだけど書いておこう。以下各話感想。

「夜は短し歩けよ乙女」
表題作であり、かつて恋愛短編集「Sweet Blue Age」にも収録されていた作品。感想も書いているので我ながら今更何を語ればよいのかと言う気がするのだが、とりあえずこの話は傑作であることには違いはありません。愛に満ちた”おともだちパンチ”を奥の手に、偽電気ブランと言う幻の酒を求めて夜の町を歩き続ける黒髪の乙女と、彼女の後姿の世界的権威である先輩がその後を追う過程で出会う不思議怪々摩訶不思議な出来事と人々が実にファンタジック。どえらいファンタジーじゃぜ、これは。

「深海魚たち」
言うまでもないことですがこの話も傑作です。古本市は良いとこ一度はおいで、と言う感じで古本市のお話です。あの喧騒と古い紙の香りに郷愁を感じつつ、先輩が求めるのは黒髪の乙女。彼女にええかっこを見せてあわよくばラブラブになりたい、否、なって見せようとあまりにも男らしすぎる決意をした先輩が求めるのは一冊の絵本であって、絵本を求めて学者や天狗や仙人や神様さえも巻き込んで(巻き込まれて)七転八倒七転び八起き。駆けずり回ってたどり着いたところにいるのは黒髪の乙女。かくして物語はあるべき人のところへ届いたのであった。

「ご都合主義者かく語りき」
言ってもしょうがないことですけどこの話は傑作です。ええ、こればかりは物理現象なのでどうしようもないんですよ。諦めてください。どれくらい傑作かと言うと偏屈王とパンツ総番長と韋駄天コタツが出てきて演劇テロと逃亡者で純情とラブのお話と言うぐらいに傑作です。いつものように彼女と言う名の城の外堀を埋める日々を送っていた先輩が相変わらずに妄想と言う名の純情をきらめかせ、黒髪の乙女は緋鯉を背負いたゆまず歩き、どこかの誰かが演ずるあまりにもご都合主義劇場の幕は開く。超キュート、グレイトにピュアなお話です。
…ふう、この作品を要約するのも大変だぜ。

「魔風邪恋風邪」
誰もが言っていることですけどこの話は傑作です。トゥー・ピュア・ピュア・ボーイアンドガールが風邪によって滅亡の危機に瀕した京都のために立ち上がる!ボーイはあっさりと風邪に倒れ熱に浮かされ偲び泣く。「ひとりある身はなんとせう!」。ガールはいつものようにたゆまず歩き、風邪の神様なんのその。風邪の神様だって彼女のキュートさには恐れを抱く。「ひとりある身はなんとせう!」。彼と彼女はそれぞれに在り、それぞれを思う。妄想と下心と熱に翻弄される先輩を残し、黒髪の乙女は本の神様からもらった潤肺露を手に事態の中心に雄雄しく挑む。「合点承知でございます」。かくしてかくして彼と彼女は、事態のクライマックスで、世界の中心で出会っちゃうのである。とんでもなく劇的で、とんでもなくバカバカしいその中で彼女は言う。「奇遇ですね」。熱に浮かされながら彼は言う。「たまたま通りかかったものだから」。ビバ!ピュアボーイ、ピュアガール!

まあ、そんな普通のおはなしです。

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『暗闇にヤギを探して(2)』読了

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暗闇にヤギを探して(2)』(穂史賀雅也/MF文庫J)読了。

物語の前半では、主人公の草加合人が”恋”をするという価値観を確立させるために、いろいろな人に恋というものを尋ねるシーンが続く。個人的にこのあたりがとても好きなところだ。ここでは、恋に関するさまざまな人のさまざまな捕らえ方が提示されていて、主人公がそれを一つ一つ汲み取り、(はっきりとは描かれないものの)自分なりに恋と言うものを定義していこうという過程がとても面白かった。曖昧なものを曖昧に出来ない主人公の特性と、曖昧にしておけない彼の誠実さを現しているとともに、人を好きになることの不可思議さ、つまりハッキリ割り切ることが出来ることもあれば(浜は恋を契約だと言う)、それが出来ないこともある(風子は恋を狙撃と言う)と言う矛盾した思想が語られており、その表現が極めてスリリングであると感じた。

ところで、新しく登場したヒロインであるまひるについては、彼女は千早先輩や風子とは違い、自身が(美)少女であることに極めて自覚的な存在として描かれている。彼女の能力は明らかに”少女”としての魅力の言い換えであって、彼女はその力によって暴君として振舞うことが出来、結果として現実を生きることを拒否されている。結果、彼女は正しい価値観を得ることが出来ず、『本当』と言うものに対する過剰な憧れと独占欲を抱いているが、実際には『本当』なんてものはこの世にはなく、あるのは彼女が本当だと思っている嘘と、嘘だと思っている嘘でしかない。彼女が本当だと思っているものは、それこそただの幻想に過ぎないということを認められないという哀れさを内包している。それはつまり風子の台詞の通り、彼女の能力によって彼女は無自覚の暴君として存在し、その力が届かないがゆえにその対象に惹かれるのだが、その対象はそもそも彼女の力が及ばないがゆえに彼女のものには決してならない。それは彼女とは無関係のものなのだ、と言うことに気がつかない幼さから生じる全能性と言っても良いもので、その意味では彼女の年齢を定めた作者は確かに意識していることなのではないか、と思いもするのであった。

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2007.03.06

自分でもよくわかっていないんだけど

このブログは一見ライトノベル感想サイトに見えるのだけど、自分では日記のつもりで書いていたりする。読了時や記述時に思考したことをつらつらと書いているだけで、別段、感想を書いているつもりは全然無いんだよなあ…。他に言い方も無いんで感想って言っているけど。

ジャンプの新連載の「サムライうさぎ」が超絶に面白かったのにはびっくりした。何がびっくりするところかって、面白さが全然少年漫画的じゃないところだよな…。ただの人情時代劇を真正面から描いて、しかも漫画として面白いなんて、一体ジャンプは何を考えているんだ!?素晴らしいとは思うものの、これ10週打ち切りとかならないだろうな…。

あとどうでも良いんですが、「魔人探偵脳噛ネウロ」でいきなり弥子が変身したのにはびっくりした。お前はどこの「うしおととら」だ(「かみちゅ」でも可)。

以下、購入したもの。
1.『キミキス(1)』 東雲太郎 白泉社
2.『ひまわり伝!』 原作:GoDo 漫画:TAGRO 白泉社
3.『鈴木先生(2)』 武富健治 双葉社

いや、まあ、東雲太郎はえろいなあ。直接的な表現を封印されてもなおこれか!…ってよりえろくなっているような気が…。

『ひまわり伝!』はアニメはまったく見ていないけど、まあTAGROだし。しかし、TAGROも普通に面白い漫画を描くようになったものですなあ…。

『鈴木先生』はやっぱすげーわ。なんだろうね、この偏執狂的な絵への拘りは…

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2007.03.04

『零式』読了

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零式』(海猫沢めろん/ハヤカワ文庫JA)読了。

なんすかこのゲロ格好良い文章は。どこにもいけない鬱屈そのものに鬱屈している少女たちの倦怠と焦燥をぶちまけてとにかくすべてをぶっ壊せと言う衝動を全肯定したグレイトにファッキンな作品。ぶち破るべき壁が本当にそのまんま壁だったり、壁は乗り越えるものじゃなくてぶち破るものだったりといろいろと超分かりやすいんですが、そんなことはどうでもいいんです、絶対。うだうだと分析をするような小説じゃあねえんですよう。とにかくクソのような世界に対峙出来るものはスピードだけであって、スピードのみが世界の拘束を振り切る力を有しているわけで、既存のすべてを振り切り未来の障害をクラッシュするためにこそスピードを求める衝動のみが必要なんですよう。まったくクソがクソを垂れ流す世界にうんざりだ!だから俺は消えるぜばーい、っつー話でもあるわけで。そうか?まあいいんだけど、内容云々は本当にそんな感じではあるんだけど、とにかくスピードを追い求めていく(追い求めざるを得ない)事情、すなわち世界のクソぶりとそこから生じる焦燥の描き方がえれーかっちょ良くて、そこから抜け出すのはまさに正義!だと思えるのは大変素晴らしいアジテート小説ですね。つまりロック。嘘ですごめん(お前、喧嘩売ってんの?)。とりあえずこの本は「クズめ!」とか「クソが!」とかいいながらゲラゲラ笑いながら読むのが正しい作法なんじゃないかと思うよ。まったくこんなファッキンな小説が出版されるなんてある意味で奇跡のような話だぜ。素晴らしい。

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頭痛が痛くてたまりません

寒気まで感じてきたので風邪かもしれないなあ。あーだりー(毎日言っているような気がする…)。

今日買ったもの。
1.『ドラグネット・ミラージュ(2) 10万ドルの恋人』 賀東招二 ゼータ文庫
2.『HR(ほーむるーむ)(1)』 長月みそか 芳文社
3.『殺×愛(6) -きるらぶSIX-』 風見周 富士見ファンタジア文庫
4.『クラスメイト』 J・さいろー コアマガジン

『ドラグネット・ミラージュ』の作者名が替わっているが、まあ、あまり深いことは追求しない方がよろしいのでしょうねえ。

あと、最近、萌え四コマ漫画が面白いような気がしてきました。うーむ、なんか自分の中で新しいジャンルが開拓されてしまった実感がある…。

『殺×愛』って、正直に言うとあんまり好きじゃないんだよなー。僕の記憶にある高校男子のどうしようもなさをそのまま世界観に反映されているところとか直視出来ないところがある。この主人公って端的に言って駄目なんだけど、いわゆる全然肯定出来ない(したくない)タイプの駄目さなんだよな…。しかし、ここまでそれが徹底されると、逆に読まずにはいられない欲求も感じる…。

J・さいろーの文章はやっぱ上手いと思うんですよ。詩的で官能的な空気があるのが好きなんですよね。まあエロ小説なんですが。

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『太陽戦士サンササン』読了

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太陽戦士サンササン』(坂照鉄平/富士見ファンタジア文庫)読了。

富士見ファンタジア大賞準入選作である今作については、非常に意外にも(といってしまうと大変失礼であろうと思うのだが)まっとうに面白かった。一見、バカ小説的なタイトルに見えて、ギャグの方向には向かわずにドシリアスな特撮ヒーロー小説になっているのには、良い意味で意表をつかれたといっていい。このあたりは現代特撮の流れなのかもしれない。

この作品、と言うより作者について僕がもっとも感心させられた点は、熱血ヒーローを主人公に据えた作品でありながら、登場人物たちの「会話」のやりとりのはある種の”上品さ”があるところである。過剰に情緒に任せることなく、意外な機知やユーモアを含めたやりとりが心地よく、作者の会話センスには驚嘆の念を禁じえない。特撮ヒーローでギャグ的な展開もありながら、ハードボイルド小説を思わせるタフな洒脱さも匂わせる、と言うのはさすがに褒めすぎだとしても、少なくともその片鱗は見受けられるように思った。格好良いなあ。ただ、咎人の設定とか、少なくとも今作ではきちんと生かされているとは思えない点もあるなど、全体的に”粗さ”はあるけれども、そんなものはさしたる瑕疵では無いと思う。新人らしいパワーに満ち溢れた作品だと思った。

たぶん、この作者は伸びると思います。

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2007.03.03

『ヘル』読了

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ヘル』(筒井康隆/文春文庫)読了。

最初の方ではわりと普通の小説っぽく始まるんだけど、後に向かえば向かうほどに文体がぐにゃぐにゃになっていって、五七五調(でいいの?)で立て板に水のごとくの凄まじい饒舌で物語(と言うか文体)の洪水に押し流される。この饒舌ぶりはマジすげえ。戯言シリーズなんて目じゃねえぜ!そも、比較対象して正しいかどうかと言うことは感じられるけれどもそれはともかく。変っているのは文体だけではなく、視点移動のやり方も一風変っていて、いわば連想ゲームのように登場してきた順番で次々に視点が連なっていくのは面白いのだけど、それがさらに物語に息継ぎどころをなくしてしまっていているように感じられた。ただしそれが弱点というわけではなく、おそらくこの小説は、息を止めて素潜りをするように読むべきものであって、一度読み始めたら一気にテンションにまかせて突っ走る必要があるのだろう。とにかくノリとテンションの高さ(だけ)は凄まじく、あとは悪夢にうなされるように脈絡の無い場面場面のつながりに酔いしれるのだった。これはつまり『地獄とは神の不在なり、だけど現代の日本には神はいません』と言う話だったんだね、と言うのを巻末を読んで思い至った(そのまんまだ)。生きるも地獄、死ぬも地獄、どうせ地獄なら踊らにゃ損々、とくらぁ!たぶんそういう話。きっと。

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2007.03.02

だりー。ひたすらにだりー。

絶賛体調不良中。睡眠不足も継続中。なんかどこもかしこもとにかく調子が悪いなあ。

買ったものは下記。漫画ばっかりです。

1.『夏のあらし!(1)』 小林尽 講談社
2.『魔人探偵脳噛ネウロ(10)』 松井優征 集英社
3.『スティール・ポール・ラン(11)』 荒木飛呂彦 集英社
4.『銀魂(17)』 空知英秋 集英社

小林尽は好き放題描いているなあ。1巻ラストになって(ようやく)この話の全体的な輪郭が見えてくるというスロースタートぶりだよ。プロローグに何ヶ月かけているんだ…だがそこがいい。

あと、最近の荒木飛呂彦には明らかに何かが憑いているよなー。おかしいって、絶対。この理屈になっていない理屈を無理矢理ごり押しで押し通して、最終的な結末がとにかく納得させられてしまう…。おかしいぜ、これ。

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