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2007.03.10

『永遠の戦士エルリック(6) スクレイリングの樹』読了

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永遠の戦士エルリック(6) スクレイリングの樹』(マイケル・ムアコック/ハヤカワ文庫SF)読了。

エルリックのインナースペースが別の異次元に繋がっていて、その異次元がまた別の人間の見る夢で…と言うわけで異様にややこしい多次元世界が組み上がっている。しかし、エルリックの”千年の夢”はかなり都合の良い設定だよなあ…これでエルリックは堂々と現代を初めとするあらゆる時代で活躍出来る、まさしくエターナルチャンピオンになっちゃったわけだ。どこのサンジェルマン伯爵だよ…て感じ。これでエルリックは別シリーズ(世界)にもひょいひょい顔を出せるキャラになっちまったんだな…。さすがムアコック先生だぜ!今までの設定を全部ひっくり返すこんなムチャクチャな後付設定を平然と付け加えちまうなんて!そこに痺れる憧れるぅ!

えーと内容については、まああれだ。年配のファンタジー作家は例外なくスピリチュアルな方向に行くという偏見を地で行くように、ネイティブアメリカン神話を再構築(=ファック)してエターナルチャンピン世界に組み込んだ作品…と言ってもそんなに間違ってはいないと思う。すでにヒロイックファンタジーからは遠く離れていているんだけど、じゃあ何なの?と言われると非常に困る類いの作品だなあ…。多元世界においては登場人物と世界観の同一性が保障されていないこともあって、今回はウーナ、エルリック、ウルリックと3人の視点人物がいるのだけど、それぞれの視点から見るとお互いの状況がそれぞれ矛盾しているのが面白かった。混乱するけど。別にそれがこの作品の欠点と言うわけではなくて、むしろ多元世界とは観測者の数だけ存在しており、まさしく夢の如き主観によるものに過ぎない、と言うことを表現しているんだろうなあ。

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