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2007.02.07

『エーデルヴァイス』をクリアした

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エーデルヴァイス edelweiss』(モフモフ)をクリアした。同梱されている前作『ファム・ファタル』も含めて、大変に素晴らしい作品でした。うん、2006年に発売されたエロゲーでは個人的にベストかな。

なお『エーデルワイス』ではないので注意されたし。

エロゲーにはここまで純然たるハードボイルド作品があったとは全然知りませんでした…。己が不明、無知傲慢をほとほと思い知った次第。ああ、確かにここまで完璧なハードボイルド作品があっては『ファントム』でさえ少年漫画テイストであると言わざるを得ませんな。真の意味で大人のためのエロゲーであると言えましょう。特筆すべきは、香気に満ちたといっても過言ではない、江戸川乱歩を思わせる流麗にして淫靡、そして気高い文章であり、その文章を補佐し相乗効果でもってその美しさを際立たせる美しい絵と音楽である(ちょっと我ながら褒めすぎなんじゃねーの?と言う気もしないではないけれど、まあこれぐらいは言ってもバチはあたるめえ)。熱が驚くほどに感じられない(下手をするとくどいとさえ言われかねないほどに)緩やかで冷たい緊張感に満ちた文体に思わず昇天。あまりにも美しい映像と音楽と言い、これは一個の”作品”として見事に完成されていますね。ちなみに『ファムファタール』は黒、『エーデルヴァイス』は白を基調にしており、物語もそれに沿ったものになっていて、ただし、黒の中の白、白の中の黒、美しい黒、醜い黒、清浄なる白、汚濁を覆い隠す白と言うように、モチーフに込められた多重するイメージからも分かるように決して一面的なものではないところもポイントか。

一面的ではないという意味では、『エーデルヴァイス』の主人公である史絵は非常に象徴的であると思う。多くの価値観の中で自らの道を選び取ろうとするいわゆる”進歩的”な女性であるように思えるが、その実、女であることを受け入れながら、女であり続けることを受け入れがたく、女であり続けられぬことに寂しさを覚え、それでもなお孤独に咲くエーデルヴァイスの如き女なのである。決して彼女は男を拒否しているわけでもなく、自分が女として求められることにも喜びを覚えながら、しかし自らの”牙”、すなわち他者を傷つけるためだけに存在し、傷つけることで糧と喜びを得る”暴力”を抱えるという矛盾。彼女を取り巻く世界に対して、ただ己の”牙”のみを持ちて抗い、噛み破ろうとするあまりに孤高にして清廉にして野蛮なる淑女である彼女の生きる姿はあまりに美しい。

格好良いとはこういうことだよなあ。

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