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2007.02.12

『GOSICK(6) 仮面舞踏会の夜』読了

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GOSICK(6) 仮面舞踏会の夜』(桜庭一樹/富士見ミステリー文庫)読了。

ジュブナイルミステリーとして完成度が高くて実に素晴らしい。今までは基本的には一弥とヴィクトリカの関係が中心に描かれてきた、つまり言ってみれば”閉じた”世界であったのに対して、今作では一弥とヴィクトリカ以外の”大人”たちの思惑や、社会的な力=権力に翻弄される人々の姿が描かれ、今回の事件ではヴィクトリカが(一応)の勝利を得たものの、おそらく将来にわたっては二人の敗北するであろう強大な力の存在を予期させる。その力と言うのは、おそらくは桜庭一樹が他所で描き続けているもの、つまりは砂糖菓子の弾丸で打ち破ろうしたものと同一のものであろう。桜庭一樹の作品の中では最長のシリーズとなった『GOSICK』において、作者とともにもっとも成長してきたであろう一弥とヴィクトリカと言う”少年”と”少女”が立ち向かうべきものは、言うなれば桜庭一樹が打ち破ろうとしてるものでもある。果たして彼ら彼女らはその何かを打ち破ることが出来るのか。それとも今までの桜庭作品のごとく無残に敗北していくのか(ただ、そもそもそれは勝敗でわけるものではなく、挑み続けることに意味があることであろうとも思う)。結末など分かるはずも無いが、ただ『GOSICK』と言う作品がついに”本気”を見せ始めたのだと感じる。あとはただ物語の行く末を見守りたいと願うばかりだ。

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