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2007.02.04

『永遠の戦士エルリック(5) 夢盗人の娘』読了

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永遠の戦士エルリック(5) 夢盗人の娘』(マイケル・ムアコック/ハヤカワ文庫FT)読了。

ヒロイックファンタジーの住人であり、直感的かつ即応的なエルリックと言う人物に対して、あくまでも現実的、現代的な常識を持っているベック伯ウルリックの視点で語られている点が非常に面白かった。読者である僕自身が感じるエルリックの行き当たりばったり加減に対しても、ウルリックの現代的な常識の点から批判的に評され、その上で解釈が加えられており、なんと言うか非常にメタ的なファンタジーになっているように思う。無論、作品としてはナチスドイツと聖杯と言うモチーフにエターナルチャンピオン世界の法と混沌の対立(法の神と敵対すると言うのは意外と珍しい)を軸に異界への冒険談、エルリックの娘の登場などファンにはたまらない物語ではあるのだが。また全体的にムアコックが今まで描いてきたファンタジーを再解釈し統合すると言う作業に取り付かれているような印象が強く、やや物語の流れが阻害されているように感じられてしまうのは欠点と言えなくも無いのだが、その部分こそが非常に面白いところだと個人的には思うのであった。

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