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2007.02.23

『ルーンの杖秘録(4) 杖の秘密』読了

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ルーンの杖秘録(4) 杖の秘密』(マイケル・ムアコック/創元推理文庫)読了。

さあ暗黒帝国との一大決戦だ!と言うわけで主要登場人物もそうでもない人も塵芥のように殺されていく様がスピーディーに描かれているのだが、あまりにスピーディーに惨殺されていくありえなさに何かが反転してほとんどギャグになっている。なんかこれどこかで読んだ読み心地だなあと思ったら、これはこの間読んだ『魔風海峡』(荒山徹)みたいな伝奇小説のノリじゃないですか。気がついたオレがびっくりだ。このシリーズはムアコック先生がエンタテインメントに特化した作品なんだけど、とにかく次から次へとガジェットを繰り出し、ありえない勢いで主人公をピンチにしていく過剰さがまんま伝奇小説なんですね。人間の命が紙くずのように軽いのも同じような印象。ムアコック先生…すごく…軽いです…(いろいろなものが)。まあ、全体的に行き当たりばったりと言うか、明らかに思いつきでお話を進めている感じがあるんですが、その行き当たりばったりさ加減にも慣れてくれば逆説的に楽しめてくると言うか伝奇と言うか。ライバルキャラの逆噴射的自滅とか、主人公の親友であるところのダヴェルクのあまりに救われない死に方とか、残酷無残な軽いノリは荒山徹にそっくりですよ!(逆だ、逆)

と言うわけで、不肖、この吉兆は、当時のムアコック先生は山田風太郎的な伝奇ファンタジー作家であるということに大悟いたしました。いやいやマジマジ。ヒロイックファンタジーの時代にこんなファンタジーをファックした作品を書いちゃうんだからムアコックは伝奇作家だって絶対(伝奇脳の持ち主の妄言)。

とてもエルリックサーガを書いている人と同じ人には思えんがな…。

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