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2007.01.28

『魔岩伝説』読了

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魔岩伝説』(荒山徹/洋伝社文庫)をいまさら読了。

とにかく博覧強記と評すべき凄まじい資料の読み込みには圧倒させられる。資料から資料への繋がり方、連想、妄想を駆使しかたが半端ではなく、奇想天外なアイディアとそれを支える土台の強度の確かさは、荒山徹を単なるアイディア一本で勝負するタイプの作家ではないことを如実に示しているように思う。

ただし、読むものを圧倒する精密かつ大胆な読み込みを全部台無しにするほどに、朝鮮妖術、忍術が最高に頭が悪すぎた。途中まではなんだか不安になるほどに真面目な歴史冒険小説だったのに、日本を脱出したあたりから話が突然おかしくなる。おいおいちょっとまてよ、何で何の説明もなく朝鮮妖術だとか耽羅(タムナ)忍法とかでてくるんだよ。しかも、妖術、忍術の存在理由については、「朝鮮だから」以上の説明がないんだぜ?伊賀、甲賀というと忍者を連想してしまうのと同じくらいの理由で荒山先生の脳内では朝鮮=魔界と言うつながりが自明であるようです。いいのかなあ…。

ただ、例によって超能力としか思えない忍法妖術が飛び交い、歴史上の登場人物が入り乱れ、出てきた登場人物はゴミのように殺されていく極めて血なまぐさい作品ではありますが、主人公の景元がわりと好感の持てる爽やか熱血漢なので非常に読みやすくなった感があります。脇を固める登場人物も、卍兵衛を初めとしてキャラが立ちまくっており、キャラクター小説としてもけっこう面白かった。ヒロインの萌え度もなかなかです。記憶喪失なんてそんなベタな…。

まあ全体的にまともと言っても良い伝奇小説なんですが(荒山徹としてはね)、正直、景元のネタバレにはコケました。まさか背中の刺青にそんな伏線が…ってんなバカな。ラストありえない展開(まさかビームが最終兵器とは…)とか、もうなんて言ったらいいのかわかりません。ま、負けた…。

良く分からないけど敗北感でいっぱいになった読後感でした。

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