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2007.01.31

2006年下半期ライトノベルサイト杯

いつの間にやら締め切りまであと一時間。いろいろ忙しくてすっかり忘れていた。と言うわけで「2006年下半期ライトノベルサイト杯」に参加してみる。
とりあえず投票は以下の通り。
僕が投票しなくても人気のありそうなのは基本的に除外しており、またライトノベルとは一概に言い切れない作品さえあるが、ライトノベル読者にオススメする境界線上の作品と言う意味で投票する。ひょっとしたら票が無効になったりするのかしらん。

・新人、新作部門の投票は以下の通り。
 
『煌夜祭』(多崎礼/C★NOVELSファンタジア)【06下期ラノベ投票/単発/4125009481】
 
あまりにもきちんと作られている職人芸的な作品。冒頭から終幕まで完璧に作者の制御が行き届いていて、いささか閉塞的とも取られかねないけど、それでも完璧に構築された美しさは誰にも否定できないものだと思う。
 
 
『ボトルネック』(米澤穂信/新潮社)【06下期ラノベ投票/単発/4103014717】

青春の挫折とSFとミステリの融合を果たした奇跡的な作品。狭義の意味での『青春ミステリ』を描いているのは、おそらくライトノベル業界では米澤穂信以外にいないと思う。そして、それに成功している例は、本格全体を見渡しても数少ない(ような気がする)。
 
 
『TOY JOY POP』(浅井ラボ/HJ文庫)【06下期ラノベ投票/単発/4894254581】

全くこれは素晴らしいジャンク小説ですね。クソッタレで生ぬるい日常を送る若者たちの、平凡たる地獄を描いている暗黒日常小説。文体、内容、キャラクターとすべてにおいてぶっ壊れたゴミの山のような小説。全く最強で最悪で最高の小説だぜひゃっほう!
 
 
『空色ヒッチハイカー』(橋本紡/新潮社)【06下期ラノベ投票/単発/4103007524】

橋本紡って、ムチャクチャ小説が上手いよなあ…。もう完璧としか言いようが無い。この主人公はこの旅をしなくてはいけなかったのだと言うことに、読者が全く疑いをさしはさむ余地が無いのが凄い。
 
 
『夜は短し歩けよ乙女』(森見登見彦/角川書店)【06下期ラノベ投票/単発/4048737449】

誰がなんと言おうと森見登身彦はライトノベル読者にも読まれるべきである。主人公であるストーカー気質の大学生眼鏡男子先輩と天然ふわふわ黒髪の乙女後輩の二人があまりにもベリーキュートであり、作品全編に満ち溢れる汗臭くも可愛らしい妄想の氾濫には一見の価値ありだ!うーんらぶりー。
 
 
・シリーズ作品部門の投票は以下の通り。
 
『マルドゥック・ヴェロシティ3』(冲方丁/ハヤカワ文庫JA)【06下期ラノベ投票/複数/4150308713】
 
まあこの作品を上げなくては2006年の下期のライトノベルは語れまい。まあはっきり言ってライトノベル読者と前作主義者をはっきり拒否したストーリーと文体ではあるんですが、冲方丁の現時点における集大成と言っても過言ではない。重苦しく未来が無いやり場の無さが生み出す底なしの暴力に、僕はどこかリリカルさを感じてしまうのだ。
 
 
『化物語(下)』(西尾維新/講談社BOX)【06下期ラノベ投票/複数/4062836076】

西尾維新はただ西尾維新であるだけで面白いのだと言うことを如実に現した作品であり、小説と言う形式をすべてうっちゃってキャラクターと言うものに特化させたこの作品は、もはやある種の事件であると言ってもいいでしょう。だってさあ、薄い、軽いと揶揄されてきた西尾維新だけど、この人が本気になるとここまで「重さが無」くなっちまうとは。軽いなんてもんじゃねえ。無いんです。何にも無いんですよこの作品は。そしてそれなのに面白いというのが異常。いやー西尾維新を僕は完全に見くびっていたわ。すまん。
 
 
『カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~』(高殿円/ファミ通文庫)【06下期ラノベ投票/複数/4757729111】

物語の快楽って言うのがこんなところで味わえるとは正直思わなかったよ。大戦前のインドにおける恋と友情と嘘と裏切りにも負けない女の子の冒険小説って言うの?あと真夜中のお茶会。そういうことです。
 
 
『ラギッド・ガール 廃園の天使 II』(飛浩隆/ハヤカワ文庫 JA)【06下期ラノベ投票/複数/4152087676】

廃園の天使シリーズはもっと多くの人に読まれてもいいと思うんですよ。淫靡で残酷で凄烈なキャラクター小説はこの世にそうそうあるもんじゃない。本当、この作品はある種の奇跡だと僕は思うよ。
 
 
『薔薇のマリア VI. BLOODLY SINGROOVE』(十文字青/角川スニーカー文庫)【06下期ラノベ投票/複数/4044710082】

この作品って、いわゆるロックっつーか、ヘビメタっつーか。なんかそういう世界に喧嘩を売っているアウトロー系の作品であって、斜に構えているくせにロマンティックなところとか、なんかね、異常に好き。
 
 
以上でした。

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2007.01.29

『精霊の守り人』『闇の守り人』読了

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精霊の守り人』『闇の守り人』(上橋菜穂子/偕成社)読了。

Production I.Gでアニメ化も決定している(スタッフは神山監督を初めとして攻殻を作った人たち) 上橋菜穂子の『精霊の守人』シリーズを読んでみたところ、香気溢れる純然たる和風ファンタジーをすっかり堪能した。方向性としては荻原規子に良く似ていて、ファンタジー的な想像力とキャラクター小説的な部分が相反することなく溶け込んでいるところが良いと思う。戦闘ヒロインと言うにはややトウが立ち過ぎタフ過ぎの感がある主人公バルサが極めてハードボイルドで格好良かった。流浪を余儀なくされる王子チャグムとの暮らしから、自らに課した罰から、少しずつ家族的な愛情を取り戻して行くというプロットなどはどこのレオンだと言う気もするなあ。

『闇の守人』に入ると、『精霊』で自らの過去と向き合う決心をしたパルサの一つの決着が描かれていて、非常に物語の王道の風格さえ漂う安定感がある。その筆運びは決して奇抜でもなければ独創的でもないと思うけど、物語と言うのは新しければ良いと言うものではなく、丁寧に、きちんと流れを紡いでくれるだけで十分に愉悦に浸れると言うことを思い起こさせてくれる。ここではないどこかの世界で、それでも普遍的な人間の物語はそれだけで喜ばしいものなのだと思う。

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2007.01.28

『魔岩伝説』読了

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魔岩伝説』(荒山徹/洋伝社文庫)をいまさら読了。

とにかく博覧強記と評すべき凄まじい資料の読み込みには圧倒させられる。資料から資料への繋がり方、連想、妄想を駆使しかたが半端ではなく、奇想天外なアイディアとそれを支える土台の強度の確かさは、荒山徹を単なるアイディア一本で勝負するタイプの作家ではないことを如実に示しているように思う。

ただし、読むものを圧倒する精密かつ大胆な読み込みを全部台無しにするほどに、朝鮮妖術、忍術が最高に頭が悪すぎた。途中まではなんだか不安になるほどに真面目な歴史冒険小説だったのに、日本を脱出したあたりから話が突然おかしくなる。おいおいちょっとまてよ、何で何の説明もなく朝鮮妖術だとか耽羅(タムナ)忍法とかでてくるんだよ。しかも、妖術、忍術の存在理由については、「朝鮮だから」以上の説明がないんだぜ?伊賀、甲賀というと忍者を連想してしまうのと同じくらいの理由で荒山先生の脳内では朝鮮=魔界と言うつながりが自明であるようです。いいのかなあ…。

ただ、例によって超能力としか思えない忍法妖術が飛び交い、歴史上の登場人物が入り乱れ、出てきた登場人物はゴミのように殺されていく極めて血なまぐさい作品ではありますが、主人公の景元がわりと好感の持てる爽やか熱血漢なので非常に読みやすくなった感があります。脇を固める登場人物も、卍兵衛を初めとしてキャラが立ちまくっており、キャラクター小説としてもけっこう面白かった。ヒロインの萌え度もなかなかです。記憶喪失なんてそんなベタな…。

まあ全体的にまともと言っても良い伝奇小説なんですが(荒山徹としてはね)、正直、景元のネタバレにはコケました。まさか背中の刺青にそんな伏線が…ってんなバカな。ラストありえない展開(まさかビームが最終兵器とは…)とか、もうなんて言ったらいいのかわかりません。ま、負けた…。

良く分からないけど敗北感でいっぱいになった読後感でした。

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2007.01.27

『ティンカー』読了

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ティンカー』(ウェン・スペンサー/ハヤカワ文庫SF)読了。

読んだことは無いんだけど、これはいわゆるハーレクインと言うやつなんだろうか。かなりガッツリとSF話を進めておきながら、繰り広げられるのは昼メロな(あるいは連ドラ的な)ドロドロした恋愛模様。エルフとか日本の鬼とか出てきていかにも現代的ごった煮SFライトノベルファンタジーな感じなんだけど、ときどきとんでもなく残酷と言うか、肉体的に”痛い”感じの描写があって、やっぱり女性的な感性って面白いなあ、と思うのだった。

主人公のティンカーはけっこう普通の女の子で、そんな女の子が天才的な技術者として恋に冒険に大活躍しているんだけど、男性に依存するのではなくて、上手く男を利用している感じがあるんだけど、別に彼女の性格が悪いとかそういうことじゃないんだろうなあ。平凡な警察官(?)よりもエルフの王子様の方を取ると言うのは、夢も希望も無いけど(男にとってはね)リアルすぎてかなり嫌になるが、これで情けをかけられてもそれはそれで屈辱ではある…じゃなくて、興味深かった。エルフの王子様も完璧超人じゃなくて、意外と情けなくて駄目なところもあって、やっぱ顔が良くて母性本能を掻き立てるタイプが最強なんだなあなど感じもした。

わりとSF冒険ものとしては真面目に作られていて、とは言ってもハードSFと言う感じでもなくて、このあたりのバランス感覚は見事。ただライトノベル的な作品では全然ないなあ。そこが好みの分かれるところかもしれない。

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2007.01.26

あーなんか創造的能力がなんも出てこない

絶不調。言葉が出てこない。

1.『零式』 海猫沢めろん ハヤカワ文庫JA
2.『ぴよぴよ 水上悟志短編集Vol.2』 水上悟志 少年画報社
3.『起動旅団八福神(5)』 福島聡 エンターブレイン
4.『月光のカルネヴァーレ』 ニトロプラス

んん?海猫沢めろんって本名に戻したんじゃなかったっけ?まあそれはおいといて、『左巻キ式ラストリゾート』でほんのごく一部にだけ大評判になった作者の第二長編に当たるが、第一作を読んだ人はこの世にいったいどれくらいいるのだろう…。あとやたらとソリッドで疾走する異様にかっちょええ文体にびっくりした。いろいろとやっちゃっている感が強いが、それが良い。

水上悟志の短編は至高であるという結論に達した。表題作の「ぴよぴよ」がとにかくとにかくすげえ。非日常と、その非日常さえも日常に取り込んだハートフォーミングファミリーコメディ。終わらせ方にも気品がある。

八福神ってやっていることは最近のロボットアニメと変わらないような気がするのだけど、戦場にありながら正義の味方を目指す主人公が、けっこう自分のエゴが剥き出しで、そのエゴを自分でも自覚していながらそれでもなお正義の味方である事を目指しているところが実にひねくれている。人間の醜さと、その醜さを受け入れる強さを併せ持っているんだよなー、この主人公。まあその強さは、実のところものすごく危ういものであるような気もするんだけど…。

ニトロプラスのゲームを買った。えろいやつ。はっきり言って、エロゲー業界においてニトロプラスはゲームと言う総合芸術の構築力においては右に出るものが無い、と思う。単にシナリオが良いとか絵が良いとかではなくて、それらすべてを含めた一つの”作品”として美しくまとまっていると感じる。きっと有能な監督と言うかプロデューサーがいるんだろうな(虚淵玄かな?)。
ところでこの主人公の声…んん?…杉○智和じゃねえか…。

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2007.01.24

『マリア様がみてる クリスクロス』読了

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マリア様がみてる クリスクロス』(今野緒雪/コバルト文庫)読了。

はーなーしーが進まなーい…などと言うことはすでに禁句であり、心穏やかにただ出された料理を味わうのがマリみてにおける作法にござる。今回はバレンタイン行事であるファンにとってはおなじみのアレですが、少女たちのわくわくどきどき感はあいも変わらず美しい。なんか楽しそうにやってんなー。思わず遠い目。
前回はいろいろ空回りをしていた祐巳が、今回はやたらと落ち着きを見せてきているのには、なかなかに時間の流れを感じさせるとともに、これは以外にもビルドゥンクスロマンでもあったのか、と新鮮な趣きである。まあこれほどまでに物語が続き、時が流れれば、ビルドゥンクスの要素は自然に生まれていくものだけれどもね。
あと、実は瞳子が主人公っぽい扱いになっているのだが、彼女の心情は読者には明確な形では明らかにされず、読者が分かるのはその行動のみであるところに、なんだかハードボイルド小説めいたソリッドな表現を感じられたのが面白かった(たぶん意図的なものじゃないだろうケド)。

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2007.01.23

『ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン』読了

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ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン』(新井輝 他/富士見ミステリー文庫)読了。

富士ミス文庫の人気作家が一同に会してリレー小説を書くと言うそれぞれのファンを食いつかせようと言う資本主義の正しいあり方でもって成立しながら、その中身のあまりの錯綜かつ迷走によって一体誰にとって喜ばしい作品なのかなあ、などと日常的かつ哲学的な感想を抱いてしまった今作、それぞれの作家が一体どうやって後につなげようか四苦八苦している様子がつぶさにわかるので、ある意味においてとても面白いなあ。

あらすじを簡単に説明すると、新井輝が第一話でリレー小説らしくさまざまな伏線をばらまいて、かつあまり奇抜な展開にはしないように無難な展開を始めて行くかと思えば、新井輝からバトンを受けた築地俊彦がいきなり脱線をぶちかましたときは読者のこっちがずっこけました。なんつーか、新井輝がせっかく張った伏線を生かす気が全然ないのな、築地俊彦…。もう延々とだらだら会話させたと思ったら、さらにオチまでぶん投げやがった!まったく、この空気の読めなさ(あるいは読みすぎなのか?)はある意味、才能なんじゃないかと思いました。
築地俊彦がかました大暴投に、頭を抱えたらしいのが水城正太郎。ぶった切れた伏線を回収するために、いきなりメタに走り始めたのは、まあ苦労したんだろうなあ…。まあこのメタネタを最後の最後まで他の作家も処理に困ったようなんだけれども。水城正太郎の渾身の苦し紛れを、師走トオルが華麗なスルーを決めたかと思えば田代裕彦がさらに韜晦して煙に巻き、結果、悲惨な目に会うのはドジっ子美少女作家(…なのかなあ)吉田加矢たんなのでした。もうどうしようも無くてのた打ち回っているのがありありの無理矢理かつ強引な「そして誰もいなくなった」をかまし、これはいつの間にミステリーになったんだろうと思いつつも、ミステリー文庫だから別にいいじゃんなどということはどうでも良く、何も完結しないまま、アンカーのあざの耕平につづいていく。この時点で、誰ひとり離しをまとめようと言う意図が無く、どうしようもないまま物語は一気に佳境へ。唐突に出てきた助っ人の助けを借りて、黒幕とのラストバトル!ここで注目すべきはきちんとこの話には黒幕がいたんだってことです。一応の下手人を仕立てる虎眼流並みに無理矢理ですが、ラストバトルの末、世界には平和が戻りました。吉田加矢が美少女作家と言う共通認識を読者に残して…。全然簡単じゃすまなかったけど、とりあえずあざの耕平は偉かったと言うことでFA。ええと何の話だっけ?(もうグダグダ)

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現在、バイオリズムが下降線を描きつつも谷の底が見えてきません

今日は一日中体がだるく、精神的にも肉体的にもへばっている状態が続いている。まだ週の半ばにもなっていないと言うのに困りますなあ(他人事のよーに…)。自らを奮い立たせるにも燃料が足りない。これは改善が難しそうだ。

1.『神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる』 榊一郎他 GA文庫
2.『太陽戦士サンササン』 坂照鉄平 富士見ファンタジア文庫
3.『天使が開けた密室』 谷原秋桜子 創元推理文庫
4.『龍の館の秘密』 谷原秋桜子 創元推理文庫
5.『暗闇にヤギを探して2』 穂史賀雅也 MF文庫J
6.『テレパシー少女蘭 闇からのささやき[後編]』 あさのあつこ+いーだ俊嗣 講談社
7.『シュヴァリエⅣ』 原作:冲方丁 漫画:夢路キリコ 講談社
8.『へうげのもの(4)』 山田芳裕 講談社

なんか最近『ポリフォニカ』ばかり買っているような気もするが、なんか面白い、ような気がする。この短編集から築地俊彦が参戦が決まったわけだが…まあ、相変わらず読者に嫌がらせをすることにすべてをかけている作家だな、と。読者に不愉快な思いをさせるためだけに小説を書いているかのようで、その趣旨の徹底振りにはさすがに感心するものがありました。

あと富士見ファンタジア大賞関連作のうち、とりあえず準入選作を手に取ってみた。これはなかなか面白かった。会話やテーマの語り方に並々ならぬセンスを感じさせられる。”説明”と”描写”と言うものを完全に理解しているところが素晴らしい。けっこうベテランでも混同するところがあるのになあ。

『テレパシー少女蘭』。えろー。以上(ちょっとまてや)。

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2007.01.21

『きつねのはなし』読了

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きつねのはなし』(森見登美彦/新潮社)読了。

ずいぶん前に読み終わっていたのだが、いろいろあって感想を書いていなかった。『夜は短し歩けよ乙女』の感想も早く書きたいので先に書く。

森見登見彦と言えば、知的かつ格調高い文体と、あまりにも駄目さ極まる大学生男子の日常と非日常を幻想的かつ卑俗に描くことが出来る稀有なる作家であるが、この短編集は俗的な要素をとことんまで省き、一個の幻想譚を追求しており、作者の新しい側面をのぞかせている。ま、この作者はこのくらいの作品は簡単に書けて当然なんだがな!(何故貴様が威張る)

以下各話感想。

「きつねのはなし」
表題作。京都の闇の中でひっそりとうごめく人外の影に巻き込まれた主人公の悪夢を描く。実にいやらしく、人の悪意、弱さをこれでもかと描く。深い闇の中にうずくまる狐の仮面。過去の罪、未来の罰。恐怖と同時に魔的な磁力めいた美しささえ垣間見えるところが素晴らしい。

「果実の中の龍」
妄想の中に生きる男の姿は、単純に現実逃避を示すのではなく、それは物語ると言う行為そのものに付きまとう業であるようにも思える。人は物語るとき、紛れも無くその人生を生きて死ぬ。それはすべて絵空事であろうとも、絵空事を生きたことにはかわりが無い。嘘と本当、それは絶対的な断絶ではなく、人の内的な現実の側面でしかない。何が現実で何が妄想なのか、そんなことはどうでも良いのだ。彼が一つの世界を作ったことには違いは無いのだから。

「魔」
魔が差すと言う。人の心の間隙を縫って、悪意がうっそりと聳え立つ。悪意は人が生み出し、人に嫌悪され、人に捨てられる。捨てられた悪意は魔となり人々を脅かす。それは巡り回る業であり、悪意を打ち倒しても魔は消えない。ことばの隅々に世界に対する違和が仄見えるところに感嘆した。

「水神」
祖父の葬式後、故人の思い出に思いを馳せる人々に降りかかる怪異。それは人々とともにあったはずのあやかしが、人々に拒否されていった最後の時代の名残と言えよう。滅んでいくものたちの哀切と、怪異に翻弄される人間の対比が見事だった。また、各短編でわずかずつの連なりが、またしても冒頭に再帰していく自己完結的な部分に、終わりの無いウロボロス的な厭わしさを感じた。ここに落とし込む作者は相当にひねくれているなあ、と変なところでも感心してしまうのだった。

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2007.01.20

自分の立ち位置を見直す意味で

最近、「コードギアス」の新OPが異常に叩かれている件で。

とりあえずばっかじゃねえの?と思う。

一月もすれば誰も何も言わなくなるに一票。

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『斬魔大聖デモンベイン ド・マリニーの時計』読了

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斬魔大聖デモンベイン ド・マリニーの時計』(古橋秀之/角川スニーカー文庫)読了。

『ブラックロッド』シリーズ以降の古橋秀之は、小説の上手さは誰しもが認めるところでありながら、それまで遺憾なく発揮されてきたユニークさ、圧倒的な個性と言うものを押し殺す方向性をとってきていた。奇想天外なアイディアとリリカルといってよい叙情、そして疾走するドライブ感をあえて封印し、より普遍的な物語を紡ごうとしているように思えるのだ。しかし、その試みは大抵の場合はそれほど成功しているとは言い難いと個人的には感じる。いかに普遍的に受け入れられやすい記号を用いたとしても、その記号の隙間に入り込む古橋秀之の個性が当たり前の物語を当たり前のままにとどめることなく、奇妙な違和感を残す。端的に言ってしまえは、とても”ヘン”なのだ、この人の作品は。何でこんなことを思いつくのこの人?と本気であきれるくらいに、まさに奇想に次ぐ奇想のオンパレード。個人的には日本のアブラム ・ デヴィッスンと褒め称えたいくらいなのだが、その奇想が一般的なライトノベル読者を遠ざけていた理由の一つであろうことは疑いない。しかし、近年刊行された『ある日、爆弾が落ちてきて』において、奇想とリリカルな叙情を見事に融合させたことにより、ようやく古橋秀之に時代が追いついてきたように思える。一ファンとして今後の活躍を期待したい。

さて、『斬魔大聖デモンベイン ド・マリニーの時計』の話である。いわば古橋デモンベインとしての三作目に当たる今作だが、まさに古橋秀之の奇想が存分に発揮されており、ノベライズの枠を超えた作品と言えよう。まあ端的に言って、これは傑作である。収録されている書き下ろし、「遺跡破壊者」が特に素晴らしかった。ドクターウェストのノリノリのテンションの次から次に繰り出される不条理なアイディア(鼻行類が出てくるとはなあ…)が光る。何かが間違っているような気がしないでもない格好良さといい、まさに古橋秀之100%だった。僕はこんな古橋が読みたかったのだ。幸せである。

久しぶりに各話感想。

第一話「ド・マリニーの時計」
作者も言っているように、「へーデモンベインってこういう話なんだー」と言うところをきちんと踏まえたオーソドックスな話になっている。時間改変ネタっぽいところも無いではないけど、その辺は比較的抑え目か。主人公の九郎くんを初めとして、全体的にキャラクターの性格が素直になっているのもいいですね。

第二話「遺跡破壊者」
まあ何度も言っているけどこれは傑作。古橋秀之は本当にアホだなー、格好良いし上手いけど。まあこの話についてはグダグダ何か言うことはありません。とにかく面白い。

第三話「破壊への序曲」
ドクターウェストによる、ドクターウェストのための、ドクターウェストの話にしてアーカムシティの愉快な人たちの話。延々と脱線し続ける展開もしょうもなくて好きだが、目的と手段を容易く取り違え、勘違いしたまま暴走するウェストのキャラクター描写が素晴らしい。古橋秀之は完全にドクターウェストと言うキャラクターを掌握しているなー。もうこの人が創出したと言われても驚かないな。

ああ面白かった。あとがきだと古橋デモンベインは終了みたいなニュアンスだが、この調子でぜひ続けていただきたいものだ。もちろん普通にオリジナルの新刊でも良いですが。新刊出ないかなあ。

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だから『バイオメガ』が面白すぎるんだってば

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『バイオメガ』(弐瓶勉/集英社)がとにかく面白すぎて困る。嘘。全然困らないどころか幸せすぎてたまらん。

これは、人類科学の粋を凝らして誕生した東亜重工製人造人間VS人間を変異させるウイルスの力で変容したCEUの超人たちのハイスピードバトル漫画だったんだなー。連載をちらほら眺めているだけだと良く分からなかったよ。もはや人間をやめているとしか思えない怪異な超能力を持つ(としか思えない)CEUに対して、主人公の庚造一たち人造人間は高い身体能力を持っているとしても、基本的には武器やテクノロジーで戦うというところもいい。もう造一たちの戦力の不利は圧倒的なんだけど、骨を折られ肉を断ち切られながらも鋼鉄の疾走は止まらない。変態ギミック満載のモンスターバイクとか超々巨大建造物などの無機的なメカ描写と、ドロドログチャグチャで腐汁したたるようなゾンビモンスターの有機的存在感があいまって凄いことになっていやがる!
弐瓶勉って本当にこういうの好きだよな。もちろんオレも大好き。むしろ作者を愛しています。

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『バイオメガ』が面白すぎる

風邪なのだろうかやたらと調子が悪い。咳が止まらない上に、肺まで痛くなってきた。まさか肺炎でもあるまいが、このまま放っておくのも気分が悪い。気は進まないが明日は医者に行くことにしよう。ああ、面倒だ。

買ったものは下記。
1.『結界師(15)』 田辺イエロウ 小学館
2.『[新装版] 夢幻外伝Ⅰ』 高橋葉介 朝日ソノラマ
3.『バイオメガ(1)』 弐瓶勉 集英社
4.『バイオメガ(2)』 弐瓶勉 集英社
5.『クジラのソラ 02』 瀬尾つかさ 富士見ファンタジア文庫
6.『再始の女王 抗いしものたちの系譜』 三浦良 富士見ファンタジア文庫

『バイオメガ』が面白すぎる。つーかすげえかっちょええ!SF忍法武芸帖のはじまりはじまりであります。ただ、1巻は講談社版の再録なんだよな…。なんか納得がいかないが、連載再開された事実に比べればいかほどのことも無いぜ!

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2007.01.17

『DDD1 Decoration Disorder Disconnection』読了

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DDD1 Decoration Disorder Disconnection』(奈須きのこ/講談社BOX)読了。

奈須きのこ待望の新作である。待ちに待ったと言っても過言ではないほどの奈須きのこ信者である吉兆さんとしては、この作品をなめるように味わいつくし、大変に面白がることが出来、堪能させていただいた。謝謝。

まあ信者としての発言は冒頭だけにして内容を客観的に判断させてもらうと、相変わらず小説としては無茶苦茶なことをやっていてびっくりしてしまった。いやはや、連載が始まったころは、奈須きのこもまともな小説を書くようになったもんだな、とその読み易さに感心したものだがさにあらず。改めて読んでみたらとてつもなく読みにくい上に分かりにくい伏線を張り巡らされたケッタイな小説が出来上がっておりましたよ。

なんと言うか、一読しただけでは何を騙されたのかさえ分からないと言うのは小説としてはどーなんだ。たとえば第一話は時系列を意図的にバラバラにして分かり難くしており、様々な伏線を張り巡らされているのは分かるのだが、その伏線がどこにつながっているのかを理解させるのを妨げている。ユキオとアリカの関係やアリカの症状など、”作中できちんと語られていない設定を読み取っていないと理解できない”展開を平然と行うところが奈須きのこの恐ろしいところだよなあ。行間を読まないとオチが分からない小説なんて良く書けるもんだぜ…。奈須きのこは読者の知性を信用しすぎていると思うのだが、正直なところなんでこんな作家が幅広い支持を受けているのか理解に苦しむ…。僕は大好きなんだが、およそ一般受けはしそうもない作家性である事を改めて実感した思いだ。これは武内崇が偉かったということなのかもしれない。

しかし、奈須きのこの凄いところと言うのは、まさしくその点であるとも思う。と言うのは、奈須きのこはおよそエンターテインメントとは真逆の性質を持つ作家であり、明らかに読者に対して不親切さと同時に過剰なオレ様設定(パピヨンと言ってもいい)と描写もへったくれも無い説明台詞など”小説”としてはやってはならないことを山ほどやっておきながら、それらが組み合わさると何故か小説として成立してしまっているところにある。本当に読むたびに不思議に思うのだが、なんでこれで面白いのか読んでいる自分こそが一番不可解である。奈須きのこの作品を読んでいると、フォームもペース配分も出鱈目な素人が持って生まれた身体能力だけで世界新記録を出してしまったか場面を見てしまったかのような理不尽さを感じるのだった。

さて、話はまったく変わるのだが、第二話にあたる「HandS(R)」(このタイトルも2回読み返して初めて分かった…。頭悪いなあ…自分)だけど…これおかしくねえ?えーと何がおかしいのか具体的に指摘するとネタバレになってしまうので言えないのだが、要するに義手が左手用じゃん?ね?おかしいでしょ?(これ以上はとても言えない…)(追記)ん?…いや、左手用と書いているだけだから、おかしいわけじゃない…のか?あれえ?(混乱)

さてさて、またまた話は違うのだが、個人的には書き下ろしにあたる第4話が一番好きですね。例によってまたしても何を語ってもネタバレなのでなにも話せないのだけど、これって要するにエピローグのマトさんの台詞がすべての作品なんだよなあ。はっきり言って、そのマトさんの台詞以外は全部おまけみたいなもので、その台詞を言わせるためだけにこの作品があるといってもいいと思う。しかしながら、それ以外がすべて無駄なのかと言うとそうではなく、ただ一言(行数にしてもほんの3行)を言わせるためだけに短編一つを費やすと言う行為そのものが、その一言の重みに繋がっているおり、奈須きのこにとってその一言を描写するためには必要なことだったのだと言うことがわかる点が大変に素晴らしいのだが、何よりもそれだけの言葉を費やせると言う作者のエネルギー(情熱と言い換えてもいい)そのものに僕は圧倒されるのであった。

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買ったもの

えーとこの間書いた購入報告の漏れと今日買ったもの。引越し先で本の片付けをしながらさらに本を買ってしまうこの所業。我ながらいかんともしがたいのだが、本と戯れているだけでけっこう楽しがっている自分はけっこうかわいい(キモイ)。

1.『ルーンの杖秘録(4) 杖の秘密』 マイケル・ムアコック 創元推理文庫
2.『描きかけのラブレター』 ヤマグチノボル 富士見ミステリー文庫
3.『神曲奏界ポリフォニカ インフィニティ・ホワイト』 高殿円 GA文庫
4.『神曲奏界ポリフォニカ ストラグル・クリムゾン』 榊一郎 GA文庫
5.『神曲奏界ポリフォニカ プレイヤー・ブラック』 大迫純一 GA文庫
6.『僕僕先生』 仁木英之 新潮社
7.『氷と炎の大地3 剣嵐の大地(3)』 ジョージ・R・R・マーティン 早川書房
8.『魔法先生ネギま!(17)』 赤松健 講談社

えーと、突然『神曲奏界ポリフォニカ』シリーズを買い集めたりしています。シェアードワールドと言うものなかなか伝統のある形式だと思うけど(ライトノベルでは妖魔夜行シリーズが有名ですね)、これはなかなか隙がなくて完成度が高いなあ。それぞれのシリーズがお互いを補完し合っていて、作家間の連携がきちんと取れているのが良く分かる。いいねえ。

あ、ヤマグチノボルの『描きかけのラブレター』を偶然見つけたのは収穫だった。ヤマグチ作品なかではとりわけ評判が悪い作品なので、さぞかしライトノベル的”ではない”作品なんだろうと思ったら本当に見事に普通小説(「普通」の小説ではない)だった。うーん、ヤマグチノボルは書こうと思えばいくらでもセンシティブな文章を書けるのだと言う確かな証左ですな。とても面白かった。

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2007.01.14

『とらドラ4!』読了

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とらドラ4!』(竹宮ゆゆこ/電撃文庫)読了。

オモチローイ。
3巻での展開には正直違和感を感じていたのだけど、4巻まで読んだら完璧に腑に落ちました。竜児と大河の関係と言うのは、端的に言ってしまえば“戦友”なわけですが、あまりにも深すぎる友情は愛情と区別がつかないと言うことですな。隣にいることが当たり前になった相手、一緒にいることが当たり前になった関係と言うのは、当たり前だけと特別と言う不思議な関係で、それはいわゆる『恋愛』と呼ばれる関係とは全然違うわけだけど、それはとても大切な関係でもあるわけで。要するに愛とか恋とかは一つの形式があるわけではないと言うそれだけの事を言っているわけですな。なんかオレ恥ずかしいこといってんなー。

とはいえ、簡単に恋愛(オタク用語ではデレと言う)へ以降しないところが作者のクールなところだよなー。つーか、竹宮ゆゆこの書くヒロインたちは、いわゆる一般的なツンデレヒロインとは明らかに異なっており、ツンデレと言うのは二面性といえば聞こえはいいのだが、逆に言えば内面が2つしかないと言うことでもある。しかし、ここに出てくるヒロインたちは愛情を表現するにせよ嫉妬するにせよその表われ方がひねくれていて、おおよそまっすぐではない。そのまっすぐで無さが直接ヒロインたちの行動原理と結びつき、それぞれの生き難さ、あるいは葛藤に繋がっているというところに、本来フィクションであるはずの登場人物たちに複雑な人格的な存在としての側面を幻視させてくれるように思うのであった。

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『ぼくと魔女式アポカリプス(2) Cradle Elves Type』

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ぼくと魔女式アポカリプス(2) Cradle Elves Type』(水瀬葉月/電撃文庫)読了。

こういう痛々しい厨房精神炸裂っていう学園異能は嫌いじゃないって言うか実は好きな部類ではあるのだけど、この作者はやっぱり小説が下手だよなあ・・・。饒舌ではあるけれども過分に説明的過ぎているところなんかは特にそう思う。主人公の葛藤から心情まで何から何まで説明してくれてとても親切だなあ、などと言ってしまうのは皮肉です。なんていうか読者の知性を信用していない書き方なんだよなー。まあ電撃文庫ではけっこう多いタイプではあるんですが。

まあ内容そのものは面白かったですよ。いかにも切ない壊れた系学園異能の王道を行っているところなんか割と。このタイプの作品にしては、わりと情緒に流され切らないところは評価したいなあ。

あとイラストの藤原々々は幼女の描き方があまりにもガチ過ぎることに感心しました。本当につるんぺたんなんだなー。

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『アンダカの怪造学Ⅴ 嘘つき魔女の見つめる未来』読了。

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アンダカの怪造学Ⅴ 嘘つき魔女の見つめる未来』(日日日/角川スニーカー文庫)読了。

…日日日のライトノベルが全然面白くない理由が分かったような気がする(いきなりなんだ)。

僕が感じるところ、日日日の書くお話には、根本的にビルドゥンクスロマンが欠けている、と思う。アンダカの怪造学というお話は、「怪造生物と人間は友達」という理想を掲げた主人公が、いろいろな現実にぶつかり合いながらもその理想を貫こうと言う話であり、そこには必然的に現実と理想とすり合わせがあり、葛藤が生まれ、主人公の成長を促していくと言う流れがあるはずなのだ。ところがどういうわけか日日日の書くキャラクターは“成長”と言うものが全く見受けられないのである。主人公の衣依は、その「怪造生物と友達」という理想を阻む現実(たとえば「怪造生物を道具だとみなす怪造学者」や「実際に人間に危害を加える怪造生物」など)と遭遇しているのだが、彼女が事件に遭遇し、いろいろと迷い、その事件を遭遇した後になにが残ったのかと言うと…これが何にも残っていない。少なくとも、彼女の行動原理に事件前、事件後を通じて変化は全く生じておらず、ただ大変な事件があった、と言うだけでしかない。理想を実現するための現実的問題を克服するでもなく、彼女自身の成長が僕には見えないのだ。成長、と言うのもいろいろと定義が難しい言葉ではあるが、少なくとも彼女の理想を現実的手段としての妥当性を獲得していくことが、物語の要請として不可欠なものであると思う…と言うのは僕の価値観でしかないのだけどね。ただ今回の話では、まさに彼女がその現実的な手段を模索していく話であったのだが、だからこそ主人公の変わらなさがはっきりと目立ってしまうように感じられるのだった。

そもそもこの主人公は怪造生物は友達と言っておきながら、その友達を使役することに何一つ罪悪感を感じて入る様子は無く、これでは本当に単なる偽善者でしかない。厳しい言い方だが、悪意無く建前を信じ込んでいるがゆえに性質が悪いとさえ言える(結局彼女のやっていることは単なる言葉に過ぎず、それで何かをした気になってしまうのはあまりにも無責任すぎると言うものだ)。

この作品を単なる萌え小説として消費するのはかまわないけれど、差別とその融和の物語としてはあまりにも幼稚であり、その意味では僕はこの作品を全く評価出来ない、と言うことだけはここに述べておく。独りよがりな意見はやっぱりいけないと思うので、偉そうな言い方で恐縮ではるが、日日日には真の意味で自分以外との『対話』と言うものを行って欲しいと思う。

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近況

このサイト的には大変なご無沙汰となりました。吉兆です。

リアルで引越しを行うことになり、本の片付けとか本の片付けとか本の片付けとか本の片付けとかに追われて更新できず、また引越し先でインターネットに接続が出来ないこともあり、結果三週間ぶりの更新となりました。このサイト始まって以来のお休みでありますが、たまの長期休暇と割り切ってのほほんと過ごしておりました。

この三週間の間、ほぼネットに接続出来ない状態だったわけですが、それでわかったことが二つ。

まず、自分はネットに接続できなくてもどうとでも生きていけると言うこと。禁断症状でも出るんじゃないかと自分でも思っていたのだけど、自分でも以外なことに普通に生きていられました。結局、僕は本さえあれば後はどうにでもなる人間なんだなあ。

そして二つ目は、ネットにつなげないと暇で暇でしょうがないと言うこと。ネットにつなげないこと自体は堂と言うことも無いんですが、情報の取得手段を普段からネットに依存してしまっているため、ニュースにも疎くなり、TVも見なくなり、暇つぶしには本を読むことしかないという事実には、正直、自分には趣味と言うものが壊滅的になくなっているんだなあ、と言うことに気がついたのでした。ネットが趣味と言えば聞こえはいいが、良くも悪くもネットに繋がることが常態化しているわけで、結局無趣味ってことと変わらないよなーとか。やれやれ。

で、この三週間の間に買ったものは下記の通り。暇だったのでいろいろ買っています。

1.『エビアンワンダーREACT2』 おがきちか 一迅社
2.『Landreaall(9)』 おがきちか 一迅社
3.『怪獣王女(3)』 光永康則 講談社
4.『PLUTO(4)』 浦沢直樹 小学館
5.『アンダカの改造学Ⅴ』 日日日 角川スニーカー文庫
6.『斬魔大聖デモンベイン ド・マリニーの時計』 古橋秀之 角川スニーカー文庫
7.『さらい屋五葉(1)』 オノ・ナツメ 小学館
8.『リストランテ・パラディーゾ』 オノ・ナツメ 小学館
9.『LA QUINTA CAMERA~5番目の部屋』 オノ・ナツメ 小学館
10.『not simple』 オノ・ナツメ 小学館
11.『クマとインテリ』 basso 茜新社
12.『ナハトイェーガー ~菩提樹荘の闇狩姫~』 涼元悠一 GA文庫
13.『ジョン平とぼくと(2) ジョン平と去っていった猫』 大西科学 GA文庫
14.『死者の村の少女―サーラの冒険Extra』 山本弘 富士見ファンタジア文庫
15.『DDD1』 奈須きのこ 講談社BOX
16.『刀語 第一話 絶刀・鉋』 西尾維新 講談社BOX
17.『NARUTO(36)』 岸本斉史 集英社
18.『銀魂(16)』 空知英秋 集英社
19.『学校怪談(4)』 高橋葉介 秋田文庫
20.『ぼくと魔女式アポカリプス(2)』 水瀬葉月 電撃文庫
21.『トラどら!(4)』 竹宮ゆゆこ 電撃文庫
22.『シンシア・ザ・ミッション(4)』 高遠るい 一迅社
23.『評伝シャア・アズナブル-赤い彗星の軌跡-(上)(下)』 皆川ゆか 講談社
24.『黒い季節』 冲方丁 角川書店
25.『永遠の戦士エルリック(6) スクレイリングの樹』 マイケル・ムアコック ハヤカワ文庫FT
26.『シャギードック 天使の序章』 七尾あきら GA文庫
27.『神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン』 榊一郎 GA文庫
28.『神曲奏界ポリフォニカ ロマンティック・クリムゾン』 榊一郎 GA文庫
29.『神曲奏界ポリフォニカ スパーティング・クリムゾン』 榊一郎 GA文庫
30.『神曲奏界ポリフォニカ インスペクター・ブラック』 大迫純一 GA文庫
31.『神曲奏界ポリフォニカ サイレント・ブラック』 大迫純一 GA文庫
32.『神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト』 高殿円 GA文庫
33.『Fate/ZERO』 虚淵玄 ニトロプラス

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