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2007.01.31

2006年下半期ライトノベルサイト杯

いつの間にやら締め切りまであと一時間。いろいろ忙しくてすっかり忘れていた。と言うわけで「2006年下半期ライトノベルサイト杯」に参加してみる。
とりあえず投票は以下の通り。
僕が投票しなくても人気のありそうなのは基本的に除外しており、またライトノベルとは一概に言い切れない作品さえあるが、ライトノベル読者にオススメする境界線上の作品と言う意味で投票する。ひょっとしたら票が無効になったりするのかしらん。

・新人、新作部門の投票は以下の通り。
 
『煌夜祭』(多崎礼/C★NOVELSファンタジア)【06下期ラノベ投票/単発/4125009481】
 
あまりにもきちんと作られている職人芸的な作品。冒頭から終幕まで完璧に作者の制御が行き届いていて、いささか閉塞的とも取られかねないけど、それでも完璧に構築された美しさは誰にも否定できないものだと思う。
 
 
『ボトルネック』(米澤穂信/新潮社)【06下期ラノベ投票/単発/4103014717】

青春の挫折とSFとミステリの融合を果たした奇跡的な作品。狭義の意味での『青春ミステリ』を描いているのは、おそらくライトノベル業界では米澤穂信以外にいないと思う。そして、それに成功している例は、本格全体を見渡しても数少ない(ような気がする)。
 
 
『TOY JOY POP』(浅井ラボ/HJ文庫)【06下期ラノベ投票/単発/4894254581】

全くこれは素晴らしいジャンク小説ですね。クソッタレで生ぬるい日常を送る若者たちの、平凡たる地獄を描いている暗黒日常小説。文体、内容、キャラクターとすべてにおいてぶっ壊れたゴミの山のような小説。全く最強で最悪で最高の小説だぜひゃっほう!
 
 
『空色ヒッチハイカー』(橋本紡/新潮社)【06下期ラノベ投票/単発/4103007524】

橋本紡って、ムチャクチャ小説が上手いよなあ…。もう完璧としか言いようが無い。この主人公はこの旅をしなくてはいけなかったのだと言うことに、読者が全く疑いをさしはさむ余地が無いのが凄い。
 
 
『夜は短し歩けよ乙女』(森見登見彦/角川書店)【06下期ラノベ投票/単発/4048737449】

誰がなんと言おうと森見登身彦はライトノベル読者にも読まれるべきである。主人公であるストーカー気質の大学生眼鏡男子先輩と天然ふわふわ黒髪の乙女後輩の二人があまりにもベリーキュートであり、作品全編に満ち溢れる汗臭くも可愛らしい妄想の氾濫には一見の価値ありだ!うーんらぶりー。
 
 
・シリーズ作品部門の投票は以下の通り。
 
『マルドゥック・ヴェロシティ3』(冲方丁/ハヤカワ文庫JA)【06下期ラノベ投票/複数/4150308713】
 
まあこの作品を上げなくては2006年の下期のライトノベルは語れまい。まあはっきり言ってライトノベル読者と前作主義者をはっきり拒否したストーリーと文体ではあるんですが、冲方丁の現時点における集大成と言っても過言ではない。重苦しく未来が無いやり場の無さが生み出す底なしの暴力に、僕はどこかリリカルさを感じてしまうのだ。
 
 
『化物語(下)』(西尾維新/講談社BOX)【06下期ラノベ投票/複数/4062836076】

西尾維新はただ西尾維新であるだけで面白いのだと言うことを如実に現した作品であり、小説と言う形式をすべてうっちゃってキャラクターと言うものに特化させたこの作品は、もはやある種の事件であると言ってもいいでしょう。だってさあ、薄い、軽いと揶揄されてきた西尾維新だけど、この人が本気になるとここまで「重さが無」くなっちまうとは。軽いなんてもんじゃねえ。無いんです。何にも無いんですよこの作品は。そしてそれなのに面白いというのが異常。いやー西尾維新を僕は完全に見くびっていたわ。すまん。
 
 
『カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~』(高殿円/ファミ通文庫)【06下期ラノベ投票/複数/4757729111】

物語の快楽って言うのがこんなところで味わえるとは正直思わなかったよ。大戦前のインドにおける恋と友情と嘘と裏切りにも負けない女の子の冒険小説って言うの?あと真夜中のお茶会。そういうことです。
 
 
『ラギッド・ガール 廃園の天使 II』(飛浩隆/ハヤカワ文庫 JA)【06下期ラノベ投票/複数/4152087676】

廃園の天使シリーズはもっと多くの人に読まれてもいいと思うんですよ。淫靡で残酷で凄烈なキャラクター小説はこの世にそうそうあるもんじゃない。本当、この作品はある種の奇跡だと僕は思うよ。
 
 
『薔薇のマリア VI. BLOODLY SINGROOVE』(十文字青/角川スニーカー文庫)【06下期ラノベ投票/複数/4044710082】

この作品って、いわゆるロックっつーか、ヘビメタっつーか。なんかそういう世界に喧嘩を売っているアウトロー系の作品であって、斜に構えているくせにロマンティックなところとか、なんかね、異常に好き。
 
 
以上でした。

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