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2006.12.21

ある程度予想はついていた

『マルドゥック・スクランブル』のアニメ化は制作中止か。まあいろいろな噂は聞こえてきていたけども、そんなにやばかったのかGDH…。まあいつの日か企画が復活することを夢見て気長に待つことにしましょうかねえ。

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男は黙ってゼロの使い魔

本屋に入ってまっすぐに売り場に向かい、ゼロの使い魔の新刊を手に取った時に脳裏に過ぎった謎フレーズ。なんだか男らしいぜ。

1.『ゼロの使い魔(10)』 ヤマグチノボル MF文庫J
2.『ソラにウサギがのぼるころⅣ』 平坂読 MF文庫J
3.『つばさ(2)』 麻生俊平 MF文庫J
4.『蟲と眼球と白雪姫』 日日日 Mf文庫J
5.『ダークタワーⅦ 暗黒の塔(下)』 スティーブン・キング 新潮文庫
6.『二代目はコスプレーヤー(1)』 甘詰留太 白泉社

日日日はまあ最終巻だしなあ。読まざるを得ない。

あと甘詰留太の新作のタイトルの素晴らしい頭の悪さには感動した。内容も実に計算しつくされていて、やっぱこの作者は本物だなあ、と感心したよ。女の子の体のラインの描きかたはガチ過ぎでえろい。癒されますなあ。

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2006.12.20

『覇者の魔剣-抗いし者たちの系譜-』読了

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覇者の魔剣-抗いし者たちの系譜-』(三浦良/富士見ファンタジア文庫)読了。

ふつーに面白い作品だなあ。魔王にして皇帝サラ=シャンカーラの戦いはまだまだ続くと言う感じで、統一したはいいけど、封じられた元国王たちの野心は未だ治まる気配を見せず、各国の火種はくすぶり続けている。そう言った陰謀に対してさらなる策謀で持って立ち向かう主人公サラ陛下は、近年稀に見るほどに強くて格好いいヒロインだとつくづく思いました。ラジャス閣下の前では心揺れる一人の乙女でもあったりするのが微笑ましくてよいですね。もう一方の主人公格であるラジャス閣下はうって変わってのびのびとしているんですが、彼は彼なりの意図を持って動き始めていたりして、なかなか読者にも本心を明かしてくれないハードボイルドなキャラクターとして立ってきている感じがした。割と面白いとは思うんだけど、個人的には富士見ファンタジア文庫で出ているのが不思議なくらいに”少女小説”的な部分がちょっと引っかかるんだよなー(角川ビーンズっぽいと言うか)。細部に微妙な”軽さ”感じてしまうのは、まあ好みの問題なんでしょうね。

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過去は美化されるもの

しかし、『マルドゥック・ヴェロシティ』の話題を探していると、前作『マルドゥック・スクランブル』の方が面白かったと言う感想を多いような気がする。まー言いたいことは分からないでもないけど、そもそも前作とは”ジャンル”が違うんだから比べることに意味は無いと思うんだがなー(まあジャンルの嗜好はあってしかるべきだと思うけど)。『スクランブル』は少女のビルドゥンクスロマンの側面もあったからライトノベル読者にも幅広く受け入れられたわけだけど、『ヴェロシティ』は完全に常軌を逸したフリークスたちが己の存在証明を求めてあがくハードボイルド忍法帖だから、カタルシスを感じる部分が当然かけ離れているわけで…。山風の系譜に連なる小説としては、超傑作の領域に位置する作品だと個人的には思う。

あー全然関係ないけど、世間様の話題ではアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の公式が本当に消失していたとか。パレスチナでハルヒとか。なんか世間から隔絶されているうちにすげーことになってんな世界はよ。

1.『戦う司書と追想の魔女』 山形石雄 スーパーダッシュ文庫
2.『死者の村の少女 サーラの冒険Extra』 山本弘 富士見ファンタジア文庫
3.『ナハトイェーガー 菩提樹荘の闇狩姫』 鈴元悠一 GA文庫
4.『絶対可憐チルドレン(7)』 椎名高志 小学館
5.『ハヤテのごとく!(9)』 畑健二郎 小学館
6.『史上最強の弟子 ケンイチ(23)』 松江名俊 小学館
7.『クロスゲーム(6)』 あだち充 小学館
8.『超人ロック クアドラ』 聖悠記 少年画報社
9.『GANTZ(20)』 奥浩哉 集英社
10.『ハチワンダイバー(1)』 柴田ヨクサル 集英社
11.『School Rumble(15)』 小林尽 講談社
12.『マフィアとルアー』 TAGRO 講談社
13.『曙光の誓い』 花田一三六 中央公論新社
14.『ユーフォリ・テクニカ 王立技術院物語』 定金伸治 中央公論新社

えー家族総出で部屋の掃除をしていると言うのに、オレはなんでこんなに本を山ほど買っているんでしょうか。いや、その、これはあれだ。買った分は他のを捨てるから収支は合っているわけで…正直すいませんでした。調子に乗ってました、ハイ。

あーまあそれはともかく『ハチワンダイバー』は超おもしれえなあ、と誰もが言うことだけは言っておく。オリジナリティが無いと言われようともここで表明しておかなければならないような気がする。

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2006.12.18

『ボクのセカイをまもるヒトex』読了

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ボクのセカイをまもるヒトex』(谷川流/電撃文庫)読了。

全く谷川流は恥ずかしがり屋さんと言うか照れ隠しの仕方が中途半端でみっともないね!まあその煮え切らなさがいかにもインテリっぽくていい感じに駄目駄目だなあ。いろいろ萌えシチュエーションをこれでもかと繰り出しながら、地の文で語り手がひたすら言い訳をしているところが個人的には激しく萌えるですよ(作者に)。えーと内容としては微に入り細に渡って真面目に萌えシチュエーションを書いてみました以上のものではないのだが、素直に普通にライトノベルスタンダードになっているところが逆に怪しい。なんかの伏線なのかもしれないが、まあ現時点ではさっぱり分からん。まあ何も考えずに萌え萌えのライトノベルを読んだつもりで入ればいいのか(少なくとも今の段階では)。なーんか怪しいんだけどな…(作者の術中に嵌りすぎです)。

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2006.12.17

『逆境戦隊バツ[×]』読了

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逆境戦隊バツ[×](1)(2)』(坂本康宏/ハヤカワ文庫JA)読了。

書影の位置をそろえてみました。

ルサンチマンが原動力となるヒーローと言う一見イロモノ作品のようでありながら、その実、極めて真面目に作られた特撮戦隊小説だった。主人公たちの力の源が世間から虐げられた(と本人が思いこんでいる)ルサンチマンであるということは、その克己が必然的に物語に組み込まれるのわけだから上手い設定だと素直に感心。オタク的主人公が自らの劣等感を爆発させることでヒーローになるわけだけど、逆にヒーローとして自己実現をしてしまっては力が失われてしまうアンビバレンツが出てくるわけだもんな。また、そういう作劇的な部分だけじゃなくて、物語りもヒーロー物らしく熱血に次ぐ熱血でやたらと温度が高いのもいい感じ。まあ単純にヒーロー物というにはその戦いの動機とかテーマになるのが若禿げだったり不倫だったり夫婦仲の問題だったりするのが特殊と言うか、やっぱりこれは、大きなお友達に向けて発信された戦隊物と言うことなんだろーなー。なんか個人的にはやたらと楽しめたのだけど、2冊で完結というのが惜しい。もっとあまりにも日常的葛藤に取り組んでいくヒーローたちのお話が読みたかったよ。

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2006.12.16

『マルドゥック・ヴェロシティ』読了

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マルドゥック・ヴェロシティ(1)(2)(3)』(冲方丁/ハヤカワ文庫JA)読了。

結論から言おう。

冲方丁は阿呆である。

前々から決して利口なタイプではないと思っていたが、今回でその確信を深めた次第である。ま、そもそも利口な人間がライトノベル業界と言うシステムを変革しようなんて思うわけ無いけれども。単なる自信過剰か、あるいはそれを成し遂げる意思と実力がないとそんなことを考えるはずも無い(無論、冲方丁はそのどちらもを持っていると思うが)。

そんなことはどうでも良い。冲方丁が阿呆だと言う話だ。

さて一体冲方丁の何が阿呆だと言うのか?

それはまずジェイムズ・エルロイと山田風太郎を足して割らないままウブカタ分を掛けてしまった挙句にSFにまでしてしまった上に、今まで冲方丁が描いてきた個人的倫理と社会的承認のすり合わせと言うテーマを”失敗”してしまったボイルドという男を主人公にしてしまったことである。

大体、エルロイと山田風太郎を足してしまうと言うだけでもかなりムチャクチャな発想だと思うのだが、そこにさらに冲方丁があえて描いてこなかった人物と物語をぶち込むと言うムチャの上にさらにムチャを積み上げるようなものである。まったく作者はマゾなのか?と正気を疑ってしまうところだ。僕が阿呆だと思うのは、まさしくそういうところである。自分をひたすらに追い込み続けすぎる。

なお、個人的に冲方丁は、生きること(そのもの)の暴力性とそれを律する理性(あるいは人間の持つ善性、克服への意思)のせめぎ合いと、その結果としての(内的、あるいは外的な)承認という過程が常に表われてくるのだが、『マルドゥック・ヴェロシティ』において、ボイルドはそのすべてに失敗している。彼は生きることそのものの暴力に飲み込まれ、内面の虚無に支配され、自らを認めることさえ出来ずに終わってしまう。男が望んだことは何一つ報われず、彼は何一つ救えず、ただ男が生きた虚無の焼け跡が残るのみだ。

こんな物語は、実は冲方丁にしてはとても珍しい。と言うよりも、デビュー以来初めて書いた作品だと思う。作品の是非よりもなんでこんな作品を書いてしまったのか、と言う点にむしろ興味をひかれるのだが、それはさすがに作者のみぞ知るところだろう。ただ推測と言う名の妄想を連ねていくのなら、冲方丁は傑作を書くときは大抵”冲方丁”自身が(良くも悪くも)表に出すぎると言うか、人生を削って書いていると言う感覚があるのだが、まさしくこの作品にはその匂いがあって、必死になってひた向きに走り続けて来た作者の苦闘と言うか迷いが表出しているように感じられるのである(のだが、まあ、それはさすがにファンの妄念と言うものだろう)。そりゃ作者も嘔吐するのも無理は無い話だと(勝手に)納得は出来る。

だが、僕がこの灼熱の暗黒に満ちた小説を読み終えたときに感じたのが、すべてを失った喪失感でもなく、悲劇的な結末に対する鬱屈した念でもなかったのは、いささか自分でも驚いた。僕が感じたのは、すべてをなぎ払った虚無の爆心地において、すべてが消えてなくなった焼け野原で、もしかしたら新しい芽が芽吹くかもしれないと言う、ただそれだけの希望の感覚なのだ。それはO9が崩壊した後で生まれた”事件屋”という制度なのかもしれないし、”彼女”についてのことなのかもしれない。ただ感じるのは、ボイルドの虚無は、彼自身にとっては何一つ残さなかったかもしれないが、彼の後に続くものたちに繋がる虚無≠形の無い遺産を残したと言うことなのだろう。

それだけでも十分なのだ、と思わせられるところに、おそらくは冲方丁の真意があるように思えるのだ。
 
 
 
なお、文体におけるエルロイの(正確にはその訳文の)再現度は凄まじく高いと思う(まあエルロイを最後に読んだのもかなり前なので、記憶しているかぎりではあるのだけど)。最初に読んだ時は思わず笑った。カトル・カールたちの奇人変人ぷりも山風を思わせる荒唐無稽さに満ちている。本当にアホだ!最高にも程があります。

と言うわけで、エルロイと山田風太郎が好きな人は何が何でも読むべき、です。そんな人がいれば、の話だが…(オレオレ~)。

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『グラン・ヴァカンス―廃園の天使(1)』読了

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グラン・ヴァカンス―廃園の天使(1)』(飛浩隆/ハヤカワ文庫JA)読了。

ラキッドガールを読む前に再読。

いやあ、僕もライトノベルが中心とはいえ色々な本を読んできたわけですが、ここまで淫猥にして清廉な印象を受けたお話はこの本で初めて読んだような気がする。鮮烈な太陽、打ち上げる波飛沫、永遠の南の島の健全さと、それらをすべてを多い尽くす汚辱と陵辱の檻。もうたまんねえなあ。

人間に見捨てられたAIたちがいまだに活動を続けている仮想リゾート<夏の区界>の平穏が突如として崩壊し、絶対的な消滅の危機に襲われていくのだけど、その絶望の書き方がまあた凄い。懸命に生きる道をさぐるもの、自暴自棄になるもの、恐怖にただ震えるもの、力に見入られるもの、それらすべてに降りかかる、平等にして絶対的な、尊厳の欠片すらない苦痛に満ちた死。この作者は、自らが作り上げた美しい作品世界を一切の容赦なく崩壊の釜にくべていく手つきの揺るがなさがあり、その揺るがなさゆえに登場人物たるAIたちと<夏の区会>はめくるめく苦痛と官能に彩られ、崩壊の美を歌い上げながら消失する。

そこに表出する美は、常に後ろ暗さが付きまとう。それは現実によって陵辱されることを強制された仮想世界が持ちうる被虐的な官能であり、その苦痛を感受せざるを得ないAIたちの苦悩の中から生まれる。僕はそこに精巧にして醜悪な芸術作品の一切が踏み砕かれる破滅的な美しさを感じられてしまうのだ。

いろいろな人が言っているけれど、この作品は万人に受け入れられるものではないだろう。虐げられるだけの存在だった主人公が、自分の未来を切り開いていく終幕は感動的とさえ言ってもいいのだが、その希望は絶望によって生み出されたものであると言うように、決して明るいだけのものではない。だけれども、僕はこの作品の(いっそポルノグラフィカルと言ってもいい醜悪さと裏腹にある)美しさを賛美することにはためらいは感じない。これは美しさと醜さが同居し、淫らで気品に満ちていると言う、僕にとっての理想的な物語の一つでなのである。

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2006.12.15

『殺×愛5 きるらぶFIVE』読了

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殺×愛5 きるらぶFIVE』(風見周/富士見ミステリー文庫)読了。

自分の心すら良く理解できていない主人公、密くんはおおかたの予想通り自爆と墓穴を掘りまくっているわけだが、そこで来夏に依存しようとは、こいつ本当の意味で駄目人間だな…。自意識過剰な上に自己中心的で世界のすべてを背負う傲慢さに依拠したナイーブさをあらわにする主人公だが(とか書いていると本当にどうしようもない奴のような気がするが)、どんどん思いつめて周囲の声が耳に入っていない閉じた感覚がやたらとエッジが効いていた。正直なところ、あまりにも社会性に欠如した主人公は(自分を見ているような痛々しさを感じるので)僕の好みではないのだが、そのナイーブ過ぎてどこにも逃げ場が無くなっていく描写とか、後半の大虐殺ぶりとかに作者の(良い意味での)いやらしすぎるセンスはけっこう好きだったりする(今まで散々萌えさせてこれですか、みたいな)。最高ですね。この調子で読者をどんどん鬱な気持ちに叩き込む作品を書いて欲しいものだと思います。

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2006.12.13

『家守綺譚』読了

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家守綺譚』(梨木果歩/新潮文庫)読了。

相変わらず綺麗な話なんだけど、時折ゾッとするほどの冷たさがあって、その冷たさに幻想的でさえあるというあたりが完璧。次から次に不思議な出来事が起こるのだけど、その捉え方が一風変わっていて、ほのぼのとしたユーモアがあるかと思えば投げっぱなしで何のオチもつかないような話もある。異世界の考え方が非常に美しくて、でもそれはやはり異世界でしかなくて、現実の幻想の揺らぎの中に確固たる線引きがされていることに、作者のあまりにも冷徹とさえ言える視線があると思う。これは同様に現実に対して相容れないものを感じていた二人の男が、一人は現実に見切りをつけて幻想に向かい、一人はそれでもなお現実に生きる事を決意する物語であって、実のところ作者はそのどちらかが間違っているとも言っておらず、どちらにしても捨て去らなければならないものがあること、その捨てるものに対するスタンスことが重要であることを語っている。この作家の不思議な点は(まあ読むたびに思うのだが)、この上なく美しい幻想を描きながら、その幻想に耽溺する事を良しとしないところだと思う。結局、幻想に生きると言うことは、突き詰めれば人ではいられないと言うことでもあり、人外の住人になると言うこと。だが、それ自体は別に忌避するものではなく、人知の及ばぬ領域への敬意にも通じる距離感を持って幻想を扱うところに梨木果歩の幻想作家としての特異性であると思った。いや、本当に梨木果歩は凄いよ。

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今日買ったもの

そういえば先週の日曜日に『パプリカ』を見てきたのだった。どんどんいろいろなものがぐにゃぐにゃになっていく美術は見事だったが、いくらでも電波に出来る作品をきちんとエンターテインメント的にコントロール仕切ったところも評価するべきだろうなあ。まー個人的にはもうちょっとわけ分からなくても良かったんだけど。

1.『剣嵐の大地〈2〉―氷と炎の歌〈3〉』 ジョージ・R・R・マーティン 早川書房
2.『僕たちは歩かない』 古川日出男 角川書店

『剣風の大地 』がいくらなんでも高すぎる!3,000円もすんのかよ!3冊買ったら9,000円…ありえない…(買ったけど)。
フルカワさん(違う)がまた新刊を書いてくれたのはいいけど、相変わらず薄いなあ。まあ現在の書き飛ばした作品集もある種のテンションがあって好きなんだけど、もうちょっと、ほら、ファンとしては長いのが読みたいなあと。

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2006.12.12

『アルスラーン戦記(12) 暗黒神殿』読了

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アルスラーン戦記(12) 暗黒神殿』(田中芳樹/カッパ・ノベルス)読了。

ああ面白いなあ。そんな言葉しか出てこないけど、とうとう蛇王ザッハークの復活が迫り、いよいよヒロイックファンタジーになってきたのにはやや驚きを感じる。今まで徹頭徹尾、人間の物語を描いていたのに超自然的な存在(魔物とか)がクローズアップされてきたことに意外性を感じるのは何故なのかと考えてみると、田中芳樹と言うのは、基本的に人間に興味がある人だと思っていたからなのでした。だから超自然的要素が主軸になってくると違和感を覚えてしまったのかな。しかし、よくよく考えてみれば蛇王を復活させようとするやからもそれの走狗となるものも結局のところ人間的欲求に突き動かされているわけで、結局これは人間の話であると言えるのかもしれないなあ。そうなると気になるのが”蛇王”の描き方だよな。はたして人間的な思考を持たない超越的な存在となるのか、あるいは強力な力を持った人間となるのか。後者だとしたら、あれよあれよと言う間に張りぼての権威を剥ぎ取られた挙句に情けない死に方をするのが田中芳樹的物語の常道なんだけどなあ…。あ、パターンにはもう一つ、想像を絶するほどに頭の悪い悪役、と言うのもあったか。下手に優秀な奴より、全く空気を読めない愚か者が一番恐ろしいのが田中芳樹的な悪役だしなあ…。

わたし、気になりますって感じだ。

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まさしく赤面ものですよ

ライトノベル感想サイトの偉い人であるぎおらむ氏からトラックバックされちゃったわーい。考察とか考え方が非常に深くていつも感銘を受けているサイトで、ブログはよく読んでいます(リップサービスじゃないよ)。とりわけ作成されている「とある文庫の電子目録」はライトノベル新刊チェックには超絶便利。イカス。

まあ、たいした考えもなく書き散らしている僕の文章を引用していただいて汗顔の至りではありますが。もうちょっと”てにをは”を気をつけておけばよかった(そりゃ基本だ)。

今日買ったものです。
1.『このライトノベルがすごい!2007』 『このミステリーがすごい!』編集部編 宝島社
2.『クトゥルー神話 ダークナビゲーション』 森瀬綾 ぶんか社
3.『平気でうそをつく人たち-虚偽と邪悪の心理学-』 M・スコット・ベック 草思社
4.『ガコゼ第1巻』 アントンシク 幻冬舎コミックス

『このライトノベルがすごい』は昨日買ったやつ。買うのを忘れていました。

『クトゥルー』は、まあ僕の大好物ばかりなんだもん。しょうがないよ。

『平気でうそをつく人たち-虚偽と邪悪の心理学-』はまあ…そういう気分だったとしか。

『ガコゼ』。絵が超格好いい。上手いなあこの人。

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2006.12.11

昨日と今日で買ったもの

うー部屋の掃除を敢行したものの、予想外(だがある意味予想通り)に進まない。本を片付けているときに、本を読まないようにするにはどうしたらいいのだろう…(ページをめくらなければいいんだよ)。

1.『さよならトロイメライ(7)』 壱乗寺かるた 富士見ミステリー文庫
2.『ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン』 新井輝ほか 富士見ミステリー文庫
3.『哀しみキメラ(3)』 来楽零 電撃文庫
4.『ジンキ・エクステンド(9)』 綱島志郎 マックガーデン

まあなんていうかですね、綱島志郎はつくづく物語を閉じるのが下手だな、と。あるいは語りたいことが多すぎるのかもしれないな。

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2006.12.09

『さよなら純菜そして、不死の怪物』読了

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さよなら純菜そして、不死の怪物』(浦賀和宏/講談社ノベルス)読了。

浦賀和宏最高潮と言った感じだった。

浦賀和宏の純菜たちとの交流を経て救いを覚え初めていた剛士が絶望のどん底に突き落とされた前巻ラストから、なんと一冊丸ごとその苦しみにのた打ち回る剛士の脳内妄想が大暴走。途中で剛士の命を狙うスナイパーが自宅に押し入って着たりとエンタメ的な活劇部分もあったりするけれども(ところでスナイパーとのバトルでは河野と剛士がやたらと格好良かったなあ。苛める側と苛められる側だった二人が命の危険を感じたところでお互いを庇いあうとは…)、概ね純菜に拒絶された苦しみを、剛士がおのれの能力を総動員して乗り切ろうと屁理屈をこねたり感情的になったり横道にそれたり延々と思考が空転しているさまをひたすら描写して一冊の本にしてしまっている。…なんでこんなストーリーで一冊の本になるんだ?浦賀和宏は化物か?

絶望にのた打ち回る剛士くんの妄想はひたすら気持ちがドス黒くなっていきそうなほどに痛々しく、同時に共感を覚えてやまない。苛められるということは、その尊厳を傷つけられると言うことで、尊厳を守るためにかれはいくつもの欺瞞を抱えていたわけだけど、欺瞞そのものは独善的だけど、その欺瞞を非難することなどは出来ようも無い。そんな欺瞞を抱え込まずにいられなかった彼を、僕はただ痛ましく思うだけである。

なんつーか、浦賀和宏はルサンチマンの作家なんだろうけど、ルサンチマンをここまで普遍的に書けるというのはなかなか凄いことなんじゃないかと思った(まあ僕だけかもしれないが)。妄想とルサンチマンの強度と言ったら半端じゃない。どこまで到達するんだ、この作家は…。

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『我が家のお稲荷さま。(6)』読了

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我が家のお稲荷さま。(6)』(柴村仁/電撃文庫)読了。

なんか久しぶりに読んだ。

相変わらず事件が起こっているような起こっていないような不思議なお話。まあ変わらないと言うことは良いことだ。ミニスカサンタとか一日メイドさんとかやたらと盛りだくさんでありながらも、描写が上品なのが良い。この素直な描写は相変わらずの強みだよなあ。普通のライトノベルがジャンクフードだとすれば、柴村仁はお吸い物みたいな爽やかさがあると思うんですけど、こんなのオレ様感覚でしかないので同意はもとめるつもりは無い。何言ってんだ俺。

あー何と言うか読んだ後に激しい感情を呼び起こすとかそういうのは全く無いけど、こういう作品が無くなったらつまらない話なんで、マイペースでやってくれれば良いんじゃないかと思った。まあ僕はコウを贔屓にしているんで、彼女の出番が多ければ何も文句はございません。

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2006.12.08

『零崎軋識の人間ノック』読了

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零崎軋識の人間ノック』(西尾維新/講談社ノベルス)読了。

今回の主人公である零崎軋識さんは、今までの零崎と違って極めてヘタレなところが魅力でありますね。極まった殺人鬼でありながら殺人鬼に徹しきれずに”死線の青”に心を惹かれるどこまで行っても中途半端さがあって、その迷いを(一応)吹っ切るまでの話になっている。

一見バトル小説のように見えて、実は登場人物たちがひたすらおしゃべりをしているだけなところなんて相変わらずの西尾維新と言う感じでけっこう面白いとは思うけど・・・どうもどこに焦点があっているのか分からないなあ…。まあ西尾維新の作品は、どこかに重要なテーマなり感動なりカタルシスなど、作品の焦点に当たるものをあえて曖昧にして、延々とわき道にそれていくところが特徴だと思うし、むしろ物語の辺境をどんどん広げていくこと自体を重視しているのかもしれない。

なんつーか、一通りじゃないひねくれ方をしているよなーこの作者、とか今更ながら思った。

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体調不良が続く

なんか調子わりーなー。胸の痛みが続いて呼吸の苦しさを覚えると言うのは、やっぱりハウスダストのせいか?まさかとは思うがストレス性じゃねーだろーなー…。

1.『逆境戦隊[×](2)』 坂本康宏 ハヤカワ文庫JA
2.『しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales』 上遠野浩平 富士見ミステリー文庫
3.『GOSICK (6)』 桜庭一樹 富士見ミステリー文庫
4.『バッカーノ!1934 娑婆編―Alice In Jails』 成田良悟 電撃文庫

しっかし成田良悟の”言葉”のチープさってのはただごとじゃないよなあ…。西尾維新の戯言ともまた違う方向性の安さというかなんと言うか。そのやたらと持って回った仰々しさは、簡潔な文体に憧れる僕としてはあまり好きにはなれないタイプの文体なんだがなあ。その三流バルブ誌の如きチープさが、作品内容に見事にマッチしていて、この文体じゃないと『バッカーノ!』シリーズに特有の浮き足立ったお祭り騒ぎの雰囲気は出せないんだろうな。

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『竹田くんの恋人 ワールズエンド・フェアリーテイル』読了

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竹田君の恋人 ワールズエンド・フェアリーテイル』(桜庭一樹/ファミ通文庫)読了。

名付けて桜庭一樹の旧作を読んでみようかな企画第二弾(すいません、疲れているんです)。

とても面白い。予想外(と言っては失礼だが)よく出来ている。これは『赤×ピンク』や『推定少女』、引いては『砂糖菓子の弾丸は貫けない』に繋がる桜庭一樹の源流が確かにあるのだな。先日読んだ『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』にも通じる、すなわち“少女”と言う記号化された、言い換えれば虚構化された存在の内面を描こうという試みである。その意味では、桜庭一樹は突然成長して凄いものを書くようになったのではなく、デビュー当初から一貫して持ち続けているテーマを愚直に描きつつけている作家なのだ、と思った。

さらに言えば、桜庭一樹が規定する“少女”と言う存在は、決して現代的なリアリズムに基づくものではなく(この辺は適当に言っていますよ)、ゲームや漫画、直裁に言うならばギャルゲー、エロゲー的なキャラクターが根底にあるのだということも理解した。もともとゲームのシナリオライターであるということが影響をしているとも言えよう。乱暴な言い方ではあるのだが、つまりはシナリオライターとしてギャルゲーに身近に接することによって培われた意識、つまりは虚構化され消費されるキャラクターと物語に対する批評性を獲得して行ったとも言えるだろうか(勝手な思い込みだけど)。

というのは、この作品では、いわゆるバーチャルゲームの中で恋愛シミュレーションのヒロインが、自分が恋をしたプレイヤーを探して現実世界に飛び出してくるという極めてギャルゲー的フォーマットではあるのだが、そこの描き方に一定の冷笑的な、あるいはギリギリな苛立ちめいた皮肉がそこかしこに立ち込めているように感じられるのだ。冒頭における、その内面など一顧だにされずただ消費されてゆくヒロインたちの描写は、あまりにも露骨で、ゾッとするほどにおぞましい。現代における桜庭一樹のオブラートさ、あるいは繊細さはどこにも無く、ひたすらにグロテスクですらあるのだが、そこに作者が抱える問題意識に対してのたうち回りながら取り組んでいる様が見えるようだった。

ストーリーがまた良い。ゲームの世界から飛び出してきた少女たちに出会った少年が、“竹田くん”を探していくというシンプルなものなのだが、この竹田君を探す過程で、当初受けていた印象から、様々な人たちから話を聞くうちにどんどんと変化していき、最後の最後ではあまりにも物悲しい選択をせざるを得なかった男の人生が垣間見えるのだ。徹頭徹尾、これは“竹田くん”と言う一人の人間を追い求めた物語であり、人間と言うものの多面的な様相を万華鏡の如き複雑さを見せる内面を(そう“ライトノベル”と言う形式の中で生まれた虚構化された消費される内面を)見出そうという試みなのである。

正直なところ、その試みが完全に成功したかと言うと、この作品に限っては不完全であると言わざるを得ない。ラストシーンなんていかにもギャルゲー的なご都合主義的なお約束に収束してしまったように見える甘さが画竜点睛を欠いてしまっているし、“竹田君”に心を砕くあまり、肝心の“美少女ヒロイン”たちの“消費される少女性”についても投げっぱなしになってしまっており、結局形を変えただけで彼女たちはいつまでも消費されることに変わりは無いように思える。

だが、現在の桜庭一樹の一ファンとして、僕にはこの作品を否定することは出来そうもない。これは永遠の格闘少女、桜庭一樹の足掻きと苦闘の歴史の一つであり、現在もなお続いている格闘の痕跡そのものなのだと思うのだ。

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復帰した

体調の不調やココログのメンテナンスなどの影響でサボってしまった。なんかすぐに息切れがするんだよなあ…。

休んでいるうちに買ったものは以下の通り。
1.『夜は短し歩けよ乙女』 森美登美彦 角川書店
2.『化物語(下)』 西尾維新 講談社
3.『アルスラーン戦記(12) 暗黒神殿』 田中芳樹 光文社カッパノベルズ
4.『ブラックベルベット 緋の目』 須賀しのぶ コバルト文庫
5.『僕のキャノン』 池上永一 角川文庫
6.『ダークタワーⅦ 暗黒の塔(上)(中)』 スティーブン・キング 新潮社

とにかく森美登美彦が素晴らしい。あまりにもいつもどおりな森美登美彦ぶりで、つまりはこれひょっとして傑作なんじゃないですか?

『化物語』。あーこの作品はあまりにも僕が快楽を感じる要素が詰まりすぎているー。ガード不能。楽しすぎて。

驚いたこと。まさかアルスラーン戦記の続編が、たった13ヶ月で読めるとは思わなかった…。もう驚愕もここに極まれり。明日は槍でもふるんじゃね?

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2006.12.02

『化物語(上)』読了

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化物語(上)』(西尾維新/講談社)読了。

西尾維新にしては極めてストレートな恋愛小説。妖怪小説とは間違っても呼ばないぞ。もしかしたら西尾維新なりの京極夏彦へのリスペクトなりなんなりを現しているのかもしれないが、およそ妖怪への愛が感じられません。ここで言う妖怪というのは、現代学園異能の”異能”と解釈するべきだろうな。

個人的に意外に思ったのは、主人公がごく平凡な意味でヒロイックな行動原理をもったお節介焼きで、困った人を見捨てられないひねくれた熱血野郎であるところが実に僕好みな主人公であるなあ。いろいろなところに首を突っ込んで、自分のことより他人を優先するヒーローを西尾維新が描くとは…。やっぱり戯言シリーズを完結させた影響は大きかったのか。

キャラクター、特に女の子については相変わらずの西尾維新調で、過剰すぎるキャラ付けがされていて、かなり奇矯というか変人と言うか通常の思考回路では想像もつかない造型なんだけど、どういうわけかそれがやたらと魅力的というか萌えるのは何故なのだろう。そこが西尾維新の恐ろしいところだと思う。戦場ヶ原ひたぎなんぞはいわゆる素直クール系のキャラではあるのだが、その一面で恐ろしく男にとって都合の良いキャラであり、さらに言えば本人自身がそれを自覚したメタ的な部分もあり、極めてキャラ作りににおける西尾維新の含羞があって、(本人が)ツンデレ作家だなあ思ったりもした。・・・何の話だっけ?

極論を言えば、事件なんぞはつけたしに過ぎない。ひねくれた熱血野郎である主人公が、奇々怪々なヒロインたちと出会い、終わりなきボケとツッコミを繰り返す漫才小説であるというところにこの作品の真価があるのだ。この見せ方が恐るべきところで、作者はお話ごとに新しいキャラ付けをされたヒロインを生み出し、毎回異なった掛け合い(=漫才)を行うことが、そのままヒロインのキャラを立てることに繋がっている。恐ろしく高度な事をやっているなあ…。これはやろうと思っても誰でも出来ることではない…。

西尾維新の天才が遺憾なく発揮された作品といっても良いかもしれない。キャラクター小説としては空前絶後の傑作と言って良いとさえ思った。

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『薔薇のマリア Ⅵ.BLOODRED SINGROOVE』読了

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薔薇のマリア Ⅵ.BLOODRED SINGROOVE』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。

ジョーカー、ロム・フォウといった新たなZOOメンバーと合流し、血塗れ聖堂騎士団との対決を開始したマリアたち。そこにサリア・ベルの操る怪物との限界を超えた戦いが始まった!と言う感じ。前回のバンカロ・ファミリーの面々はあくまでも一般人よりは上というレベルの戦闘力だったために、あまりにも絶望的な力の差、人間ではどうしようもない運命に抗する意思がクローズアップされていたが、そのような絶望を笑って砕くのがZOOの超人的な戦士たちなわけです。前作があるからこそ、トマトクンらの絶望を希望に変える圧倒的な超絶戦闘力が際立たせているのが見事だった。戦闘力のインフレを回避しているしね。

そしてそんな超絶バトルが繰り広げられると、マリアローズは完璧に傍観者の扱いになってしまっている。手を出してしまっては足手まといになるだけなんだからしょうがないんだけど。おそらく傍観者でしかありえない自分、というのは続巻への伏線になっているんじゃないかと思った。

アジアンに対するマリアの感情は、どことなく、あれだな。別に男だって女だって人間じゃなくたっていいじゃん、みたいな。…わけわからねーよ。マリアのメンタリティは、男か女かで言えば男性的だと思うのだけど(断言は出来ないが)、アジアンに対する感情にはホモセクシャル的な印象を感じつつ、でもまあそんなのはたいしたことじゃないよね、みたいな。…ますます分からなくなった。もういいや。とにかく素直になってくれればいいなあ、と。

血塗れ聖堂騎士団はとりあえず”D・M・C!D・M・C!”と言うことでOK?いやメタル系という意味であって他意はありません。でもクラウザーさんが言っていることと変わらんよなあ。

全くまとまりが無いが感想終わり。

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2006.12.01

『野を馳せる風のごとく 戦塵外史』読了

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野を馳せる風のごとく 戦塵外史』(花田一三六/GA文庫)読了。

非常に思い出深い作品だった。

学生時代に購読していた唯一の小説雑誌の「ザ・スニーカー」からデビューした作者の初長編作品だったかと思う。この人はデビューが短編で合ったことからも分かるように、本来、短編がむちゃくちゃ面白い作家である。冗長さなど全く無い機能美溢れる、というと語弊があるが、よく切れる刃物のような潔さすら感じられる作品を書く人なのである。そんな作家が初の長編を書いたということで刊行当初も不安な思いがあったものだが、今になって読み返してみると、無駄の無さがやや仇になっているところがあるのが惜しかった。本来、無用のシーンを作らないことで驚くべき緊張感を生み出すのがこの作者の凄さなのだが、長編になってはその緊張感を維持し続けるにも限界がある。作品がどうこう以前に読者が緊張感を維持できないのだ。結果、この作品をよっぽど好きでないと、下手すれば盛り上がりない(ように見える)まま淡々と物語が進んでしまうように感じられかねないのがもったいない。

だが"一騎駆け”から始まる血沸き肉踊る導入部の面白さは凄まじいので、ここに波長が合う人ならば間違いなく楽しめる。人知を超えた神の如き超英雄たるダリウスたちの勇猛さ、人間的魅力に満ち溢れたその姿はどうだ。荒々しく、狂猛にして、神話の勲詩の如きワンシーン。空恐ろしくなるほどの高揚と憧憬がそこにはあるように感じられる。もう最高だよ。いいからとにかく立ち読みでもいいので読んで欲しい。論より証拠だ。とにかくすごいから。本当に。

あとは短編集の復刻も心待ちにしております。

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