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2006.11.12

『風神秘抄』読了

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風神秘抄』』(荻原規子/徳間書店)読了。

まさか勾玉シリーズにまつわる作品を、まだ読むことが出来るとは…望外の喜びであった。と言いつつ本が出ているのに気がつかなくて、今頃になって読了しているわけですが。2005年5月に発売って、一年半も前じゃないか…。

ジュブナイルファンタジーを描かせたら荻原規子は日本でも有数の書き手であると言うのが僕の持論ではあるが、その思いをますます新たにさせられた一作だった。平安末期における源平合戦の最中、異能とまで昇華された芸能を持つ少年と少女が、お互いに強烈に惹かれあいながら、後白河上皇の野望の結果、引き裂かれてします。失われた少女を追い求め、少年は当てのない旅に出向く…。

失われた少女を追い求め続ける激しい愛のおはなしと捉えることも可能だけど、そこに鳥の王を初めとする神話的な世界観が立ち上ってくるところが素晴らしい。主人公の草十郎もまた、笛を通じて天然自然と通じ合うことが出来るいわゆる神人としての存在であったりするところも、神と人との関係が、まだギリギリのところで共存していると言うことが、理屈ではなしに感じられるのだ。

神と人の繋がっていた最後の時代。神人として森羅万象に通じていた主人公が、愛を知り、悲しみを知り、憎しみを知り、そして人間となっていく様を描いたこの作品は、単に恋愛ファンタジーと言うだけにはとどまらぬ、神と人の物語であると感じた。

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