『ロケットガール1 女子高生、リフトオフ!』読了
『ロケットガール1 女子高生、リフトオフ!』(野尻抱介/富士見ファンタジア文庫)読了。
再版されたのを久しぶりに読んでみた。最近、このパターンが多いが気にしてはいけない。
ともあれ面白かった。けっこう前の作品だけど、ほとんど古びた印象を受けないのはさすが。時代を超越した名作ってのはこういうものなのかも。ただ宇宙航空技術的な部分はさすがに古びているのではないかと思うのだけど、まあそのあたりは詳しい知識がないので気にせず読めた。詳しい人はそのあたりどう思うのか気になるところだけど、そういうところはリアリズムを追求することの良し悪しというものだろう。キャラクター小説的には薄いけど、この作品の肝は徹底したリアリズムに基づいた宇宙飛行士たちの夢と情熱の話に、美少女キャラクターをぶち込んだという、今の何でも萌えキャラ化に通ずる先駆的な作品であるという点なんでしょうね。作者がやりたいことは明らかに宇宙に夢と情熱をかけた人たちの熱いロマンを描きたいというところなんだけど、ライトノベル読者を引き込むために美少女キャラクターを取っ掛かりにしている点がきわめて慧眼と言えるのではないでしょうか。
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