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2006.11.30

『串刺しヘルパーさされさん(2) 呪われレボリューション』読了

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串刺しヘルパーさされさん(2) 呪われレボリューション』(木村航/HJ文庫)読了。

僕はこの作者の”呪い”と”祝福”の描き方がとても良いと思う。

”呪い”とは紛れも無く背負わされた人間にとっては不幸の源であり、生涯に渡って背負わされる業なのだが、それを単純に乗り越えるべき試練、あるいは意味の無い不条理とは、この作者は描かない。それは呪われた人間が人生と対峙していくにあたって避けることの出来ない、彼、あるいは彼女らがあるがままに生きようとしたときに立ち上がってくる問題そのものなのである。作中でも呪いを無理矢理払うことにさされは否定的なスタンスをとっていたことからもわかるように、呪いとは消しさるものではなく受け入れることが必要なのだ。呪いによって浮かび上がる自分自身の弱さなど醜い負の側面を暴き立てられながら、それを受け入れることで、そのとき呪いは不幸ではなく、”黄金”となるべきものと為すことが出来るのだ。もちろん自らのエゴと向き合うことはひどく苦しい。痛ましく、物悲しい。それは誰にも肩代わりすることが出来ないもの。

だけど。そんなどうにもならなく、苦しくてたまらないとき。誰よりも呪いに苦しむ彼女がやってくる。自らがもがき苦しんでいるからこそ、誰よりもエゴと向き合う苦しみを知っているからこそ、彼女は他者の苦しみに”共感”出来る。一緒になってエゴとの苦しみに取り組み、乗り越える手助けをしてくれる。それこそ無理矢理にでも。理不尽にはそれ以上の理不尽で。

誰よりも苦しんだ人こそが、他人の苦しみを手助けできる。それが「串刺しヘルパー」なんでしょうな。あー、これが愛ってやつ?
 
 
なーんちゃってな。

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2006.11.29

混沌と秩序の対立

もはや混沌の勢力の増大により、劣勢を強いられる秩序。この世の存亡を賭け、最後の戦いが今始まる…。

部屋の掃除の話です。

しかし、いくら整理しても整理しても片付かない…。秩序を維持するためには不断の努力が必要だが、混沌を助長させるには単に放っておけばよいわけで、エターナルチャンピオンじゃないけど、混沌の方が優勢になりやすいのは至極当然のことなのである。おのれ、この部屋が片付かないのも貴様の仕業かアリオッホ!(新訳準拠)

それにしても部屋の掃除をしていると、買ったっきり存在を忘れていた本がごろごろ出てきた。積みすぎました。

最近買ったものです。

1.『闇の守り人』 上橋菜穂子 偕成社
2.『Under the Rose(4) 春の賛歌』 船戸明理 幻冬舎
3.『ピルグリム・イェーガー(6)』 伊藤真美 少年画報社
4.『ワールドエンブリオ(2)』 森山大輔 少年画報社
5.『銀盤カレイドスコープ Vol.8 コズミック・プログラム:Big time again!』 海原零 スーパーダッシュ文庫
6.『銀盤カレイドスコープ Vol.9 シンデレラ・プログラム:Say it ain’t so』 海原零 スーパーダッシュ文庫

はて…シスマゲドンの発売日は今月じゃなかったっけ…。

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2006.11.26

『メイズプリズンの迷宮回帰 ソウルドロップ虜囚録』読了

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メイズプリズンの迷宮回帰 ソウルドロップ虜囚録』(上遠野浩平/ノン・ノベル)読了。

ブギーポップでもあったけど、上遠野浩平って「俺達に明日はない」系のロードストーリー、あるいは巨大にして卑小なるなにかからのエスケープストーリーを好んでいるのだろうなと思った。まあここで登場するのが父親がつまらない詐欺で刑務所にぶち込まれてしまって、いろいろと嫌になってしまった女の子と不思議な脱獄囚のおじいさんなんだけど。この二人が出会って詐欺を仕掛けたり逃亡したり交流を深めたりする話なんだけど、上遠野浩平ってのは、”ここではないどこか”の描写がたまらないわけで、不思議なおじいさん、双季蓮生のこの世のすべてを諦めきったような恬淡さが恐ろしく魅力的で、そして悲しくて、寂しさに満ちている。これはすべてが終わってしまった一人の老人の、最後の旅に同行することになった少女の話なのだが、その背景では、人間の生命に匹敵するものを盗む怪盗、ペイパーカットのすべてを観察する眼差しがある。その怪盗をめぐり様々な人間の意図があるのだけど、ぺイパーカットは事態の中心でありながらその姿を現さず、巨大な空白の目となり人々を翻弄する。あるいは導く。そこにあるのは一つの現象であり、現象に名前をつけるのはめぐりまわる人々個人に任せられる。それはおそらくそれぞれの人生そのものの選択であり、ペイパーカットはそれらをすべて俯瞰しつつ、一人の人生が終わるのを見守るのだった。その死はある老人が最後に見た夢であって、一人の少女がそれを受け取ったことにより、その人生は、たとえ受け取った側には何なのかは分からなくても、何かを残したことになるのだろう。少女は何が起こったのかは全然わからないなりも新しい道を歩んでいくのだ。一期一会。そんな陳腐な言葉も、この一瞬だけは意味を持つ。

あるいは持てると夢想するのだ。

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『マキゾエホリックCase3 魔法少女という名の記号』読了

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マキゾエホリックCase3 魔法少女という名の記号』(東亮太/角川スニーカー文庫)読了。

・箇条書きは楽だなあ。時間の無い時には重宝いたします。

・魔法少女の話。不思議変身魔法のアイテムで魔法少女に大変身。自然現象の化身と日夜バトルを繰り広げるぞ。素顔をさらしているのに正体は秘密だったり、敵のプリンスのほのかにラブったりな紛れも無い魔法少女としか言いようが無い(僕の魔法少女観はこの程度です)。

・「マキゾエ」という記号を付与された高浪藍子って、「主人公」じゃなくて本当に巻き込まれているだけなんだな。事件には積極的には関わらず、物語を動かすこともなく、傍観者と言うほど事件から遠くない。むしろ「読者」なのかも。しかしそれにしては事件に関わり過ぎる…。

・じゃあ灘英斗は…やっぱり「委員長」なのかな。本人は一般人でしかないけど、「クラス」の中では絶対の権力を誇る。そしてクラスメイトが人外であり、その人外のまとめ役が最強であると。

・この作品の楽しみ方。ようするにクロスオーバー作品として楽しむべきなのかも。クロスオーバーするべき世界観は極めてステレオタイプ的なものなのだが、それぐらいに単純化しないと(灘英斗じゃないけど)把握しきれなくなると言うことだろう。

・当初はクロスオーバーした世界観のお約束を逆手にとって事件を解決していく灘英斗の活躍になるのかと思ったけど、現時点ではそれぞれの記号が持つ背景を説明しているパートなのかもしれない。おそらくこの作品は、キャラクターが明らかになればなるほど面白くなっていくだろうから。

・しかし、藍子と灘と、「黒幕」である工藤の三角関係小説としても読めるような気がしてきたのだが。ちなみに矢印の方向性はよくわかりません。

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2006.11.25

『円環少女(サークリットガール)(4) よるべなき鉄槌』読了

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円環少女(サークリットガール)(4) よるべなき鉄槌』(長谷敏司/角川スニーカー文庫)読了。

・感想が書きにくい…。

・この作家の文体は読みにくいとよく言われるが、要するに抽象的で迂遠な表現を使うので、文章が表すイメージを自分の中に汲み上げる努力を読者に強いると言うことである。おかげで時折文章を読み返したりするので、読むスピードが遅くなること遅くなること。読み終えるのに3日ぐらいかかってしまった。いったいどこが”ライト”ノベルなんだろうか。

・しかし、この人の文章にはあまり自己陶酔的なところは感じない。筆致そのものは極めて冷静だ。複雑なガラス細工を見ているような精巧さ、文体の隅々まで行き届いた職人の技を感じる文体だと思う。パピヨンと評されることもあるけど、僕にはアーティスティックなものよりももっと地に足の着いたものを感じるな。

・仁の妹の話。いわゆる難病物のフォーマットを完璧に使いこなしていると思った。仁が魔炎に燃え上がる妹を後ろに乗せて自転車で夜闇を走るシーンの美しさには正直震えたよ。あいかわらずリリカルなイメージを作らせたら上手い。

・それにしても真性のロリコン小説だなこれは…。誇り高く嵐に立ち向かう少女の小さな肩を見つめる仁の、保護欲と信頼、そして逆に守られている感覚などのあまりにも地に足の着いた描写が…うん、まあ、そのヤバイね。

・堕ちたる聖女エレオノール。一巻での戦いの後、公館の捕虜となったエレオノールがその精神と肉体を苛まれる。そしてもたらされた一片の希望すらも彼女を追い詰める罠でしかない。聖なる姿も砂塵に塗れ、裏切り者の刻印を押され、この世の中でたった一人となってしまった彼女が、極限の状態でついに得た福音。堕ちていたとしても彼女の信仰は死なず。

・自分で自分の信仰を見つけ出しちゃったよ…。まあ彼女の現実を巡る厳しさは何一つ変わってはいないわけだけど。

・どうなるんだろうなあ。

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2006.11.24

自意識の所在がつかめない

今更こんな事を考えているのもどうかと思うんだけど。もうちょっと自意識でチャンバラをする技術を鍛えた方がよさそうだ。自分でも思うけど、自我が無防備すぎてゾッとすることがある。気を抜くとすぐに穴熊戦法に走ってしまうからなあ。これだから精神的ニートは…。

1.『銃姫 Sincereli Nightly』 原作:高殿円 漫画:一文字蛍 講談社
2.『鋼の錬金術師(15)』 荒川弘 スクウェア・エニックス
3.『NHKにようこそ(6)』 原作:滝本竜彦 漫画:大岩ケンヂ 角川書店
4.『マヒルの用心棒 ♯1』 大岩ケンヂ 角川書店
5.『マルドゥック・ヴェロシティ(3)』 冲方丁 ハヤカワ文庫JA
6.『竜を駆る種族』 ジャック・ヴァンス ハヤカワ文庫SF
7.『精霊の守人』 上橋菜穂子 偕成社

銃姫の漫画。なんか絵が上手いなあ。

NHKにようこそは通常版です。負け犬呼ばれても良いー!しかし、原作とはまた別方向に痛々しくて見ていられない作品になってきたな…。

マヒルの用心棒がやたらと面白い。大岩ケンヂは上手さを改めて実感する。見事。

マルドゥック・ヴェロシティ。疾走することへ強烈な意思を感じる。久しぶりに冲方丁の”人生”を感じさせられる。

竜を駆る種族。いや、まあ、これはその場の勢いで。

精霊の守人。これもその場の勢いで。

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『ラグナロク EX.MISFORTUNE』読了

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ラグナロク EX.MISFORTUNE』(安井健太郎/角川スニーカー文庫)読了。

なんかずいぶん久しぶりに読んだ。

個人的にはノンストップB級アクションファンタジーとみなしている作品らしく、どれも血とバトルと銃弾とちょいラブが入ったエンタテインメントである。

主人公のリロイがやっていることははっきり言って洒落にならない。悪党は容赦なくぶっ殺し、悪党でもない奴でもぶっ殺し、そのくせ気まぐれに人助けをしたりする。基本的に恣意で殺人の判断を行っているので、まあ控えめに言っても単なるケダモノですな。悪く言えば殺人鬼。このあたりの倫理観の危うさと言うものは作品の当初からのもので、いろいろな意味で危険極まりない作品である。まあリロイが(無自覚に)半端な悪党なんざ真っ青の鬼畜外道な行為をするのはこの作品の楽しみの一つ。そこのタブー感をスルー出来るかどうかがこの作品を楽しめるかどうかなんだが…最近はちょっと苦しくなってきたな。果たしてこの主人公の存在を許していいものなのかどうか…。現代に生きる人間としては悩みどころだ。

まあそういったところは相変わらずなんだけど…久しぶりに読んだところ、ちょっとこれは…小説としてはひどくないか?と思ってしまった。特に一番最後に収録されているエピソードなんてさっぱり意味が、というよりもストーリーがよく分からない…。読者に何も知らせずに不条理状況だけをポーンと放り出されても…僕はいつの間にカフカを読んでいたんだ、と自問自答してしまうぐらいに不条理極まりないナンセンスなストーリー。行動原理が理解不能なキャラクター。わからない…僕にはこいつらの思考回路がわからない!

安井健太郎はいつの間に不条理小説を書くようになったのだろう…。

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2006.11.23

『デビルサマナー葛葉ライドウ 対 死人驛使』読了

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デビルサマナー葛葉ライドウ 対 死人驛使』(蕪木統文/ファミ通文庫)読了。

なんかライトノベルとしてやたらとよく出来ている。ツンデレ犬悪魔がやたらと分かりやすかったりボンクラ探偵のお兄さんや記者のお姉さんのバタバタぶりとか子供がけっこうがんばったりとキャラクターがやたらと立ちまくっている。僕はゲームをやっていないのでわからないのだが、メガテンシリーズのお約束として個性を持たない主人公であると思うライドウ君が、訥々としたしゃべり方で折り目正しく生真面目で時々ボケをかます萌えキャラとしてやたらとスペックが高いのには驚いた。というか萌えた。詰襟美少年好きな方は万難を排して読むべきですぞ?たとえば母親の幽霊を背に、一人一人が達人級の剣士である十数体の烏天狗を前にして、母を傷つけまいと戦鬼と化すシーンには、護国の修羅としての壮絶さと頑是ない幼子のような頑迷さが入り混じった最大の萌えシーンである。まあ半分くらいは冗談だけど(半分は本気)。

うーん、ゲームもやるか…。

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『夜明けの剣 ルーンの杖秘録Ⅲ』読了

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夜明けの剣 ルーンの杖秘録Ⅲ』(マイケル・ムアコック/創元推理文庫)読了。

しかし、なんか毎月のようにムアコックの本が出てくる…。リバイバルブーム恐るべしだな。そんなことよりもホークムーンサーガもようよう中盤に差し掛かり、黒の剣の化身の一つでる夜明けの剣の登場である。まあストームブリンガーに比べるとキャラはまだ立っていないけど(ここはつっこむところだ)。

それにしても2巻から仲間に加わったダヴェルクが軽薄でお調子者で喘息もち(?)で冷酷なところもあるけど実は友情に厚かったりとなかなか魅力的な人物になっていて良いなあ。もともとは暗黒帝国の将校だったこともあって単純に善人とはとても言えないけど、そのあたりに複雑な人間性が垣間見えて良いとおもう。ホークムーンは個人的にはちょっと優等生的過ぎるからな。別に悪いわけじゃないけど。

それにしても”黒玉と黄金の戦士”があまりにも便利に使われすぎていて笑った。とりあえずホークムーンをピンチにして、にっちもさっちも行かなくなったら”黒玉と黄金の戦士”が表われて助けてくれると言うのがパターン化している…。さすが天秤の戦士だけのことはあるぜ…。

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『ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険』読了

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ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険』(ヤマグチノボル/MF文庫J)読了。

まあ僕はヤマグチノボル信者であり基本的にすべて肯定できる人間なので面白かったけど、自己主張をほとんどしないタバサを主人公にすると言うのはかなりの冒険(冒険だけに。くだらねー)だと思った。まあ僕はキャラクターにはほとんど感情移入をしないタイプなので、その点そのものは気にならなった。ただキャラクターのドロドロとしたコンプレックスが表に出てこないと、ヤマグチノボルらしさがあんまり出てこないと言う気はする。

ゼロの使い魔を読み出した当初は思いもよらなかったけど、ヤマグチノボルというのは、基本的にキャラクターの負の感情(劣等感)とその克服を描いている作家なので、内面を描かれないとけっこう平凡な物語になってしまうのだよな。ルイズはツンデレの代名詞的な言い方をされるけど、その実、貴族でありながらゼロと侮蔑されていたコンプレックスの塊で、攻撃的な物腰はそれを隠蔽するための仮面に過ぎない。サイトに対する虐待ぶりもその延長にあるからこそ”デレ”に陥ったときの魅力が存分に出てくるのだと思う。最近ではそれをわかっていないツンデレが多すぎる…。反応だけ真似ればよいと言うものではないのだが。

話が逸れた。
さて、そういった意味で、『タバサの冒険』においてもっとも魅力的なキャラクターは、タバサにとって仇の娘であり常に無理難題を吹っかけてくるイザベラ姫である。現王の娘であり地位も名誉も何もかも得ながら、しかし、己が力のみで騎士(シュヴァリエ)となり端然と佇むタバサに対する根深いコンプレックスを抱えた彼女の姿には共感すら覚える。何をどうあがいても勝てない相手(しかもおそらくは自分の理想形)が目の前にいるってのはキッツイだろうなあ。彼女がこのままコンプレックスにくらんで暴走し自滅するのか、あるいはそれを振り切るのか。おそらく本編でも登場すると思うので楽しみだなあ。

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『パラケルススの娘(5)』読了

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パラケルススの娘(5)』(五代ゆう/MF文庫J)読了。

『かむなぎ 不死に神代の花の咲く』の感想でも書いたけど、ライトノベルのおける”少年性”とでも言うべきものは、女性作家の妄想の中にしかないんじゃないかという気がしてきた。ここで言う少年らしさというのは、あくまでも個人的な感覚でしかないのだが、夢だったり希望だったり異性への憧れだったり単純な性欲だったり裏腹の庇護意識だったり家族的な帰属意識だったり、まあラピュタのバスーを思い浮かべてもらうのがいいんじゃないかと言う気がするのだが、結局自分の内部だけで世界のすべてが決着してしまう子供の領域(世界、意識?)に、個人の意識だけではどうにもならない大人の世界、言い換えれば”社会”が流入してくることから生じる葛藤こそが”少年”を”少年”足らしめる何かを生み出すと言えなくもない。これは社会と呼ばれるなんだかよくわからない領域で、自らの証を立てたいと言う欲求があって、いうなれば新しい世界で新しい自己実現を達成することにこそ少年を主人公とした物語の真骨頂があると思うのだ。

しかし、現代のオタク、と言うか完全に自分自身の事を言ってしまうのだが、社会と呼ばれるよくわからない場所で自己実現を行うことが出来る、と言うことはいまひとつリアリティが沸かないのだ。むしろ、異なるエゴとエゴの結びつきが生じる極めて個人的な世界、小さな小さな世界(子供の領域)のぶつかりあいにこそ身近に感じるし、そも、社会と言うものそのもので自らの証を立てたいと言うことの意義が見つからない。夢や希望、大家族的な帰属への欲求と言うものは、少なくとも僕にとっては魅力的なものではなく、単なる選択の結果でしかない。社会と個人の葛藤と言うよりは個人しかいない世界。そんな捉え方は明らかに社会不適応者の言であることは言うまでもない。が、そういう感覚の中で生きてしまっている自分には、社会と呼ばれる何かへの所属と、秩序の中で自らを認められていくイニシエーションを経過していく”少年”というものが、どうも上手くしっくりと根付かないのである。

しかし、だからと言って少年らしさを否定するつもりは全く無いけれど。そういったものへの憧れ、あるいはノスタルジーは僕の中にもある。一歩ずつ自らの居場所を確立していくこの『パラケルルススの娘』の主人公、跡部遼太郎くんの姿は正直好ましく、このように清廉に生きることが出来れば自分ももう少しまともな人間になれるのかもしれないなあ、などと思ってしまうのであった。僕には到底出来ない生き方だからなあ。

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『”文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)』『“文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)』読了

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”文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)』、『“文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)』(野村美月/ファミ通文庫)読了。

これはとても面白い。

・”文学少女”の正体が分からないのがまず品が良い。本当に妖怪なのか、単に体質、あるいは疾患であるのか読者には判断出来ない。

・”文学少女”である先輩が非常に魅力的。普通の少女らしさと、優しくてお節介な先輩なところと、冷たく乾いた透徹した眼差しを併せ持つ。正体の不明瞭さとあいまって、非常にミステリアスな魅力がある。

・道化の方は太宰治の『人間失格』、幽霊の方はエミリー・ブロンテの『嵐が丘』をそれぞれ底本、というかそのまま物語の構図を持ってきている。それぞれの魅力を上手く学園ライトノベルとして解釈し直しているところが見事。

・思えば太宰治なんて思春期にきちんと読んだら強烈な影響を与えられかねない作品だけど、驚くほど10代には読まれていないと思う。一部の、それこそ文学少女(少年)ぐらいにしか届かないのはあまりにもったいなさ過ぎる。その意味でもこの作品でやっていることは意義があるかもしれない。無論面白ければ何でもいいが。

・物語の取り込み方についても、単にそのまま持ってくるだけではなくて、きちんと作者が”解釈”した物語になっているところも良い。人間失格における世界と相容れない恐怖を、やや直接的過ぎるもののライトノベル的な葛藤にしている。これももっと極端にすると戯言シリーズ(グビシメロマンチストあたり)になってしまうのだろうが、あれはまた別のもの。

・幽霊に至り道化で感じられた換骨奪胎のぎこちなさが大分薄れて来たように思う。原作の影響もあるのだろうが、狂気にすら至る熱情を冷たく乾いた筆致で突き放した描写に、野村美月の美意識が感じられた。けっこう凄いものを読んだ気がする。

・実にクールなシリーズだと思った。

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すげえ事をするな…

Fate/zero』(著;虚淵玄)を見た時は目を疑った。本気なのか、ニトロプラスとTYPE-MOONは…。

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気力体力意欲好奇心が低下中

眠い…。果てし無く眠い…。朝っぱらからなんでこんなに疲労しているのかねえ。

1.『銃姫(8)』 高殿円 MF文庫J
2.『ソラにウサギがのぼるころ(3)』 平坂読 MF文庫J
3.『ネクラ少女は黒魔法で恋をする(3)』 熊谷雅人 MF文庫J
4.『ダレンシャン(1)』 原作:ダレンシャン 漫画:新井隆広 小学館

『ネクラ少女』って、ひょっとしたら1、2巻の感想を書いていなかったかもしれんなあ。

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2006.11.20

『ロケットガール1 女子高生、リフトオフ!』読了

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ロケットガール1 女子高生、リフトオフ!』(野尻抱介/富士見ファンタジア文庫)読了。

再版されたのを久しぶりに読んでみた。最近、このパターンが多いが気にしてはいけない。

ともあれ面白かった。けっこう前の作品だけど、ほとんど古びた印象を受けないのはさすが。時代を超越した名作ってのはこういうものなのかも。ただ宇宙航空技術的な部分はさすがに古びているのではないかと思うのだけど、まあそのあたりは詳しい知識がないので気にせず読めた。詳しい人はそのあたりどう思うのか気になるところだけど、そういうところはリアリズムを追求することの良し悪しというものだろう。キャラクター小説的には薄いけど、この作品の肝は徹底したリアリズムに基づいた宇宙飛行士たちの夢と情熱の話に、美少女キャラクターをぶち込んだという、今の何でも萌えキャラ化に通ずる先駆的な作品であるという点なんでしょうね。作者がやりたいことは明らかに宇宙に夢と情熱をかけた人たちの熱いロマンを描きたいというところなんだけど、ライトノベル読者を引き込むために美少女キャラクターを取っ掛かりにしている点がきわめて慧眼と言えるのではないでしょうか。

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2006.11.19

『かむなぎ 不死に神代の花の咲く』読了

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かむなぎ 不不死に神代の花の咲く』(沖垣淳/GA文庫)読了。

主人公が伝奇的な異能の血族で、まだ技量は未熟なれど潜在力は高いという設定が、近年における伝奇小説流行と言えるヘタレ一点豪華主義の中において逆に新鮮味を感じてしまった自分が不思議だった。おそらく作者は女性なのだろうと感じる部分と無関係ではないのかもしれない。例えば主人公が無鉄砲でひたむき、そして熱血とあまりにまっとうに少年的である部分は、このような少年らしさは現代の男オタクにとっては許容しやすいものではなく、感情移入の妨げになりかねなく、あまり(ライトノベルでは)見かけない。おそらくさわやかな少年らしさというものは、現代ではノスタルジーか女性の妄想の中でしか生き延びられないわけで、現状、ライトノベルにおいては男性主人公の受け身、すなわちお姫様化を歩んでいることを実感したりもする。まあそのあたりはややこしい問題っぽいので棚に挙げておくが。ともあれこの作品は明らかに女性的な妄想の中の少年らしさをかもし出していると感じたのだが、それに対し僕自身にとって少年らしさというものはノスタルジーの領域に入りつつあるわけで、少年らしさという一点に僕が反応をしたと言うことなのかも知れない。少年らしさというのは、いうなれば自らの男性的なマッチョさと女性的なナイーブさがかみ合うことで生まれるものなので、この作品においては主人公が異能の血族の跡継ぎと言う”家”に属する点と、少女に対しては異能によって不幸を強制されている点に反発を覚える割り切れなさにそれぞれが代表されている。その意味においてこの作品は”少年”と言うものを見事に描き出していると言え、最近読んだライトノベルとしてはひどく珍しさを覚えたのだった。

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『煉獄のエスクードARCHIVES だけど綺麗なものは天国に行けない』読了

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煉獄のエスクードARCHIVES だけど綺麗なものは天国に行けない』(貴子潤一郎/富士見ファンタジア文庫)読了。

貴子潤一郎のある意味本気が全開になった作品で、改めてこの作者恐るべしの思いを新たにさせられた感がある。とにかく今まで登場できなかった分の憂さを晴らすかのようにレイニーが出ずっぱり。バトルにエロスにラブにハードボイルドに大活躍だ!もう読者置いてきぼりのレイニー萌え萌え小説と化しているが、果たして今現状のライトノベル業界において、レイニーのような怖くて強くてエロいおねいさん(でも実はやさしい)がメインヒロインの話が受け入れられるものだろうか?全く持ってそんな心配などするだけ無駄であり、怖くて強くてエロいおねいさん(実はやさしい)が大好きであり、作者と性癖と同じくしている自分にとってはまさしく至福と言って良い作品集なのである。さらにハードボイルド成分まで過剰に注入しており、貴子潤一郎!貴様、分かっているな!?(僕の趣味を!)とばかりに僕は大喜びである。万歳。とにかくレイニーが登場するだけで大喜びの吉兆さんとしては収録された作品はどれもこれも大変素晴らしかったのでありますが、作者のハードボイルド趣味が全開の「本日快晴」がとりわけ!素晴らしい。過去に傷を負った男が赤髪の殺戮者と出会うハードボイルドで、己の人生を悔い、それを取り戻そうとする男のダンディズムがたまらねえ!あまりにもストイックかつハードボイルドな主人公に釣られてか、レイニーがなんかヒロインっぽい揺らぎ生じており、極めて魅力的な一面を見せている(そうかこれがギャップ萌えか・・・)。煉獄のエスクードって、ひょっとして最初からこういう方向性で行ったほうが面白かったんじゃないのか?レイニーというキャラクターは、それに匹敵する重みを持ったキャラクターがいないと、無敵すぎてそのポテンシャルが発揮されないような気がしましたよ。薫では未だ役者不足といわざるを得ないのではないかな。早く成長してくれないと、本編でのレイニーの活躍が出来ないじゃん。薫くんには僕のレイニーに釣り合う男に早くなって欲しいものだと思いました。なんだそりゃ。

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2006.11.18

『学校の階段』読了

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学校の階段』(櫂末高彰/ファミ通文庫)読了。

んーあーどうしようこれ?ノリと勢いに任せたテンションは楽しいし、階段レースの疾走感には見るべきものがあると思うけど、肝心要の主人公の葛藤と、その解決方法に疑問を感じちゃうよなー。ていうかこれでは全然解決に至ってないというか、そもそも生徒会の方も何がやりたいのかさっぱり分からん(いや、彼女がツンデレなのは一読してわかるのだが)。とにかく主人公を中心に事態が都合よく回りすぎなのが気になった。ここまでお膳立てされた上で葛藤を解決されても僕にはそれが解決されたとは思えんよ。学園青春ラブコメとしてはそれでもいいのかもしれないが。あ、これはそういう話だっけ?

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『ウィークエンド・シャッフル』読了

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ウィークエンド・シャッフル』(筒井康隆/講談社文庫)読了。

以前に別の短編集で読んだ短編も収録されているため、微妙に損をした気分になった。だが、表題作の『ウィークエンド・シャッフル』があまりにも傑作すぎるので別に良いや。筒井康隆の短編としての評判も高く、映画化もされているのでいまさら何を語るべきなのかと言う気もするが、傑作なものはしょうがない。いわゆる当たり前のサラリーマン家庭の週末で、次から次に事件が起こり日常が崩壊していくといった内容。なんか星新一の短編に通じるような不条理なブラックユーモアなんだけど、ありえない展開がありえないまま続いていって最終的に状況が煮詰まった挙句にどうしようもなくなっていく過程があまりにも”リアル”すぎて恐怖する。また、どうしようもないほどに追い詰められた主人公が、ひたすら現実(ここ笑うところ)から目を逸らし続ける描写がやたらと地に足が着いている印象もあって、やたらとシンクロさせられてしまったのにも参った。自分の駄目人間気質をあまりにも狙い済ましたかのような描写で読んでいてつらいぐらいなのだが、なぜか読んでしまう…。まあとにかく、ナンセンスな状況からリアルを生むことが出来る筒井康隆って凄いな作家だな、と言う事を再認識するのだった。別に負け惜しみではない。

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2006.11.17

ふわふわまとまらない思考を弄ぶ

しかし、考えたはしから片っ端から忘れてしまうため、ブログに書くことが全く思い出せん。ついに僕も健忘症が出てきたようで、そもそも一瞬前に自分が何を考えているのか分からなくなることがある(いやそれはヤバイ)。

1.『ヨルムンガンド(1)』 高橋慶太郎 小学館
2.『ブラックラグーン(6)』 広江礼威 小学館
3.『ワイルダネス(5)』 伊藤明弘 小学館
4.『皇国の守護者(4)』 原作:佐藤大輔 漫画:伊藤悠 集英社
5.『覇者の魔剣』 三浦良 富士見ファンタジア文庫

小学館が誇る三大ドンパチ漫画が同時発売とは一体この世はどうなっちまったのかと本気で心配になるね。まあ僕としては高橋慶太郎が痛快ハイテンションドンパチ漫画を引っさげて大復活したことに勝る喜びはない。ひゃっほう!今日はいい日だ!つーか、登場人物たちのテンションの高さが素晴らしく、とりわけ威勢のいい啖呵を切りまくるココがツーカイでありまする。会話の切り返しが鋭すぎますよお前ら。

あ、『皇国の守護者』が相変わらずあたまがおかしいぐらいに面白い。とりあえずみんなも読もう。単なる戦闘漫画じゃすまない限界ギリギリの負け戦を指揮し続ける主人公の善と悪を超克した姿はある種の真実であるような気さえしてくるぜ!

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2006.11.15

日記兼つぶやき兼購入記録

今日も一日眠くてたまらず。気力と意欲がいまいち感に溢れており、いろいろと煮詰まっているのも変わらない。思考停止は自身にとって最大の枷である事を理解しつつも現実と向き合うための意思が保てぬ。そんな事をつぶやく自分の自己欺瞞と現実逃避に吐き気と嫌悪。嫌悪を覚えることしかしない怠惰に憎悪。生きることが不得手なんだ、と言う貴様はどれだけ傲慢なんだ?弱すぎるよ。本当。

あーなんか吐き出すものを吐き出したらすっきり…はしないなあ。残念。まあなんとか明日もがんばりましょうかねー。

今日買ったもの。
1.『きつねのはなし』 森見登美彦 新潮社
2.『氷と炎の歌3 剣風の大地(1)』 ジョージ・R・R・マーティン 早川書房
3.『マルドゥック・ヴェロシティ(2)』 冲方丁 ハヤカワ文庫JA

森美登美彦はみんなも読もうぜ!格調高い文章はそのままに、今回は真面目な方向に向かった素晴らしき傑作ホラー。端整にして香気に満ちた物語は一読に値するかと。もちろんライトノベルじゃ全然ないけどな。

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2006.11.14

『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』読了

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AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』(桜庭一樹/ファミ通文庫)読了。

桜庭一樹の初期作品はあまり良い評判を聞かないのだけど、たまたま手に入ったので読んでみた。これがけっこう面白い。

成人のみ死亡率100%を誇る謎のウイルスが蔓延した新宿を舞台に、政府から見捨てられ、隔離された人々の、死と隣り合わせに生きている姿を、それを見守る傍観者でしかありえない一人の何でも屋の視点から描いている。死に直面した人々のもがきや絶望、そして希望を、決して過剰には描かず、極めて淡々と、いっそ冷徹とさえいえる筆致であるところに今の桜庭一樹に通じるものを感じた。またネットゲー(当時ではバーチャルリアリティかも)的な描写もあって、インターネットの匿名性を題材にしたミステリーとも読める。なかなか意欲的な作品だと思うのだけど、明らかに続き物でありながら続編が出ていないことを考えるとあまり話題にもならなかったようである。いわゆる、早すぎた、と言うことかもしれない。

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2006.11.13

『バッカーノ!1934 獄中編 Alice In Jails』

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バッカーノ!1934 獄中編 Alice In Jails』(成田良悟/電撃文庫)読了。

見事なまでに全く話が動かない。

成田良悟と言う作家は、とある出来事ととある出来事が偶然に、あるいは必然に、時に強引に結び付けていくことから生じるドライブ感にさらにアクセルを踏み込んで加速を加えていくと言う、例えるならば物語が壊れる寸前までブレーキを踏まないチキンレース的な部分が最大の魅力なのだけど、今回のように、出来事と出来事が結びつく前の出来事、つまり単一の事件を追っている話だと、どこと無く平板な印象を受けどうにも退屈さを感じてしまうのだった。つまり、いろいろなことを同時に俯瞰すること、言い換えれば幅広く物語をカバーする代わりに、一つの事柄を掘り下げることを好まない作家のようで、個人的にはそこが最大の長所であり短所でもあると思っているのだけど、どうも近年の成田良悟は事件と事件をつなぎ合わせるまでにやたらと時間をかけるようになってきているのが実に悩ましいところなのであった。ドライブがかかってくるとやたらめったら面白くなるのは間違いないのだが、かといって上巻を飛ばして下巻だけ読むわけにいかない。困ったものだ(僕が)。

それはそれとして、アイザック&ミリアが出てくると、事件がなにも起こっていないのに、何か面白かったような気になってしまう。騙されん、騙されんぞー。

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2006.11.12

『風神秘抄』読了

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風神秘抄』』(荻原規子/徳間書店)読了。

まさか勾玉シリーズにまつわる作品を、まだ読むことが出来るとは…望外の喜びであった。と言いつつ本が出ているのに気がつかなくて、今頃になって読了しているわけですが。2005年5月に発売って、一年半も前じゃないか…。

ジュブナイルファンタジーを描かせたら荻原規子は日本でも有数の書き手であると言うのが僕の持論ではあるが、その思いをますます新たにさせられた一作だった。平安末期における源平合戦の最中、異能とまで昇華された芸能を持つ少年と少女が、お互いに強烈に惹かれあいながら、後白河上皇の野望の結果、引き裂かれてします。失われた少女を追い求め、少年は当てのない旅に出向く…。

失われた少女を追い求め続ける激しい愛のおはなしと捉えることも可能だけど、そこに鳥の王を初めとする神話的な世界観が立ち上ってくるところが素晴らしい。主人公の草十郎もまた、笛を通じて天然自然と通じ合うことが出来るいわゆる神人としての存在であったりするところも、神と人との関係が、まだギリギリのところで共存していると言うことが、理屈ではなしに感じられるのだ。

神と人の繋がっていた最後の時代。神人として森羅万象に通じていた主人公が、愛を知り、悲しみを知り、憎しみを知り、そして人間となっていく様を描いたこの作品は、単に恋愛ファンタジーと言うだけにはとどまらぬ、神と人の物語であると感じた。

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2006.11.11

『ギロチンマシン中村奈々子 義務教育編』読了

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ギロチンマシン中村奈々子 義務教育編』(日日日/デュアル文庫)読了。

うーむ…もしかすると日日日は人間と機械の意識の相違とか、人の意識とは、とか古典的なSFテーマに挑もうとしているのかもしれないと一瞬思ったのだけど、もちろんそんなわけないですよねえ。そんな期待をしてしまった僕が悪いんだけど、その辺のSFテーマの打っちゃり方、あるいは古典への敬意のなさには思わず眩暈がしてしまった僕を誰も責められない、はずだ。こういうことを言うと年寄りの戯言に過ぎないみっともない発言であると言うことは十二分に分かっているのだけど…とりあえず神林長平ぐらいは読んでおこうぜ!と思いました。

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2006.11.10

『星屑エンプレス2 きりきりなぼくの日常』読了

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星屑エンプレス2 きりきりなぼくの日常』(小林めぐみ/富士見ミステリー文庫)読了。

想像以上に真面目にミステリーをやろうとしているように思えるのには好感が持てた。ただ、最終的にはミステリーと言うよりはサスペンスになっているような気もするし、もっと言えばナオシスタ皇女と高知のほのぼのとした関係を描いた作品のような気もする。かなり陰謀劇そのものは陰惨なものなのだけど、六曜博士の傍若無人な暴走によって、あらゆるシリアスさ加減がどこかに消えてしまった感がある。恐るべし、六曜博士…こいつらがいると作品のギャグ度が一気の増してしまう…。ミステリとしては致命的なじゃないかと思う。ただそれゆえに”真犯人”には騙されましたけどね。

ところで話はかわりますが、作品の帯にナオシスタ皇女の事をわがまま姫とか書かれているけど、実際にはそんなことは無いよなあ。確かにわがままで常識が無いところはあるけど、基本的に素直で聞き分けの良い子ですね。なんか富士ミス編集部のレッテルの貼り方は記号的過ぎて好きになれないな。作品をきちんと読んでいるとは思えない。作品とは関係ないけど、本を手に取る人へ変な先入観を植え付けていると思うので、あまり良くない惹句だと思った。

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昨日買ったもの

さして語るべきことがない一日だった。せいぜい電車の中でまたぶつかったのなんだのと言う口論があったぐらいだ。…最近流行っているのか?

昨日買ったものは以下の通り。
1.『シンセミアⅢ』 阿部和重 朝日文庫
2.『シンセミアⅣ』 阿部和重 朝日文庫

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2006.11.09

『セカイのスキマ(2)』読了

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セカイのスキマ(2)』(田代裕彦/富士見ミステリー文庫)読了。

ちょっとネタバレなので気をつけて下さい。

主人公たちに敵対するライバル登場のお話にして、新ヒロインまで追加してしまったいろいろと欲張りなお話だった。このライバル像は、なかなか通り一遍ではないもので意表を突かれた感があった。これからいかようにも話を持っていける非常に良い立ち位置だと思う。キャラクターとしても非常に魅力的なところでもあるし、主人公を軸にしていろいろ動いてくれそうだ。また、主人公の人間的な欠落もクローズアップされてきたようで、今後の物語では、その欠落そのものにも焦点が当たってきそうな気配もあるし、単なる妖怪ミステリとは言えない方向に話を作っているところも頼もしい。富士ミスらしくラブコメっぽいところもカバーしているところもあって、エンターテインメント性は完璧。これは非常によく出来ているので、読んでいて気分が良くなってくるタイプの作品か。うん、とても良いね。

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2006.11.08

『ROOM NO.1301 #8 妹さんはオプティミスティック!』読了

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ROOMNO.1301#8 妹さんはオプティミスティック!』(新井輝/富士見ミステリー文庫)読了。

エロゲー的シチュエーションとキャラクターを配置しながら、描かれるのはどうしようもない人間の、どうしようもなさ、そして主人公健一の魂の彷徨を描く『ROOMNO.1301』もはや8巻目と相成った。そして、おそらくはこの物語における転換点となる地点となるのでもあろう。なぜなら自分の求めているものすらも分からず、ただその場の状況に流され続け、そして今、自分がそこにいる意味を問い続けていた健一が、ついに自分がなぜそこにいるのかという問いに対する一つの答えを出さんとしている巻だからである。常に”問う者”である健一は、逆に言えば”行動する者”ではなく、それゆえ己の思索の中に埋没していく傾向にあった。実感の持てない人生、関心を持てない世界に対して、途方に暮れているのが健一であった。しかし、健一とは真逆に位置するシーナの存在が、ついに健一を行動させていく。シーナと出会ってからも、それでもなお世界に対してしり込みをしていた健一が、シーナと佳奈の関係や、冴子たちとの関わりを経て、ついに思索を捨てて、無心でハーモニカを吹いた。それは健一のそれまでの世界への決別を意味しているのかも知れない。あるいは健一で世界に向けて叩き付けた宣戦布告であるのかもしれない。しかし、どのような意図を持っているにせよ健一は”始める”事を選んだのであり、そして始まりとは終わりに通ずるものである。それは物語の終幕、つまり1301号室における永遠とも言える幸福な擬似家族関係の終焉そのものに向けて、物語は動き出していくのだろう。そして彼らは選択を迫られていく。永遠を求め続けるのか?あるいは手放すのか?彼らが選ぶ決着を、読者は、僕はすでに知っている。想像をしている。その瞬間に向けて、物語は今しばらくの時間を費やしていく事を、今の僕は願ってやまない。焦らないで、ゆっくりとやればいいのだから。

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不条理に潰されないためには、瞬間的に逆上することが出来るというのは立派な武器だ

朝、通勤列車の中で、いきなり足を踏んだだの肩がぶつかっただので口論になっている現場に出くわした。まあ口論と言うのは正確ではなくて、片方が一方的に、そしてネチネチと文句をつけているだけだったのだが。原因となるところを見ていなかったので、どっちが悪いのかは分からないのだけど、どう考えてもいつまでも文句をつけ続けている方の大人気なさと鬱陶しさが印象に残り、聞いているこっちが非常に苛立たしかった。文句を言われている方は、謝っているのか言い訳をしているのか分からないけどやたらと低姿勢で、あくまでも傍観している立場としては、あまりにも理不尽な状況にあるように感じられる。結局、どんなに誠意をもって謝ったとしても、文句を言うためだけに文句を言う相手に対しては、一度でも引けば果てし無く踏み込まれてしまうので、まあクレームをつけられるのが仕事になっている人はそうも行かないのだろうが、日常生活で理不尽な状況に直面したとき、前後の状況や後先、どちらが正しいのかと言う判断よりも何よりも優先して”キレる”、つまり瞬間的に沸騰できるテンションを持っていけるように訓練しておくことは、下手にディベートを行うよりも有効な場合があるのではないか、と思うのだった。無論デメリットも多いだろうが、少なくとも相手に屈さなかったと言うプライドだけは守れるはず。それに価値を見出すかどうかはまた別の問題だけど。

それはともかく、今日買ったもののリストは以下の通り。

1.『さよなら純菜 そして、不死の怪物』 浦賀和宏 講談社ノベルス
2.『零崎軋識の人間ノック』 西尾維新 講談社ノベルス
3.『永遠の戦士エルリック(5) 夢盗人の娘』 マイケル・ムアコック ハヤカワ文庫FT
4.『マルドゥック・ヴェロシティ(1)』 冲方丁 ハヤカワ文庫JA
5.『逆境戦隊バツ[×]』 坂本康宏 ハヤカワ文庫JA
6.『我が家のお稲荷様。(6)』 柴村仁 電撃文庫
7.『ボクのセカイをまもるヒト』 谷川流 電撃文庫

浦賀和宏の作品も相変わらず凄いが、ここはやはり念願の『マルドゥック・ヴェロシティ』を手に入れた事を素直に喜びたい。近年の冲方丁はすっかり小説を書かなくなってしまって、僕自身、いまだこのブログ内で感想を書いた冲方丁は『蒼穹のファフナー』一冊と言う体たらく。いかんいかん、駄目だ駄目だ!こんなことではデビュー作の初版を持っている上に、雑誌連載されたものを含めて、おそらく著作すべてに目を通している熱狂的な信者である自分の、冲方丁に対する尊敬と嫉妬と畏怖と恐怖と憎しみにも似た感情を十全に表せてはいないぞ!まあ自分にとっては冲方丁と言うのはそういう種類の作家なのでした。

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2006.11.07

『狼と香辛料Ⅲ』読了

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狼と香辛料Ⅲ』(支倉凍砂/電撃文庫)読了。

今回のホロはマジでひどい。洒落にならん!思い込みの激しい若い男を引っかけて弄んだ挙句にポイ捨てしたようにしか見えねえ!大体、アマーティーは、ロレンスとホロの痴話喧嘩に巻き込まれただけだと思うのだが。思いつめた挙句に暴走したわけで、恋愛の勝負としては最初から勝ち目が無かったのに、本人だけが全くそれに気がついていないと言うどうしようもないほどに救われなさに塗れていてもう正視できません!まあ確かに独善的な上に周りが見えていないところはあるにせよ…ここまでボロカスにされるほどのことをしたのか、こいつは…。ああ、キングオブかませ犬。哀れな男だ。そして、畜生、ホロは魔性の女だぜ!可愛いけど!

しかし、アマーティー視点から見ると、本当にひどい話だよ…。
 

まあしかし、よくよく考えてみれば単にロレンスとホロが喧嘩をして仲直りするだけの話だよなこれ・・・。そんななんでもない出来事をスリリングに、魅力的に描くことが出来るのは並大抵のことではないわけで、作者の手腕はたいしたものと感心する。ただ、やや危うく感じているところが個人的にはあって、それはホロの言うキャラクターが作者の意図を超えて先行している感もあるところだろうか。そもそもこの作者の魅力は、ホロとロレンスを初めとするキャラクターの魅力と、商人同士の駆け引きのスリリングな描写とを両立させているところであると感じるので、現状のキャラクター人気に引きずられていくのは、この作者の良いところを潰してしまうのではないかという危惧が拭えない…。この作者はキャラクター偏重の小説に向いていないのは明らかなので、もうちょっと別の方向に行ってほしいなあ、と思った。新シリーズを始めてもいいんじゃないかと思うのだけど、人気シリーズになるとなかなかそうもいかないのかな。

まあ、余計なお世話なんだろうけどね。

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2006.11.06

『キノの旅Ⅹ』読了

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キノの旅Ⅹ』(時雨沢恵一/電撃文庫)読了。

表紙のキノがやたらとエロい。すっかりキノを女の子として描いているなあ、黒星紅白。おそらく学園キノでしっかり女の子をしているキノを描いたことによる影響であろうと邪推するのだが、真相は不明。まあどうでもいいことといわれればそうだけど、そのあまりの腰つきのいやらしさには、正直たまらんものがあります(いやらしいのはお前の脳だ。オレか)(死んじゃえ)。

相変わらずブラックなユーモアとストレート過ぎる皮肉が魅力の近作だが、「歌姫のいる国」ではなかなか変わった事をやっていると思った。清く正しいボーイミーツガールなんだけど、なぜかキノが、主人公たちを何度も取り逃がす間抜けな殺し屋役に成り下がっているところが死ぬほど笑える。ラピュタで言えば「ドーラ一家」あたりの役回りから、いつの間にやらキューピット役まで引き受けているキノの律儀さ加減には正直意外な印象が無いでもないが、こんな純粋一直線の少年少女を見たら助けないわけにはいかんよなあ…大人として…(本当はキノも少女のはずなんだけど、そーゆー意味での少女らしさは全くないからなあ)。キノらしくもないお節介なこともしちゃって、本人も苦笑いをしてんだろーなーと言う感じがして、これはこれで嫌いじゃないよ。

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ここ最近のジョジョの面白さは異常

8~9巻に登場したリンゴォ・ロードアゲインの放つ言葉のありえない説得力は本当にありえないよなー。読んでいると本当に「男の価値とは!」とか言いたくなってくる…。10巻に入ってもテンションは冷めやらず、クールかつ熱いストーリーには本当に脱帽だ!ジョニィの”弱さ”と”克服への意思”のせめぎ合いがかっちょええんじゃよ…。

1.『ロリータ』 ナボコフ 新潮社
2.『みなみけ(3)』 桜庭コハル 講談社

買ってから気がついたのだが…オレ、『ロリータ』って持ってなかったっけ?(と過去ログを確認してみた)あ、やっぱり買ってた。まあ、新訳らしいし、いいか(と言うことにする)。

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2006.11.05

『彩雲国物語 緑風は刃のごとく』読了

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彩雲国物語 緑風は刃のごとく』(雪乃紗衣/角川ビーンズ文庫)読了。

これを読んだ瞬間の感想。

「…今までの物語はすべて前振りだったのか…」

いやー、すげえな。本当に脱帽。何しろ今まで積み上げてきた主人公の行いのすべてを全否定しちゃっているのだもの。

理想と言うものは確かに尊い。だが、現実の壁は常に高く、理想は必ずしも実現をするとは限らない。実現をしたとしても世界がよりよくなるとは限らないものである。本来は。だが、この作品においては、その部分については、理想に燃える主人公の周囲に、超絶的な政治能力と権力を兼ね備えた超人を配し、主人公に肩入れさせることによって、ファンタジーとしてではあるが、理想実現の物語として成立していた。しかし、この巻に至り、ついに作者は主人公を守り、包んでいていた温室を剥ぎ取ることにしたようだ。周囲に味方もなく、一人理想の実現のために全力で試練に立ち向かう主人公には、彼女の行いから生じる手ひどいしっぺ返しが降りかかる。全力でがんばっても上手くいくとは限らない。誰かのために行動したところで、それが本当に誰かのためになるとは限らない。理想の実現のためには、その理想を踏みにじることさえしなければならない。そんな”現実”が彼女の前には立ちふさがる。今まで物語上では、超人的官僚たちの理不尽な能力によってオミットされてきた部分に焦点があたることになるようだ。新しい形の試練を前に、主人公はどのような答えを出していくのか、非常に楽しみな展開になってきたと思う。

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2006.11.04

『マリア様がみてる 大きな扉小さな鍵』読了

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マリア様がみてる 大きな扉小さな鍵』(今野緒雪/コバルト文庫)読了。

相変わらず話が進みそうで進まないのだが、少女たちの危うく揺れ動く心を丁寧に描いているので引き伸ばしていると言う感覚は強いものではない。むしろ、彼女たちの認識する美しく整った世界と、その世界を揺らがす”秘密”の描き方のあまりの繊細さには、どこか恐ろしいような気持ちにさえさせられるのだった。彼女たちの悩みと言うのは、世間一般に見れば格別に不幸な出来事と言うわけではなく、それなりにありふれた出来事に過ぎないのだけど、だからと言ってそれが作品の傷になっているかと言えば、そんなことは全く無い。日常の細やかな出来事に悩み、傷つき、あるいは乗り越える彼女らの姿には、どこか現実の存在とは思えぬ儚さと、その裏腹のたくましさのようなものが感じられる。そして、そのたくましさすら内包する幻想めいた神聖さがあって、ますます手を触れてはいけないような罪悪感すら感じられる無防備さがあって、僕はただ、彼女らの日常を、息を詰めて見守ることしか出来ないのだ。

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最近買ったもの

今日+それ以前に買ったもの。書くのを忘れていました。

1.『ナツノクモ(7)』 篠房六郎 小学館
2.『それでも町は廻っている(2)』 石黒正数 少年画報社
3.『薔薇のマリア(1) BLOODRED SINGROOVE』 十文字青 角川スニーカー文庫
4.『化物語(上)』 西尾維新 講談社
5.『スティール・ボール・ラン(10)』 荒木飛呂彦 集英社
6.『NARUTO(35)』 岸本斉史 集英社
7.『D.Gray-man(9)』 星野桂 集英社
8.『銀魂(15)』 空知英秋 集英社

1はおいていて、2の石黒正数の『それでも町は廻っている』は、一応メイド漫画に見えてそれとは全然関係のない方向で大変面白い作品。ギャグばかりじゃなくて、その裏にはシリアスなものがあるのもいい。人間関係がね、あったかいんだわ。

3の『薔薇のマリア』はようやく見つけたので購入。どういうわけか近所の本屋で全然見かけないので困っていたのだ。売れているのか?

4は西尾維新の新刊。西尾維新はまた新たなジャンルを切り開いたっ…!すなわち、戯言小説ならぬ、ボケツッコミラブコメ伝奇(なんでもつなげれば良いと言うものではない)。ヒロインのツンデレ+素直クール(厳しすぎる毒舌付き)と言うキャラは秀逸すぎてびっくりした。素直クール系の巨頭である『C†C』の曜子ちゃんに匹敵するキャラだと思う。毒舌がある分スペック的にはそれ以上かもしれん。

5~8についてはジャンプコミックスのいつものと言うことで。

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2006.11.03

『死神とチョコレートパフェ』読了

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死神とチョコレートパフェ』(花凰神也/富士見ファンタジア文庫)読了。

非常にバカバカしくもお気楽で能天気で素晴らしいなあ(褒めています)。良くも悪くも隙の多い作品と言う当初の印象を裏切ることなく、グダグダとお話が進んでいくのは、もはや壮観とさえ言える。ていうか、作品の6割以上(推定)が主人公とヒロイン同士の緊張感の欠片もないバトル(巨大スプーンとかフォークとか)、その裏腹ののほほんと飯を食っているだけなんだぜ!?なんだこのライトノベル!この作者はアホとしか思えねえ!富士見ファンタジア文庫の常として”萌え”はさっぱり無いんですが(無いんですよ…)、想像を絶する緊張感の無さは、ある種の驚異です。これで、あの黒いやつさえ出てこなければ空前のバカ小説になれたものを…惜しいところだった(勝手な意見です)。まあはっきり言ってかなり支離滅裂な話なんで、物語の真剣さと美しさを求める人には向かないが、しょうもない馬鹿小説好きにはオススメです。たぶん。

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『輝石の花』読了

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輝石の花』(河屋一/富士見ファンタジア文庫)読了。

まあ一言で言っちゃうと、少年少女の未熟さと甘さを前面に押し出されると僕は楽しむところがないよね!と言う感じ。主人公たちの判断や思い込みにも寛大には受け止めきれず、ちょっとイライラしちゃったしなー(たぶん、この手の未熟さは僕にも覚えがあることだから、あまり客観的に受け止められないんだろうな。わが身を省みて、自戒)。あと、ファンタジーとしては、世界感に描写が割かれていなかったのもややマイナス。宝石と言う小道具は魅力的だと思うので、そちらを生かして欲しかったなあ。まあ、この作品の肝は主人公二人の絆を描くことなのだろうし、作者には外側へあまり興味がないのかもしれない。まあ趣味の方向が違ってたということで。

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2006.11.01

『カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~』読了

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カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~』(高殿円/ファミ通文庫)読了。

うはは、カーリーが、やつが壊れた。あまりにも頭が悪すぎで思わずのた打ち回ったぐらいだ。うーん思春期でムラムラしたものがたまりにたまっているんだろうなあ。こんな女子しかいないようなところにいては無理も無いが、それにしたって頭が悪すぎる!好感度アップだ(えー)。
そんな風なお気楽極楽のコメディと、陰惨な陰謀と野望が渦を巻く大冒険小説であるのが素晴らしいです。何だろう、この不思議なまでに異世界感が漂う美しい世界は…。藩王女パティの傍若無人なドタバタ振りにシャーロットたちは翻弄される様が大変に楽しく、ヴェロニカと友情を育む過程は微笑ましく、カーリーがあまりにアホになっているのに腹を抱えて笑ったり、そんなことを読んでいるだけも楽しいのだけど、その裏で繰り広げられる、戦争と言う名の冷たい現実があり、その圧倒的な理不尽、そして自分とは無関係なところで世界は無関係に動いていくと言う感覚があって、世界大戦前夜と言う舞台設定が、従来の世界観とは異なるあまりにも大いなる(言い換えればバーチャル)な世界の到来を予感させるられると言うところに、単にアクセントではすまない巧みな構築力か今見え、作者の実力の確かさを認識した。

まあ要するに面白いの一言で済ませられる話だってこった。

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自分は無能だなあ、と思うときが良くある

かなり良くないストレスがたまっているらしくて、思考するごとにヤバイ方向に行ってしまう現状。まあ僕の行動原理は、基本的にルサンチマンなので、怒りと苛立ちと焦燥感を上手くコントロールすればいいはず…だ。などど自分に言い聞かせる毎日だ。あーくだらん。

1.『円環少女(4) よるべなき鉄槌』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
2.『マキゾエホリック(3) 魔法少女という名の記号』 東亮太 角川スニーカー文庫
3.『ラグナロク EX.MISFORTUNE』 安井健太郎 角川スニーカー文庫
4.『串刺しヘルパーさされさん(2) 呪われトライアングル』 木村航 HJ文庫
5.『メイズプリズンの迷宮回帰』 上遠野浩平 洋伝社ノベルス

薔薇のマリアはどこに行ったんだろうなあ…。全然見つからないなあ。ここ最近は本屋による暇も無いのでなかなか探す余裕もないしなあ。

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