『煉獄のエスクードARCHIVES だけど綺麗なものは天国に行けない』読了
『煉獄のエスクードARCHIVES だけど綺麗なものは天国に行けない』(貴子潤一郎/富士見ファンタジア文庫)読了。
貴子潤一郎のある意味本気が全開になった作品で、改めてこの作者恐るべしの思いを新たにさせられた感がある。とにかく今まで登場できなかった分の憂さを晴らすかのようにレイニーが出ずっぱり。バトルにエロスにラブにハードボイルドに大活躍だ!もう読者置いてきぼりのレイニー萌え萌え小説と化しているが、果たして今現状のライトノベル業界において、レイニーのような怖くて強くてエロいおねいさん(でも実はやさしい)がメインヒロインの話が受け入れられるものだろうか?全く持ってそんな心配などするだけ無駄であり、怖くて強くてエロいおねいさん(実はやさしい)が大好きであり、作者と性癖と同じくしている自分にとってはまさしく至福と言って良い作品集なのである。さらにハードボイルド成分まで過剰に注入しており、貴子潤一郎!貴様、分かっているな!?(僕の趣味を!)とばかりに僕は大喜びである。万歳。とにかくレイニーが登場するだけで大喜びの吉兆さんとしては収録された作品はどれもこれも大変素晴らしかったのでありますが、作者のハードボイルド趣味が全開の「本日快晴」がとりわけ!素晴らしい。過去に傷を負った男が赤髪の殺戮者と出会うハードボイルドで、己の人生を悔い、それを取り戻そうとする男のダンディズムがたまらねえ!あまりにもストイックかつハードボイルドな主人公に釣られてか、レイニーがなんかヒロインっぽい揺らぎ生じており、極めて魅力的な一面を見せている(そうかこれがギャップ萌えか・・・)。煉獄のエスクードって、ひょっとして最初からこういう方向性で行ったほうが面白かったんじゃないのか?レイニーというキャラクターは、それに匹敵する重みを持ったキャラクターがいないと、無敵すぎてそのポテンシャルが発揮されないような気がしましたよ。薫では未だ役者不足といわざるを得ないのではないかな。早く成長してくれないと、本編でのレイニーの活躍が出来ないじゃん。薫くんには僕のレイニーに釣り合う男に早くなって欲しいものだと思いました。なんだそりゃ。
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