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2006.10.02

ライトノベルレーベルにもいろいろある

1.『輝石の花』 河屋一 富士見ファンタジア文庫
2.『死神とチョコレートパフェ』 花凰神也 富士見ファンタジア文庫
3.『マリア様がみてる 大きな扉と小さな扉』 今野緒雪 コバルト文庫
4.『新装版 ウイークエンドシャッフル』 筒井康隆 講談社文庫

スレイヤーズをこの世に送り出し、ライトノベルブームの牽引役として確固たる地位を築いてきた富士見ファンタジア文庫も、ここ数年(5年以上前か?)は電撃文庫、角川スニーカー文庫に押され、昔日の勢いはない(なお資本上は左記の三つはすべて角川資本であるという点は現時点では考慮しない。あくまでもレーベルカラーの問題である)。ライトノベルスタンダードの電撃、やや一般向けを志向する角川と比較すると、富士見は低年齢層(十代前半ぐらい)向けの作品を多く出しているように思える(すでに二十歳を超えて久しい自分が未だ愛読しているという事実はここでは考慮しない)。しかし、個人的な意見を言わせてもらうならば、尖った作品を出しすぎた結果飽和状態に陥りつつある電撃文庫より、また一般向けを志向しすぎて”普通に”面白い小説を出す文庫(無論それが大変重要な点であることは言うまでもない)になっている角川スニーカー文庫よりも、いわゆる”ヘンテコ”な小説が出てくる確率が一番高い富士見ファンタジア文庫と言うレーベルに、僕は近年注目しているのである。まあ煮ても焼いても食えない作品もあるにはあるが、一昨年あたりからこの文庫で賞を取った作品の”ヘンテコ”振りが大変素晴らしいと思うのである。まあ別に統計を取って比較検討したわけではなく、単に読んだ本の印象がひたすらに”ヘンテコ”だったというだけのなのだが、およそこの文庫は近年のライトノベルブームからは逆送するかのように、泥臭ーい作品ばかり出している。ぱっと思いつくだけでも『トウヤのホムラ』などは由緒正しい伝奇小説の系譜だし(続きはまだか…)、『琥珀の心臓』などはついてこれるやつだけついて来いと言い切る大暴走ロボット小説だったし(融合!合体!進化!)、ちょっと前の話だけど貴子潤一郎の「12月のベロニカ」なんぞは驚天動地のファンタジーミステリだったし(本気で騙された…富士見で本を出したという時点ですでにトリック)、まあ何が言いたいかというと富士見ファンタジア大賞でデビューした作品にはライトノベルブームに不可欠のもの”萌え”がない。もう全くない。逆さにしてひっくり返しても無いんです(富士見ミステリー文庫は別。というか富士見ファンタジアに無い”萌え”を補完するためにあるんじゃないかという気さえしてくる)。よく探してみれば萌え萌え小説もあるのかもしれないけど、少なくとも僕の視界には入ってこない。あるのは、「なんじゃこりゃあ!」という作品しかないのであった。とりあえずライトノベルとしてはなにかがおかしい作品ばかりなので、変なものが読みてえなあというときにはファンタジア文庫の新人賞系をあさるのが正しいライトノベラーのあり方ではないかしらんと思う今日この頃であった。何のまとまりも無いが終わり。

ああ、何の気なしに買ってみたファンタジア大賞の準入選と努力賞の上記作品ですが、やっぱり変な話で満足でした。といってもまだ『死神とチョコレートパフェ』しか読んでいないんだけど、これ、物語の最初から最後まで主人公とヒロインが延々とスコップとフォークで殺しあったりほのぼのしたりしているだけの作品なんですよね。つまり悪役がほとんど出てこないバトル小説。これであの変な黒い虫が出てこなければ完璧だったのに…。もうちょっとで空前のバカ小説になったのに惜しいことよ…(勝手な言い分)。

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