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2006.10.09

『ヤクザガール・ミサイルハート』読了

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ヤクザガール・ミサイルハート』(元長柾木/ゼータ文庫)読了。

内容はヤクザでミサイルな女の子と男の子のボーイミーツガール(本当)。

いつもの作風と違って当たり前のライトノベルとして面白いので、元長柾木と言うブランドにビビらずに読んでみても良いのではないでしょうか。チャンバラアクションもやたらと派手だし、女の子も格好いい。緒方剛志のイラストも良い感じだし。

全体的に素直にエンタメなので、いわゆる元長成分を補給するのには向かないと思われがちだけど、個人的にはそれでも随所に元長柾木らしい油断のなら無さがあると思う。これはきちんと読まないといけない、と僕が感じたのは、序盤において主人公の男の子が少女を足抜けさせようと考えて暴走するあたり。この異なる文化、思想の存在を頭では理解していても実感の伴っていないところに少年らしいひた向きさ、無謀さ、視野の狭さがあって良いと思った。その後の展開においても、少年と少女における世界観闘争とでも言うべきな、それぞれが生きる価値観の断絶が繰り返し描かれるのだが、しかし、それが単純なぶつかり合いではなく、お互いがそれぞれの世界観の違いを意識し、何が違うのかを(少年が少女を説得するという形で)繰り返しディスカッションをする過程が描かれているところに恋愛小説として新しさを感じた。コミュニケートを通じてお互いを知る(断絶を理解する)ことによる闘争の和解が描かれているのだ。現時点においては少年の主張する世界に少女がなびくという形で決着がついているけど、少年自身も少女と行動を共にすることにより少女の世界観の洗礼(殺人)を受けてしまっている。お互いの世界観が揺らぎ、変容をし続けているのだ。そんなところが非常にスリリングで好ましかった。

やはり元長柾木の”恋愛”描写には、世界の変容を通じて味合う新しい世界への驚きと興奮に満ちているところが美しく、感動的であると思う次第である。

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» サムライチャンプルーって、チャンバラ最高! [どーでも動画【youtube】]
サムライチャンプルー!!コレ見て、一気に興味がわきました。DVDレンタルしてきましたが、久しぶりにアニメおもしれ〜。フウが、かわいいっす^^ [続きを読む]

受信: 2006.11.07 12:38

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