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2006.10.26

『ブール・ノアゼット 世界一孤独なボクとキミ』読了

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ブール・ノアゼット 世界一孤独なボクとキミ』(藍上陸/スーパーダッシュ文庫)読了。

孤独を嫌いつつもコミュニケーションが下手な人間が感じる閉塞感の表現が飛びぬけていた。たぶん作者は天然で書いていると思うけど、主人公の行動と発言のズレっぷりは相当なもので、空気を読んでいない感がありありと表われている。確かにこれでは大変だったろうなあ…と思わず身震いをしてしまったのだが、それを理解して読み直すと、冒頭の、状況をリセットして「さあやるぞ!」と主人公が決意するシーンはあまりに痛々しくて見ていられません。もう「こりゃ駄目だ…」と言う感じ。い、痛いぜ…。

どこまで作者自身の世界認識が表われているのかは分からないけど、この物語で紡がれるセカイは、どこか胡散臭く、書き割りめいていて、またよそよそしく感じられるのが僕の感覚にフックしてきた。あー確かにこういう現実感の無さは感じてたことがあるよ。周囲を遮断して自分の世界に閉じこもった時の感覚そのものだな。すべてが作者の脳内だけで話が進んでいる感じがした(まあそこが、逆に現実感の無さが強調されていて面白いところではあるんだけど)。だからこそ、すべてをうそ臭い茶番として弄ぶ、「あの人」の脳内の人形劇だったわけだ。救われねえなあ…。

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