« 粘りつくように四肢にまとわりつく空気の重さ | トップページ | 今日も今日とて現実逃避 »

2006.09.06

『オクシタニア(上)(下)』読了

408746065701408746066501

オクシタニア(上)(下)』(佐藤賢一/講談社文庫)読了。

僕が佐藤賢一の一連の作品で好きなところは、たとえどんなに心が離れていたとしても、それこそ考え方や文化、立場の相違があったとしても、人間はいつか必ず分かり合える一瞬があるのだというある種の楽観と、分かり合えたとしても人と人は争いあうと言う諦念が混在しているところなのである。逆に言うと、佐藤賢一作品は歴史的題材を多く取り上げられているのだが、いかなる題材を用いたとしても、対立する存在が和解し融和する一瞬の感動を描いていると言う意味では、実はあまり歴史的な題材とは無関係な作品、作家であると言えなくもない。しかし、その一方で、中世的な信仰の世界と現代的なフェミニズム的な価値観を対立させている部分など、歴史的にはどうあれ様々な実験的思考を費やしていると言う点で佐藤賢一の歴史と言うものに対する独特な姿勢を見ることが出来るように思う。

まあ要するに歴史をファックしすぎだと言うことなんだけど。

|

« 粘りつくように四肢にまとわりつく空気の重さ | トップページ | 今日も今日とて現実逃避 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/11563781

この記事へのトラックバック一覧です: 『オクシタニア(上)(下)』読了:

« 粘りつくように四肢にまとわりつく空気の重さ | トップページ | 今日も今日とて現実逃避 »