『文学賞メッタ斬り!リターンズ』読了
『文学賞メッタ斬り!リターンズ』(大森望・豊崎由美/PARCO出版)読了。
おもしろーい。
相変わらず直木賞、芥川賞がいかに駄目かということを延々と語られているのだが、この罵倒の仕方はまさしく芸術といって良い。大森望の迂遠かつ持って回って褒めつつ貶すという高等技術を見せたかと思えば、豊崎由美の直裁かつ一刀両断でありながら陰にこもらない非難など、それぞれ真逆でありながら、小説に対する真面目な姿勢においては共通する二人の会話はただそれだけで面白い。この人たちの悪口には、それぞれの作品や作家のエピソードがふんだんに盛り込まれ、作品についての言及においても非常に知的であるのが良いですね。ちゃんと読み込んだ上で、自分には理解出来ないと断言する。面白かったらほくほくしながら褒め上げる。そこには偽善的ないやらしさがあんまり無くって(皆無じゃないが)好ましい。全くこんな批評を書きたいものですねえ。
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コメント
先程とんきで一緒に呑んだ者です。いろいろ失礼な事を言ったと思いますが、まぁ許して下さい。今度は冬に鍋を一緒に囲みましょう。また会えることを楽しみにしています。ありがとうございました。
投稿: MIYAKE | 2006.09.24 01:38
先日はお世話になりました。とても気楽に楽しめる、いいお酒でした。気が緩み過ぎて、こちらもいろいろぶしつけな事を言ってしまったような気もします…。
気を使っていただいてありがとうございます。では。
投稿: 吉兆 | 2006.09.24 19:56