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2006.09.20

『ピーターパン・エンドロール』読了

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ピーターパン・エンドロール』(日日日/新風舎)読了。

ファミ通文庫や角川、MF文庫で書かれている作品の何が気に入らないのかと言うと、作品の構え方が大上段に構えすぎで、読者に対する啓蒙しようと言うスタンスがあからさま過ぎるところだ。日日日にお説教されても全然感銘を受けないので楽しめないのはしょうがない。きっと説教されるのが好きな人なら楽しめるんだろーな(僕は無理だ)。

しかし、この作品はとてもいい。読者に対して高みにたったような態度が無く、淡々と自分の考えたことを恣意を交えず、持ち前の流れるような文体に乗せられて語られている。まあ、小説のリアリティと言う面から見ると主人公の設定は、おいおいそりゃ無いだろ、と思わずツッコミを入れたくなったりするのだが、そういった意味のでリアリティを云々することは無意味だと思う。

日日日の作品の特徴は、徹底的に客観を排した視点であり、10代という視野の狭い、自意識ばかりが肥大化した少年少女の主観のみで世界を語る部分にある。それゆえ、一般的な意味では非常識に見える事柄も、当人の主体となる世界の中では何一つ不思議なものではない。そこは一般的な意味での常識ではなく、内的世界の心象そのものなのだ。

その内的世界を読者に押し付けられると、僕自身が抱えている内的な主体と反発し、素直に楽しむどころではないのだが、この作品の場合は読者から一定の距離をとっているところが好ましく、結局、日日日というのはスタンスの取り方が下手なのではなく、距離をとることにたいした価値を見出していないと言うだけに過ぎないのだなあ、と言うことを感じた。

結局、天然と言うか、自然体と言うか…まあいいんだけどさ。

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