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2006.09.02

『啓示空間』読了

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啓示空間』(アレステア・レナルズ/ハヤカワ文庫SF)読了。

厚い厚い厚すぎる!まったく議論の余地無くサイコロステーキ本なのだが、先に読んだ『カズムシティ』(こっちの方が発表順は後だが)同様つるつると読めてしまう脅威のリーダビリティを誇る素晴らしさ。面白いなあ。SF的にも後半における宇宙の真実みたいなスケール感を感じさせてくるのだが、この物語で一番面白いのは一癖も二癖もある鼻持ちならない人間ばかりが織り成すドラマがもっとも重要な部分であって、SF的なガジェットは飾りなんじゃないかと思わないでもない。『カズムシティ』も基本はハードボイルドアクション(復讐物)だったものな。おそらくアレステア・レナルズという作家は、通俗小説的なドラマ部分とSF的なアイディアを同時並行で並べることが出来るタイプの作家なのであり、その二つを無理なく支えるために言葉を過剰に費やし、結果ここまで物語が水増しされてしまうのではないか、と思ったのだが、しかし実際にどのあたりが水増しされているのか読んでいるあたりはまったく気付かせないあたり見事なエンターテインメント振りであった。堪能いたしました。

ところで主人公の一人であるダン・シルベステを殺害しようとするアナ・クーリーと自らを機械化したウルトラ族(どういうネーミングセンスだ)のイリア・ボリョーワは仲が良過ぎる!と思った。途中から彼女らのやりとりは百合的変換をなされても全然違和感を感じませんよ…などという度し難い腐男子思考をしてしまった吉兆でした。

(なお腐男子思考とはあらゆる事象を百合カップルとして捉える認識異常の一つであり、腐女子思考の類型として認められる。なんだこのオチ)

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