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2006.08.31

『火目の巫女(3)』読了

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火目の巫女(3)』(杉井光/電撃文庫)読了。

全体的に百合要素が増量していて結構なことですなあ、などというのは紛れもない戯言なのだが。それはそれとしてまさか、叙述トリックを仕掛けてくるとは驚愕した。まったく予想をしていなかったため、見事に騙されてしまったよ。ジャンルの盲点を突いてくるとは…。まあ負け惜しみをさせてもらうと、さして効果的とは思えないし、現在の事件との兼ね合いもよくわからないので単なるサプライズ以上のものではないのは惜しいところだった。黒幕っつーか実行犯である千木良の存在もよくわからないしな。でも動機が完全に私怨というのは逆にきっぱりしてて素晴らしいような気もする。まあそんな感じです。

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人生と言う名のゲームに難易度設定はないのか?

ちっ、このクソゲーめ。難易度バランスが滅茶苦茶だぞ。

1.『ホーリーランド(13)』 森恒二 白泉社
2.『TOY JOY POP』 浅井ラボ HJ文庫
3.『陰月のヤジリ』 時海結以 HJ文庫
4.『レゾナンス』 山原ユキ 角川スニーカー文庫
5.『多重心世界 シンフォニックハーツ(上) 独声者の少年』 永森悠哉 角川スニーカー文庫

クックック、浅井ラボめ!やってくれたな!ああ、この世界はなんと残酷で麗しく、倦怠と退屈とくだらない茶番に満ち溢れていることか!そしてそんな世界を生み出している傲慢なるプレイヤーへの傲慢な憎悪に満ち溢れていることか!この世にあるのは解釈だけ、ただひたすらに世界を解釈し、噛み砕き、無聊を慰めればよいのだ!I LOVE 世界、ファックしてくたばれ!
 
 
頭が冷えたので追記。それにしても、浅井ラボはどうしてこうヌルい青春を描くの上手いのだろうか。ダラダラと食堂で意味不明な議論を繰り返していた幸福を思い出しました。しかし、フクこと福沢礼一は僕の良く知っているとある人物と言動がそっくりだよ…。

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2006.08.30

『トリックスターズM』読了

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トリックスターズM』(久住四季/電撃文庫)読了。

薄…いわけでは決して無いトリックスターズの新刊。今までが厚過ぎたのだ。

なんと前巻からまったくタイムラグ無しで続いているとは意外というか意表をつかれた。次の巻とあわせてすべて学園祭の話になるわけね。お祭りと言う非日常、いわば異空間を上手く使っているなあ。

犯人は最初から分かっているという倒叙式の変形だと思われるが、正直なところ、さしてミステリとして出来がよいとは思わなかった。そもそも売りの一つである魔術によるトリックと言う話ではなかったし、また僕が読み落としているのかも知れないが、手がかりを意図的に無視しているところがあって唖然とした。ミスディレクションだったのかも知れないが、左手は一体何の意味があったのかよくわからない。問題を解くと言うより問題が何なのかを探す話だったのかもしれない。

むしろ重要なのは主人公である周くんがある決意をするところなのだろう。今までは持って生まれた異能のために、生きることを放棄してきた主人公が、師にめぐり会い生きる道を定めると言うターニングポイントとなる話菜わけだ。つまり戯言シリーズで言えば『ヒトクイマジカル』みたいな位置づけであるともいえるだろう。

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『天使のレシピ(2)』読了

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天使のレシピ(2)』(御伽枕/電撃文庫)読了。

うーむ…つくづくはいていないなあ…というのは戯言にしても、まあそれなりに上手くはやっているんじゃないかしら。ただ、相変わらず”心”の取り扱いがいまひとつピンとこないのだけど、作者にとって少年少女たちを取り巻く気持ちのすれ違いを”羽”と言うファクターに仮託しているのかなあ。そもそも”心を落とす”と言う行為がよくわからんのだよな…って書いていると、ひょっとして分かっていないのは自分だけなのだろうかと心配になります。そりゃ僕は経験ありませんよ”心を落とす”ような恋なんてさふーん(墓穴)。

冒頭の猫の話はストレート過ぎてどうかと思ったが、今回のメインとなる相談員の前後編はなかなかよい。前編では単なる図々しい女の子に見えた後輩が、実際には色々な過去があったりね。まあ裏を返すとそれだけの話だとも言えるのだが、分かりやすくてよいかな。

面白かったけど、大体方向性は固まってきた感があるので、そろそろもう一捻りが欲しくなってきたかも。

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今日買ったもの

とにかくひたすらにムカムカイライラ。色々なものがド畜生な気分。ただ、苛立ちもエネルギーの一種なので、上手く使えば役に立たないこともない。そもそも僕の原動力はルサンチマンを初めとする負のエネルギーが多いので、イライラしている現状の方がまっとうとさえ言える。

1.『ひかりをすくう』 橋本紡 光文社
2.『天涯の砦』 小川一水 ハヤカワJコレクション
3.『ボトルネック』 米澤穂信 新潮社

『エラントリス』がとてつもなく面白くて他の本に手がつけられません。久しぶりに本を読むのがやめられない感覚を味わったよ。完璧なキャラクター小説でした。『デルフィニア戦記』みたい。
それはともかくとして、『ボトルネック』がすさまじい負の傑作だった(傑作の反対と言う意味ではない)。こんなすさまじい作品を読んでしまっては、主人公のように痛みを受けなかったふりをするしかありません。この世は生きるにはつらすぎる。

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2006.08.29

『デュラララ!! ×3』読了

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デュラララ!! ×3』(成田良悟/電撃文庫)読了。

成田良悟はシリーズを広げ過ぎだと思うなあ。それほど話の幅が広くないから、あまり手を広げすぎると物語のワンパターンさが目立ってきてしまう。それを勢いで無理矢理押し切ろうとするから色々粗も多いけど、それゆえの面白さはあるんだけどね。ただその面白さと言うのは、かなり作者の天然さに由来する部分が多く、作品の面白さにもかなりばらつきがあるように思う。

で、『デュラララ!!』シリーズについてなんですが、実はこのシリーズはかなり好きなのであった(なんだそりゃ)。逆に『橋』シリーズはいまひとつ。『ヴァンプ』と『バッカーノ』は普通。なんでこの違いが出てくるのかと言うと…たぶん、この作者の持つあまりに楽観的かつ強引なご都合主義が、この作品ではだいぶ薄められているからではないかと思う。特に他作品と違って本当に主要な人間関係が主人公3人に収束させていることで、この作者の悪癖(僕にとってはだけど)である伏線と人間関係を錯綜させすぎてグダグダになることを上手く回避していると思う。首なしライダーことセルティや、黒幕である折原臨也などのキャラクターも、基本的に主人公三人の関係を引っ掻き回す、あるいは結びつける役回りにとどまっているところも良い。ただ、今後中心3人以外が脇役の範疇を超えて自己主張を始めると(この作家の場合、良くも悪くもキャラクターを放し飼いにしているのでこういうことが結構ある)また暴走してしまって作者が無理矢理回収と言うことになってしまいかねないので、最低限のコントロールはして欲しいところだ。続巻には期待と不安が…。

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2006.08.28

『私立!三十三間堂学院(4)』読了

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私立!三十三間堂学院(4)』(佐藤ケイ/電撃文庫)読了。

今回のメインヒロインである相楽佳耶の、クールで冷静な態度の裏側、つまり本人視点におけるテンパリ具合がやたらと面白かったです。人間関係が果てしなく不器用なため、結果的にクールになっていると言うキャラクターの二面性には、佐藤ケイの”キャラクター性”と言うものに対する深い見識を感じさせますな。つまり萌えキャラとは多面性を持ちうる、と言うことなのかもしれんなあ。良く分からんけど。あととりあえず生徒会長は迷惑すぎ。

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『半分の月がのぼる空(8)』読了

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半分の月がのぼる空(8)』(橋本紡/電撃文庫)読了。

何にも起こらないただの日常の話で、クライマックスもなければオチもない、ある意味グダグダであると得るけれども、それゆえにシリーズらしい終わり方と言えると思う。明日にも彼らはあいもかわらずの日々を送っていくのだろうと感じさせてくれたと思う。現在ではもっとも未来の物語である『雨』こそは、一日一日を懸命に、そして平凡に生きる姿が描かれていて素晴らしかった。

で、まあ大変感動的な物語であった、と言う結論を下してもいいのだけど、正直に言って『市立若葉病院猥画騒動顛末記』があまりにも伝奇脳に支配された究極的にくだらなくもファッキンな作品には度肝を抜かれました!橋本紡はアホか!アホなのか!こんな爽やかで切ない短編集でこんな究極的にくだらない作品を書いてしまうなんてまともな神経の持ち主とは思えません。えー一言で言うとマルクスで安保闘争でエロ本万歳な話で歴史の必然、光と闇なんだってさ。ばかじゃねえの。ばっかじゃねえの!?またはアホか!!

とにかく、僕は『市立若葉病院猥画騒動顛末記』については最高傑作を認定するものである。

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2006.08.27

『流血女神伝 喪の女王(4)』読了

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流血女神伝 喪の女王(4)』(須賀しのぶ/コバルト文庫)読了。

主人公のカリエが迷いの中に囚われているせいか、あるいは周囲があまりにも混迷を極めているせいか鬱々とした展開が続きます。やっぱり母親として赤ん坊とともにあることで、カリエが守りに入っているのが最大の原因かな。もはや彼女には少女時代のような破天荒な無茶が出来なくなっていて、常に自分の娘のことを考えなくてはいられない。そこが現状のところ行動力に結びついていない感じだ。だけど、それは成長ではあるし、正しい事でもある。でもこのままでは大きな流れに流されるだけなので、決断を下さなくてはならないのだろうね。
また、娘のために迷うカリエと、国のためにすべてを捨てたバンディーカの対比になっているところも面白い。カリエの選ぶ道を暗示しているのかもしれない。

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『紅~ギロチン~』読了

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紅~ギロチン~』(片山憲太郎/スーパーダッシュ文庫)読了。

ライトノベル界における三大ロリコン小説家の待望の続巻でございます。なお残りの二人は長谷敏司と山本卓だと背徳志願の師匠が言っていた。さすがロリコンの偉い人は言うことが違うぜ(内輪の話ですいません)。データ損失のトラブルを乗り越え出版された今作だが、先入観のせいかなんとなく物語の進め方に拙速さを感じてしまったのは僕だけなのだろうか。自分でも7割ぐらいは気のせいだと思うのだが、どこか文章から受ける印象が異なるような気がした。

それはそれとして、今回の作品では自分の将来に悩む真九郎の惑いが描かれている。他人より一足先に就職のことに悩まなくてはいけなくなってしまった彼の苦悩は押してしるべしだが、海千山千の商売人相手に持ち前の正義感だけでやりとりしようとするあまりの危なっかしさには正直見てられねえ。そうしてあっという間に詐欺にはまって身動きが取れなくなってしまうのであったーと言う話だよな?困ったときは経験を積んだ大人に相談しましょうね、と言う教訓でもあります。この場合、周囲の大人が規格外ばかりだったと言うのが真九郎の不幸なんだけど。就職の悩みを相談出来る相手がいませんね。大変だなあ…。

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『戦う司書と神の石剣』読了

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戦う司書と神の石剣』(山形石雄/スーパーダッシュ文庫)読了。

現場の人間が事件解決のために奔走していたところ、上層部の政治的判断で全部決着がついちゃいました、と言う話。容赦ねえなあ。前回あたりから作品の方向性が変わってきていて、個人の努力ではどうにもならない運命だとかそういうものがクローズアップされてきたような気がする。今回の主人公であるミレポックの成長と、事件の真相を抱え込むマッドアラストの決意の対比が物悲しい。

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今さらと言われそうだけど

『ゲド戦記』を見てきた。

まあ映画そのものよりもその周辺の話題で盛り上がっているところもあるように感じるし、そのような中で作られたと言うことも考えられるし、この映画が作られた意義もあるのかもしれないけど…単純に映画単品としてみた限りでの感想としては、退屈だった、かな。

絵は綺麗だけど映像は退屈で、説明は分かり易いけど台詞が退屈で、物語は正統的なんだけど退屈なんだよなあ。映画を見ながら、どうやったら面白く観れるんだろうと頭を捻りながら最後まで上手く見つけられくて、自分の中のどこにもフックがかからないまま、すとーんと手の中をすり抜けてしまった感じ。観ながら何の感情も想起されないので、観ているこっちが途方に暮れてしまいました。

まあやたらと狂気的な表情を見せまくるアレンはなかなか良かったような気がする。最後までバーサークモードで言ってくれればよかったのに。あとやたらと幻想的な描写をしているのは多分笑いどころだと思いました。剣を届けにきたテルーがアレンを励ますうちになんか音楽が盛り上がってきたあと突然背景が変わった場面には思わず脊髄反射的に吹き出してしまいました。多分、ここが唯一感情に影響を与えられたところかもしれないなあ。あとやたらとパンアップっつーの?下から上(空)に向けてカメラを動かしているところも面白かった。アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の朝比奈ミクルの冒険でからかっていた手法だよなあ…。

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『ひぐらしのなく頃に 祭囃子編』をプレイ中

まだ途中なんですがね。

ここまで「退職金」について熱く語るギャルゲーは初めてやりました。

とりあえずそれだけ。

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最近読んだ本の記録

感想を書くだけのネタも時間も無いので、しばらく禁断の簡易感想で行きますよ。つまり先日グダグダと書いていたエントリーはこのための伏線だったのだ!言い訳とも言う。

とも言うじゃねえよ。

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2006.08.26

本を楽しむための努力をしているのか?

ここ最近の自分の感想を振り返るに、自分がどれだけ分析的に本を読めなくなっているのかに気がつく。やべえなあ。分析的に読むことが、必ずしも正しいわけでも優れているわけでもないのだが、もともと僕が持っている本の楽しみ方と言えば、本を読むことでああでもない、こうでもないとグダグダ考え続ける(=妄想する)ことであったはずなのだが、本を読んだらそれで終わりで振り返らないことが多くなった。読んでいる数だけ見れば学生時代と遜色無いのだがなあ。まあ突き詰めて考えるだけの余裕が無いわけだが、その努力を怠ると本を読むと言う行為が単に刹那的で即物的なものになってしまうので、知的遊戯としての読書(=妄想)を楽しむためには不断の努力が必要なのかしらん。分析系感想サイトの方々は、分析する意欲や気力が枯渇することがないのだろうか。わたし、気になります。

1.『赤い護符 ルーンの杖秘録Ⅱ』 マイケル・ムアコック 創元推理文庫

マイケル・ムアコックと言えば、ダークファンタジーの書き手と言う印象があったのだけど(これは安田均の解説によるイメージが強い)、こうして久しぶりに読んでみると、いかにもゲーム的ファンタジーの書き手だったのだなーと言う印象を持つ。話の展開があからさまにお使いイベントの繰り返しなところとか。無論本当はこれは逆で、ムアコックやそれ以外の一連のファンタジーの流れ(詳しいことはわからないけど)が、ドラゴンクエストなど日本のファンタジーRPGにおける世界観の基礎となって行ったということなんだけど。つか、ムアコックをだれかゲーム化しないか。面白くなりそうなんだが。

2.『エラントリス 鎖された都の物語(上)(下)』 ブランドン・サンダースン ハヤカワ文庫FT

これはあからさまに”あらすじ買い”です。本当にありがとうございました。
だってよー変身がキーワードで迫害されたマイノリティの話なんだよ?面白くならないわけがないじゃん(注:そんなことはありません)。あ、今気がついたが、解説を新城カズマが書いている…。『黒いカクテル』の解説に桜庭一樹を起用したり、最近のSF、ファンタジー業界へのライトノベル作家の伸縮具合は甚だしいな!(いや、新城カズマはきちんとハヤカワ文庫にも作品を書いていますが)

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2006.08.24

買ったもの

あれー木村航の新刊はー?

1.『乱飛乱外(1)(2)』 田中ほさな 講談社

なんかわりと…というか結構面白いような気がする。ハーレム漫画の王道とさえいえるだろう。帯で椎名高志が褒めているけど、なぜか納得だなあ。

2.『エトセトラ上等』 三浦勇夫 MF文庫J

ここまで作者の思想と僕のそれが対立してしまうと逆に爽快だな。つまらない作品は無視すればよいが、ここまで相反するとそれすら出来ない。

3.『蟲と眼球と愛の歌』 日日日 MF文庫J

おお、なんかまともに面白かった。相変わらず共有言語を一切使わないオレ空間が展開されているが、これはこれで良しと思えるようになった。もっとやれ。

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2006.08.23

物事を考えると言う行為には気力が必要

なのは言うまでもないことであるが、どのように気力を蓄えていけば良いと言うのか。毎日をひたすら回すだけで、何がしかの実になることをが何一つ出来ないでいる現状。あーあ。

1.『屍姫(3)』 赤人儀一 スクウェアエニックス
2.『げんしけん(8)』 木尾士目 講談社
3.『へうげもの(3)』 山田芳裕 講談社

まあ、感想はご勘弁。ただ、『屍姫』のはいていないっぷりはさすがだと思いつつ『げんしけん』が最終巻でなかったことにびびりつつ『へうげもの』のすばらしさに咽ぶ日々であった。終わり。

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2006.08.21

『ヒドラ HYDRA (1)』読了

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ヒドラ HYDRA (1)』(吉田茄矢/富士見ミステリー文庫)読了。

いや…これはどう考えても変な話だ。
一言で説明してしまうのならばサスペンスホラーと言うジャンルである(ミステリーではないのはもはや常道だ)。人里はなれた村に謎めいた姉妹がやってくる。その少女たちにはある秘密があった。彼女らの秘密が隔離された世界を少しづつ少しづつ侵食し始めると言う話。登場人物たちがどいつもこいつもエゴ剥き出しで好感度最悪のやつらばかりなのだが、そのエゴの書き方が必ずしも悪意に基づいているわけではなく、たんにそれぞれが自分のことしか考えていないからと言う割り切り方が心地よい。人間クソッタレという感じだ。主人公と兄の確執も、単に誤解と言うわけではなく、根本的な部分で分かり合えていない断絶があって、それは作品のキーとなる姉妹にとっても深遠なる断絶が存在しているところから、おそらくこの作品は”断絶”がテーマとなっているのであろうと推測できる。世界から切り離された空間と、分かり合えない人々の中で、それを乗り越えるためのあがきこそが”姉”が行っている行為なのであろう。そしてそれとは違うアプローチで断絶の乗り越えようとするのが主人公と”妹”が行うことになるわけで、なかなか計算された展開と言うところはまず素晴らしいのではないかと思う。本当に計算ならば、だが。

実は僕は読んでいる最中にずっと”不快感”を感じ続けていたのだが、その理由はキャラクターの描き方の奇妙な軽薄さにあったのだが、それは上っ面でしかしゃべっていないと言うのか、それぞれがしゃべっている言葉が単に”言葉”であるだけで、厳密には”会話”が成り立っていないと感じたのである。当初はそこから明らかな失敗作であると思ったのだが、前述の作品のテーマに関わっているのかも知れないと思うと単純に断じるわけにも行かないと感じるようにもなった。

実はまた2巻を買っていないのだが、本当に計算なのか、天然なのか確かめてみようかなと考える今日この頃である。

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2006.08.20

『抗いし者たちの系譜(1)(2)』読了

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抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王』『抗いし者たちの系譜 虚構の勇者』(三浦良/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。

正直なところ、冒頭の導入部がものすごく強引だったり、途中の展開も相当にご都合主義だと思うし、ギャグとシリアスのバランスもあまり良くないと思うのだが、主人公である”かつての魔王”と”現在の魔王”の尊敬と憎悪、そして恋情が絡み合う複雑な関係がなかなかよろしいのではないかと思う。意外と、と言っては失礼だけど面白かった。あ、あとお話がすごくシンプルで、ストレート過ぎるのも個人的にはややマイナスで、もう少し主人公たちの感情のねじれを丹念に描いても良かったのではないかと思うがその辺は趣味の領域だろう。少なくとも弱点と言うほどではない。この二人の持って回った迂遠なやりとりは良いと思うので、群像劇としてはともかくキャラクター小説としてはなかなか良いんじゃないかと思うよ。今後の展開ではよりキャラクターの関係に偏向させていくか、あるいは群像劇として展開していくのかが気にかかる。個人的には後者を希望したいが…まあ期待はせず次の巻を待つとしよう。…続きは出るんだよな?

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『カズムシティ』読了

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カズムシティ』(アレステア・レナルズ/ハヤカワ文庫SF)読了。

千ページ超の極厚文庫本ぶりに圧倒されてしまいそうになるが、恐れることは何もない。これは圧倒的な娯楽性を武器に繰り広げられるSFハードボイルドアクションである。

原文がそうなのか、訳文の賜物なのかはわからないが、とにかく恐ろしいほどのリーダビリティ。本当に思わず本に食らいつくように読んでしまった。しかもどんどん読み進められるのに、読んでも読んでも終わらないのには脱帽。普通の文庫本だったら2冊分ぐらい読んでもまだ半分くらいなんだもんなあ。

中身については先ほども言ったとおり。ノンストップハードボイルドアクションで、ハリウッド映画を見ているような空前絶後の未来世界が素晴らしい。”融合疫”と呼ばれる機械に対して強烈な伝染性を誇るウイルスによって変貌したブレードランナー的なディストピアを思わせるカズムシティが良い。主人公の追跡行もいかにもハリウッド的に派手で楽しいし、二転三転する物語といい、まったく娯楽性という意味では無欠と思えるほどだ。まあSF的な大ネタと大どんでん返しが最後の最後(900ページぐらい…ってまだ200ページぐらい残っているな…)にならないと明らかにならないと言うあたりにはびっくりしたが。ここからそんな新展開をしていくとなあ…。

実は『啓示空間』も読み終わってしまったので、そのうち感想を書きます。

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反応が遅れましたその二

まあ最近はオタク業界も成熟したと言うのか世代交代が激しいと言うか、訃報が相次いでおります。

その中でも大変な衝撃を受けたのが、先日の鈴置洋孝の訃報だったわけです。

なんと言うか、もうブライトさんの声が聞けないのだなあ、と思うとやっぱりもったいないなあ、と言うのが正直な感情です。言葉は悪いですけど、そういう感覚が一番近いのです。

ご冥福をお祈りさせていただきます。

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反応が遅れましたその一

この世には大概ありえないことが起こると思っていたが、これほどまでに世界が狂っているとは思わなかった。
『滅びのマヤウェル』が2巻で打ち切りだそうですよファック!

と言うことが作者のサイトにかかれておりました。はは、どういうことなんだろうねえこれはバカヤロウ。他にも打ち切りにするべき作品は山ほどあるというのによりによってこれを打ち切るとは…。

なんか人気以外のところで問題があったのかもしれない、と好意的に考えておくとしようか。

でも続きが読みたかったなあ。

しょうがないので過去の小説でも読んでウサを晴らします。これはこれで楽しい。

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2006.08.19

ペルソナ3をプレイする日々

もう僕の人生はペルソナ3をやるか、仕事をしているか、本を読んでいるかしかないぞ。無論嘘だが。

しかし、ペルソナ3の声優陣の豪華さはただ事ではないな…。能登まで出てきた…。

1.『 オクシタニア(上)(下)』 佐藤賢一 集英社

佐藤賢一の歴史ロマン…。この人の書く作品は基本的に名誉心と自尊心に満ち溢れた人たちと天才に対する凡人、知性と勇気に対する素朴な信仰に溢れているので楽しい…のだが鼻につくところもあるんだよな。好きなんだけど。

2.『ダークエルフの口づけ』 川人忠明 富士見ファンタジア文庫

あー、えー、これはね、うん。”ダークエルフ”で”口づけ”なんですよ。ね?わかるっしょ?わからん?まー僕の善よりも悪、強者よりも弱者を愛する嗜好がね、ピンときたわけですよ。それだけです。

3.『愛のひだりがわ』 筒井康隆 新潮社

今、時をかける少女を読んでいるー。また積読かよ、などと言ってはいけない。泣くから。

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2006.08.17

お休みは計画的に

でないと僕のようにいつまでたっても休めないという事態に陥ります。助けてくれー。

1.『魔法先生ネギま!(15)』 赤松健 講談社

まったくネギまは面白いなあ。ここまで多角的な批評に耐えられる漫画も珍しいと感心します。何度も言っていることだけど、これは単なる萌え漫画で済ませられる作品ではありません。それはそれとして、ほとんど表に出てこないマジックアイテムの裏設定に、フーコーを引用しまくって解説するあたりに赤松健らしい知的なハッタリズムが炸裂していて痺れる。

2.『シュヴァリエ(3)』 原作:冲方丁 漫画:夢路キリコ 講談社

アニメも明後日(だよな?)に控えているシュヴァリエの漫画版。山風忍法帖っぽくなってきたのは個人的には楽しくてよいのだが、ポンパドール夫人がやたらと美少女萌えキャラしかも巨乳になっているのには驚かされた。本当に2児の母なんでしょうか…。

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『月光とアムネジア』読了

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月光とアムネジア』(牧野修/ハヤカワ文庫JA)読了。

牧野修らしい記憶と現実がごちゃごちゃに入り乱れるカオティックさが心地よい。牧野修は一般的にSFホラー作家として認知されているものの、個人的にはただただ書いているものが結果的にSFになっているだけであって、実のところSFとはあまり関係がないように感じる。無論この『月光とアムネジア』もSFと言い出せばSFでないとはいえないのだが、それでもやっぱり牧野修の小説でしかないのである。

牧野修はただひたすら『世界』を書くのに拘っている作家であり、そして彼のもつ世界観と言うのは、正しく”悪夢”的ななにかが根底にある。それはいわゆる”電波的”と呼ばれるもので、正常の論理が通用しない狂った理が根底にあって、読み手にどこか違和感を与えてくるのだ。

牧野修作品を読むと言うのは、まさしくその世界認識に対するズレを読むと言うことであり、違和感を覚えることを楽しむと言う思想が必要だ。格好良いとか悪いとか、そのような次元の問題ではなく、ただ何かが狂っている。ピースが歪んだジグソーパズルのように、全部はめたとしてもなにかがおかしく、しかし、全体としては調和が取れている。そんな何が牧野修の作品にはあるのだ。

どこか滑稽でなにかが物悲しく、そしてなにかが”おかしい”。これはそんな話である。

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2006.08.16

『川の名前』読了

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川の名前』(川端裕人/ハヤカワ文庫SF)読了。

なるほど、これがセンスオブワンダーと言うものか、と感じ入った。

はっきり言って超常的な存在や時間的な未来、超科学などのような一般的なSFはまるで出てこない作品である。それどころか現代の、とある田舎の、平凡よりはちょっと外れた少年たちが主人公の、平凡な、しかし極上のジュブナイルである。だが、その事実はこの作品がSFであることとなんら矛盾はしない。まあ、いまさら僕が言うべきことではないのかもしれないが、センスオブワンダーと言うのは、われわれが当たり前の常識と思っていることから、わずかに視点をずらすことで、それまでとはまるで異なった世界が広がってくると言う、当たり前ではない世界は現実の隣り合わせで起こりえるのだと言う感覚ではないかと思うのだが、”川の名前”と言う概念こそがまさしくその感覚に近い。何の変哲もない現実が”川の名前”によってより多くの世界につながっているのだ、と言うことへの認識のパラダイムシフトへつながる瞬間の高揚感は、言葉では言い表せないものがあった。

大変面白かった。

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本を選択する基準

皆さんの本の選び方を知りたいな」(ウパ日記より)に回答する。こう見えて、僕はけっこう自己顕示欲が旺盛であるのだ。精神的露出狂とも言う。

1.月に何冊読んでいるか

大体30冊前後。漫画を含めると、たぶん50~60冊ぐらいになると思う。

2.どんな本を読んでいるか

読んでいる冊数で言えばライトノベルが多い(理由:楽だから)。
しかし、読書にかけている時間で言えば、SF、ミステリー、ファンタジー、ホラーも同じくらい。
一番労力を注いでいるのは、現時点ではSF、ついでファンタジー。ミステリーとホラーは気が向いた時に。

エンターテインメント中心だが、突発的に教養書と専門書を購入するケースもある。何気に哲学系と歴史系が好き。もっともさして詳しいわけでもない。下手の横好きである。

好みのキーワードは、「健全な成長物語」、「鬱屈した泥沼の青春」、「宇宙的スケール」、「屁理屈のこね回し」、「ドログチョのスプラッタ」、「幻想の侵食」、「固ゆでタマゴ」、「悪夢」、「ノンストップハイスピードアクション」、「メタフィクション」など。

3.どうやって選ぶか

基本的には本屋で新刊をざっと眺めて面白そうな勘が働いたものを手にとって、あらすじを見て、冒頭の数行を読み、面白かったら購入。表紙やタイトルだけで面白そうな直感が働くこともあるが、ごくまれなこと。
さらにWebで他人の感想をあさって、取りこぼしがないかどうかを調べる。古い名作などはそのあたりで情報を仕入れることが多い。

4.本の選び方に何かこだわりはあるか

特になし。本の状態、厚み、イラストの有無、金額などは本を選ぶ基準にはならない。基本的に文字が書いてあって、読める状態であれば文句はない。
なお、厚ければ厚いほど喜ぶ傾向があり。

5.ブログで感想を公開している場合、感想を書くときに心がけていることはあるか

作品を「貶さない」と言うのが基本的なスタンス。欠点と言うのは、読み方を変えれば長所であることが多く、それを欠点と感じてしまうのは読み手の問題だと思うので。ただ、それでもどうしても読めない本が出てくることがあって、怒りをぶちまけてしまうことがある。まだまだ修行が足りません。ただ、貶すときも、なぜそのように感じたのかをなるべく具体的に書くようにしている。あとネタバレは基本的にはしません。
また、僕の感想は、本を読みながら自分が何を考えたのかが中心なので、厳密な意味では感想ではないような気がする。

1.書名と、読み終えるまでに要した時間(作品名/時間)

数えたこともない。なのであくまでも推測。

一般的な文庫(非ライトノベル)/1時間~2時間
ライトノベル/40分~1時間
漫画/20分~30分
 
 
以上。

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2006.08.15

自らの頭の悪さに絶望する日々

正確には、頭が悪いと言うより集中力と現実認識力が低いんだな。ほぼ同じ意味のような気がするが。

1.『シュヴァリエ』 冲方丁/文芸アシスタント 日経BP社

漫画、アニメ、小説のさまざまにメディアミックスを行いながらそのすべての物語が異なると言う手間を省くどころか三倍手間をかけているというメディアミックスと言う概念に喧嘩を売っている『シュヴァリエ』の小説版。基本的には漫画版と地続きだけど、作品のカラーはぜんぜん違う。漫画が特撮変身ヒロインの系統だとすれば、こちらは正統派オカルトサスペンスとなっている。今回から文芸アシスタントを使っていると言うことだが、あまり違和感を感じなかった。まああとがきを読む限りいろいろ大変そうだけど…。

2.『24のひとみ(1)』 倉島圭 秋田書店

とりあえず言っておきたいことはひとみ先生はマジで可愛いと思う。おそらく私的2006年度を代表する萌えキャラになることは間違いない。ラブ。

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2006.08.14

『彼女はたぶん魔法を使う』読了

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彼女はたぶん魔法を使う』(樋口有介/創元推理文庫)読了。

一言で言うなら良く出来た火曜サスペンス劇場。キザな会話、主人公が出会う幾人もの美女、二転三転する事件と完璧なまでに良く出来た娯楽小説であります。重いテーマや説得力は口にしたくもないし、主人公の歩くセクハラぶりとありえないモテモテぶりなど、ありえないほどに”軽い”のだけど、エンターテインメントとして見れば弱点ではないのかな。まあ読みやすいことは悪いことではないのだが、そのあまりのキャラクター偏重の姿勢を見ると一体どこのライトノベルなんだろうとつくづく思う。読んだ後に何一つ残らないのも見事なまでにライトノベルだし。後はあまりにもキザ過ぎてセクハラ過ぎる主人公を受け入れられるかどうかがこの作品を楽しめるかどうかの分水嶺。いい年して愛人をもって若い女にモテモテの元刑事のフリーライター(38才)ってお前はどこのファンタジーだよまったくと言う設定もライトノベルだと思えば許せないでもないが、今だったら間違いなくセクハラで訴えられること間違いないよな、こいつ。

まあオレとは無関係の人間だな、けっ(紛れもない僻みです)。

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2006.08.13

『黒いカクテル』読了

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黒いカクテル』(ジョナサン・キャロル/創元推理文庫)読了。

すげえ!なんだこりゃ。めちゃくちゃ面白い。

ダークファンタジーの書き手として呼び声も高い(らしい…。実は初読なんでよくは知らぬ。すまん)ジョナサン・キャロルの第二短編集。不条理で、理不尽で、残酷でありながら妖しいきらめきを閉じ込めたような作品集でありました。読みながら無理矢理に幻想に引きずり込まれ、悪夢めいた予感に苛まされながら読むのがぜんぜんやめられない。怖いもの見たさ、と言うのともちょっと違っていて、僕の読解力の問題か、そもそも何が起こっているのかさっぱりわからない話も多いのだけど、物語の行き着く先がどこになるのか見極めずにはいられない力がこの作品にはあると思った。好きな作品をいくつか上げると、「卒業生」などはいかにも悪夢のような理不尽さの中で、悪夢から抜け出せなくなってしまう恐怖が描かれていてたまらなかった。本当に背筋がひやりとする。「あなたは死者に愛されている」は最初に読んでいる読者の視点が、進むにつれて”変容”していくのが恐ろしい。「砂漠の首輪、ぶらんこの月」は非常にセンシティブな美しさに満ちた逸品だと思う。一瞬の輝き、みたいな。「黒いカクテル」誰が嘘をついているのかわからず疑心暗鬼になっているあたりは見事なサスペンスホラーになっているのだけど、最大の恐怖は”つながりたい”と言う欲望がもたらす決定的な”特別でなさ”があまりにも悲劇的過ぎる。思わず叫び声をあげてしまったよ。

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2006.08.12

『フルメタル・パニック! サイドアームズ(2) 極北からの声』読了

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フルメタル・パニック! サイドアームズ(2) 極北からの声』(賀東招二/富士見ファンタジア文庫)読了。

これはすごい。何がすごいって全編これおっさん小説と化しているというのがすごい。ありえないくらいに理想的にかっちょよいおっさんが、己が信念に従って行動すると言うなんかありえないぐらい雄度が高い作品でござる。でも本来ライトノベルのターゲットである十代にとってはこれどうなの?ここまで格好良い大人であればむしろ無問題なのかなあ。まあフルメタ世界の背景を描いているというのと、宗介とテッサの過去編となっていると言うのはファンサービスとしては正しいのかもしれないね。まあおっさんスキーに対するサービスでもあるのかしらん。最後の短編は、明らかに短編集に入れ損ねた作品って感じだった。前2編とあまりにもカラーが違っていて相乗効果で笑えたよ。

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『煌夜祭』読了

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煌夜祭』(多崎礼/C・NOVELS)読了。

これは素晴らしい”物語”だ。僕がひたすらに本を読み続けるのは、時に現れるこういう作品に出会うためだった、といってしまいたくなるぐらいにこの物語は素晴らしい。

深い深い夜の闇の中で、焚き火の明りだけをよすがに語り次がれる物語。それは、人間が闇に押しつぶされないように、過去の悲劇を未来の希望へいざなうために紡がれるもの。つまり物語とは祈りであり、贖罪である。

二人の語り部は焚き火を挟んで物語る。魔物と呼ばれたものたちの、怒りと悲しみと愛の物語を語る。二人の語り部が語る物語は、過去の罪と悔いを暴き出す。それぞれが語る物語は、少しづつ少しづつ絡み会い、そして一つの祈りへと昇華するのだ。

過去にあった幼い恋も、苦い後悔も、深い悲しみも、焼け付くような憎しみも、すべてを受け入れ、次代に伝える。
本当に伝えるべきもの。それは過去にあった”願い”そのもの。理想を目指し、潰えた希望の残骸。残骸を掘り起こし、育む。それが語ると言うことであり、”種を蒔く”と言うことだったのだ。

それが希望だ。それこそが生きる意味だったのだ。

そう思えた人生こそは幸いである。

”かの人”の生きた道こそそうであったと、僕は信じる。

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月日は瞬く間に過ぎ行く

昔は夢中になってやっていたことが、今ではすっかり熱が冷めてしまうと言うことは良くあるわけです。どんなに楽しかったことでも、ある瞬間から何が面白かったすらわからなくなってしまう。やりきれない話ですが、これは仕方のないことなのでしょうね…。

なんの話かと言うとコミケの話なんですが(って、ちょ、おまえ)。

まあ要するに二次創作を”読む”と言う行為に飽きてきたと言うわけですな。もともと僕はキャラに感情移入するタイプではないので、キャラを弄り回すことで生じる楽しさというのを本当には理解できないんだろーな。

今日買ったものでーす。

1.『かんなぎ(1)』 武梨えり 一迅社

割と、と言うかかなり面白い。どうもこの作者は女性キャラクターの腰から足にかけてのラインに過剰の思い入れがあるらしく、スカートのなびかせ方から生じる健康的なエロスには一見の価値があると思う…ってお前はそういうところしか見ていないのかっ!はい、そうです!
まあ戯言はともかくとしても、主人公があまりにも正しい男の子していて非常に気持ちが良いですね(ちょっと理想化されすぎているきらいもあるが・・・)。ボーイミーツガール伝奇日常系(今考えた)としても結構面白くなりそうな気がします。

2.『彼女はたぶん魔法をつかう』 樋口有介 創元推理文庫

これはタイトルの素晴らしさ「だけ」に惹かれて買いました。紛れもない「タイトル買い」です。どうもありがとうございました。だって”たぶん”魔法を使うんだぜ?

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子安がいればいい(誤解を招く表現)

『魔人探偵脳噛ネウロ』がCDドラマ化されるということだが、あの面白さの半分は奇天烈なビジュアルインパクトなのではないかと思っているので、正直なところ微妙だなあと思っていたところ、キャストの「脳噛ネウロ/子安武人」を見た瞬間「これは有り」だと思ってしまいましたとさ。買おうかな…。

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2006.08.11

『学園キノ』読了

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学園キノ』(時雨沢恵一/電撃文庫)読了。

これについてはまず作者に対して「ばーか、ばーか」と言うところからはじめよう。「ばーか、ばーか」

まったく良く出来た二次創作と言うか自分の作品をよくもここまで弄り回せるものだと感心するぐらいに鬼畜な作者に正直恐れ入る。特に静(=シズ)と陸の扱い方には驚愕と言う他無い。なんだこの刃物キ○ガイとガン=カタ馬鹿は。ありえないくらいにキャラが壊れていてファンの怒りが予想されます。うはは。でも木乃(=キノ)も別の意味で驚愕したことは言うまでもないというか、なんだこのラブコメ仕様の無敵元気な鉄砲玉娘は。静との間で繰り広げられるそこはかとなく(ここ重要)ラブラブで甘々時空は一体なんだ。元気いっぱいに飯を平らげるこの無防備っぷりには正直なところ、その、なんと言うか胸の高まりを覚えずにはいられない(気持ち悪いなー)。あ、おばあちゃん(=師匠)はあまりにもそのまんま無敵ばあちゃんだったので安心しました。この人だけキャラがぜんぜん変わってないよ!もともと壊れているとか言ってはいけない。

まあ、作者が全身全霊、渾身の力をこめて書かれた冗談小説であり、大変に楽しくて楽しくて楽しくてよろしいのではないでしょうか。原作陵辱本としてもかなりのスペックを誇るのですが、作者本人が自分の子供とも言える自作でやっちゃっているところが本当に鬼畜。この近親相姦推進者め!まあ面白いから無問題だけど!とりあえず続編を熱烈希望いたしますが、3年に一冊なんてのは正直つらすぎる!年一冊ぐらい出してもバチは当たらなくと思います。

(ぜんぜん関係ないのだが、こんなキーワードをばらまくからトラックバックスパムがくるんだよ、オレ…)。

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『哀しみキメラ(2)』読了

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哀しみキメラ(2)』(来楽零/電撃文庫)読了。

電撃文庫的な伝奇設定でありながら、アクションシーンはほとんど描かれず、社会にひっそりと生きる人外である主人公たちを描いた作品。社会に隠れ潜む主人公たちと、ある少女との心の交流を描いた作品になっていて、なんかやけに面白いのだが正直地味だ。あまりにも地味すぎて逆に電撃文庫の中ではめちゃくちゃ目立っているのがなんとも皮肉だと思うけど、これは本当に電撃文庫的ではないな。昔のソノラマ文庫とか、いっそのことコバルト文庫で出ていても違和感がなかったような気がする。あくまでも気がするだけだけど。

まあ正直なところ前作で出ていた欠点がそのまま残っていて(エピソードと葛藤が足りない)、個人的にはもうちょっと書き込んで欲しいところなのだけど、蛇神憑きの少女との交流にエピソードが絞られているので全体的なバランスはだいぶ良くなっていると思う。素直に面白かった。

この作家はまだまだ面白くなりそうな気がする。

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『座敷童にできるコト(6)』読了

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座敷童にできるコト(6)』(七飯宏隆/電撃文庫)読了。

実に真面目なこの作家らしく、広がりすぎた大風呂敷をなんとか折りたたんで決着をつけたことは高く評価したい。モノリスを登場させたあたりからもわかるように、実はこの作品は純粋なSFだったわけで、そのモチーフの使い方や悠久なる時間の流れなど非常に美しいイメージがって、『ルカ』を書いた作家らしいノスタルジーがあると思う。惜しむらくはあまりSFイメージの比重は高くなく、アクション重視になっているところだが、これは人それぞれか。ただ大風呂敷をたたむのが精一杯だったらしく、伏線の処理がやや乱暴であると感じる。霧穂の心情や黒幕?の登場のさせ方とかジャンプの打ち切りめいた慌しさがあって(洒落にならん)、もう少し丁寧にやってくれたほうが良いと思ったのだけどそれは言っても仕方のないことか。普通に楽しめると言う意味では何一つ過不足がないけど、SF的にはだいぶ後退してしまっているのが個人的には残念。次回策はもっと”SF”を書いてくれるといいけど、電撃文庫のカラーじゃないか…。

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『×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』読了

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×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』(西尾維新/講談社)読了。

予想以上に面白かった。

原作については連載をたまに読んでいるぐらいで、登場人物については大体わかるけどストーリーそのものはあまり覚えていない程度の読者なんだけど、何の違和感を持つこともなく面白かった。多分原作準拠なんだと思うけど、言い回しとか台詞でキャラ立てするのはいかにも西尾維新的だと思った。

内容は、基本的に四月一日と侑子さんが延々と戯言を繰り広げ続けると言う、まあ西尾維新作品としか言いようがない話なんだけど、原作を意識しているのか根本的に”業”すなわち願いを抱えた人間たちの心理が中心に据えられているのが面白かった。こういう作品を西尾維新が書くというのはちょっと意外に感じる。あまりマンガ的ではないというのか、超常よりも現実に振れた作品だと思う。

作品としては第二話の「アンダーホリック」が面白い。なんとなく『クビキリサイクル』にも似た地に足のついた”悪意”があって面白かった。最後の落とし方も非常に爽快で良い。

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浦賀和宏は一体どこに行こうとしているんだ・・・

1.『八木剛士史上最大の事件』 浦賀和宏 講談社ノベルス

う。

うあ。

うああああああああ。

あまりのことに言葉が出てきません。
確かに史上最大の事件だなあ…。

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2006.08.09

『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』読了

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DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(西尾維新/集英社)読了。

まあ西尾維新だったな…で済ませたいところだ。他に感想も思いつかないしな。

そういうわけにも行かないので雑感を述べさせていただくならば、美空ナオミをあからさまに西尾キャラにしてしまっているあたりはさすがだと思った。すでにいろいろな感想でも述べられているが、やはり戯言とカポエラを使うドジっ娘捜査官(やや誇張あり)にしてしまっているのはどうしたものかと。まあ別に良いけど。

ミステリ的な部分は、可能性の一つとしては考えられたので(見抜いていたわけじゃないけど)まあそんなもんだろうな、と言う印象だった。まあそれしかないよなーと言う感じはするのだが、相変わらず”本格をスルー”するのが上手いとは思った。真正面からのトリックはあくまでも書かないつもりらしいな。

まああとは”L”の動き方に不満があるのを除けば、特に問題なく面白かった。でもこれでこの値段はコストパフォーマンスが悪いなあ。西尾維新はハードカバーで書くことが似つかわしくない”軽さ”があるんだよなー。

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2006.08.08

最近のジャンプはすげえなあ

まあ無論のこと水着祭りのことを言っているのだけど。あと『To Loveる』(みんな大好きですね)。

「Dグレ」を読んだんだけど、どうも成長すればするほどに危うさを増す主人公ってのは一体何なんだ・・・。

それはそれとして今日は電撃文庫の大判振る舞いだ。そらそら。

1.『月光とアムネジア』 牧野修 ハヤカワ文庫JA

と言いつつまずはハヤカワ文庫。
しかし表紙がヒロモト森一かよ…、なんか牧野修の売り方がよくわかんねーなー。まさかライトノベル作家の括りなわけ?

2.『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』 西尾維新 集英社

西尾・ノベライズ・維新。まあどうでもいいと言えばどうでもいい。中身も西尾ミステリ以外なにものでもないしなー。

3.『×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』 西尾維新 講談社

西尾維新の饒舌体とこの作品は意外なくらいフィットしているなあ。

4.『半分の月がのぼる空(8)』 橋本紡 電撃文庫

ついに完結。ありがたや…。

5.『私立!三十三間堂学院(4)』 佐藤ケイ 電撃文庫

現代少女戦国絵巻の第四巻。口絵の人物関係図が恐ろしいぐらいに入り乱れているな。こんなに登場人物がいたのか・・・。

6.『デュラララ!!×3』 成田良悟 電撃文庫

んあー。成田良悟って最近どうよ?うーん、ちょっとなー…とか言うとファンに怒られてしまうのだが、結局のところ「それがどうした?」ですべての感想が終わってしまうんだよな…。

7.『天使のレシピ(2)』 御伽枕 電撃文庫

一巻は面白かったが果たしてその実力は本物か?おそらくこの巻が試金石となるだろう。期待する。

8.『トリックスターズM』 久住四季 電撃文庫

もうこの作品を読むときは、電撃文庫だと思って読まないほうが良いな!講談社ノベルスとして読んだ方がしっくりくると思う。

9.『火目の巫女』 杉井光 電撃文庫

ま、まさかこの話を読んでいて騙されるとは・・・。予想外の奇襲に嬉しい驚きだ。

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『ソラにウサギがのぼるころ(2)ash and diamond』読了

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ソラにウサギがのぼるころ(2)ash and diamond』(平坂読/Mf文庫J)読了。

うへー、あいも変わらずジャンクな作品だぜ。ラブコメ的学園伝奇にツンデレ、人外ロリ、メイドなどを適当にまぶした感じのいいかげんな物語がたまらんなあ。なんと言うか、オタク記号としては、これでもかこれでもかえいえい!と言うぐらいに盛りだくさんであり、やたらの裸率も高く、ぱんつぱんつぅな展開(…)も多く、非常にライトノベルラブコメの典型と言えるような外面なのだが、なぜか一般的な”あざとさ”とは正反対の印象を受けてしまう。一言で言えば、ここまで記号を出しまくっておきながら、「何一つ萌えがない」と言うところがさすがだなあ。結局、この作品(と言うか作者)は記号とシチュエーションが過剰に繰り返されることによって、もはやそれそのものは萌えと言うよりも、曰く言いがたい不条理感の方が先に立つのである。そして、その不条理感に対して読者がどういうスタンスで受け止めるのかによってこの作品の評価が大きく変わってくるように思う。たとえば、①ギャグとして楽しめるか、②萌えが足りないと判断するか、によっても作品に対する判断はずいぶん変わってくるだろう。まあどちらの読み方が正しいと言うものではなく、読書することによって何を受け取ることを望んでいるのか、と言う読者側の要求の差異というべきものにすぎないのだろうけど。

まあ問題は、この作品のアピールの仕方(例えばあらすじとかイラスト)が明らかに”萌え”を欲望している層に向けていると言うことなんだけど…。さすが読者(主にオタク)に対するツンデレ作家、平坂読だぜ!と、個人的には大変感心するとともに、わざわざ茨の道を進んでいるなあと思うと笑いが止まりません(ツンデレ表現)。まあこの調子でロック魂溢れる作品を書いていって欲しいと思いました。まる。

追記。
あくまでも個人的な話ですが。
僕は青臭い上にネガティブ思考でそのくせお調子者のエンターテイナーである主人公(男)に大変萌え萌えであり、この主人公のどうしようもない駄目人間ぷりが愛しくてたまらないタイプです。よって上記の分類においては、③何も考えずに萌え萌えしている、というカテゴリに該当しております。

追記2。
感想を書くのを忘れていました。
相変わらずの平坂読で大変に素晴らしい作品だと思う。ただ萌えを相当におちょくっているので、そういうヒネクレた思考回路を楽しめる人向きかも。そこまでしてオタクにツンツンしなくても…と作者のツンデレぶりを行間から感じ取りながら楽しむのはやや上級者向けなのであまりオススメはしかねるが、そこまで行けばリッパな平坂読マイスターと言えるだろう。

追記3。
なお、上記の文章はすべて僕の妄想であり、現実とは一切関係ありません。たぶん。

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2006.08.07

『永遠の戦士エルリック(3) 暁の女王マイシェラ』読了

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永遠の戦士エルリック(3) 暁の女王マイシェラ』(マイクル・ムアコック/ハヤカワ文庫FT)読了。

表題作「暁の女王マイシェラ」と「薔薇の復讐」の2編を収録した新版エルリックの3巻。例によって両作の間には十年単位で発表年代がずれている(はず)。あわせて読んでみると、本当に別ジャンルの作品なのではないか、と言うぐらいに作品としてのカラーが違うなあ。

「暁の女王マイシェラ」は、「この世の彼方の海」と同様に、コルム、エレコーゼら、エルリックと同様のエターナルチャンピオンの化身たちと出会い、異次元の怪物を召還するセレブ・カーナを倒すためのアイテムを手に入れると言う話。この頃のムアコックはあまり女性キャラの興味がないらしく、(タイトルにもなっていると言うのに)マイシェラの活躍はほとんどない。単に冒険を動機付ける役目だけで、冒険が終われば粛々と退場するだけの存在でしかない。こういうマッチョな思想と言うのは、個人的な良し悪しは別にして、いかにもかつてのヒロイックファンタジー的であった。エルリックというキャラクターの特異な点である”自己の良心というものの規範”と”力を求める本能”の相克と言う部分もあまり表面化していないし、まあ普通に面白い作品だと思う。しかし、あまり古びていないと感じられるのは、エルリックという現代的なナイーブさを抱えたヒーロー像のおかげだろうか。

「薔薇の復讐」については、実は、自分はこの作品が大変好きだと言うことに気がついてしまった。僕が気に入っているのは、これは実に正しくファンタジーであると言うことです(ヒロイックファンタジーではなく)。例によって異次元と言うか並行世界に迷い込んだエルリックが、そこでさまざまな冒険をしていくという展開なのだけど、その冒険の中身が実に風刺的であり寓意的なのだ。「移動する町」の描写なんて、どこの「ガリバー旅行記」を読んでいるのかしら、僕は、と言う感想を抱いてしまったほどである。
キャラクターも大変魅力的で、特に女性キャラクターの生き生きとした描写には目を見張るものがある。本当に「暁の女王マイシェラ」を書いた人と同じ人なのかと思ってしまうぐらいに、活動的で、他者に依存することのない自立した女性達が大勢出てきたところには、執筆した世相を反映しているようで面白かった。また、読者が考える魅力的なヒロイン像と言うのも時代によって変わってくるのだろうな。要するにメインヒロインである「薔薇」は大変萌える、と言うことが言いたいのだけど。

ところで、「薔薇の復讐」の最後で、いつエルリックが「あなたが――蜘蛛だったのですね」と言い出さないかどうかすげーハラハラしたよ!邪神弱えー!人間強えー!本当にこれ書いているのはムアコックなのか!と言うぐらいに希望に満ち溢れていて腰が抜けました。嘘ですが。

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2006.08.05

『緋華 sparkling!』読了

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緋華 sparkling!』(藤原征矢/HJ文庫)読了。

これはひどい、ひどすぎる…というと誤解を招くかもしれんのだが、これ以外に表現する言葉が思いつかん。まー要するに美少女が出てきて銃器をぶん回してどかーんばきゅーんずがーんと暴れまわるだけの作品でありますのではっきり言って感想を書くことすら虚しい気持ちでいっぱいだ。あまりにも男の願望充足があからさまなんで、まあ、その、だんだんと楽しくなってしまうのは否定出来ないけどな!だってぎゃるるーんでどかーんだよ!?(日本語を話せ)

個人的見解を述べさせてもらうならば、男言葉がガラッパチの主人公が、普段は猫を被ってお嬢様言葉を使用して淑女を演じているというシチュエーションを想像するだにありえないほどに萌ゆる。ヒロインそのものではなく(いや好きだけど)、あくまでもそのシチュエーションがたまらんのですよ。自分を抑えるその姿が(変態め)。あとーヒロインに日々虐げられるメイ奴隷ガチ百合少女(なんだと?)のが当たり前の意味で踏み潰したくなったが、これはこれで可愛いからいいや(もはや歯止めが効かない)。

さらに個人的見解を述べさせてもらうならば、男勝りでガラッパチで淑女なヒロインの幼馴染である篠原くんに大注目である。今回はあまり出番は無かったが、男勝りで(以下略)ヒロインを、ツンデレの深みを陥らせドロドロデレデレのグチャグチャに持っていくことが出来るのは貴様しかおらぬ!がんばれ!と言うわけで今後の展開に期待したいところである。

・・・僕は何を書いているんだ?

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『アラビアの夜の種族』読了

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アラビアの夜の種族Ⅰ』(古川日出男/角川書店)読了。

もう何度読んだのだか自分でも定かではないのだが、文庫化を記念して改めて読んだ。ははは、もうありえないくらいに面白いと言うか一度読んだらやめられんぜまったく。

なにが面白いのかと言い出すと、すべてが、とか言い出す自分の信者ぶりがあらわになるだけなので、感想についてはほどほどにしておく。とりあえず、久しぶりに読んで気がついたことがいくつかあったのだけど、この話は「究極の物語とは何か?」と言うテーマを突き詰めた実験小説ともよめるのだなあ、と言うところが興味深かった。イスマイール・ベイを耽溺させ、破滅させた”災いの書”ってのは、要するに涼宮ハルヒの憂鬱(アニメ版)でやってたアレだよな。「究極の物語」とはそれ単体で成立するのではなく読み手がそれを”読解する”行為が必要不可欠なんだなあ、って話。そうして物語は受け継がれ、咀嚼され、拡散し、不死を獲得すると言うわけだ。あーなるほどなあ。

まあなんと言うか、無人島に一冊(一作品)しか持っていけないとしたら迷わずこの作品を持っていくね僕は。マジで。

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2006.08.04

絶賛体調不良中・・・って良い時ってあったっけ?

考えないことにしよう…。

1.『神鵰剣侠(3)』 金庸 徳間文庫

最強のツンデレ武侠小説の第三巻である。とにかく素晴らしいまでに完璧なツンデレ小説なのでとにかく騙されたと思ってみんな読むと良いかと(最近この言い回しが多いな)。感想については、1巻2巻と一緒に近いうちに書く予定。

2.『愛しのかな(1)』 田中ユタカ 竹書房

『愛人』の田中ユタカがまた鋭すぎるエッジを閃かせている。一見ラブコメ、エロコメに見えるんだけど、彼女は「死んでしまっている」と言う時点で、すでに喪失したものたちの、どこにもいけない恋が始まるのだ。

3.『アイシールド21(20)』 原作:稲垣理一郎 漫画:村田雄介 集英社

圧倒的敵手に対する絶望的反抗、と言う話。神龍寺の強大さをこれでもかと見せ付けることで、今後の泥門の反撃のカタルシスにつながっていくのだなあ。

4.『NARUTO(34)』 岸本斉史 集英社

ジャンプ連載のことから思っていたけど、やっぱりサイの心変わりは唐突だよなあ…。

5.『魔人探偵脳噛ネウロ(7)』 松井優征 集英社

弥子かわいいよ弥子。そういう話じゃねえの?

6.『Y十M~柳生忍法帖(4)』 原作:山田風太郎 漫画:せがわまさき 講談社

山田風太郎を思いっきり現代的に解釈してみました、と言う感じ。そうなると恐ろしいことに十兵衛先生がモテモテのハーレム漫画になってしまうのでした。とりあえずこの巻ではお笛が大変に可愛らしくなんかあれだ。やばい。

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『月の娘(1)』読了

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月の娘(1)』(渡辺まさき/HJ文庫)読了。

相変わらず、おそろしくニュートラルなおはなしを書く人だなあ、と感心する。

異世界からやって来た魔女の女の子がなし崩しで同居することになってしまう。彼女が自分の世界に戻るためには魔道書を探さないといけなくなった。無理矢理彼女の”使い魔”にされてしまった主人公の明日はどっちだ、と言う話…だっけ?間違ってはいないはずなのに、何か釈然としないのはなぜだろう…。こんなにあからさまに魔女っ子ものテンプレートに沿った話だったのか、とあらすじを書いてびっくりしてしまった。

もともとこの人の作風として、別に対して大きな事件が起こるわけではなくて、当たり前の日常の中でわずかに揺れる人の心情を写し取るとが非常に巧み(と言うか天然かもしれん…)な作家なんだけど、非日常を舞台としておきながら、その非日常すらも日常に取り込んでしまう(言い換えれば飯食ってだらだらとおしゃべりをするようなしょーもなさ)あたりが面白いと思った。

あと、どこにでもいそうな感じのヒロインの可愛らしさは正直特筆ものであると思います。もう本当にそこらへんにいそうな感じの(でも多分いないんだろうな、と言う感じの)魅力があってよいなあ。と言うか、登場してくる人物がみな憎めない感じのほんわかしたトーンに統一されているのが心地よいのだろうな。

・・・でも考えてみると、今のところ登場した人物の一人は”嘘”ついている可能性があるんだよな・・・。登場した割りに物語にぜんぜん関わってこなかった人が多いのだけど、おそらくはこの中の一人が”敵”なんだろーな。意外と一筋縄ではいかない話かもしれない(と言いつつぜんぜん違う第三者が敵だったら笑うけどね)。

そういえば、久しぶりに山田秀樹の絵が見れたのはうれしい。昔から好きなイラストレーターなのだけど、実はこの人、凄い漫画の才能がある人だと思うので、またどっかで短編を書いてくれないかなあと思う次第である。

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2006.08.03

『pulpⅢ』読了

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pulpⅢ』(森橋ビンゴ/ファミ通文庫)読了。

陳腐に始まって陳腐に終わるとの作者の言葉通りにごくごく当たり前の平凡さでもって物語を終わらせたこの作品には一定の評価を行うべきと思う。非日常への憧れとその失墜を描いたこの作品の終わりが日常への回帰となるのは当然の帰結であり、その”当然”と呼べる日常性こそがこの作品の本質なのだろうと感じる。と言うのは、この作品においては、(超常的な要素こそ無いけれども)極めて一般的なライトノベルフォーマットに基づく非日常を舞台にしながらそこで語られているのは、平凡な心の動き、すなわち単なる日常に過ぎないのだ。以前僕はラノベフォーマットの上に生きた感情とが息づいている、と言うようなことを書いたのだが、それこそがまさしく平凡とさえ言える日常性を付与している部分であり、この作品の肝となる部分である。ただ、3巻を通読して感じたことは、果たしてライトノベル的な非日常性が果たして必要だったのかどうかと言う疑問だ。結局、徹頭徹尾この作品は平凡で日常的な感情の流れを扱っている。戦いに向かうそれぞれの感情はさまざまだが、物語を動かすものは嫉妬や恋情など当たり前の感情に過ぎず、それがサスペンス部分に結びつくのかと言うと…これがぜんぜん結びついているような気がしない。それこそとある大学のキャンパスでの物語に改変しても大して違和感が無いんじゃないか、という気さえする。まあぶっちゃけていうと伝奇部分を何度読んでもあまりのご都合主義的な展開に眩暈がしてくると言うかぜんぜん面白くないと言うことであり(主人公たちの感情のリアルさとあまりに乖離したご都合さ)、その点に最後まで気にかかってしまったのが残念であった。もうちょっと日常性と非日常性を上手くすり合わせてくれれば、非日常から日常への帰還というテーマも生きていたのではないかな。正直なところ、この作品内では日常と非日常が地続きでありすぎると思う。

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『狂乱家族日記 六さつめ』読了

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狂乱家族日記 六さつめ』(日日日/ファミ通文庫)読了。

まあ割と面白い…がそれ以上に恥ずかしい!キャラの言動が!演出が!ありえないほどに恥ずかしくてたまらない!何だこの羞恥プレイは!!

まあいろいろ言いたいことは山ほどあるんだけど、とりあえず偶然と無知を都合よく使いすぎだよなーと思う。たとえば、平塚雷蝶が銀夏の本名を知らなかったと言うのも都合よすぎですよ。どう考えてもその伏線は今考えたんだよな?そうなんだろ?あとマダラと凶華の議論対決を見事なまでに肩透かしをしたのも、ギャグではなくて単に逃げただけなのが丸わかりなんで、これのあたりは日日日の現時点での限界なんだろーなー…。で、結局、もっとも言いたいことは、普段からキャラの思想が極めて青臭いことで(僕の中では)有名な『狂乱家族日記』史上、最大の青臭さとさらにこっぱ恥ずかしさがマックスと言うかすでにいたたまれない!なんでここまで黄金色のパターンをここまで堂々と使い倒せるんだ日日日は!凄すぎる!うあああああああああああああ!

あー…なんか貶してばっかりですが、面白いことは面白いですよ。これ、本当。

多分、本来の楽しみ方とは異なっていると思うけど。

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2006.08.02

『骨王 Ⅰ.アンダーテイカーズ』読了

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骨王 Ⅰ.アンダーテイカーズ』(野村佳/角川スニーカー文庫)読了。結構面白い。

この作品には非常に懐かしい匂いがする。いわゆる現代学園異能とは少々方向性が異なっていて、どちらかと言えば古いジュブナイル伝奇アクションの類のように感じた。現代学園異能となにが違うのかと言えば、あくまでも僕が勝手に定義している範囲で判断しているのだが、主人公たちが成長しているところだ。主人公たちは例によって苦難に遭遇し、特殊な力を手に入れ、人外との戦いに身を投じていくのだが、その苦難が主人公たちにとっての傷にとどまるのではなく、成長する糧、あるいは世界と折り合うための過程として機能しているところが懐かしさを感じさせるのだろう。またこの作品で主人公たちの感じている世界との対立感情というものも、現代的ではあるものの、少年の自我に対する周囲からの抑圧という非常に普遍性があるものであって、とりわけかつての僕にはとてもなじみやすい感覚だった。この類のジュブナイル的な感覚は、共有出来るか出来ないかで評価が変わってくるものであって、その意味では、この作品で述べられていることは僕にとっては少し懐かしい時代の自分へのノスタルジーとして味わうことが出来るからこそ懐かしいと言う感覚を得られたのかもしれない。長々と書いてしまったが、要するに僕は結構好きですよ、うん。

それはそれとして、イラストレイターのTHORES柴本の絵を久しぶりに見たけど(ザ・スニーカーでデビューして以来だぜ。古い?)、相変わらず濃ゆい絵をしているなあと思った。ゴスっぽい耽美なイメージの暴走がすさまじいな。

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2006.08.01

麗しの日々はいづこぞや

タイトルに意味は無い(久しぶりだなこれ)。

1.『最強伝説黒沢(9)』 福本伸行 講談社

本当に黒沢さんは駄目な人だなあ…。でもむしろそこが愛しい。同時にあまりにも格好良すぎてなんだか凄え。もう全編が黒沢さんのキュート過ぎる人格が満ち溢れていてたまらりません。ぶっちゃけ萌え萌えです。

2.『月の娘(1)』 渡辺まさき HJ文庫

念願の渡辺まさき+山田秀樹を手にいれたぞ!と言うかまさかイラストレーターも同じとは思わなかった。びっくり。

3.『緋華 sparkling!』 藤原征矢 HJ文庫

しかしまた懐かしい人が書いているなあ。HJ文庫のターゲットと言うがまさしく自分のようなライトノベルを読んで十数年と言う人間をターゲットにしているのが明白であり、見事にはめられてしまっているような気がするなあ。ところでイラストの松本規之の絵がえらく濃くなっているんですが…。なんで?

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『薔薇のマリア Ver.1 つぼみのコロナ』読了

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薔薇のマリア Ver.1 つぼみのコロナ』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。あわわ、こりゃまた凄いもんを読んじまったぜ…。

マリアローズが主人公であった本編と同時期に同じ場所で、異なる人たちが悩み、傷つき、それでも日々を生きていく姿が描かれている。レニィとコロナの二人は、『薔薇のマリア』本編においてはただのチョイ役でしかなくて、彼らの悩みや苦しみを描かれることは無かったけれども、描かれないからと言ってないわけではない。物語の外で彼らの人生は続いているのであり、そして、今回、レニィとコロナの物語がわずかに語られたけれども、それ以外の人々にだって人生がある(それこそファニー・クランクでさえ)。そういうことをきちんと描かれているところに、作者の重要なこだわりがあるのだろうと思う。

以下各話感想。

「青年は西に向かう」
「この旅は終わらない」

実質的な前後編である。要するにレニィとコロナが出会うの図なわけだが、これがまた素晴らしい。自分の大切な存在である弟を単なる理不尽によって奪われたことによる、やり場の無い怒りとも憎しみともつかない焦燥を抱くレニィの内面を描いているんだけど、この描き方がまた良いんだ。死んだ弟に対する怒りと悲しみ、殺した相手への憎しみ、妾腹の子である自分に対する父親の仕打ちへの苛立ちなどの情念を、コロナと出会い、絶体絶命の窮地の中、必死で生き延びようとすることで消化していくなんてあたり、これはどこの文学なのかと思ったよ。もともと十文字青はライトノベルの皮を被った現代小説を書く人なのだと言うことを再認識した気がする。

「人は一人では生きてはいけない」

一人では生きていけない弱さを抱えたまま苦界に身を落とそうとした少女を引っ張り上げる少年の話。これは舞台を現代に移しても普通に小説になりそうな気がするけど、やっていることもそんな感じ。他人に迷惑をかけないように一人で生きていこうと気を張っていたって、それすらも出来ないどうしようもなさを抱え込むことの苦痛がこれでもかと描かれる。コロナというキャラクターの裏には、身を引きさかんばかりの苦しみがあって、しかもそれは彼女だけのことだけではない。だからみなそれを抱えたまま寄りそって生きていくしかないのだなあ、って話なんだろうな。

「いつか咲く花」

レニィってのはすげえいい男だなあ…。「たとえ咲かなくたって、俺はいつまでも待ってやるよ」なって台詞はなかなか言えることじゃねえ。確かに恥ずかしい台詞であるかもしれないけど、この言葉には、相手の存在を丸ごと受け入れるという意思表示なわけで、すべてにおいて絶望的な、それこそ人生において致命傷(やりきれないがコロナにとっては比喩ではない)を受けてしまったコロナにとってはいかほどの喜びであったのか。そして二人はクソッタレな仲間とともに、クソッタレな迷宮に、クソッタレな町を一緒に歩いていくのである。

ああ、そうか。この作品は恋愛小説として読むべき作品だったんだな。

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