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2006.07.01

『狼と香辛料Ⅱ』読了

484023451501
狼と香辛料Ⅱ』(支倉凍砂/電撃文庫)読了。

何も言うことが無いくらいに面白かった。

本当に何も言うことが無いので簡単に。
今回ロレンスたちがやっていることは紛れもなく犯罪なんだけど、そのあたりはどんなもんなんでしょーね。僕としては手段を選んでいる余裕はないし、主人公たちもリスクを背負っているし、なにより、無関係な人を傷つけてはいないのだから別にいいかな、と言う気はするのだが、一応主人公のロレンスは社会の規範を遵守する一般人なので、ここでやっていることは相当に危ない橋を渡っているのだろうな、とは推察できる(たぶん、小説内で書かれている以上に)。でもそのなかで人の憎しみや恨みを無くして行こうとするロレンスの言は、一見するとたんなる青臭い台詞に聞こえるが、実のところ合理性の産物であって、人の憎しみを買わないこと、妬まれないこと、信用を得ることが商人にとって必要であるということなのだろうなあ。ほらホリエモンとか村上ファンドとか…。そういったところも含めて、「信用」というものが今回のテーマなのだと思う。商人ほどに信用できない存在は無いのに、信用なくては成り立たない「商人」という存在の面白さ、経済への魅力がわかりやすく伝わってくるという意味で、これは見事に経済小説であるのだと思った。

あとロレンスとホロの関係を見せるやり方が最高。言葉のやり取り、物事に対するスタンス、お互いへの気の配り方などこまかな描写を積み重ねることで、それぞれの内面と関係を描写しているところが見事である。本当にこういうところが上手い作家だなあ。

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