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2006.07.01

『セカイのスキマ』読了

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セカイのスキマ』(田代裕彦/電富士見ミステリー文庫)読了。

妖怪の理屈付けのあたりに京極夏彦の影響を見ることが出来ないでもないが、非日常で起こった事件を日常の事件に語りなおし、無かったことにするという設定は、他に類を見ないわけではないけれど、珍しいように思った。というか、こんな設定は富士ミスからしか出てこないだろうと思うほどで、というのは、富士ミスはもともとミステリレーベルとして創刊しながら、ライトノベル読者を取り込むために伝奇的な設定、ラブコメ的展開を貪欲かつ無節操に取り込んだ結果、なにやら得体の知れないものになってしまったという印象がある。そこから生まれた流れとして、ミステリ的な結末とラノベ的な結末の二重構造を用意した流れがあって(Dクラッカーズとか)、この作品は、その流れに沿ったものではないかと思った。

作品について。
この作者はつくづく僕にとって居心地の良い作品を書いてくれると思う。決して文章が技巧的であるとか、美しい描写とかがあるわけではないのだが、主人公の過去の傷の見せ方とかに、感情にも情緒にも流されない論理性をもって描写をしているところに作者のバランス感覚が感じられるところが僕の好みなのである。まあその分随所に仕込まれるいわゆる”萌え”的な描写が非常に浮ついて感じられるのだが…。これは作者の趣向なののか、それとも編集者の意向なのか…。どちらにしてもあまり上手くは言っていないので、やめた方がいいような気がするなあ。萌え描写=萌えってわけじゃないんだからさ…(描写が無くても存分に萌えを見出すのがオタクである)。つか萌え萌えうぜーな、この文章。

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受信: 2006.07.01 12:51

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