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2006.07.24

『バイトでウィザード 双子の飼育も銀玉次第!』読了

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バイトでウィザード 双子の飼育も銀玉次第!』(椎野美由貴/角川スニーカー文庫)読了。

本編のところが凄い良いところで終わっている『バイトでウィザード』の短編集。大抵はドス汚れている人間のドス黒い本性が赤裸々に明らかにされるどうしようもない作品が多いのだが、今回は比較的まともに良い話が多かったように思う。何があった。

とりあえず、普段はあまり活躍しない双子の父ちゃんの話が一番安心して読める。あまりにも適当な子育てに意外な子煩悩ぶりが明らかになったりなにかと楽しいような気がするけど多分気のせい。父ちゃんも駄目だが母ちゃんもかなり駄目なんだが、気になるのが姉ちゃんの存在な。母ちゃんはなんとなく人物像が見えてくるのだが、姉ちゃんがぜんぜん見えねえ。とてつもなく気になる。

しかし、全体的に毒が少ないので書くことが思いつかないな…。

<追記>
このシリーズにおいて特異な点は、徹底して家族と言うものを拒否しているところなのではないかと思った。主人公たちにとって父ちゃん以外の家族の登場シーンは絶無に等しく、またその他の登場人物たちも、兄弟ぐらいまではともかく、親の存在がほとんど見られない。しかし、描かないのではなく、その存在があると言うことを匂わせながらも、なぜか物語上での描写が欠落している。この作品には、父性、母性と言うものが(と言うか根本的に無条件の愛情というものが)完全に欠如しているのだ。そのためか、この作品においては、世界は無味乾燥で、冷たい拒絶が基調としてある。拒絶された世界に取り残された主人公が、その拒絶にどう立ち向かうのか、あるいは立ち向かえないのか、と言う点がこの作品の焦点なのかもしれないと思った。

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