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2006.06.26

『上手なミステリの書き方教えます』読了

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上手なミステリの書き方教えます』(浦賀和宏/講談社ノベルス)読了。

浦賀和宏があまりにも浦賀和宏な小説を書いてしまったがゆえに浦賀小説としては青春期に対するルサンチマンと、”萌え”という概念を弄ぶ輩への激甚な嫌悪が塗りこめられておりまさに完璧。そのあまりのひどさには絶句するしかない(注…大絶賛しています)。

ミステリとしては、場面場面のつながりが不自然に転移しているのが気にかかる。ある場面で何か出来事が起こるのだが、その後の経過が描かれず、突然「時間」と「空間」が移動する。…これは場面の隙間にもうひとつ物語りがあるんじゃないかという疑いがぬぐいきれないのだが、ひょっとして”B面”があるのか?これ。

あるいはまったくそんなことは無いのかも知れず。そうでないとすれば、これはミステリであることを限りなく投げ捨てているとしか思えない。ある種、ミステリという概念へのファックしすぎだと思われる(D・M・C!D・M・C!)。

とにかく何だかさっぱりわからんのだがとにかくすさまじいことは間違いない。だが、この作品をどのように語るべきなのか…。まあ『電波男』などの一連の喪男論の流れとしては何が何でも読んでおかなくてはならない作品であるといえなくもないが、これはちょっと浦賀小説も極まっているのでとてもではないが他人には読ませようという気になれない。

だが、圧倒的物量のルサンチマンを、曲がりなりにもエンターテインメントにしてしまっているという点においては、本田透をはるかに凌いでいる、と思うし、その私怨の暴走させ方も巧みで(というのも変な話だが)好感が持てると思う。

まあさすが触手責めはどうかと思ったけどさ(本当にあるんです)。

(なお本文中は敬称略)

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