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2006.05.07

『家族八景』読了

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家族八景』(筒井康隆/新潮文庫)読了。

すげー今更感溢れる筒井康隆の七瀬シリーズ第一作。内容を端的に説明すると、超能力者版『家政婦は見た』(適当)。

テレパスである火田七瀬が、さまざまな家庭にお手伝いさんとして勤めながらその家族の闇を浮き彫りにするという話。どの家庭も七瀬が来る前から問題を抱えているんだけど、七瀬という心が読める超能力者の存在は、それまで沈黙していた家族の心をそれぞれに自覚させてしまう。たとえ七瀬がそんなつもりはまったく無かったとしても、”闇の存在に気付いて”しまう、つまり、闇を認識してしまうということそのものが引き金になってしまうのだろう。シュレディンガーの猫じゃないけど、”認識者”がいれば”確定”してしまうというわけだ。

まあ七瀬は基本的に家庭が破滅したところで別に気にしない。とりあえず自分の能力が他人にばれないように出来ればよい、というドライな感性の持ち主なので、結局行く先々でさまざまな悲喜劇が繰り広げられるのだが、よくもまあここまで悪意と脱力感に満載したどうしようもない人間関係を描けるものだと感心する。その悪意の書き方はギャグすれすれの不条理感があってブラックな笑いがどうしようもなく込み上げて来てしまったのには参った。笑えねー。

でも七瀬は基本的にひどいよな。別にいいけど。

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