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2006.05.01

『策謀のイェンディ 暗殺者ヴラド・タルトシュ』読了

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策謀のイェンディ 暗殺者ヴラド・タルトシュ』(スティーヴン・ブルースト/ハヤカワ文庫FT)読了。

ファンタジー+ハードボイルドシリーズの二作目。個人的にはそれに加えてピカレスクロマン的な面白さがあってかなり好きなシリーズであります。ハードボイルドとは言うものの、主人公は一匹狼ではなく、小さいながらも組織のボスであり、とある別組織との熾烈な縄張り争いを繰り広げているという、つまるところマフィアものでもあるのです。主人公が決して超人的な男ではなく、命を狙われ怯える弱さを内心に必死で押さえ込んでいるあたりもいいですねえ。大変人間的で良いかんじ。

さて、この巻で特筆すべきは、実は一巻より時系列的には以前に位置しているということころだろう。そして、それについての説明が一切無いということも興味深い。一巻の時点でなにやら不穏な事件が過去にあったのだなあ、と匂わされていた事件なわけだけど、あまりそのあたりは読者に説明はしてくれない様子だ。まあ不親切といえば不親切だが、そもそもハードボイルドとは登場人物たちの過去や来歴を追求するのではなく、あくまでも現在の行動のみが主体となる形式をもっているので、その意味でも正しくハードボイルドをしていると思うので、個人的には悪くない。

困難に直面した主人公が必死になって打開策を探して駆けずり回り、人を雇って揺さぶりをかけたり、抗争資金を確保するために集金にいそしんだりと、およそヒーローらしくない行動が多いのだけど、むしろそう言う部分がかっこええなあ、と思った。当たり前の人間が不屈の努力で危機に立ち向かうって言うのはそういうもんだろ、やっぱ。

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