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2006.04.13

『pulpⅡ』読了

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pulpⅡ』(森橋ビンゴ/ファミ通文庫)読了。

うーん、ちょっとばかり僕の興味から外れてきたかな。僕が一巻を読んだ時にもっとも面白いと思ったのは、現実との妥協が出来ない、あるいは妥協の方法がわからないと言う感覚の中、生きる手段を手探りで探している部分に非常なリアリティを感じた部分なのだが、今回はその部分(つまり、主人公が悩み苦しむ部分)が物語を締める割合としては後退しており、その分普通のサスペンスアクションになっているような気がする。まあ、超常的な要素がまったく出てこない割りには、物語の方向性としては紛れもないライトノベルであると言う不思議さはいささかも減じていないのだけどれども。主人公の敵は超越的な力を持つ人外でもなんでもなく、とある街を根城にするローカルな麻薬組織に過ぎないわりには、その存在感に一般的な小説で言うところのリアリティはあまり感じられないあたりなんかそんな感じだ。別段麻薬組織じゃなくてもいいじゃん?みたいな。それこそ現代学園異能みたいな超常的な集団が相手であっていいような。小説としても荒削りすぎてバランスが悪いので、ガリガリと粗くも鋭いエッジが控えめだと、今一つ僕には楽しみどころが少ないのである。もうちょっと主人公の少年少女が(本人にとっての)現実と戦ってくれないとね…。ただ、たぶんに批評性と物語性を兼ね備えた珍しいライトノベルなんで、その意味では面白かった。

ふと気が付いたが、僕は森橋ビンゴに対して”ライトノベル作家”としては何一つ期待してないらしい。この作家は、記号を用いるよりも、もうちょっと生々しい”何か”を書いてくれた方が面白いんじゃないかと思う。個人的にはライトノベルにはあまり向いていないような気がするけど、このあたりは主観の問題なので断定するつもりは無いけどね。でもエンターテインメントでは全然無いような気がするなあ。

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