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2006.04.26

『ジャンクル!』読了

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ジャンクル!』(木村航/ファミ通文庫)読了。全然まとまんねーなー…。

す、すげえ。ちょっとこれはすごすぎる。何よりもまず、巨大にして狂猛な生命力に満ちた植物によって支配された地球で、植物と(文字通りの)共存をすることでかろうじて生を許されている人間たちというイメージに心が引かれる。そして物語を動かす駆動源となるものとして人間の狂気にも似た情念が根底にあるのも大変に良い。また、荒々しい世界観に狂言回しとしてのカラスのような禍々しくもトリッキーなキャラクターも光っていると思う。トキシコははっきり言って男から見るとちょームカツクんですが、臆面もなくあんな発言が出来るあたりすごすぎる。また圧倒的な生命力を満ち溢れた世界と、その野生の中でこの世のすべてに喧嘩を売って口汚く罵り戦う少女(そして少女たちの)の姿にはひどく心が動かされてしまった。

これは少女が戦う話であって、恋や怒りや憎しみにと言ったあまりに人間的な感情に満ちた少女たちの姿には、”萌え”には決して還元されえない力強さがあるのだ。

文明を破壊し蹂躙する巨大植物と言うと、同作者がシナリオを書いた『SEVEN-BRIDGE ~セブンブリッジ~』(ライアーソフト)を思わせるし、情念渦巻く人間の精神と奇妙な寓話性の融合と言うのも『Forest』(同じ)と似通った感覚で描かれているように思える。思うに、未完成品(文字通りの意味)として世に出てしまった描かれなかった『SEVEN-BRIDGE ~セブンブリッジ~』でやり残した事を形を変えて描いているのではないかなあ、と思った。決して救われない人々が約束の地を目指して旅をするなんてまさにそれじゃん?…と言うのは半分以上が願望です。

んーなんか上手くまとまらない。木村航の作品の感想を書くのに苦労するのは毎度の事なのだが、この作品はとりわけ言語化しにくい。何がどう面白い、と言うのは明確には出来ないのだが、物語を構成するパーツ(一つ一つは決して独創的ではない)が組み合わさり総体としてなにがしかのイメージを形作っているように感じるのだ。ただ、そこで見せられているイメージが、果たして一体なんなのか…。そこが明瞭に把握できない。おそらくは”少女”という記号と”凶暴なまでの情念”と”決して美しいだけではない生命というもの”とか、なんかそんなよーな外郭があるようには思うのだが…。

そのような未知の部分もまた、この作者の魅力ではあるのですがね(無理矢理)。

全然まとまらないが感想終り。

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