« 『侵略する少女と嘘の庭』読了 | トップページ | 振り返り »

2006.04.02

『レキオス』読了

404364702601
レキオス』(池上永一/角川文庫)読了。相変わらず格調高い馬鹿SFぶりで大変素晴らしかった。

とにかくこの作者には思いついたことは残らず実行しなければ気が付かないような生真面目さと、それでいて詰め込みすぎによって、物語が破綻する寸前に超強引に物語をねじ伏せる腕力がある。ストーリーをよく考えてみるとおかしい気がするのだが、それがちゃんと一貫性…はあまり無いが(おいおい)、朗々たるダイナミズムを失わない。それにより無理矢理に納得させられてしまう力強さがある。

何度も言うが、この作者は明らかに行き当たりばったりに物語を進めている(ように見える)。次から次へエピソードを繰り出し、悪ノリ寸前のアイディアを惜しげもなく使い捨て、パワフル極まりない奇人変人が縦横無尽に暴れ回っている。しかし、それでもなおこの作者が凄いと思うのは、あきらかになんにも考えずに進めているように見えて、最終的にはなんやかやで伏線は回収され、それぞれのエピソードには決着がつけられ、物語は結末を迎える事が出来るストーリーテリングの意外な(としか言いようが無い・・・)巧みさだ。無論、その結末についても、あきれ果てる寸前の馬鹿展開であったりするのだが、しかし、その猥雑で混沌として下品でさえある熱気こそが、この作者の作品を魅力的にしている一端である、と感じるのである。

補足
この『レキオス』については、キャラクターや物語のテーマに『シャングリ・ラ』に似通った部分があり、なるほど原型と呼ばれるのも納得がいく。基本的に女が強くて男は酷い目に合うというのも一貫しているしなあ(そこかよ)。

|

« 『侵略する少女と嘘の庭』読了 | トップページ | 振り返り »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/9255082

この記事へのトラックバック一覧です: 『レキオス』読了:

« 『侵略する少女と嘘の庭』読了 | トップページ | 振り返り »