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2006.03.21

『脳髄工場』読了

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脳髄工場』(小林泰三/角川ホラー文庫)読了。

面白かった。小林泰三の作品を読むのも久しぶりですが、相変わらずの趣味の悪い展開には大変素晴らしいものがありました。グロとリリカルとSFがこの人のテーマですねきっと(偏見)。

とりあえず、「脳髄工場」の自由意志を巡る議論には対して新鮮味は無いけれども、そんなことがどうでも良くなるぐらいに厭な気持ちが沸いてくる最悪の未来がおぞましい。不安で不愉快にされるのが返って快感になってくる感じはまさに小林泰三風味かなー。引きつったユーモアも健在で、”人口脳髄”の取り付け方のギャグかと思えるスプラッタ具合がたまらなかった。グロとSFが交じり合った良い作品ですねえ。

その他には”認識できない恐怖”というものが存分に味わえる「影の国」なんか好き。「C市」のC(クトゥルー)に関するいくつもの議論が最高に面白かった。オチは早い段階で読めたけど。「アルデバランから来た男」のとぼけた感じのユーモア小説…にみせかけたラストの違和感というか…おっかねえ。「綺麗な子」は問答無用に最悪の読後感。「脳髄工場」でもそうだったけど、この作者は現代にある”常識”とか”風潮”の歪さを捉えるのが凄く上手くて、この作品なんか、いかにも現代の戯画なんだけど、それが持つ危うさ、不健全さをこれでもかと描いている部分が凄い。「タルトはいかが?」いや~な話だなあ…いや、いつもの事なんだけどさ。

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