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2006.03.31

今日の購入物

1.『ドロテア 魔女の鉄槌(1)』 Cuvie 角川書店
2.『プルートゥ(3)』 浦沢直樹 原作:手塚治虫 小学館
3.『医龍(11)』 乃木坂太郎 小学館
4.『円環少女(3) 煉獄の虚神(下)』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
5.『薔薇のマリアⅤ SEASIDE BLOODEDGE』 十文字青 角川スニーカー文庫
6.『タマラセ 幼馴染はドラゴンを喚ぶ』 六塚光 角川スニーカー文庫

例によって時間が無いので箇条書き。
・Cuvie氏のはじめての一般向け作品が出ていたのでつい買ってしまった。好きなんだけどね、この人の漫画。
・浦沢直樹は、恐怖を直截に描かないようにする事による効果を完璧に理解しているのなー。未知なる物こそが真の恐怖か。
・妖怪タヌキじじいどもをここまで格好良く描ける漫画は『医龍』だけだろうな・・・。
・それにしても、本ってのはなんでこんなにも発売日が似通っているのかね?重くてしょーがねーよ。

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2006.03.29

『陰陽師は式神を使わない』

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陰陽師は式神を使わない』(藤原京/スーパーダッシュ文庫)読了。

容赦なく登場人物たちを突き放した筆致が魅力的であった藤原京が10年ぶりに帰ってきた…のか?昔の作品がけっこう好きで全部読んでいたりするんだけど、まさか「萌える易経入門」を書いてしまうとは…。ライトノベルでこんな作品を書いてしまうのも出版した編集者もすげえなー。

あとがきを信じるならばどうやら作者は10年間”易経”の勉強をしていたらしく、そこで得られた極めて本格的な易経知識を物語仕立てで書いている。300頁以上をひたすら易経の解説に費やしており、多分相当に噛み砕いて説明しているのだろうが、それでもなお理解するのが大変だ。というか理解できてねえ。しかし、易経というもののほんのさわり部分ではあるが、その興味深い考え方を知ることが出来る(しかもライトノベルと言う形式で!)のは、確かに意味が無いわけではないのかなあ、と思った。少なくともディックと『易経』は読みたくなったな。

小説としては、まーなんとも言いようがありませんが、易経の入門篇としては悪くないのではないかと思わないでもないのだけど、一体これは誰に向けて書かれた小説なのか…。まあいいか。

物語最後の”卦”を読み解こうとする気力が沸かない吉兆でした(くそー近いうちにちゃんと読み解いてやる…)。

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本日の購入物

1.『ホーリーランド(12)』 森恒二 白泉社
2.『ベルセルク(30)』 三浦健太郎 白泉社
3.『ワルキューレの降誕(2)』 富士宏 マックガーデン
4.『ジャンクル!』 木村航 ファミ通文庫
5.『カーリー』 高殿円 ファミ通文庫
6.『pulpⅡ』 森橋ビンゴ ファミ通文庫

まとまらないので箇条書き。
・本屋で『ワルキューレの降誕』の2巻を見つけた。幸せな気分になった。
・本屋で新木伸の新刊を見つけた。暗澹たる気分になった。『星くず英雄伝』のころは好きだったんだがなあ。
・『ホーリーランド』を読んでいたら、土屋のあまりのダンディなナイスガイぶりに惚れた。なんて人格が練れた人なんだ!比較の問題かもしれんが。しかし、物語のテンションがすさまじい勢いで高まり最高潮に達した瞬間「以下続刊!!」な終わり方には思わず「おいおい…」と思ったよ。
・『ベルセルク』ももう30巻かー…と思うと感慨深いものがある。
・最近気が付いたのだが、ファミ通文庫は地味に表紙のデザインが洗練されている…。上手くいえないのだが、清潔感がある。白が基調になっているのも統一感があって良いですね。

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2006.03.27

『<骨牌使い(フォーチューン・テラー)>の鏡 I』読了

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<骨牌使い(フォーチューン・テラー)>の鏡 I』(五代ゆう/富士見ファンタジア文庫)読了。

五代ゆうの代表作が待望の文庫化です。ハードカバーで何度も読み返しているというのに何で文庫まで買っているのか自分でも疑問だが、本当に面白いので良いという事にしておく。いや、本当にこの作品は日本で書かれた指輪物語的なファンタジーとしては10本、いや5本の指くらいには入る大傑作(主観)ですので、騙されたと思ってみんな読んでみるのが良いと思う。

どこかヴェネツィアをイメージした魅力的な異世界の描写がとにかく素晴らしいし、骨牌を巡る世界の根幹に関わるバックボーンも壮大にして華麗に極まる。多くの人たちの出会いと別れ、そして試練と成長を描いた見事なファンタジー。それはどこか懐かしい気持ちにさせられる程に清く正しい異世界譚であります。

ただ、波乱万丈で壮大な冒険物語に心を振るわせる単なる読者であり続けたい。

これは、僕にそう言う事を思い起こさせてくれる作品である。

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『ブロッケンブラッド』読了

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ブロッケンブラッド』(塩野干支郎次/少年画報社)を読んだ。あまりに凄すぎた。

無理矢理魔法少女にされてしまった健一君(当然男。ただし美少年)がフリフリふわふわの恥辱のコスチュームに身を包み、立ちふさがる凶悪な真性変態どもを相手に繰り広げる血と汗とフリルに満ちたバトルロワイヤルを繰り広げる…という話になるかと思ったら突然芸能界にアイドルデビューを果たした上に女優デビュー(ポロリもあるよ!)まで果たしてしまった健一君の明日はどっちだ!!という話(恐ろしい事ですが、この説明には一切の誇張も法螺も含まれておりまっせーぬ。内容そのままでありんす)。

まったくあたまがおかしいですねこの作者、と大絶賛をしておきます。

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今日買ったもの

最近眠くて眠くてしょうがない。休日なんて10時間ぐらい寝てしまっている。ただ、きちんと熟睡できているわけじゃなくて、うつらうつらしているケースも多いのであんまり疲れがとれない。なんかよくねー。

しかし、最近愚痴ばっかりだな。まあタイトルに偽りはないけど。

1.『ユーベルブラッド(3)』 塩野干支郎次 スクウェア・エニックス
2.『ブロッケンブラッド』 塩野干支郎次 少年画報社
3.『ワールドエンブリオ(1)』 森山大輔 少年画報社
4.『ダークタワーⅤ カーラの狼(上)(中)(下)』 スティーブン・キング 新潮社

『ユーベルブラッド』は相変わらずファンタジーアクションとしてよく出来ているなーとか感心しながら読んだあとに同じ作者の『ブロッケンブラッド』(タイトルは似ているけど全然関係ない話)を読んだところ驚倒した。なんだよこのすさまじく気の狂った漫画はっっ!!!!あまりにも驚愕したので感想を書きました。いやすばらしい。

あ、あと森山大輔の漫画は相変わらず端整ですね。絵も話も。『ブロッケンブラッド』にインパクトに隠れて書くのを忘れていましたがとても良い漫画だと思います。

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2006.03.26

『フィーヴァードリーム(上)(下)』読了

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フィーヴァードリーム(上)(下)』(ジョージ・R・R・マーティン/創元ノヴェルズ)読了。

なかなか面白かった。ただ、いかにも現代吸血鬼小説っぽくて、吸血鬼を吸血鬼たらしめる恐怖というものがほとんど感じられないのは好みに分かれるかも知れない。吸血しても吸血鬼が生まれるわけではないし、人間よりも強靱だが不死身と言う訳でもない。ようするにこれは、恐怖小説ではなく、人間とそうでないもの間に生まれた交流と友情、つまりコミュニケーションの物語であると考えるべきなのだろうね。ホラーでは無く伝奇アクションでもないけど、かけ離れた存在同士がお互いを理解しようと努力する話としては、面白かったと思います。

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アニメ『シュバリエ』続報

冲方丁原作「シュバリエ」アニメ化という話は聞いていたが、制作が「プロダクションI.G.」だったとは…。しかも監督が古橋一浩と言う事で、期待が高まります(この人が監督をやった「るろうに剣心」のOVAは原作よりも出来が良かった)。

それにしても、改めて冲方氏の行動力には驚かされます。

>冲方氏は、その企画立ち上げから、アニメではシリーズ構成、連載小説ではチーム制での執筆を管理、漫画連載でも原作を担当。企画・原作以上に、プロデュース的な部分まで関わっている。

一体どこの超人だよ…。

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2006.03.25

『ダークタワーⅣ 魔導師と水晶球(上)(中)(下)』読了

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ダークタワーⅣ 魔導師と水晶球(上)(中)(下)』(スティーブン・キング/新潮文庫)読了。

相変わらず一部の隙もない娯楽超大作ぶり。すばらしいですね。前回の『荒野』において、超高速モノレール”ブレイン”との生死を賭けた謎々対決の開始したところで終わるというおよそありえないヒキだったわけだが、その結末と、最後のガンスリンガーことローランドの過去が描かれる第四巻である。しかし、こうしてみると明らかに構成が変だと思う。つまりブレインとの謎々対決までを描いて一つの話になっているのに、何で4巻に収録されているのか、正直理解に苦しむのだが…。まあ、多分、謎々対決の決着の落としどころが思いつかなかったんんだろーなー。

まあそれは本題ではない。今回はローランドの少年時代に起きた事件が物語の根幹である。今まで名前だけの登場であったカスパードやアランが登場し、まだ未熟であった少年ローランドの恋と冒険が語られている。変転前の、未だ自らの使命に覚醒する以前のローランドの話なので、全体的に普通の娯楽小説になっているのが面白かった。もはや一体どこのクロサワかと思われるほどの「用心棒」ぶりには正直びっくりしました。辺境の村にやって来たガンスリンガーたちがその村に潜む陰謀を暴く!…と言うのは使い古されてもう黄金色ですらあるけど、そこにローランドの初恋と暗黒の塔を巡る伏線を張り巡らせ、極めて純度の高いエンターテインメントになっているんのは見事としか言いようがない。キング先生はつくづくエンタメ志向が良く表れた作品で、やっていることはベタであるのにこれが非常に面白い。お約束を有効に扱うのはやっぱり技術なんだね。

個人的には、まだ未熟で恋に溺れながらも現在の”鋼鉄の男”の片鱗を見せる少年ローランドが最萌えでした。おのれの精神と肉体を傷つけながら自らの為すべき事を果たすローランドは、(こういう言い方はどうかと思うんだけど)やっぱり男の中の男ですよ。格好いいなあ。

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『Sweet Blue Age』読了

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Sweet Blue Age』(有川浩 他/角川書店)読了。

アンソロジーと言うのは、知っている作家が入っていると買いやすい上に、読んだ事のない作者を読める喜びがあって、なかなか楽しいものであるなあ、と今更ながらに思った。当たり外れがあることを受け入れられるのであればだけど。

今回は青春文学と銘打たれているが、まあこのあたりはあまり真に受けないほうがよろしい。青春なのか、青春が終わったあとか、青春をやり過ごしてしまった話であっても青春小説といえば青春小説だしなー。

「あの八月の、」(角田光代)
初角田光代である。これは面白いなあ。いや、面白いというよりは上手いといった方が良いのかな。特に、自分が主人公たちと同年代に差し掛かりつつあるという事実を差っぴいたとしても、一瞬の輝き出会ったはずの青春を振り返った女性たちが、その青春の愚かさ醜さを見出しながらも、自分達の歩んできた道のりを確かめるという話。青春期に対する憎悪とも憧憬とも望郷ともつかない複雑な感情の切り取りが見事だった。美しい…。

「クジラの彼」(有川浩)
前々から有川浩の作劇術(特に恋愛部分)と言うのは、基本はベタであると思っていたのだが、今まで大きな要素であった軍事関係を控えめにして恋愛小説を書いてみると、これがまたすさまじいまでのベタベタな恋愛小説になってしまうと言う事が見事に証明されております。そのベタさ加減はまさしく月9レベル(いや、よく知らないけど)。あるいは少女漫画レベル(特にりぼんぐらい)。一体、こんな話を読んだ僕にどんな期待をしているというのだ!(誰もしてねえよ)

「涙の匂い」(日向蓬)
これまた初めて読んだ作家。こ、これは…やばいちょっと来た。少女の目から見たとてもとても”不器用”な少年に対する恋ともつかない感情の流れが素晴らしかった。特に少年の描き方が良い。少年の内面は徹底的に描写が無く、すべては語り手の少女の視点からの描写に留まっているけど、少女の視点のはしばしに見られる少年の不器用さ(少女は気がつかない)が垣間見えて、見事な描写だった。またここに登場する人たちは、ある種の不器用さを抱えた人たちで、その不器用さゆえに悩み、苦しむ姿を、少女の視線を通じて描いているのも良い。結局、皆が苦しみを抱えているにしても、その苦しみに気が付いて上げられることさえ稀であり、さらに何かをしてあげられることはさらに稀であるのだが、それでも気が付いてあげたかった、助けたかったという悲しみが根底にあるのだ。

「ニート・ニート・ニート」(三羽省吾)
またしても初めて読む作家。タイトルそのまんまだなこりゃ。ただ、本当にニートそのものを書くのではなく、ニートに至る心理の流れを環状線で表現しているのが上手かった。別にコミュニケーションに支障があるわけでもなく、働くことが嫌なわけでもなく、ただそれらに耐えられない堂々巡りにはまってしまった主人公が、そこからなんとか抜けだそう、抜け出したいということを、これまた堂々巡りで考え続けるという、はっきり言ってどうしようもない話なんだけど、ニート(心理)小説としては悪くない。結局結論が出せないで終わる(終わらないけど)部分も見事にニート小説だった。

「ホテルジューシー」(坂本司)
またまた初めて読む作家。冒頭のかなり攻撃的というかセンシティブな語りにはなかなか驚かされたが、結局、そうした尖らせ過ぎた刺を丸くしようとした話と読めばいいのかな。つまり、他人を許す事が出来ない潔癖さは、他者を受け入れる事のできない傲慢さに通じる。自分の駄目な部分を受け入れる事で、初めて他人を受け入れる寛容さを得ることが出来るのだ。まあ、その駄目な自分に安住してしまっては結局元も子も無いわけだけど。その辺のバランスが重要だとは個人的には思うねえ。むしろそうしないと生きていけない。

「辻斬りのように」(桜庭一樹)
桜庭一樹すげー!唐突に始まる主人公の女性の破壊願望にも似た性への衝動が、最後の最後で一つの恋に収束する。女性がもっとも欲しかったものは最初から無かったわけで、それが明らかにされる部分の一瞬世界が空白になるような描写が素晴らしかった。桜庭一樹は、どんどん文章のスタイルが洗練されてきているなあ…。ありえない上手さです。見事。

「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)
森見登美彦の非常に格調高くバカバカしい文章が冴え渡る逸品であります。底なしの酒のみの”彼女”が、伝説の酒「偽電気ブラン」を求めて夜の街をひたすらに歩み、進み、さまざまな人たちで出会い、酒を飲む話であり、徐々に物語がファンタジーの様相さえ見せ始め、面白おかしいお祭のように心浮き立つざわめきの中、なお美しくも軽やかに歩き続けるお話。彼女に恋焦がれ追い求める男はつまづき倒れてひっくりかえる有様で、まあ男なんてそんなもんさ!とりあえず”彼女”があまりにも魅力的すぎるので、この作者に興味のある人は必読。ファンにも必読。取りあえず読もう。

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日々の戯言

最近の自分の文章が恥ずかしくて読み返せない…。ちょっと考えた事を赤裸々に書きすぎですがな。もうちょっと修飾という事を覚えようぜ!自分の事だけど。

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2006.03.23

『流れ星が消えないうちに』読了

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流れ星が消えないうちに』(橋本紡/新潮社)読了。

冒頭を読んだ時に、なにやら既読感を感じてしまったのだが、それは一体なんなのかと考えてみたところ、おそらく吉本ばななの『キッチン』ではないかと思った。主人公の感覚と家の中の”場所”が分かちがたく結びついていいるところが、僕に”似ている”という感覚と呼び覚ましたのだと思う。もっとも作品が本当に似ているわけではないけれど。

内容はいつも通りの、そして僕がもっとも好きな橋本紡であった。徹底して描かれるのは”家族”と”聖域”の話。橋本紡の作品の中では、家族と言う一つの居場所、共同体はまず最初に壊れている。その共同体を支えるべき”親”の存在は、その世界を支えるだけの強度をもてず、むしろ親こそが誰かに支えてもらわなければ一人で立つことが出来ない弱さを抱え込んだ存在として描かれる(これはこの作者の作品に共通するテーマであると思う。まあ昔の作品ではどうだか知らないけど)。本来、共同体を支えるべき親の喪失によって、子供たちはそれぞれに代替としての居場所を生み出す。それは擬似家族であり、金曜日の階段みたいな居場所であったりするわけだが、今回はまさしくその両方のモチーフを取り入れているあたりに、この作品は橋本紡の集大成的な作品なのだなあ、と言う思いがした。とりわけ”居場所”すなわち”聖域”の扱いのあまりの繊細さに僕はそれだけで泣けてしまう。主人公の女性は、恋人を失ってから玄関でしか眠れなくなるのだが、玄関とは人が出入りするところであり、不動のものではない。出会いと別れの瞬間の場であるのだ。主人公はそこで眠ることによって、恋人を失ったという事による別離を”保留”している。それは未練を残している、という意味もあるし、立ち直れていないということも意味するのだが、同時にそれは立ち直るまでの猶予期間を自分に与えているという事でもある(玄関は常に流動している)。だから、彼女はいつかはその場所から立ち退かなければならないと言う事を知っている。それを知りながら、飛び立つまでの羽を休めている。ただ、それだけの、同時に掛け替えのない今一時の居場所に対する神聖な祈りにも似た視線には、僕はただ身震いする。涙が出そうになる。

まあ、それでも人は生きなくてはならないのだ。

なんとかなるよ、きっと。

な?

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インターネットは恐ろしい

インターネットだと本屋では働く抑制力(嵩張る、重い、現金が減る)が無いため、際限なく本を買ってしまう…。というわけで今日は大漁であった。

1.『侵略する少女と嘘の庭』 清水マリコ MF文庫J
2.『ソラにウサギがのぼるころ』 平坂読 MF文庫J
3.『カミヤドリ(5)』 三部けい 角川書店
4.『テレパシー少女蘭(2)』 原作:あさのあつこ 漫画:いーだ俊継 角川書店
5.『シュバリエⅡ』 原作:冲方丁 漫画:夢路キリコ 講談社
6.『おおきく振りかぶって(6)』 ひぐちアサ 講談社
7.『桜庭一樹日記 BLACK AND WHITE』 桜庭一樹 富士見書房
8.『RUN RUN RUN』 山下卓 徳間書店
9.『ぬかるんでから』 佐藤哲也 文藝春秋
10.『半分の月がのぼる空 one day』 橋本紡 メディアワークス
11.『カミングアウト!』 高殿円 ヴィレッジブックス
12.『玻璃の薔薇』 五代ゆう 角川ホラー文庫
13.『墓標の森と魔女の本 閉鎖師秘戦録』 扇智史 ファミ通文庫
14.『アルテミス・スコードロン 春は出会いの季節です』 扇智史 ファミ通文庫

あー書くだけで疲れた…。とりあえず『カミヤドリ』が最終巻であることに愕然とした。た、確かにこの上なく幕を閉じているんだけどさあ…っ!なんだよこの主人公たちの活躍がもっと見たい!という気持ちは!ぐああ最高潮にいいところで終わってやがる…っ!ある意味幸福な終わり方ではあるのだが…。
あと冲方丁原作の『シュバリエ』がアニメ化ですか。まだちょっと早いんじゃないかなー…と思わないでもないけど。そーいや、最近の冲方氏はザ・スニーカーやドラゴンマガジンで連載開始、ウルトラジャンプでも漫画原作(絵は山田秋太郎)と八面六臂の大活躍ですが、『マルドゥック・ヴェロシティ』は一体どーなったのでしょーか?
えーと、山下卓が徳間書店から非ライトノベルを出していたことに全然気が付いていなかったのでつい買った。うーん、実はあまり僕の好きなタイプの作家ではないのだ。面白いけど。高殿円とか桜庭一樹の本は、まあお約束ですな。五代ゆうはなんとなく。扇智史は『永遠のフローズンチョコレート』に驚愕したので衝動買いしてしまったよ。あとは閉鎖師シリーズの一巻目を買えればコンプリートかしら。

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2006.03.21

『脳髄工場』読了

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脳髄工場』(小林泰三/角川ホラー文庫)読了。

面白かった。小林泰三の作品を読むのも久しぶりですが、相変わらずの趣味の悪い展開には大変素晴らしいものがありました。グロとリリカルとSFがこの人のテーマですねきっと(偏見)。

とりあえず、「脳髄工場」の自由意志を巡る議論には対して新鮮味は無いけれども、そんなことがどうでも良くなるぐらいに厭な気持ちが沸いてくる最悪の未来がおぞましい。不安で不愉快にされるのが返って快感になってくる感じはまさに小林泰三風味かなー。引きつったユーモアも健在で、”人口脳髄”の取り付け方のギャグかと思えるスプラッタ具合がたまらなかった。グロとSFが交じり合った良い作品ですねえ。

その他には”認識できない恐怖”というものが存分に味わえる「影の国」なんか好き。「C市」のC(クトゥルー)に関するいくつもの議論が最高に面白かった。オチは早い段階で読めたけど。「アルデバランから来た男」のとぼけた感じのユーモア小説…にみせかけたラストの違和感というか…おっかねえ。「綺麗な子」は問答無用に最悪の読後感。「脳髄工場」でもそうだったけど、この作者は現代にある”常識”とか”風潮”の歪さを捉えるのが凄く上手くて、この作品なんか、いかにも現代の戯画なんだけど、それが持つ危うさ、不健全さをこれでもかと描いている部分が凄い。「タルトはいかが?」いや~な話だなあ…いや、いつもの事なんだけどさ。

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そういえば

本の感想のタイトルを「~」読了に直しているけれど、これは別に深い意味はありません。単に考えるのが面倒になっただけです。あと、タイトルで内容がわからないと、後で検索するのに以外と不便と言う事にも気が付いたと言う事もある。まあ、また飽きるまではこのままかな。

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『七つの黒い夢』読了

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七つの黒い夢』(乙一他/新潮文庫)読了。

帯に傑作ダーク・ファンタジー7選オリジナルファンタジー、とある。正直、どこが?と言う疑問を感じない事も無い。どこ、と言うのは”ダーク・ファンタジー”部分で。これのどこがダークなのか、そしてファンタジーなのかが良く分からないのだけど…。少なくともダークじゃないだろ。
だが、アンソロジー集としてはなかなか面白かった。それぞれの作者ごとにバラエティが富んでいて、読んでいて常に新鮮な気持ちになるのが良かった。

「この子の絵は未完成」(乙一)
久しぶりに読んだ乙一は、相変わらずの技巧が冴え渡っております。持ち上げて落とすというのはサスペンスやミステリの常道ですが、乙一はそこにちょっとした安心感とでも言うような優しさがあって、とても気持ちが良い話になっていたと思う。内容は子育てに苦労する母親の話と言う以外のなにものでもないのだが、その子育てには他人とはちょっと違った苦労があって、それは子供の幻想に属した特殊性にあるのだが、しかし、母親も父親もそれを受け入れた上で頭を悩ませている感じが非常に良かった。うるさくしかったりしていても、そこには”子供を守る”という確固たる意志があるのだ。

「赤い毬」(恩田陸)
恩田陸の幻想的なイメージの迸りが必見であった。そうだよ、恩田陸はこれが無いとなー。その奇譚というしかない物語に付随する、圧倒的で暗いイメージには強く心が惹きつけられた。いつか”たどり着くべきあの場所”のあまりに閉塞した世界の歪さ、それゆえの美しい在り方のせいかもしれない。ストーリー?そんなもんあったか?

「百物語」(北村薫)
北村薫ってホラー(っぽいやつ)も書いていたのか。知らなかった。それはともかく、これが実に正統派なかつ端整な怪談になっていて実に面白かった。恐怖の対象になっているそのものは決して描写しないところも実に上品で素晴らしかったし、どこと無く人間の”情”に絡めた展開も良かった。お父さんの悲しみが際立っているな。

「天使のレシート」(誉田哲也)
実を言うとこの人の作品は初めて読んだんだけど、ちょっと色々と粗さを感じじゃったなー。多分、あまりに端整な北村薫の後に読んでしまったせいもあるんだろうけど。要するに絶対的な存在に操られる人々の運命、という恐怖なんだろうけど、やや登場人物たちが情緒的過ぎたのか、僕の趣味からは外れたかな。”神”の存在も矮小化されてしまった感があるなあ(変に説明なんてしなければ良いのに…)。

「桟敷がたり」(西澤保彦)
相変わらず人間のどす黒く薄汚い部分がこれでもかと描き抜かれる作風は健在であった。謎が明らかにされることで、さらに陰鬱な真相が見出せるあたりにどこにも救いなんざありゃしねえ。生理的嫌悪感が最高潮に達したところで物語をぶった切ることで、居心地の悪さを演出しているのも上手いなあ。それにしてもファンタジーでは全然ないな…。

「10月はSPAMで満ちている」(桜坂洋)
「よく分かる現代魔法」の登場人物の一人である坂崎嘉穂が探偵役となるミステリ。ファンタジーでもダークでもないが、まあ今更な話。いわゆる日常系に位置する作品である。つまり、うっかり見過ごしてしまうような少しだけ不思議な事が日常にあって、その裏では人々のちょっとした思惑が隠れているというやつ。謎は謎として面白いけれど、それよりも嘉穂についての謎(現代魔法を知っている人にとっては謎ではないのだけど)が明らかになるラストには、桜坂洋の以外な(失礼)上手さを感じた。

「哭く姉と嘲う弟」(岩井志摩子)
いやー素晴らしい。淫靡で醜悪な物語で最高です。いくつもの掌編が語られているのだけど、何よりもその語り口のひそやかさがたまらない。後ろ暗い事をやっている共犯意識とでも言うのかな。最後のあれは、語り口を騙るということなんだろうけど、同時に現実から遊離した逃避としての幻想イメージを連想した。でも実際には違うような気もするなあ。なんだろう?

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2006.03.20

『ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・つー』読了

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ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・つー』(新井輝/富士見ミステリー文庫)読了。

このシリーズは僕は大変こよなく愛しているんですが、それはなぜかといえば、あまりにも生きることに不器用すぎる人々がその不器用な生き方を少しづつ他者と交わらせて行くことで、変わっていくあらゆる物事を描き続けているという事なんだと思いました。そして今回の短編集もまさにそれらを描いている作品集になっている…筈なんですが…なんでこんな話になっているんだ!!わけわかんねえ!!

「そのいち 僕と綾さんと雪辱の痴漢プレイ」
せ、雪辱ですか…痴漢プレイですか…。しかも、本当にタイトルそのままの話であるということがまさに驚愕。驚愕しながらも、やはりこれはどうしようなく”綾さん”でしかない彼女のあり方には非常な痛ましさを感じてしまう。このようにしか生きられない人たちが、なんとか現実(社会?)と擦り合わせて生きていこうというともがいている話と言う事なんだろうね。まあその手段が痴漢プレイなわけで…。

「そのに 僕と綾さんと身代わりの暗闇プレイ」
み、身代わり…暗闇プレイ…。しかも、本当にタイトルその(以下略)。3ヶ月で三百回(何がとか聞くな)とか、まあ相変わらずの感じなんだけど、これは健一が冴子と綾さんとの関係について(どちらかと言えば冴子かな)振り返る話になっている。自分にとって彼女は、彼女にとって自分はなんなのか?それが単純に恋人であったり、あるいあは体だけの付き合いであったりしても、はっきりしていれば良いのだけど、曖昧なままになっているところが悲劇としか言えないよな。それに気が付いている感じの綾さんは、やっぱり健一の女神だと思ったよ。

「そのさん 私と佳奈ちゃんと豪華なお風呂」
日奈が双子の姉であり思い人である加奈と一緒にお風呂屋さんに行って、蛍子たちと会って、一緒にお風呂に入って、ひたすら煩悩に支配されたエロ妄想にふけるというシュールすぎてもはや文学の領域にまで達してる作品です。いや、本当だって!

「そのよん 私と冴子ちゃんと趣味のお仕事」
これは…シンプルだね。健一達を介在してない有馬冴子の日常と、第三者の目から見た彼女の姿。喫茶店の女主人の目から見たアルバイトの彼女は、とても細やかで、とても不思議な少女であった。そんな彼女と、お客のこないゆったりとした時間を過ごす。もう一人の女性がその空間にやってきて、女性三人の不思議な貴重な世界が築かれる。少女と女性達の、あるいは女たちの邂逅?みんなが傷ついて生きているけれど、誰よりも傷ついているように見える彼女が、不思議な癒しを周囲に与えている。それは穏やかさと少しの危うさにも似て、どこか不安定な印象があるのだね。どこか有馬冴子という少女の行く末を暗示しているような気がした。うん、この短編はとても良いと思うよ。

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2006.03.19

『さよならトロイメライ(6) 恋人のためのエチュード』読了

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さよならトロイメライ(6) 恋人のためのエチュード』(壱乗寺かるた/富士見ミステリー文庫)読了。

相変わらず萌え萌えで楽しい”だけ”のライトノベル(ノット貶し言葉)。うーむ、ここまでなんにも考えずに、しかし、きちんと面白いライトノベルはある意味大したものだなあ。なんか登場人物が多すぎてだんだん把握しきれなくなってきたのだけど(人物紹介一覧プリーズ!)、それでもただただその瞬間ごとが楽しいので何一つ問題が無い。複雑な伏線や精密な世界設定なんてまっぴら!という気分の時には最高だと思った。

主人公の血筋とか色々伝奇小説的な部分が明らかになってきたが、とーぜんそんな事はどうでも良く。新たにハイスペックな萌え新キャラ中学生が登場したよー!しかもいきなり表紙という優遇っぷりにはお嬢様に頑張って欲しい自分としては涙がちょちょぎれるかと思った。嘘だが。すっかりメインヒロインと化した八千代嬢のラブっぷりも強烈で、分かった!主人公はもう八千代とくっつけ!くっついてやれよう!と言いたくなるほどであった。言ってないが。まあそんな感じで大変に面白かったですよ。

しかし…僕も保守的になったもんだなー…。学生の頃にはこういうタイプの小説には徹底して批判、誹謗、中傷を繰り返していた典型的なラノベ厨房だったんだが…。そのころに日記なんて書いていなくて良かった、としみじみ思ったけど作品の感想とは何の関係もありません。

てゆか、それは保守的なのか?(自己突っ込み)

以上。

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『とらドラ!』読了

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とらドラ!』(竹宮ゆゆこ/電撃文庫)読了。

とても良い作品だった。面白いことは面白いのだけど、それよりも”良い”話であると思う。少年と少女が出会う物語であり学園恋愛ものでもある本作だけど、これはたぶん、不器用で生き難い何かを抱えた人たちが、あっちにぶつかりこっちにぶつかりながら、それでも前に進もうとする話であり、傷つき、悲しみながらも生きていかざるを得ない二人が出会う話なのだろう。

誰も知らない大切な”何か”。誰も知らないけど、それは大切なものであるとは分かるし、それを大切にしたいと思った(思い込んだ)少年が、少女の隣に(対等に)並ぼうとしたことがこの物語の第一歩か。まったく…コミカルで面白いのになんだろうねこの哀しみは。(内的であれ外的であれ)”そう”であることを強制された存在であることに対して、誇りたかく拒否し戦う少女に対する敬意をもつ少年…だめだ泣けてきた。少年の勝手な思い込みではあるんだろうし、少女にとってはそんなことはどうでも良いのだけろうけど、そーゆー部分を切って捨てない部分に救われるものがあった。

ああ、面白かった。

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FF12を買ったんですが

まあ別段説明が必要とも思われませんがFF12がすげえ。いや、映像がとか声優がとかではなく(凄いけど。まさか大塚明夫と飛田展男と大塚周夫と平田広明が出てくるFFがプレイできるなんて!)…ガンビットが。

これは地味ですがもの凄い発明では。一言で言えば、「AIのルーチンをプレイヤーが自分で組める」と言うものなんですが、これが上手くはまるとプレイが異常に楽になる。はっきり言ってプレイヤーが何もする必要が無いくらい。せいぜい状況に応じてルーチンを弄るのと突発的な事態に対応するぐらいですな。

あと熱狂的松野信者であるわたくし奴としては、松野節が健在であることに非常に心が安らぎます。「陛下は売国奴だ」…売国奴って…。これは本当にFFか。

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『リリアとトレイズⅢ イクストーヴァの一番長い日(上)』読了

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『リリアとトレイズⅢ イクストーヴァの一番長い日(上)』(時雨沢恵一/電撃文庫)読了。

またしても上下巻と言う事で、まったく電撃文庫は商売が上手いことよ、と、ちょっと呆れる。ベストセラーをさらに売ろうという魂胆が見え見えで、ちょっといい気分はしないがまあ良い。作品に罪は無い。

しかし、時雨沢恵一はつくづく短編が好きな作家だということを強く認識した。もっと言えば、アイディアやひらめきを重視しているとでも言うのか、ちょっと斜め上の視点から物事を見ているような不思議な味わいが作品にはあるように、僕には感じられるのである。まず最初の手紙のやり取りからしても不思議な導入で、手紙の間にアリソンとリリアのやり取りが挟まれるのだけど、ここら辺に本編とは異なる彼女らの”日常”(穿った見方をすれば、読者を意識していない、ということか?)が垣間見えて面白かったのだけど、今回の作品全体でこのような小さなエピソードが挿入されており、いわば短編エピソードの外側に”長編”としての物語があるように感じられた。短編を積み重ねて、結果的に長編になっているとでも言うのか。無論、”事件”が起こってからはそう言う雰囲気は後退していくのだけど。ただ、これは今に始まった話じゃなくて、時雨沢作品にはいつもそのような印象がある。しかし、それがまとまりの無い印象を与えないのは、それぞれのエピソードが非常に魅力的なためだろうか。細かいエピソードにもきちんと”オチ”を用意する作者の生真面目さ(あるいは凝り性)は、僕が気に入っているところでもある。やはりそれも短編作家であるがゆえなのかもしれない、と思った。

それはそれとして、やはり時雨沢恵一の作品は、愛情も友情も喜びも憎しみすら描きながら、それらすべてを突き放しているところが最大の魅力であると感じた。誰かが愛し合うこと、誰かが殺しあうこと、作者はそのどちらも否定もしなければ肯定をすること無く描いている。どちらも等量に価値が無く、同時に大切なものであるのだ、とでも言うのか。

そんな事を考えました。

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2006.03.18

『私立!三十三間堂学院(3)』読了

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私立!三十三間堂学院(3)』(佐藤ケイ/電撃文庫)読了。

今度はツンデレだった。終り(本当)。それで終っても内容紹介としては問題ないくらいにスタンダードなツンデレであった。まあそれは本筋ではなく、あくまでも今回の主人公的存在である金田伊緒(=ツンデレ)が、常に2番にしかなれない自分自身に対する劣等感に苛まされながらも、自分に出来る事をやれば良いのだ、という事実に気が付くまでを描いた物語と読むことも出来るのが面白かった。花音の新しいスキルの存在が明らかになったり、策士である真奈のラブリースイート乙女心とか、クライマックスの寮攻防戦とかなんだかよくわからないがすさまじい詰め込みぶり。でもやっぱり、今回の主人公の伊緒の物語が中心の縦軸にあり、おかげで作品として非常にすっきりしたものになっている。頭良いなあ…この作者。群像劇としても戦記もの(のパロディ)としても素晴らしく高度なことをやっているなあ。

ふと思ったのだが、このあたり『ネギま!』の赤松健と同様の頭のよさを感じますね。読者が何を望んでいるのかを熟知しながら、ただそれだけの作品に終わらない密度なんか特に。

長く続いて欲しいと思うシリーズですね。

ところであらゆる女子の最終目標に位置付けられてしまったハーレム男子こと後白河法行だが、これがまた頑強な肉体と自らの信念を貫く意志と包容力を兼ね備えた貴様はどこの前田慶次かと思ったのだが、まあこれくらいで無いとあらゆる女子から憧れられるなんてありえないよな…。

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書き忘れた

1.『<骨牌使い>の鏡 I 』 五代ゆう 富士見ファンタジア文庫

昨日の分に追加。
この『<骨牌使い>の鏡 I 』はライトノベルファンタジーとしてではなく、日本の”ファンタジー”として屈指の作品なのでみんな読んでみるとよいと思うよ。

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2006.03.17

生きている自分に深刻な憎悪を感じる事がある

単なる気の迷いだとは思うんだけど。というか、憎悪を感じないように日々を真面目に生きましょうね、という話ですね。

1.『ハヤテのごとく!(6)』 畑健二郎 小学館
2.『クロスゲーム(3)』 あたち充 小学館
3.『絶対可憐チルドレン(4)』 椎名高志 小学館
4.『海皇記(27)』 川原正敏 講談社
5.『ブラックラグーン(5)』 広江礼威 小学館

『ブラックラグーン』が凄かった。やるせなさと切なさと、それだけではすまない純粋なる暴力とひりつくような怒りと奥深くに静めたる情が絡み合い、すさまじい勢いで物語が駆動している。これは何?一体僕は何を読んでいる?一体これはなんなんだ!とにかく素晴らしい。特に今回は一瞬の言葉にならない感情を切り取る場面の巧さが神懸かっていた。例えば、ロックに「俺はもう死んでいるのさ」「お前と出会った、あの日にな」と言われた瞬間のレヴィの茫洋としたそれでいて決定的な何かを受けたような表情とか、その一連の流れのあとの虚ろで怜悧な微笑とか(その美しい表情に、正直背筋が粟立った)。言葉にならない感情を”絵”で表現するという意味で、とにかくすさまじい表現力だった。小説、漫画を問わず滅多に感動しない自分だが、あまりの凄さに涙が出た。

まいった。

あと、話の流れ的に書けなくなったが『クロスゲーム』も最高に面白い。あだち充はやっぱすげえ!

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2006.03.16

『ストロベリーパニック!(1)』読了

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ストロベリーパニック!(1)』(公野桜子/電撃文庫)読了。

百合の嫌いな男子なんていません!!
 
 
…これが言いたかった。


ていうか正直すまん。何がってこれを買ったことが。まったく自分でも魔が差したとしか思えない作品である。はっきり言ってハートマークが乱舞する文章がこれほどまで厳しいものだとは初めて知ったっ……!!

まーシスタープリンセスの生みの親であるからして、まっとうな作品ではない事を覚悟して読んだのだけど、その意味では意外と普通のライトノベルでしたよ。むしろ、きちんと幾人もの少女たちの思惑が絡み合い、二組のカップルの出会い、絆を深め、そしてその危機を乗り越えるという部分を描写しているのは見事なまでの百合群像劇なっていて感心した。思ったより真面目だし面白い。エロいし(最低)。

が、その美点をすべて帳消しにして余りあるのが目がチカチカしてきそうなほどのハートマーク語尾の乱舞であり…いや、多くは言うまい。

とにかく大変だった。以上だ!

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『撲殺天使ドクロちゃん(7)』読了

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撲殺天使ドクロちゃん(7)』(おかゆまさゆき/電撃文庫)読了。

うーん素晴らしいなこれは…。おかゆまさゆきって実は単なる天然ではなく、実は高度に計算して作品を作る作家だったのだろうか。7巻まで来てもまったく質が落ちないな…。主人公の桜くんの冷静かつハイテンションな丁寧な地の文から繰り出される撲殺、撲殺、撲殺とほんの少しのラブコメが入り混じった作風は一作目から変わらないが、繰り出されるギャグと裏腹に、根本的な部分は人情で落とすあたり、意外とこの人は物語というものにこだわりがあるような気がしてきた。考えてみれば今までもオチ部分は常にシリアスだったような…。てっきりあれもギャグなのかと思っていたが、実はマジだったのか。

けっこうこのシリーズも普通に面白いような気がしているのだが、おかゆまさゆきってドクロちゃん以外に小説を書けるのかね。ちょっと将来が心配だ(まあ余計なお世話なんだけど)。

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2006.03.15

『The MANZAI(2)』読了

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The MANZAI(2)』(あさのあつこ/ピュアフル文庫)読了。

うーん、面白いですねえ。まったくどこの中学生日記だよ、と言わんばかりの純粋な心を持った少年少女たちが主人公なのに、ちっともそれが嫌味じゃないのはあさのあつこの視点が、弱いものや格好悪いことに対してやわらかいからだと思う。そこには他人と違うことを恐れながら、臆病さと他人に対する恐怖感を持ちながら必死で日常を生きている主人公への視点は、決して甘やかすものではないにせよ、一概にすべてを否定するのではなく(同時にそれは成長への強制を行うものではなく)あるがままにそれであればよいという見守る姿勢がある。そして、そんな自分が嫌だと言うのならば、勇気を持って一歩を踏み出すために背中を押すような温かさを感じるのだ。この押し付けがましくなさが、この作品を凡庸なる成長小説と一線を画しているものであると思う。

それはそれとして解説の「あさのあつこ=ナボコフ」説には目から鱗が落ちるかと思った。な、成る程なあ…すごい納得したよ。

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『盤上の四重奏~ガールズレビュー~』読了

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盤上の四重奏~ガールズレビュー~』(友桐夏/コバルト文庫)読了。

あわわ、『カールズレビュー」の続編が出るなんて…姉さん事件です!と言うのは大袈裟にしても、明らかに続ける事を考えていなかった(ような気がする)衝撃的デビュー作から続編が出るとは意外でありました。いや、物語的にはまだまだ広がりがあったとは思うけど、続けるのは大変そうだなあと思っていたのだけど、ああなるほどこう来ましたか…。実際にどう来たのかを喋ると例によってネタバレになるためにいえませーん。あしからず。

しかし、そうすると喋ることがいきなり無くなるのだが、とりあえず相変わらず少女小説とミステリとそれ以外(ここ重要!)とのバランスの取り方が大変にクールでした。というか、少女小説的な部分すらミステリやそれ以外の部分に奉仕し、あるいはそれが逆転していたりするので、読んでいるこちらがどうあっても意識してしまうジャンルの存在をあえて逆手に取ったストーリーテリングがあまりにも巧み過ぎる…。いやー僕はてっきり青春ミステリを読んでいたつもりだったんだが…しまったこれだけでもちょっとネタバレだ。忘れてくれ。

とりあえず相変わらずとても面白かった。特に最後の数ページでそれまでの世界が反転し、さらに反転し、もういっぺんひっくり返されるあたりはもはやサプライズなどと言う言葉で語って良いものか…。ああ、ちゃんとこれは『白い花の舞い散る時間』の続編だったんだなあ…(謎発言)。

まあそう言う話でした。言っとくけど、僕は既に信者になっているので反論を受け付けないぜ!
 
 
なんかテンションがいつもと違うな…。

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花粉症の薬は本当に良く効くなあ

生まれて初めて花粉症の薬をつかってみると、これが大変に快適で驚いた。同時に薬と言うものは、このような対症療法的には非常に効果があるが、根本的に治療する行為にはほとんど役に立たないというような事も感じた。花粉症を治す薬が無いというものそうだし、話が飛躍するがメンタル系の薬と言うのはほとんどが対症療法で、根本的には役に立っていないんじゃないかなあ、と。まあ病気の種類にもよるのかもしれないけれど。

薬嫌いの戯言でした。

1.『小指の先の天使』 神林長平 ハヤカワ文庫JA

なんか買ってから気が付いたんだけど…これひょっとしてハードカバー買ってないか?買ってないか?って言ったって僕以外が答えられる質問じゃないんだけど。ただ読んだ記憶が無いんだよな…またどこかに埋もれているのか…。

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2006.03.14

『円環少女 (2) 煉獄の虚神(上)』読了

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円環少女 (2) 煉獄の虚神(上)』(長谷敏司/角川スニーカー文庫)読了。

うん、面白い。面白いのだけど、なんだこの違和感は…と、よくよく読んでみると、これは全然エンターテインメントじゃないね。メイゼルたん(たんとか言うな)の変態エロ小学生ぶりに惑わされていると色々と重要なものを読み落としてしまいそうだ。それは例えば、子供が殺し合いをしているという歪んだシステムであったり、人が人を愛するとはなんなのかと言う問いであったり、好きな人と同じ立場でありたいという気持ちであったり、世界でたった一人というのはどういう事なのかという疑問であったりと色々ありそうな気がする。ただ、それらの問いかけと裏腹に、この作品は伝奇アクションとしての体裁をとっており、しかし、伝奇アクションとしては、これがまたちっとも面白くないのだった。なんかテーマと噛み合って無い…と言うよりも単純にハッタリズムが下手なのか?それとも僕の伝奇観が偏っているだけなのか?(ちなみにジョジョと菊地秀行の影響が強し)

ま、あんまり伝奇アクションとして読まなければすごく面白い作品であると思う。個人的にはあんまり幼女とかアクションを売りにしない方が良いんじゃないかなーと感じるけれども。少なくとも僕の期待からはちょいと外れているかと。いや、メイゼルたん(だから”たん”と言うな)は可愛いですが。

最低だな貴様!(自分です)

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しつこく『Fate / stay night』について

カテゴリをどうしようか迷ったけど、一応アニメを見て触発されたことだからアニメにしておこうと思う。

それはさておき『Fate / stay night』について。他の場所でもいろいろ言われているけど、一度自分でもまとめておく。

そもそもこの作品は、その人気の高さに反比例して極めて毀誉褒貶の激しい作品であったりする。ある人は傑作!と絶賛したかと思えば、ある人はこの上ない駄作とこき下ろす。登場人物たちに萌え~(いや、実際にはこんなオタクはいないのだが)とか言っている人もいるかと思えば、スゲーむかつくと苛立ちを隠さない人もいる。何でこんなに評価が真っ二つにされるのかといえば、おそらく作者である奈須きのこは、物語にも登場人物にも多くの矛盾を含めているせいであろうと思う。ギャルゲーでありながら萌えを否定し、伝奇ノベルでありながらアクションよりも対話を重視し、善と悪の対立を書きながら善と悪の境目を曖昧にしている。物語の構造そのものにも多くの矛盾があり、それについての批評と言うのはこれまた星の数ほどあるのだが、そのあたりには僕の分析ではとても追いつかないので保留にしておく。ただ、主人公の衛宮士郎の描き方を見てみるだけでもすさまじい矛盾の塊であるのは作品内でも言われているとおりだ。

つまるところ、奈須きのこは、敢えて作品内における価値観と言うものを不動ものにするのでなく、あるいはキャラクターと言うものを確固たる記号(駒)にしておく事をしないと言うことなのだろう。つまり人は善を成しつつ悪を行うことが出来る生き物であり、また人の信念は移ろいやすく確かなものなど何も無い。すべては不確かなままのものでしかないということを唯一語っていたように感じるのだ。だからこの作品内では「挫折」と「変節」、「後悔」と「裏切り」が繰り返し繰り返し語られる。正義の味方として生きる主人公はその挫折を強いられ、萌えキャラとして構築されたはずのヒロインたちは自分に無理矢理課せられたレッテルに否を唱える。悪を為したはずの存在はその純粋さを見出される。そこに在るものは、すべては不確かだ。そこには割り切れるものなど存在しない。分類できるものは何一つない。すべて善であり悪である。

割り切りが必要なエンターテインメントの中で、ひたすらに割り切らない物語を描き続けたこの作品の評価が千差万別にになるのは、だからこそ当然のことなのだろう、と思った。

ちなみに僕は、衛宮士郎の”正義”には反吐が出るほどむかつくが(それは彼の正義が甘いからではない。彼の正義は究極的には彼以外のすべてを食いつぶす正義だからだ)、彼がそう生きざるを得なかったという事実は認めるし、その在り方そのものにはいくばくかの憐憫とやりきれなさを感じるタイプです。だからこそ、彼が自らの呪い(正義)を打ち破ろうと足掻く”桜ルート”は最高傑作であり、『Fate / stay night』は”衛宮士郎の物語”としては完璧に完結していると思う(だけど、アニメはそこまで描けるかなあ…)。

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2006.03.13

無理に読むことはないけど、気分転換には最適かと

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スイートホームスイート(1) 世界で一番要らない遺産』(佐々原史緒/ファミ通文庫)読了。

まあ面白かった。面白かったけどそれ以外に言う事はあんまり無いな。んー広島弁を喋る一つ違いの曽祖父の後妻(美少女)とか、まあなんつーか、ツンデレとかそう言う感じでオタク的にもアピールをオッケー。ドタバタで楽しいコメディで、別にケチをつけたいわけじゃないんだけど、主人公のあまりの察しの悪さに読んでいてイライラさせられる事この上ないのですが、まあこのあたりは擦れた読者のわがままと言うものでしょう。何も考えずに楽しんで読めば良いと思う。

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2006.03.12

久しぶりにゲームの話

購入報告に挙げるのを忘れていたのだけど、「I/O」を買って、クリアしました。近年流行…かどうかは知りませんが、ロミオ商法(僕の心酔するシナリオライター(主にエロゲー)である田中ロミオが企画・原案を行うことを売りとする商法。あくまでも田中ロミオは原案なので、実際に制作された作品の出来不出来は勿論作り手に左右されると言う事は言うまでも無い…がそう言うのが理解出来ないのが信者と言う存在だ)の中ではまあ面白い思える作品だったので一安心なのですが、なんとも勿体無い作品と言う印象。ちょっとエンタメとも思弁的ともいえない中途半端な感じがあった。やるならばもっと徹底的にやってくれないと。ああ勿体ないなあ。

それをクリアした後、今度は「幻想水滸伝Ⅴ」をやっています。これは僕が偏愛する「幻想水滸伝Ⅱ」と同じ香りがする作品で、非常に好感度が高い。幻水の醍醐味と言うのは、敵と味方が入り乱れて戦乱を生き抜く群像劇の面白さなんだと言う事を思い起こさせてくれます。ところでゲームを始めてから気が付いたんですが、メインキャラクターデザインが藤田香なんですね…。『悪魔のミカタ』のイラストで有名になった人ですけど、女の子もおっさんもかけるあたり実力派って感じかな。よく知らないけど。関係ないけど、主人公の妹姫があまりにもスペックが高い。萌えキャラ的に。

以上。

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オタク的価値観にはどうしようもないマッチョさがついて回る

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ランブリング・カレイド <星穹の女帝>戦』(高瀬彼方+黒鉄アクセル/ファミ通文庫)読了。

当初は「カレイドバトル」という設定のあまりにもあんまりさにのけぞったが(少女達がパートナー「彼士」の能力(知性・運動能力・美形度その他)を引き出し、魔法の如き技に変えて戦う格闘競技。ありえねえ)、しかし、読み進めていくと実に良く出来たスポ根ものであるということが分かった。実におもしれえなあ…。

とは言え、この「彼士」と言う設定のあまりに非人間的というか男にとって酷な設定なんだけど、考えてみればポケモンとかその手のカードゲームをやっていることは変わらないのだよな。ある種、そう言った男にとって都合の良すぎる(ブランド感覚でカードのやり取りする。女性の比喩?)設定のパロディ的な側面もあるのかもしれん。何気なくやっているゲームにも、そう言う思想が隠れているんだよ?みたいな。男女の役割を反転させることで、オタク文化のマッチョイズムを浮き彫りにしているような気がするので、実はかなり計算され尽くした設定なのかもしれねえなあ(でもオタクに受けは悪そうだなあ)。

まあ、内容の面白さには何の関係も無いけどね。筆が遅い事で有名な高瀬彼方が今回は原案に回り、新人の黒鉄アクセルにバトンタッチして出来上がったこの作品。当初は全然そんなことを知らなくて、読了後に確認して初めて気が付きましたよ(さすがに遅い?)。しかし、それぐらいに達者な筆致で、全然新人らしさを感じなかったという意味ではたいしたものだと思った。無論、この面白さは高瀬彼方の脚本の力も大きいかもしれないけど。

やっている事はカレイドバトルと言うなんともいえない競技に参加する事になった主人公が、ライバルとなる先輩と戦い、完膚なきまでに敗北し、そこから復活を遂げるまでのお話。意外性も無ければ独創性も無いが、しかし、お話の手続きを真面目にやれば面白くならないわけが無い!高瀬彼方の脚本力はすげーなーと思ったのはまさにこの点で、実に職人技になっていて実に見事なものだと思う。細かな部分のハイテンションや気楽に笑える部分は黒鉄アクセルの手柄かな?ポップで楽しい感じでよいねえ。

前にもどこかで書いたけど、人気作家が原案とかやり始めたら要注意だと思っていたけど、この作品はなかなかに良く出来ていたと思う。面白かった。
 
 
だがまあ、カレイドバトルの設定だけは…なんと言うか意地が悪いよなあ…。

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永遠につづくものなんて無いけど、それを認められない気持ちは否定出来ない

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永遠のフローズンチョコレート』(扇智史/ファミ通文庫)読了。

これ最強

これはつまり日常の話だ。不老不死の少女が登場して、殺人鬼の彼女がいて、それでいながらどこまでもただの日常の話でしかない。殺人者の少女はただ人を殺す。そこにはトラウマも無ければ動機も無い。殺した少女は恋人(それともただの他人?)の元へ向かう。セックスをする。学校へ行く。そしてまた殺す。殺人者の少女を前に少年は受け入れる。ただ、何も無かったかのように。何もかもを諦めながら。殺人者の少女は死なない少女と出会う。殺せない少女に出会う。二人は殺しあう。友達になる。少年と出会う。友達になる。三角関係の成立。当たり前の。そして少年は悩む。自分の現在に悩む。それはごく当たり前の悩み。側に寄り添う殺人者の少女。それを眺める死なない少女。死なない事に憧れる?それはあたかもフィクションのように。いくつも挿入されるフィクションの”かたち”。繰り返される引用。そこにはある種の真実がある。嘘っぱちの真実がある。

それはまるで日常のように。いつかは融けるフローズンチョコレート。永遠にあれかしと願いつつ、決して永遠とはなりえない日常。殺人者の少女は反抗し、”永遠”にナイフを突き立てる。日常に打ちのめされる少年。フィクションを求めて、当たり前の日常を生きる。永遠を体現した少女。彼女にとっては日常の永遠は比喩ではなくリアルな絶望。だからすべてを受け入れる。

これはそういう物語。永遠と日常を巡った一時の交錯があった。それはただの日常であり、いつかは融けおちるチョコレート。甘くも苦い、フローズンチョコレート。
 
 
そう言う話だと思う。

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僕が好きなもの

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塵骸魔京 -ファンタスティカ・オブ・ナイン-』(海法紀光/ファミ通文庫)読了。

これは大変素晴らしい塵骸魔京ですね。ゲームから何一つ足されてもいなければ引かれてもいないと言うある意味においては完璧なノベライズ。完璧すぎて小説読んでいる気がしないのが難点と言うかなんというか。脳内からBGMが自動的に流れるし、会話部分は全部音声がついているよ!(それは病気です)

まあそれは冗談(…と言う事にしよう)なんですが、それにしてもあまりにも塵骸魔京であるのこの作品は、キャラクターの造型から物語のテーマ(文化の差異を乗り越えようともがくロミオとジュリエット)からしてもすべてが僕の好きな塵骸魔京であり、何一つ不満は感じられない僕の信者っぷりを嘲笑うがいいさ!(卑屈になりすぎです)

内容自体もとても面白かったけど、正直、自分は塵骸魔京のキャラクターの活躍が読めるだけで喜んでしまう信者なので、客観的な判断は放棄してはいる。しかしまあ、あくまでもノベライズはということであって、原作を知らないと面白くは無いだろうな、とは思う。この作家の特徴なのか、あるいはゲームのテキストを意識しているのかは分からないが、会話が主体になっていて小説としてはかなり色気の欠ける文章になっているし、場面の切り替わりがやや唐突に感じられてしまうところもある。キャラクター間の感情の流れはきちんと段階を踏まえているので、違和感を感じるほどではないのだけどねえ…。ちょっと勿体無いかな。

しかし、それでもなお、人間でありながら人間を超越してしまったヒロインと、未だ人間の側に存在する主人公が、今後どのような歩み寄りを行う事が出来るのかと言う対立と和解を描く事になるのだろう展開には、どうしようもなく惹かれてしまう自分を抑える事は出来ない。やはり、僕にとっては”ディスコミュニケーションによる断絶”と言うやつに非常に拘りがあって、それを無視することが出来ない。それを直接的に間接的に、解決の困難さを保留としながらも解決に向かわせようと言う意志があること。それこそが、僕がこの作品(ゲーム)が好きな理由なのであった。
 
 
ところで、巻末を見る限り『夜刀史朗≠海法紀光』らしいけど、作品を見る限り全然そんな気がしないなあ。文章から受ける印象とかが全然変わらないんですが。別人格ということなのかね。

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昨日買ったもの

昨日は花粉症のために医者に行って来た。予想された事だが、ありえないくらいに混んでいてやたらと時間がかかった。おかげで読書がすすむことすすむこと。待ち時間だけで三冊も本を読んでしまったよ(また感想が貯まる…)。

1.『七つの黒い夢』 乙一 他 新潮社
2.『脳髄工場』 小林泰三 角川ホラー文庫

『七つの黒い夢』は、乙一 、恩田陸、北村薫、誉田哲也、西澤保彦、桜坂洋、岩井志麻子と言う何を意図して集められたのかがさっぱり分からない面子ですが、それぞれの個性が出ていて大変バラエティ豊かなアンソロジーになっています。ライトノベル読み的な観点(また適当なことを…)から言うと、桜坂洋の作品は、あの”坂崎嘉穂”が探偵役なので必読ですよ背徳志願の師匠(私信)。

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2006.03.11

正統派ゴシック冒険浪漫だなあ

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パラケルススの娘(2) 地下迷宮の王女』 『パラケルススの娘(3) 仮面舞踏会の夜』(五代ゆう/Mf文庫J)読了。

2巻を積んでいたのでまとめて読了。いやあ、五代ゆうの作品がこんなに間を置かずに読めるなんて良い時代になったものだなあ。確かに一冊の分量は減ってはいるものの(今までは原稿用紙で千枚以上とかだったしな…)、今までは3年や4年を沈黙する事なんてざらだったことを考えれば安心感が段違いですな。言うなれば、そう、借金は定期的に返済してくれた方が信頼感があるということです。…下手な比喩だな・・・。自分の文才に軽く落胆したところで(絶望した!)、内容について話題を移すことにする。

まあしかしなんだな。五代ゆうがここまであからさまにハーレム漫画的ライトノベル(…分かり難いな)を書くとはびっくりした、という第一印象を覆すのは難しいね。2巻から登場したヒロイン三人娘(あれ?クリスティーナは?)のハーレムヒロインズとしてのあまりにスペックの高さに驚愕。なんですかこのツンデレは(あと妹キャラと…えーと後の一人はなんだ。素直クール?それはさておき)。クリスティーナがあまりに萌えないヒロインであるがゆえのテコ入れなんですかねえ…。

デビュー作の『はじまりの骨の物語』から見せてくれたファンタジー真っ向勝負からは大分遠くに来てしまった印象があって、正直複雑な気持ちではあるのだが、まあ面白いことは面白い。ただ、五代ゆうという作家が本来持つ、すさまじいイメージの奔流がほとんど見られないので、当たり前に面白いライトノベル以上のものになっていないとはいえると思う。まあ、僕が作者に対して抱いている期待値が高すぎると言う事があるのかもしれなし、また、現段階は単にプロローグに過ぎず、これから物語が動き出すような予感も感じさせるので、とりあえず続きを楽しみに待つ事にしようかな。

五代ゆうは、明らかにスロースターターなタイプの作家なので、それ相応の分量を書くことで初めて真価を発揮するのだろう。まーそうするといわゆるライトノベル的な売り方(軽くて短い本を短期間に複数出版)にはあまり向いていないんじゃないかという気もしなくはないけど、そこはベテランの手腕を見せてくれるものと期待しよう。

そういえば『“骨牌使い(フォーチュン・テラー)”の鏡』が文庫化されるんだっけ。メモメモ。
 
 
あ、内容について感想を書くのを忘れてた。

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お話自体も普通に楽しんではいるんで、その辺は誤解無きよう

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ゼロの使い魔(7) <銀の降臨祭>』読了。


相変わらずやるべき事はきちんとやっているのは良いのではないかと思いました。ラブコメにしても戦記ものとしても少年の冒険ものとしても、それぞれが一定のクオリティを保ちつつ描けるというのはなかなかに器用なものだと感心した。また、相変わらず少年ジャンプ的な幼いヒロイズムを大事にしていて、少女を守って少年が戦うという古来より使いまわされた黄金律的なお約束を堂々と繰り出してくるあたり、ヤマグチノボルの図々しさ…じゃない、厚顔さ(もっと悪い)を感じさせていて、クールだった。

最近になってようやく自覚したのだが、僕はヤマグチノボルの作品そのものが好きなのではなく、作家としての姿勢(面白いものを作り出す、読者に楽しんでもらうことのためならば手段を選ばない)が好きらしい。正直、『ゼロの使い魔』シリーズは、登場人物たちの行動原理が幼すぎて僕にはあんまり(直接的な意味では)楽しめないのだけど、ヤマグチノボルのエンターテインメントの姿勢には敬服するし、エンタメに従事する中にも未熟である勇気とか、女の子のそばでドキドキする気持ちとか、そう言う細かい心理描写が光ったりするあたりもけっこう面白いと思う。

邪道読み?まーそーかも。
 
 
ところでお姫様のボンクラぶりにますます磨きがかかってきたのが大変に気になります。そんなところにもヤマグチノボルはクールだなあ、と思ったりしました(なにこのヤマグチ信者)。

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2006.03.10

怒りも悲しみも憎しみも喜びも愛も正義もすべてはただの娯楽だ

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ホワイトデー上等。』(三浦勇雄/MF文庫J)読了。

とても面白かった。前回は散々貶してしまったけれども、もともと面白いと思うし、エンターテインメントとしてはよく出来ているということは認めている作品ではあるのだ。ただ、このシリーズは作品の面白さとは全然関係が無いところで、毎回僕の感覚のどこかにすごく引っかかるものがあるために、手放しで褒め難いというところがあって、ただ、それが気に入らないかといえば必ずしもそうではないとどっちなんだよ。

今回、強く感じたのは主人公とヒロインの恋愛模様が、その悩みと苦しみが、すべて外世界人の”娯楽”として消費されているという事実であろうと思う。これはもともとの基本的な前提であり、何を今更、というところではある。しかし、主人公の熱血も努力も恋愛も、怒りも悲しみも苦しみも、それらはすべて娯楽であり、それを楽しんでいる人間が存在する。それだけではなく、より楽しみを深くするために、主人公たちを更なる困難に直面させる事さえする。そしてそれを眺めて楽しむ傍観者たちがいると言う構図だ。これはそのまま「TV」と「視聴者(傍観者)」と言い換えてもいいし、さらに言えば「読者」と「キャラクター」と言う見方も出来るような気がする。

つまり、このシリーズは熱血で根性のボーイミーツガール恋愛小説と言う内枠(番組)と、その血と汗と涙の物語を楽しむ(消費する)傍観者の無責任さ、傲慢さを描いた外枠の二重構造になっている。外枠の部分と言うのは表には出てこず、あくまでも想像することしか出来ないのだが、その想像の世界(物語の、あるいは本の外側と言う事が出来る?)は、酷く「居心地が悪く」「気持ちが悪い」。その気持ちの悪さこそが、かえってこの作品を単なる熱血ライトノベルにしていない”危うさ”のようなものを感じさせるのだ。

今後、主人公たちの人生が娯楽として消費され続けるに当たって、それを拒否するのか、それとも受け入れるのか。その選択はいつか迫られることになるのだろう。

あとは、作者がその部分を逃げずに書き切ってくれることを期待するのみだ。

(ただまあ、実は作者が”本の外側”の話に興味があるのかどうか分からないという不安があるのだが。単に天然でやっているだけかも知れず…。いや、そんなことは…でもひょっとして…)

悩みは尽きない。

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初回限定版じゃありません

とりあえずこれだけは言っておきたかった。

1.『ジンキ・エクステンド(8)』 綱島志朗 マック・ガーデン
2.『超人ロック 冬の虹(4)』 聖裕紀 少年画報社
3.『超人ロック 荒野の騎士』 聖裕紀 ビブロス
4.『撲殺天使ドクロちゃん(7)』 おかゆまさゆき 電撃文庫
5.『私立!三十三間堂学院(3)』 佐藤ケイ 電撃文庫
6.『リリアとトレイズ イクストーヴァの一番長い日(上)』 時雨沢恵一 電撃文庫
7.『ストロベリーパニック(1)』 公野櫻子 電撃文庫
8.『とらドラ!』 竹宮ゆゆこ 電撃文庫
9.『ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・つー』 新井輝 富士見ミステリー文庫
10.『さよならトロイメライ(6) 恋人のためのエチュード』 壱乗寺かるた 富士見ミステリー文庫
11.『メルニボネの皇子』 マイクル・ムアコック ハヤカワ文庫SF

とりあえず今日の買い物の中で重大極まりない出来事と言えば、それは勿論竹宮ゆゆこの『とらドラ!』…ではなく(いやこれも重要だが)、『メルニボネの皇子』の復刊(しかも井辻朱美の新訳!!)でありましょう!!まー正直安田御大の訳じゃねーと言うのは寂しいし、イラストも天野喜考じゃなくなったという点ではかなりのガッカリ感ではあるが、井辻朱美の新訳と言う事ですべてを許そう!…しかし全然関係ないが、混沌の神の名前がアリオッホかよ…。いや、悪いわけじゃないんだけど…なんか、なあ?

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2006.03.08

実は僕…ジュブナイルも大好きなんです。

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青葉くんとウチュウ・ジン(2) Xマス・スクランブル』(松野秋鳴/MF文庫J)読了。

あれ、すごく面白いじゃないですか。前回は普通のジュブナイルで普通に面白いと言う感じだったけど、今回はよりドタバタが強調されてライトノベルっぽくなったような気がする。それとも、僕がこの作品の持つ、まったりとした独特なユーモアに慣れただけなのか?まあなんにせよ、非常に楽しかった。特に、前回は全然笑えなかった漫才が、あろうことか普通に笑えてしまったので、読者としては完敗と言うしかない(別に勝ち負けの問題じゃないけど)。それだけじゃなくて、前回の良い点も健在で、主人公が意外にもまともなジュブナイル系主人公(特別な力はないが、知恵と勇気と友情(?)で困難に立ち向かう)っぽい活躍を見せるあたりは楽しいし、宇宙人がごくごく当たり前の顔で生活をしていたりするとぼけたユーモア(小林めぐみの『食卓にビールを』の感覚に似ているような)もなかなかに品がよろしいのではないかな。

うーん、こうしてみるとこの作品は相当にスペックが高いなあ…。僕の中では隠れた佳作(ジュブナイルが好きな人向け)と言う位置付けになりそうです。

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2006.03.07

カロリーが多そうだなあ…

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勇猛なるジャレグ 暗殺者ヴラド・タルトシュ』(スティーブン・ブルースト/ハヤカワ文庫FT)読了。

とても面白かった。建国より20万年とかいうすさまじいスケールの歴史を誇るドラゲイラ族の帝国が舞台という設定だけでもつまらなくなるはずが無いと思えるが、小道具の一つ一つが”異世界”を際立たせる役目は果たしていて大変にけっこうけっこう。僕のファンタジー好きな部分を心ゆくまで刺激してくれた。いわゆる「ゲーム的」ではない西洋ファンタジーでありながらハードボイルドでもあると言う贅沢っぷりに痺れた。

とにかく、ドラゲイラ族という人間に良く似ていながら寿命が20倍以上と言う独特な種族の生活や風俗が、読みす進めていくうちにだんだんと分かってくるのが良いねえ。広がりのある魅力的な世界に魅力的な人物、一筋縄ではいかない依頼人に、狡猾な犯人と、ひたすらに完璧だ!

僕の二大好物(ファンタジーとハードボイルド)の融合した極めて満足度の高い一冊でした。

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とりあえずかもされております

石川雅之の天下がやってきたのだろーか。まだ早いか。

1.『カタリベ』 石川雅之 リイド社
2.『流れ星が消えないうちに』 橋本紡 新潮社
3.『厭魅(まじもの)の如き憑くもの』 三津田信三 原書房

『カタリベ』における自発的に行動を起こすと必ず事態を悪化させる空回り+逆噴射+不幸の見本市みたいな主人公には驚かされたのだが、それはそれとして南北朝時代における倭寇たちの時代を描いたこの作品はなんと言うか素晴らしい。基本的には史実に則っているものの、随所に溢れ出る幻想が不思議な印象を残す。どこか宮崎駿的な、神話的な印象さえ与えられる作品だ。もうベタ褒め。……で、続きは出るの?
あと橋本紡の本は、出ていると言う話は聞いていたのに見つからなかったのだが、なんと女性作家の棚にあった。…そ、そうなのか?

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2006.03.06

気が付いたこと

アニメ版「Fate/stay night」を眺めていて気が付いたこと。

衛宮家には赤薔薇姉妹がいる…(力関係は逆転しているが)。

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作者の職人技をひたすらに堪能した

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メフィストの魔弾 愛の毒薬』(嬉野秋彦/カッパノベルズedg)読了。

基本的に殺し屋で感情の動かない主人公が殺って犯る話なんだけど、内面は冷酷なわりに行動だけを取ってみると人間らしい行動をしていたりする主人公の表現がなかなかにハードボイルドであり、かつクールで格好良い。こういう抑制の効いた表現は、この手のバイオレンス伝奇としてはやや珍しいのでなんだか新鮮な感じがする。また、ヒロインと言うのか相方と言うのかパートナーと言うのかが良く分からない女悪魔も、単に淫乱と言うだけでなく人間らしい感情をあらわにしたりするところがあるのだけど、嫉妬するにせよ行動と表現に抑制が効いており、あからさまな”萌え”には向かわせないところに作者の美学のようなものが感じられたのも良かった。全体を読んでも引っかかる部分も無く、ただただ快楽主義的な作品に仕上げた作者の職人魂には感心させられた。

読んでいて楽しいし退屈しないので、暇つぶしには最適と言える。いわゆる傑作とも佳作と言う言葉にも縁がないタイプではあるけど、こう言う作品も世の中には必要だと思う。

いわゆるプロの仕事だね。

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もがいてももがいても出口は見えぬ

とかなんとか言ってみた。こんな事を書いている時点でダメダメだと思う。

1.『スティール・ボール・ラン(7)』 荒木飛呂彦 集英社
2.『アイシールド21(18)』 原作:稲垣理一郎 漫画:村田雄介
3.『Y十M 柳生忍法帖(3)』 原作:山田風太郎 漫画;せがわまさき
4.『ゾンビ屋れい子(7) カーミラ編(下)』 三家本礼 ぶんか社

スティール・ポール・ランが面白い。往年の荒木節を思わせるスタイリッシュで熱い展開が目白押しだ。しかし、その後にゾンビ屋れい子を読むとやはり時の流れを感じてしまう。過剰にやり過ぎてかえってギャグになってしまうほどのドロドロとした情念は、やはり今の荒木飛呂彦には無いものだと思った。いや、今の荒木飛呂彦も無類に面白いのだけどね。

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2006.03.05

高校野球には興味は無いけれど

駒大苫小牧の事件を漠然と眺めていて非常に厭な気持ちになったので一言。

実際に補導されたのが3年生だったのに、何で野球部全体に罰が与えられるのかが全然分からない。補導された部員だけでよいと思うのだが。まさか連帯責任?んなアホな。

罪と罰は厳密に適用されてこそ意味があるのになあ。

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恋愛とは飛躍するもの

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殺×愛2-きるらぶTWO』(風見周/富士見ファンタジア文庫)読了。

恋愛=世界の救済という部分は、今更ではあるが作者が何を意図しているのかが良くわからない。おそらくは、”彼女”に殺されることを目的にしている主人公が、同じくらいに重要視している「当たり前の学園生活」を守ると言う部分から察するに、「卒業」するという行為への否認が根底にあり、”彼女”と言うのはすべてを終わらせてくれるデウス・エクス・マキナでしかないのかもしれない、と思うのだが、そこに殺されるための”恋愛”と言う部分が関わってくると僕には理解不能になる。物語自体は極めてシンプルで分かり易いのだが、主人公の根本的な動機が理解出来ないのだ。咲夜に殺されたくない理由ってなんだ?彼女との恋を紛い物にしたがる意図は?”彼女”に殺されると言う事がどのような意味を持つのか?

…わからん(思考放棄)。そもそも僕は”恋と世界”の話は苦手なのだ。そう言う事はもっと頭の良い人に任せるとしよう。ともあれ、主人公の動機がわからないなりに、彼の行動を追うこと自体はそれなりに面白いのでしばらくは読み続けるつもりである(でも、これは僕に必要な小説ではないような気もして来た…)。

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物語はシンプルをもって良しとする…かも

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黄昏の刻(4) 漆黒の戦慄』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)読了。

この兄妹は前々から怪しいなあとは思っていたが、ついに一線を越えやがったっ!いや、厳密にはまだ越えていないのかもしれないが(なんだそりゃ)、とにかくこの兄妹はぶっちゃけ過ぎ。暴走しすぎ。妹の暴走は前々からだが今回は兄貴が暴走しておりまして、念動で相手を抑えつけて無理矢理って(誤解を招く表現…でも無いか)…。富士見ファンタジア文庫は無法地帯かっ!

とりあえずそっちに気を取られてしまいがちではあるが、物語もいよいよ佳境に差し掛かり、黒幕の恐るべき陰謀が少しづつ明らかになり、それに気が付いた人間たちが必死に抗おうとするも事態は次々と絶望的な様相を向かえていく。強大な力を持ちながらも生と死の狭間で苦しむ銀嶺もついには…という、ある意味「分かっちゃいるのにハラハラドキドキ」な物語がたまらない。お約束と言わば言え。僕はこう言う物語が大好きであり、大変に楽しむ事が出来ました。まる。

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2006.03.04

どう考えてもアクションよりも人間模様を眺めている方が面白い

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煉獄のエスクード(3) RHYTHM RED BEAT BLACK』(貴子潤一郎/富士見ファンタジア文庫)読了。

新しく登場したヒロインが眼鏡で気弱なドジっ子でありながら高慢で強気でツインテールのツンデレだとっ!?そのすさまじい属性のつけ方には驚愕と同時に作者に何があったのか心配でならない。だが、考えて見れば、もともとこの作家は幼女とか戦う怖くて(エロくて)格好良いお姉さんが好きなので(断言)、その延長線上と考えれば納得できないでもないか。作者の守備範囲の広さには同じ男として賛嘆の念を禁じえない。

そんなことはどうでも良く。内容については相変わらず面白かった。この作者の資質として興味深いところは、本来主人公たちに倒されるだけの存在である魔族たちに、非常に深い愛着を感じているように思えるところである。魔族たちは人間など踏みにじるだけの存在としてしか考えておらず、やっている事も残酷無惨極まりないのだが、魔族それぞれに個性が豊か、行動が愉快すぎてたまらない。特にヴァルデリーがなんかかわいい。なにこの純情淫乱(危険だけどな)。真澄とのコンビ(と言って良いものか…)も主人公コンビに負けず劣らずに上手くはまっているしなあ。アルフェルム(すっかりただの変な人になっている…。登場当初の変態冷酷貴族ぶりはどこに行った)に対して芽生え始めた忠義心を持て余す真澄の動向とか、色々な意味でも目が離せません。主人公サイドに負けず劣らずに繰り広げられる魔族側の人間(?)模様に注目しつつ、次巻以降も大期待だ!

ところでレイニーさんの本格的な本編復帰はまだなんでしょうか…?

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むしろ龍華仙人が主人公

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最後の宝貝 宝仙娘娘追宝録・奮闘編(5)』(ろくごまるに/富士見ファンタジア文庫)読了。

雑誌掲載されたものがほとんどであるので作者が完全に執筆に復帰したのかと言う点には疑問は残るものの、何はともあれ短編集が発売された事はまことに重畳である。そのうち奮闘編にまとまると思って雑誌をチェックしていなかったために数年来読むことが出来なかった作品が今ここに…と言うほど劇的ではないくらいにいつも通りの宝仙娘娘追宝録っすね。やっている事が本当に本編と変わらない…。

以下各話感想

「龍華陶芸に凝り、またしても護玄心労す」
仙界の話と言うのは結構珍しい気がするのだが、龍華仙人の活躍が見られるというのは嬉しい限りだ。しかし、タイトルにもあるとおり、龍華がなんか新しい事をやって護玄が胃を痛める(比喩的表現)と言うのはあまりにも完璧な展開であり、なんだか楽しいなあ。名前だけは出ていた湯飲みの宝具の誕生秘話(誇大表現)と言ったところで、さらに理渦や流麗まで登場させつつキャラも立ちまくっていて贅沢な短編だなあと思った(オチは無い)。

「秋雷鬼憚」
殷雷を失い心を凍てつかせた「氷の和穂」のお話。つーか、この作者は本当に平行世界とか時間跳躍とか好きだね…。これでメタまで使いこなしたら(いつかやりそうな気もする…)立派なSF作家ですね。冷酷無比でありながら心の奥底には本来の優しさを秘めた和穂が格好ええのう。しかし宝具が思い出せん…(多分、剣は愚断剣。指輪は名前は忘れたけどあれだし、時間を跳躍の宝具もあった。でも手袋ってなんだっけ?)。

「仙客万来」
面白いなあ…。宝具制作を工房に篭って一人いそしむ龍華仙人の下に、罪を犯したとされる護玄を探して色々な立場の人間が訪れてくる。本当にただそれだけの話なんだもんなあ…。龍華は一歩も動かないし、ひたすらべらべら喋っているだけ。最後にひっくり返す当たりもいかにも作者らしい。

「雷たちの大饗宴」
あれ?どっかで見たことのある始まりだぞ?と思ったら「雷たちの饗宴」の続きですか。いやもうこれがまた平行世界と閉鎖空間を利用したミステリになっているのだから恐ろしい。少しずつキャラクターの異なる平行世界の殷雷と和穂たちを見るのも面白いが、あっと驚く(無理矢理な)解決方法には脱力感が満載でよかった(実は解決方法を理解するまで3回ぐらい読み返したのは内緒だ)(書いておいて何を言ってやがる)。

「最後の宝貝」
衝撃的な始まりからして驚愕ですが、途中の展開からして現実と幻覚の境界線が曖昧になる崩壊感が大変に素晴らしかった。なんか支離滅裂というか無茶苦茶というかそれまでの伏線すらすべて意味が無くなるという限りなく禁じ手に近いような気もするが面白いから許します(偉そう)。全然違うけど、なんかディックを連想してしまったよ。

「きつね狩り」
なんか龍華仙人、性格変わりました?なんか女らしくなっているような(キャラ云々言う事にどれほど意味があるのかは分からんが)。しかし、まるでジョジョの奇妙な冒険を思わせる心理戦と駆け引きに満ち満ちた娯楽作品だなあ。十重二十重に罠を張り巡らしながらかなめの部分は臨機応変と言う龍華の繊細かつ大胆不敵な性格が表れている。格好ええ~。この作者が、こんなにまともに面白いエンターテインメントも書けたんですね…(失礼だな、君ぃ!)

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2006.03.03

花粉症のおかげで目も鼻も喉も頭も酷い

(ねえねえ、それって本当に花粉症なの?)(馬鹿、そーゆーことは聞くな)。

どこからか声がするけど気にしない~(危ねえ…)。

1.『盤上の四重奏~ガールズレビュー~』 友桐夏 コバルト文庫

まさかガールズレビューの続編が出るとは意外というかなんと言うか。とにかく有難い事です。すぐに読む予定。

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2006.03.02

置いて行かれるのは本当に堪えるよな…

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二〇〇二年のスロウ・ボート』(古川日出男/文芸春秋)読了。

村上春樹の原作を読んでいないので(先に読もうと思っていたんだけどなあ)トリビュートしての評価は出来ないのだけど、この作品は明らかに古川日出男作品以外の何者でもないと思う。東京を脱出することを目的とする主人公が、幾度にも試みを繰り返すもののそのすべてに失敗していく(そしてともに歩むはずの女性達においていかれる)様を繰り返し描いているのだけど、そこには”越境の欲求”と言うよりもどこまでも深い深い”挫折”と”孤独”を感じないではいられない。それでもなお東京からの脱出を求めると言うのはどういう事なのか、と考えてみると、それはここではないどこかへの憧れであり、あるいは自分と世界との和解するための方策の一つなのかなあ、と思わないでもない。要するに、人はそれぞれの手段で現実との折り合いをつけていかなければならないわけだが、この主人公は妥協するのではなく、徹底的に現実と戦おうとする姿勢がある。おそらくは、これからも何度となく挫折して孤独を味わい続けていくのだろうが、(例えそれが現実から目をそむけようとする行為だったとしても)挑戦を続けようという雄々しさの闘争的な部分が極めて古川日出男っぽいなあ、と思った。このあたりがけっこう面白かったのだけど、村上春樹との考え方がどのように異なるのかが気になって、原作がすごく読みたくなったと言う意味ではトリビュート作品ととしても素晴らしいと言えるのかもしれないなあ。あとキャラ萌え的な視点から言わせてもらうと包丁ガールが大変に素晴らしかった。闘争的でしかもガール。最高っす。

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2006.03.01

内容をまったく反映してない表紙だなあ

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ガジェット・ポップ ~蒸気帝国騒動記~』(川崎康宏/GA文庫)読了。

まあなんつーの?この小説に関してだけは内容を語ることに意義があるのかどうかははなはだ疑問であって、そもそも何を語ることがあるのかという気もする。ひたすら「ありえねえ~…」と言う脱力しきった不条理感が満載で、話の筋らしい筋もないのだけど、まあ一応はスチームパンク的な世界で、家出をした帝国王女と無理矢理近衛兵にされてしまった愚連隊の珍道中と言う言い方も出来ないわけではない。だがそれだけでは全然足りない要素が一杯あって、それらをどのように語れば良いのかがさっぱり分からない。近衛に抜擢されたことで舞い上がってしまった隊長が誇大妄想狂的な行動力を発揮してそこら中に迷惑を駆け回ったり、それを追う本当の近衛たちがどんどん酷い目にあっていったり、司直の目をくらますために誘拐事件をでっち上げようとした本当に王女が誘拐されたり大混乱の最中にあって大砲を撃つ事しか興味の無い部下Aに、あらゆるツッコミを無効にされる部下Bとかなにか真面目に感想を書こうとするのがバカバカしくなって来たが、だからと言って本当に不条理小説と言うわけではなくとぼけた感じのユーモアとライトノベル的に過剰に立ちまくったキャラクター小説でもあるというバランスがよい。とりあえずひたすらに面白いのでとりあえずみんな読もう。考えるな、感じるんだ!

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書き忘れ

買ったものの書き忘れ。

1.『The MANZAI(2)』 あさのあつこ ピュアフル文庫
2.『円環少女 (2) 煉獄の虚神(上)』 長谷敏司 角川スニーカー文庫

最近のあさのあつこの仕事量は一体どうしたことだ。全部が書き下ろしじゃないにせよ、漫画になったりして大活躍だなあ。後はアニメ化かな(無理か)。

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