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2006.03.06

作者の職人技をひたすらに堪能した

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メフィストの魔弾 愛の毒薬』(嬉野秋彦/カッパノベルズedg)読了。

基本的に殺し屋で感情の動かない主人公が殺って犯る話なんだけど、内面は冷酷なわりに行動だけを取ってみると人間らしい行動をしていたりする主人公の表現がなかなかにハードボイルドであり、かつクールで格好良い。こういう抑制の効いた表現は、この手のバイオレンス伝奇としてはやや珍しいのでなんだか新鮮な感じがする。また、ヒロインと言うのか相方と言うのかパートナーと言うのかが良く分からない女悪魔も、単に淫乱と言うだけでなく人間らしい感情をあらわにしたりするところがあるのだけど、嫉妬するにせよ行動と表現に抑制が効いており、あからさまな”萌え”には向かわせないところに作者の美学のようなものが感じられたのも良かった。全体を読んでも引っかかる部分も無く、ただただ快楽主義的な作品に仕上げた作者の職人魂には感心させられた。

読んでいて楽しいし退屈しないので、暇つぶしには最適と言える。いわゆる傑作とも佳作と言う言葉にも縁がないタイプではあるけど、こう言う作品も世の中には必要だと思う。

いわゆるプロの仕事だね。

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