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2006.02.01

エンターテインメントとしては明らかにバランスを欠いた狂熱こそが最大の魅力

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シャングリ・ラ』(池上永一/角川書店)読了。

あまりも泥臭く、あまりにも精緻で、あまりにも大胆なエンターテインメント巨編と言うしかない。池上永一を読むのは初めてなんですが、これが実に泥臭い、あるいはお約束に忠実でありながら、要所要所で噴出してくる異様なエネルギーには圧倒されてしまった。これは並大抵の作家ではない。良くも悪くもまともではない。大体資本主義に変わる新たな経済として炭素経済なんてものを発明してしまったあたりですでに気が狂っているが(この経済の妥当性については保留。というか良く分からん)、水蛭子が出てきたあたりからなんだかまともなエンターテインメントを踏み外し、ついには超巨大積層都市アトラス建設の真実が明らかにされたあたりではもはや呆然自失で開いた口が塞がらないアホ展開(超褒めています)であり、作者のシグルイぶりが伺えます。こんなわけの分からない作品を書いてしまう作者の脳味噌には真剣に心配になりますが、とにかく死ぬほど面白いので読んでみれ。もう心底アホですから(くどいようですが褒めています)。

補足
当初は「自然の脅威」とか「人間の愚かさ」みたいなまるで宮崎駿のふりをしていますが、みんな騙されるな!この小説はそんな作品じゃねー。そんなあまっちょろいもんじゃねー。大自然の脅威なんかミサイル100発ぶち込んで一掃ですよ。人間の愚かさ?そんなもんブーメランで戦車をぶった切る女子高生と最強のニューハーフと母性本能の豊かなサディスト女と天然自然の超天才が揃って全部粉砕してくれます。なんですかこのゴジラどもは。

補足2
この作品にただ一つの難点があるとすれば、ニュータイプに連載していた当初はあった吉田健一氏のイラストが付いていないというところだ。ありえねーガッテム!本人のHPで見れるのでリンクしておく。

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すごいよすごいよすごいよっすごいよの一億光年倍だよ!(By豊崎由美)私も声を大にして叫びたいです。すごいよすごいよすごいよっ!すごいよの一億光年倍だよ!池上永一のインタビューが「SFが読みたい!(2006年版)」に掲載されてたので,その感想と併せて書きます。池...... [続きを読む]

受信: 2006.02.27 23:13

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