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2006.02.28

くそったれな現実から逃げたところでくそったれな楽園があるだけ

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ぼくと魔女式アポカリプス』(水瀬葉月/電撃文庫)読了。

何の気なしに読んでみた今作だが、予想外に面白くてビックリした。なぜ僕が面白いと思えたのかについては実は明確に理由がある。それは普通であることへの嫌悪感とそこから逃れようという足掻き、非日常への憧れと言う主人公の動機が僕にとっては非常に近しいものであると言うことだ。何より非日常への憧れをもった主人公が、非日常に遭遇した瞬間にそれまでの日常が崩壊し、失った日常の尊さに気付くもすべては失われてしまうと言う意地悪な展開もまた僕の趣味にぴったりだった。結局、非日常への憧れと言うのは現状に対する不満の表れでしかなくて、日常から非日常に移行したとしても、そこではかつて非日常と呼ばれた新たな日常があるだけに過ぎない。結局、現状への不満は常に付きまとい、主人公の地獄はどこにも行ってもついて回る。否、一度逃げ出した場所は、より更なる地獄が生まれていくのである。

どこにも行けないという閉塞感と読者が望む方向を常に裏切る負のカタルシスもなんだか病みつきになる面白さがある。完全に個人的趣味の世界なのであんまりオススメはしないけど、現実からの逃避とその失墜と言うテーマに興味のある人なら読んでも損は無いのではないかと思った。

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受信: 2006.03.04 14:06

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