« なんだこの胸の中のもやもやは… | トップページ | はーまったりまったり »

2006.02.23

生きる事は受け入れる事に通じる

4840233063
半分の月がのぼる空(6)』 (橋本紡/電撃文庫)読了。

橋本紡ってこんなに小説が(あと文章が)上手かったのか!とある意味大変失礼なことに驚愕した。一瞬一瞬の現在を懸命に行き続けるヒロインと彼女を守り続ける事を誓った主人公が、苦難を乗り越えお互いの手を取り合ったクライマックスからの”その後”の話なんですが、普通はこんなの蛇足にしかならない展開なのに、橋本紡が書くと何でこんなに説得力を持つのか、という事を考えてみると、多分それは物語の作劇術を越えて、その日その日の一瞬を生き続ける事は不断の戦いであり、それはその命を終えるまで途切れる事無く続くのだという事をごく自然描いているためではないかと思う。そう遠くない近い未来で出会うすべての終わりに向けて、主人公はいろいろなものを喪失し、取り残されながらもすべてを受け入れて、選択した。その選択の結果を見せつけられながら、それでもなお生きていくというこの作品は、確かに”その後”の物語が無ければ決して閉じることは許されない作品であると思った。そこには単に”感動的”なだけではない”苦さ”がある。決して心地よいものではない。だが僕はその苦さが非常に大切なことと思えるのだ。

|

« なんだこの胸の中のもやもやは… | トップページ | はーまったりまったり »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/8605699

この記事へのトラックバック一覧です: 生きる事は受け入れる事に通じる:

« なんだこの胸の中のもやもやは… | トップページ | はーまったりまったり »